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ツーリズムは,町おこし
「ツーリズムは,町おこし」と仮定した場合に,地域で面展開でツーリズムを行っていくと,
自然資源は当然人が入るので荒れてきます。その対策として,リハビリテーション地域,
若しくはリハビリテーションエリアと言われている方法があります。その地域に仮にAとBという山があった場合,
3年間くらいはAという山ばかりを使います。次の3年間はBという山を使います。その間,Aという山は休ませます。
休ませる地域を作ることをリハビリテーション地域と呼び順番に使っていくわけです。
絶えず,使っている所と,復旧のため休んでいる所を作りながらツーリズムを展開していきます。
今までのツーリズムは,ほとんどの場合が一斉に全カ地域で展開されています。そのために,
「やれ自然が,エコが,環境が」という話に発展していきました。このリハビリテーション地域という考え方で行っていけば,
比較的地域資源の荒れ方も少ないと思います。
次に人的資源です。わかりやすく言いますとインストラクターです。インストラクターは,
これだけで食べていける大きな収入には結びつきません。地域資源は荒れるは,格別収入はあるわけではないという中で,
それでもツーリズムに取り組むのは,一体どのような期待があるのでしょう。
ツーリズム推進の5カ条
ツーリズムを展開する上での気をつけたい5カ条ともいうべきものがございます。
まず一つ目は,「目標を定める」ことです。「何を達成するためにツーリズムを始めるのですか。
経済波及効果ですか」ということです。これに関連しまして,よく言われていることですが,
「地域の農産物が地域循環していない」という問題があります。耕作放棄地が増えてきていますが,
農家の方は売れるなら農作物を育てて収入に代えていきたいと考えます。農家レストランをされている方の収入は,
年間50〜60万円かもしれませんが,その地域にとりましては,地域の方が栽培された農作物がその地域の
農家レストランに起用されれば,地域全体に落ちる経済波及効果が見込めるのです。
こういう考え方でツーリズムを行うのですという「目標」です。
二つ目は,「コンサルの使い方を間違えない」ようにしましょう。地域資源を一番良く知っているのは,
そこに住んでいる住民の方です。住民の方が知らない間にコンサルの方が年に数回来て調査をして,
知らない間に帰られていて綺麗な報告書にまとまっている,というのでは違和感があります。
ツーリズムを展開される場合には,すべてをコンサル任せにしないで,
必ず地域の住民の方が持っている知識の棚卸しのようなことも考えましょう。
三つ目は,「しくみを作る」ことです。住民の方は,「事務的機能」を見落としがちです。事務局の仕事が苦手なのです。
これは地域ですと役場の方など行政機関の方が上手です。皆さんで事務局機能とはどういうものかを知って,
恒常的にツーリズムを運営していけるしくみを作りましょうということです。
四つ目は,「軌道に乗るには最低3年はかかります」ということです。
よく単年度で素晴らしい成果を挙げたいという話が多いのですが,1年目で調査やしくみ作りを行い,
2年目でそれらの試行や実験を行います。そして3年目で実稼働化へと移行していくのです。
五つ目は,「守るべきものを守りながら進める」ということです。先程のリハビリテーション地域もそうなのですが,
国頭村でも異なる目的をもつ民間事業者の方に興味を持たれながら事業を進めてきました。
最近はエコツーリズムなどの報告書が出来上がりますと,聞いた話ですが,心無い事業者の方が報告書を入手され,
その報告書に書かれている所を歩いて調査をされて,密猟や大規模な開発計画に発展してしまうというケースがあるそうです。
ですから,すべてをさらけ出せばいいというものではない,ということを考えながら進めていただきたいと思います。
私たちも国頭村の事業調査報告書の一部は,事業主の旧運輸省観光部と国頭村役場で保管して,
目的に応じて配布する形を取りました。一般に配る報告書には,この部分は除くということを今回は行っております。
国頭村のケース
先程から国頭村の話をさせていただいてまいりましたが,実際にどのようなことをやったのか,
ということをお話させていただきます。
非公式,公式問わず,行政や有志の皆さんの勉強会によく呼んでいただきますが,リクエストNo.1がこの国頭村の話なのです。
今日は事例として国頭村を選ばせていただきました。弊社も多くのことを国頭村の皆さんに教えていただいた印象深い事業でした。
この事業は,旧国土庁の地域活性化推進費で行われました。事務局は,旧運輸省観光部観光地域振興課です。
それを日本観光協会が事業主体となり,リクルートが受託させていただきました。
事業名は,「中山間地域における観光交流促進のための自然活用方策に関する調査」と言います。
資料3(省略)をご覧下さい。このフローチャートの流れで実施しました。
ここで工夫しましたのは,調べて,作って,学んでから,実験して,検証し,しくみづくりを行うという流れの中の,
「調べる」という部分で既往調査をふんだんに有効に活用いたしました。
大切な事業費ですので,すでにある調査を新たに行うという無駄を省いて,既往調査を存分に活用いたしました。
無いものだけを調査したのです。「村民意識調査」では,国頭村の全世帯2,300世帯にアンケートを配布しました。
住民の皆さんを中心にして,ツーリズムのメニューを作り,学んでからモニターツアーをするという形式です。
国頭村は,今まで局部的な方しかこのようなツーリズムの受入れを経験したことがございませんでしたので,
一般の村民の方が受入れ側になられるという事業を目指しました。極端な話ですが,村外から来られた人が,
突然一般の主婦の方などの前に立って質問されたとき,気持ちよく対応できると思える状況ではありませんでしたので,
きちんと学んでからモニターツアーをするという方式を採りました。
現在は,3月末に事業が終わり,役場と実行委員会がそのまま協議会設立の準備メンバーとなりまして,
協議会を設立すべく準備の打ち合わせを進めております。当初は夏までには協議会を立ち上がるとお聞きしましたが,
役場に聞きましたら今年度中を目処に立ち上げられるそうです。だんだん後ろにずれてはきてはいるのですが,
単年度のモデル事業です。単年で終わりがちな中,地域で更にその上に発展させていこうという動きは素晴らしいと思います。
1) ツーリズムにおける住民の位置
住民が関わらないツーリズムは無い,と常々思っております。先程お話しましたが,初めて国頭村に説明に行った時に,
コンサルへの強い不満がありました。「自分たちは今までヒアリングだとか有識者だとか呼ばれてきたけれども,
終わった結果を一度も聞いたことが無い」ということを強烈に言われたのです。そこで,ワークショップを行って,
少し進むたびに,どのような状況であるのかということを住民の皆さんに説明しながら進めるようにしました。
住民の皆さんへの説明資料の表紙も分かりやすく色分けしました。なぜ色を分けたのかといいますと,
16歳から八十歳代までの方がこの事業に関わられました。
例えば「やんばるツーリズム大学オープンカレッジについてご報告します」と言ったときに,
皆さんが資料を探すのに大変なのです。それで,「ピンクの表紙の資料を持って下さい」とか,
「次は黄色の資料にいきますよ」というようにわかりやすくするよう工夫しました。資料を5分冊にして,
その5冊の表紙を色分けして,更に表紙にイラストを付けました。最終的に報告書になるときには,
この5分冊にいろいろなものが入りまして,1冊にまとめられます。
このように村民の皆さんにフィードバックをしながら進めてまいりました。
「学ぶ」というところで気になったことがあります。役割分担を皆で決めようとしたときです。
私と目が合いますと,皆さん「できません,できません」とすぐにおっしゃるのです。
「では,一緒にしましょう」と言いましても,「できません」と,何か言う前からノーの返事がかえってきました。
最後は私と目を合わせないようにされてしまいました。
「そうではないのですよ。できないのではなくて,知らないだけなのですよ」と言い続けて,
後で触れますツーリズム大学という学ぶ機会を作ってからは,逆に皆さんが積極的になられました。
私の方が皆さんから指示を頂いていました。住民の皆さんが中心になって進めていかれるようになりました。
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