債務整理ー特定調停ー

特定調停で債務者にとってはもっとも大きな武器となるのが『利息制限法』です。これ無しで特定調停は語れません。
債務整理手続き選択の判断にも役立つので、自己破産民事再生を考えている方も是非お読みください。
●利息制限法の引き直し●

       特定調停で力を発揮するのが『利息制限法での引き直し』です。

よくある例で話を進めましょう。
前提として、「50万円の借金を利息年29%で借りている」とします。

まず、『利息制限法』という法律では、この額では年18%を超える部分の利息は無効としています。しかし、多くの消費者金融の契約利息はというと、年25〜29%となっています・・・???これは、『出資法』と呼ばれる法律では、「年29.2%以上の利息の約束をしたり受け取った場合は懲役もしくは罰金を科す」となっているからです。つまり、『利息制限法』では無効だけど『出資法』の罰則にふれないグレーゾーンで契約をしているのです。消費者金融側としては、罪にはならず、債務者が利息制限法を引き合いに出さないで利息を払ってくれれば言うことなしという利息なのです。 だから、債務者の方は『利息制限法』を武器にすればいいのです!
 方法は、いままで50万円の元金に対して、29%の利息を払っていたものを、利息18%だったとして再計算してみるのです。すると、11%分余計に払っていたことになります。そして、その余計分は利息ではなく、元金の返済をしたとすればいいのです(この主張は判例でも認められています)。この手法により、左の図のように一回の返済で元本分の支払にあてた額が増え、長年借り入れと返済を繰り返している場合、借金が半分やゼロになったりすることがあるのです。これで、利息のために返しても返しても減らなかった借金が減らせるのです。

●過払い返還●
  利息制限法での再計算をすると借金が減りますが、消費者金融との付き合いがそれ以上に長いと、元金がなくなっているどころか払いすぎているときがあります。これを『過払い』といいます。そして、当然この過払いのお金は、債権者が不当利得をしていることになるので、返してもらうことができます。過払い返還請求は訴訟手続きなどでやることになります。
 利息制限法の引き直しは特定調停の時に特に有効ですが、この過払いは自己破産のときでも請求するべきでしょう。自己破産の場合支払義務がなくなるので、借金の額が再計算により減っても意味がないのですが、過払いの場合は別なのです。破産申立前に過払い請求で、払い過ぎたお金を取り戻せれば、破産の申立費用や弁護士などの専門家依頼のための費用にまわせますし、他の債権者の配当にまわすべきお金でもあるからです。一部の債権者不公平な利益取得を許すべきではないので、自己破産申立の場合でも請求するべきでしょう。
●取引経過の開示●
 利息制限法の再計算も、これまでの取引経過がわからなければできません。また、自己破産、特定調停、民事再生のどの手続きを選択するのかも、利息制限法に引き直した借金の額がわからなければ判断しづらいところです。しかし、これまでの領収書など、取引の経過がわかるのもを全て保管している債務者まめったにいません。そこで、債権者に取引経過を開示してもらう必要があります。
 取引経過を開示すると借金が減り、場合によっては過払いとして返還請求をされることがわかっている消費者金融は、取引経過の開示を請求したからといって簡単にそれに従わないのは想像に易いところでしょう。あれこれと理由をつけて抵抗することがあります。しかし、判例や貸金業のためのガイドラインによって「取引経過の開示義務が消費者金融にはある」ということになっています。取引経過の開示をしないときは、内容証明での請求や、行政指導、訴訟・特定調停での文書提出命令などによって対抗します。
 



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