中世・ルネサンス

新婚旅行でローマとフィレンツェ、パリを訪れた。ミケランジェロたちルネサンスの天才の作品であるバチカンの諸建築、諸美術作品の裏面にルターの宗教改革があったということを実感した。「ルネサンスと宗教改革」と併記されるが、この特筆すべき歴史的事件のコインの表裏のような関係について、明確に意識したことがなかった。

地元の合唱団に属して、グレゴリオ聖歌やラッスス、ビクトリアなどの作品を歌ったことがある。吉田秀和氏の「LP300選」(新潮文庫、絶版?)などにもあるが、この時代の音楽的豊穣さは目(耳)を見張るものがある。特にフランドル(オランダ、ベルギー、フランス)。我らがベートーヴェンも言うなれば、彼らのはるかなる後世の後継者ではなかろうか!?

ザ・タリス・スコラーズの素晴らしいコーラスについて何をか言わんや。合唱音楽の極致であろう。イギリスという国は、いろんな意味で持続力がある!

ただし、欧州音楽を演奏(歌唱)し、聴く上で、懐疑の念に最も囚われるのはこれら宗教曲である。無宗教の現代日本人たる自分が、宗教的に十分な敬虔さを持ち合わせずして、無自覚的にこれらの音楽に触れるというのは、あまりにも「日本人的」ではないかと。いいものはいいというような素朴さは、傲慢なのではないか?と思いつつ以下にリストアップ。

だが、ア・カペラの洗練された純音響的な素晴らしさを感得できるのは、やはり人間の本性に根ざしたものではないかとも思い直す。

2000.05.05掲載。05.08補足。


☆グレゴリオ聖歌集 17CD-20 (クレルヴォーの)聖モーリス及び聖モール修道院ベネディクト派修道士聖歌隊

珍しいルクセンブルクの団体。ベネルクスとか言っても、ルクセンブルクの団体がクラシック音楽関係で登場することは稀有。その意味でも貴重?有名曲を収録。ただし、オルガンや鐘の音が収録される。

☆グレゴリアン・チャント TOCE-8374 シロス修道院合唱団

1993年ごろだったか、世界的にヒットしたグレゴリオ聖歌の日本発売盤。ヒーリング(癒し)音楽なるものの元祖?!スペインの修道院と言えば、映画の佳作「汚れなき悪戯」を思い起こさせる。

☆Musique sacree a Notre-Dame de Paris Chant gregorien et polyphonies MS001

新婚旅行のパリノートルダムでお土産として購入したもの。ビクトリアの作品や現代曲なども収録。オルガニストに名を連ねるPhilippe Lefebvreなる人物は、ピアニストのルフェーブルと関係ありや?

☆ジョスカン・デプレ  ミサ・パンジェ・リングァ ミサ・ラソファレミ CDGIM009 ザ・タリス・スコラーズ

ジョスカンの最高傑作とされるミサ曲。2003.10.01購入

ジョスカンの曲は、何とも言えない浮遊感がある。ラソファレミはあまりよくわからないが、パンジェ・リングァはすばらしく美しい。

☆クリスマスのキャロルとモテット集 CDGIM010 ザ・タリス・スコラーズ

ジョスカンやビクトリアのアヴェマリアが素晴らしい。ビクトリア(スペイン語ではVictoriaの Vi はbi の発音)の四声のアヴェマリアは、彼の真作かどうか疑いがあるそうだが、佳品。かつて所属していた、須坂混声合唱団コーラルソサエティーの定期演奏会で歌ったことあり。

☆タリス エレミアの哀歌、バード モテット集 TOCE-7660

ザ・タリス・スコラーズの先駆とも言えるイギリスのアカペラ団体、ザ・キングズ・シンガーズ。イギリスのルネサンス期の作曲家、タリスとバードの曲を歌う。

☆ビクトリア レクイエム CDGIM012 ザ・タリス・スコラーズ

スペインで活躍したエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」をジャケット画とする。 この音楽家と画家との精神的共通性は夙に指摘されている。ただ、最近レクイエムを単なる音楽の楽しみのために聴くのは気がとがめるため、あまり何度も聞くことはない。

☆パレストリーナ ミサ・ブレヴィス CDGIM008 ザ・タリス・スコラーズ

この四声のミサ曲の一部は実際に歌ったことがある。単純な響きなのだが、何とも言えない透明感がある。 プリマヴェーラのNasce la gioja mia と パレストリーナのMissa Nasce la gioja miaも収録。元歌とそれを引用したミサ曲という関係の提示。ピーター・フィリップスの学究的側面の現われ。

☆アレグリ ミゼレレ、 パレストリーナ 教皇マルチェスのミサ CDGIM 339 ザ・タリス・スコラーズ

モーツァルトの少年期の天才伝説に必ず登場する、システィナ礼拝堂の秘曲アレグリのミゼレレである。私には、書き取り能力はないが、現代のプロ音楽家の中には、この程度は簡単だという人もいるようだ(゚゚)。だから、それが何だということになる。このようなモーツァルト伝説と彼の遺してくれた音楽は、それゆえ無関係だということが言えるのである。有名曲 パレストリーナの教皇マルチェスのミサも収録。

☆ラッソ(ラッスス) 作品集 ARCHIV 439 958-2 プロ・カンティオーネ・アンティクアほか

ラッソ没後400年を記念したCD。秋葉原の石丸電気で購入。ただし録音が古く50年代や60年代のものは、現代の歌唱水準と比較すると聴くのがつらい。下記のパレストリーナのミサ曲集のプロ・カンティオーネ・アンティクアが多くの曲を歌っている。

☆モンテヴェルディ 聖母マリアの夕べの祈り ARCHIV 429 565-2 ガーディナー モンテヴェルディ合唱団他

すでにバロックに分類すべきだろうか? 器楽の素晴らしく華やかな伴奏。劇的な表現。 初演の地、ヴェネチアのサンマルコ聖堂での録音とのこと。

☆ペルト ヨハネ受難曲 J32J 20259 ザ・ヒリヤード・アンサンブル

 現代作曲家ペルトの作品であるが、スタイル的にはルネサンスに入れたいような気がする。

☆パレストリーナ ミサ曲集 ブリリアントクラシックス 99711 5枚組み プロ・カンティオーネ・アンティクア

オランダの激安クラシックレーベルが発売したもの。5枚組みで1800円。2002年3月16日購入。 教皇マルチェルスのミサ曲、ミサ・ブレヴィスを初めとして、皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』 (講談社現代新書)で傑作と紹介している(P.161) Missa Assumpta Est Maria も含まれる。 タリス・スコラーズとは異なりソプラノ声部までカウンターテナー(男性)に担当させているので、少々線が太いが声の溶け合いの点ではまさっている。ただ、音程は、タリス・スコラーズなどより低くとっているようだ。ミサ典礼の形式により忠実らく、通常文に加えて固有文を補っているのが珍しい。(2002.05.12) ただ、残念ながらあまりに同質な響きのため、次第にまぶたが重くなり勝ちになる。

CD1 Missa L'Homme Areme 5vv / Missa Assumpta Est Maria

CD2  Lamentations of Jeremiah the Prophet    

CD3  Missa Brevis / Missa Lauda Sion / Super Flumina Babylonis / Sicut Cervus            

CD4  Missa Aeterna Christi Munera / Missa L'Homme Arme 4vv

CD5 Missa Papae Marcelli / Stabat Mater


時代順

◇前期中世

☆グレゴリオ聖歌集

ローマ法王 グレゴリウス一世(540?-604,在位590-604)に由来するとの説あり。

コーラスを齧っていたころ、ネウマ譜を用いた聖歌唱の講習会に出たことがある。長野の短大の高橋教授という方が講師だった。現代のグレゴリオ聖歌は、フランスの某修道院に伝えられた唱法の影響下にあるとのことで、下記団体もそれによるようだ。  

♪ルクセンブルクの修道院 オルガン伴奏や鐘の音が収録されている。現代における普通の演奏か?後世定旋律に使われた有名曲が数多く収録されている。

♪アダージョ・カラヤンと並んでクラシック系ヒーリングミュージックの先駆けとなっ たスペインシロス修道院修道士によるCDの日本編集盤(原盤は二枚組みだがこれは 一枚のみ)。上記団体に比べてより素人くさい。これらを聴きながら、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」に取り組むとそれらしい雰囲気に浸れる。

☆オルガヌム

(ギメルとも言うらしい:タリススコラーズのCDを出しているレーベル名にもなっている)

◇後期中世(14世紀ごろから)

☆アルスノヴァ

☆ギョーム・ド・マショー

☆シャンソン

☆マドリガル(フランチェスコ・ランディーニ)

◇ルネサンス(15世紀ごろから)

☆John Dunstable

☆Guillaume Dufay

☆フランドル楽派(1450-1550)
  Johannes Ockeghem
  Jakob Obrecht
  Josquin Desprez
  Orlando di Lasso

☆Giovanni da Palestrina

☆William Byrd

☆Tomas Luis de Victoria

 ♪タリススコラーズによる各種CD
  パレストリーナのミサ、ビクトリアのレクイエム
 ♪キングズシンガーズ
  タリス「エレミアの哀歌」、バードのモテット集
 ♪ラッソ生誕記念の外盤 2枚組
   ラッソのマドリガルを合唱でやっていたときに購入。割と退屈。
 ♪ノートルダムの聖歌集
   新婚旅行の記念にパリのノートルダムで買い求めたもの。ビクトリアなどからオルガンの即興演奏まで幅広い時代のものが収録。日本コンクールで優勝した?フランスのピアニストがオルガニストとして演奏している?


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