モーツァルト

小学館(フィリップス原盤)の大部の全集を別巻まで揃えてしまったので、現在は彼の作品のCDを購入したいという気持ちは薄れてしまっている。それでもそれ以前に買い溜めた音盤は結構あるし、全集を親の家に預けてあるため、時折どうしても聴きたい曲のCDを買うことがあるので、少しずつ増えている。


☆小学館/フィリップス「モーツァルト全集」全15巻+別巻


交響曲

☆交響曲 第25番、第29番、第40番 ケルテス/ヴィーンフィル

第29番イ長調の瑞々しい楽想をこれほど素直に表した演奏はない。特にホルンの響きが安定していて、弦の響きを支えているのがうまいと思う。第25番の小ト短調は、アマデウスで人気の出る前の録音だが、過剰に劇的ではなく、若若しい悲哀を描き出す。第40番は、少々仕上げの粗さが感じられるのが残念。ヴィーンフィルに愛されたといわれるハンガリー生まれのケルテスの夭折により、第41番の録音は残念ながらないようだ。

☆交響曲 第25番、第40番 ワルター/ヴィーンフィル

 ナチスによる迫害からアメリカに逃れていたワルターが懐かしいヴィーンフィルに戻ってきたときの指揮。フルトヴェングラーが追放解除されてベルリンフィルに戻ったのと状況的には似ているが本質は異なる。この演奏のほかにレクイエムも同時期に演奏されている。この二つのト短調交響曲は、非常に大時代な雰囲気の演奏で、違和感がある。これがロマンティックな演奏と言えば言えるのだろうが、25番は大ぶり過ぎるし、40番はいわゆるポルタメントを頻用していたり表情がくどい。同時期のフルトヴェングラーの40番は同じヴィーンフィルを指揮したものだが、突っ走る感じがいかにもデモーニッシュではあるが、テンポを細かく動かしてはいないので、すっきりしている。名指揮者の貴重な記録ではあるが、名演とは言えない。

☆交響曲 第40番、第41番

アバド/ロンドンフィル CD
ホグウッド/AAM CD
ベーム/ベルリンフィル LP
セル/クリーブランド  LP
ワルター/コロンビア響 LP


中学生のとき、父に買ってもらいクラシック入門的に何度も聞いたのがベーム/ベルリンフィルのレコードだった。擦り切れるほどという形容が当てはまるほどよく聴いた。最も思いでに残るレコードをあげろと言われたら、これは第一候補だ。後に大学生のとき同じ内容の廉価盤を購入した。今でもよい状態で聴けるはずだ。

アバドのCDは、学生時代から愛読していたレコード芸術誌のあるときの企画で音楽評論家の投票で一位を獲得したことがあり、その記憶をたよりに購入したもの。ところが、何とも虚しい演奏である。これほどつまらない演奏もほかにはないのではないかと思うほどだ。あの順位はこの録音が発売直後だったので、レコード会社から何らかの影響力が行使されたのではないかと疑いたくなるほどだ。非常に生ぬるい演奏。冴えない音色。

 ホグウッドの方は、ジンフォニーの範疇を新全集に基づいて拡大した一連の録音で一躍話題をさらった全集からの分売。全集にはト短調のクラリネットのあるなしの二つの版も収録されていたが、こちらはクラリネットあり?。提示部の繰り返しはもちろんその他のリピートも楽譜とおりに実施しているため、長大な曲に聞こえる。ベートーヴェンの「英雄」の項でも触れたが、古楽器が当たり前となった現在では、その嚆矢としては評価できるが、それ以上の演奏ではないと思う。私にとっては感銘が味わえない。

セルの第40番は、緻密というより、意外に大オーケストラ的な身振りの大きい演奏。弦のスケールの大きい響きは魅力ではあるが、この曲に求めるものと食い違う。第41番は名演だと思う。特にフィナーレの緻密で弾力のあるリズムが聞き物だ。

ワルターのLPは聞きこんでいないが、第40番では、ヴィーンフィルとのライヴ盤でも見せた、一瞬のブレス(息継ぎ)的なフレーズの切れ目などが確認できる。第41番はスケールは大きくないが、いい演奏。

☆交響曲第35番、第36番、第38番、第39番

ワルター/コロンビア響 LP

その当時のレコード誌では、決定盤的な扱いをされていたLP。ハフナー、リンツ、プラハのいずれも手の内に入った安心できる演奏。

☆交響曲第35番から第41番 (後期曲集 6曲:LP2枚組)

バレンボイム イギリス室内管 LP

吉田秀和氏の「レコードのモーツァルト」だったかに紹介されていたもの。近年、ショスタコーヴィチの全集で有名なバルシャイ(とモスクワ室内管)と並べて紹介されていた記憶がある。バレンボイムがピアノ弾き振りを始め、本格的に指揮を始めた頃の初期の録音だったと思う。ただ、音質は、LP片面に30分以上も詰め込んでいるせいか、いわゆるカッティングレベルが低く、通常のボリュームでは弱弱しい音にしかならず、ボリュームをあげてもイライラするような物足りなさでほとんど聴くことはなかった。CD化されているだろうか?


管弦楽曲

☆セレナード 第13番K.525 「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」(弦楽五重奏版)、第8番K.286、第6番K.239

ザロモン・クァルテット&ガイ(Cb)(K.525)、ホグウッド/AAM <1983/10> F35L-50087(411 720-2) \3,500

アイネクライネは、第2楽章にモーツァルトの弟子アトウッド(イギリス人)のメヌエットを補い、作曲当初の形を復元したもの(出版時には4楽章版になっていたという)。編成も通常の室内オーケストラ形式ではなく、コントラバスが入った弦楽五重奏版による。そのため、低音の響きが豊かである。K.286、K.239はいかにも野外での機会音楽で鑑賞にはつらい。

☆セレナード 第9番K.335 「ポストホルン」、「レ・プティ・リアン」K.299b(K.Aanh.10)

ボスコフスキー/ヴィーン・モーツァルト合奏団<1973/1,1966/10> 230E 51094 \2,300

ポストホルンは、あまり評判の高くない曲(吉田秀和)だが、悪くない曲だと思う。「レ・プティ・リアン」はパリ訪問時の珍しいが曲。

☆セレナーデ グランパルティータ

○パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団

「アマデウス」で有名になってから購入したCD。映画で引用された、第3楽章冒頭のクラリネットのトリルだが、このCDの演奏はあまり気に入らない。ヘッドフォンなどで聞くと、コントラバスが使われているのが聞こえる。

○仲人夫妻からのプレゼント。隣の小布施町に来演した団体だという。サイン入り。

 


協奏曲

☆ピアノ協奏曲

○バレンボイム/ECO 21番、27番

○ペライア/ECO   21番、23番

○ビルソン(Pf) ガーディナー/イングリッシュバロック 18番、19番
  いわゆる古楽器での演奏。

○ハイドシェック 20番、23番

○グルダ スワロフスキー  21番、27番 
  非常にユニークな演奏。グルダがいわゆる「プレイ」をしている。オーケストラ序奏部から左手の低音パートをなぞったり(新全集版には記載されている)、21番の有名な中間楽章では、大胆なルバートをつけたり。

○グルダ アバド/VPO      20番、21番 LP
  上記と同じ21番が演奏されているが、こちらはまったく正統派の演奏。VPOらしくない安っぽい品のない音がするのはアバドのせいか?グルダの演奏は、集中度が素晴らしい。

○グルダ アバド/VPO 20番、21番、25番、27番 CD 2003.09.01購入
   
フリートリヒ・グルダ(p),アバド/ヴィーンフィル (2枚組)税抜き1790円。No.20 K466ニ短調と No.21 K467ハ長調のLPは、初出の時に父が購入したもの。この2曲のもっとも優れた録音のひとつだと思う。LPではアバドの指揮するヴィーンフィルの音が痩せ気味でもうひとつと感じていたが、低音がよく出る現在のヘッドフォンで今回のCDを聞いてみると、グルダのピアノはクリアで満足、オーケストラは少々こじんまりしているが豊かさも感じられた。(ところで Friedlichの発音はフリートリヒ?)

○ポリーニ ベーム/VPO 19番、23番 LP

○ブレンデル マリナー 全集 (小学館のモーツァルト全集と同じ録音だったので、友人に売却)

○ルドルフ・ゼルキン クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団(LSO) 9番(ジュノム)、17番 F35G50028 (2003年7月購入200円) 晩年のゼルキンのピアノは少したどたどしいが、美しい。17番で少しファゴットが弱い。

ゼルキンとアバドの演奏は、晩年のゼルキンがベートーヴェンは小澤と、モーツァルトはアバドと組んで録音したものの内のひとつ。小澤との録音はテラークが担当だが残念ながら私のオーディオではピントが合わないぼやけた音像のもの。アバドとのモーツァルトは当時盛んにFM放送などでも放送されたが、予想より指のもつれもなくゼルキンの美しい音楽を堪能できる。アバドとロンドン響も、交響曲のダルな演奏とは段違いの集中力のある演奏を聞かせてくれる。

○カーゾン(P)ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団によるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番と第27番(250円)

イギリス生まれのサー・クリフォード・カーゾンのピアノは、ラジオでは聞いたことがあるかもしれないが、これまでセルとのブラームスやこのモーツァルトの録音で名前を目にするだけで聞いたことがなかった。一聴して、紳士的という形容詞がすぐに思い浮かぶ。けばけばしさや粗さとは無縁のピアノ。丁寧で誠実で、しかしソロモン・カットナーのような厳格さとか硬直さはない。吉田秀和氏は「世界のピアニスト」で、ベルリンで彼の実演を聞いたことがあり、「変わったモーツァルトの協奏曲」と評しただけの冷淡振りが不思議だ。(レコ芸の2000年版のCD300選では、どちらの曲目も上位で、27番は第一位だった。)

それにもましてすばらしいのが、ブリテンの指揮が創り出すオーケストラの演奏。20番は、ハスキルとのマルケヴィッチ、グルダとのアバドなど、27番はグルダとのスワロフスキーおよびアバドの指揮など、また全集のマリナーなどでこれまでいろいろな演奏で聴いてきたが、ブリテンの指揮による音楽は、楽器のバランスの微妙な調整、フレージングの指示、楽器が交わし合うモチーフ同志の対話、ピアノとオケとの協奏(27番のラルゴでの木管とピアノの室内楽的な効果のすばらしさ)などなど、目から鱗の演奏だった。

才能のある作曲家が指揮(やピアノ:ロストロポーヴィチとのドビュッシーのソナタなどが聞ける)の才能にも恵まれるというのがどういうことなのかがよく分かる。よく作曲家としての才能で、曲を再構築して、その曲がまさに今誕生したかのように演奏するという評言があるけれども、それともちょっと違う。即興的ではなく、非常によく練られた演奏だ。

☆ヴァイオリン協奏曲第3番、第5番

○メニューイン(Vn、指揮) LP すごく変わった演奏。

☆フルートとハープのための協奏曲

○ランパル、ラスキーヌ パイヤール室内 LP,CD
○トリップ、  ミュンヒンガー/ヴィーンフィル

☆フルート協奏曲

○ランパル グシュルバウワー指揮

☆クラリネット協奏曲

○ランスロ/パイヤール室内
○プリンツ  ミュンヒンガー/ヴィーンフィル


室内楽曲

☆弦楽四重奏曲集 アルバンベルクQ (TELDEC 72P2-2803/6) 4枚組み 1976年から1978年録音

第14番 ト長調 K.387 (ハイドンセット第1番、通称「春」)
第15番 ニ短調 K.421(417b) (同第2番)
第16番 変ホ長調 K.428(421b)(同第3番)
第17番 変ロ長調 K.458(同第4番、通称「狩り」)
第18番 イ長調 K.464 (同第5番)  
第1楽章終盤と第2楽章初めがCDの擦り傷のため再生できず。
第19番 ハ長調 K.465(同第6番、通称「不協和音」)
第20番 ニ長調 K.499(通称「ホフマイスター」)
第21番 ニ長調 K.575(プロシャ王第1番)
第22番 変ロ長調 K.589 (プロシャ王第2番)
第23番 ヘ長調 K.590 (プロシャ王第3番)

☆弦楽三重奏曲(ディヴェルティメント) クレーメル、カシュカシアン、マ

☆クラリネット五重奏曲

○ウラッハ

○プリンツ

☆ヴァイオリンソナタ集

○グリュミオー(Vn)、ハスキル(p)

○塩川悠子(Vn)、アンドラーシュ・シフ(p)夫妻

妻の友人のザルツブルク土産。モーツァルトの使用したヴァイオリンとクラヴィーアを使用。 

なお、塩川のヴァイオリンは、名指揮者ラファエル・クーベリックが、父のヤンの形見のストラディヴァリウスを貸与されたものだったはずだが、今はどうなのだろうか?

☆ピアノ三重奏曲(ケーゲルシュタット)、Vn&Vaの二重奏曲

○クレーメル(Vn)、アファナシェフ(Pf)、カシュカシャン(Va) <1984> F35G50276 (2003年7月購入200円)

トリオ 変ホ長調 K.498 (通常はクラリネット、ヴィオラ、ピアノの編成だが、クラの替わりにVn)

デュエット ト長調 K.423, 変ロ長調 K.424

 カシュカシアンは、多分アルメニア系だろうが、アメリカ生まれという。ジャケット写真はむきつけき(失礼)クレーメルとアファナシェフに囲まれ、清楚な谷間の百合の風情。しかし、演奏は、CBS盤のマとのトリオでも聞こえた骨太で暖かいビオラの魅力を奏でている。


ピアノ曲

☆ピアノソナタ集

○ギーゼキング

○グールド LP,CD

このLPは、ピアノの習っていた弟が小学生の時に買ったのだが、(ケンプのトルコ行進曲を除けば)モーツァルトのソナタのマイ・ファースト・ディスクだった!

○ピリス(DENON)


オペラ

☆オペラ・ブッファ「フィガロの結婚」

○ベーム/ベルリンシュターツオーパー(DG)

○ベーム/ヴィーン響(PHILPS) (小学館全集の予約特典)

○E.クライバー/ヴィーンフィル LP

○ワルター/ザルツブルク音楽祭管弦楽団(VPOらしい)<1937 ザルツブルクライヴ> 2003.09.05購入

ブックオフに立ち寄ったら、安値コーナーの隅に、ワルターのフィガロ3枚組750円で売っていた。発売元はどうもEKLIPSEレーベルという海賊盤屋らしい。(ネットで調べてみたら、下記が正規盤とのこと。)何しろ、ケース裏に印刷のタイトル・ロールのクレジットが間違っているのだから。スザンナ役がピンツァだという!またオケもザルツブルク音楽祭祝祭オーケストラというようになっていた。3枚目の余白に同じ頃のワルターのドン・ジョヴァンニの第一幕抜粋の短波放送録音がおまけで収録。

録音はもちろん歴史的なもので、針音はするし音色も変わるしヨレタような音もする。しかし、どういう音楽かははっきりわかる。序曲などは即物的といえるほど非常にすっきりした快適なものだ。戦前の録音は下手でヨレヨレで音程も悪いなどという先入観(どこで形成されたのか)があるが、それを吹き飛ばすようなもの。
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ANDANTE−3981(オペラ3CDs)モーツァルト:
  歌劇「フィガロの結婚」
      K.492 全4幕(1937)正規音源による世界初発売 ●最高のモーツァルト指揮者として有名なワルターのライヴ。オーストリアがナチスに併合される前年、ワルターのザルツブルク音楽祭最後の出演となった1937年のライヴが、ORFの音源により世界初発売。

キャスト
フィガロ : エツィオ・ピンツァ(Br)
アルマヴィーヴァ伯爵 : マリアーノ・スタビーレ(Br)
伯爵夫人 : アウリッキ・ラウタワーラ(S)
スザンナ : エステル・レーティ(S)
ケルビーノ : ジャルミーラ・ノヴオトナ(Ms)
ドン・バジリオ : ウィリアム・ウェルニック(T)
バルトロ : ヴィルジリオ・ラッツァーリ(Bs)
マルツェリーナ : アンジェリカ・クラヴチェンコ(S)
アントニオ : ヴィクトール・マディン(Br)
バルバリーナ : ドーラ・コムラエク(S)
ドン・クルツィオ : ジュゼッペ・ネッシ(T)
指揮 : ブルーノ・ワルター  
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1937・8・19 ザルツブルク祝祭劇場   

 

☆ドラマ・ジョコーゾ「ドン・ジョヴァンニ」

マゼール/パリオペラ座

☆ジングシュピール 「魔笛」

スイトナー指揮 シュライヤー(T)など


声楽曲

☆レクイエム

○ベーム/ヴィーンフィル
○カラヤン/ベルリンフィル LP

☆歌曲集 

白井光子(Ms)、ハルトムート・ヘル(p)夫妻

日本の生んだ本格的なリート歌手、白井光子女史は、長野県佐久地方の出身。野沢南高校の卒業生。あの猟奇的なオーケストラ演奏で近年有名な故ヘルベルト・ケーゲルが、まだ東独の中堅指揮者時代、しごく真っ当にモーツァルトのミサ曲全集録音の一角を分担したとき、ソプラノとして何曲かに起用され、モーツァルトファンには早くから親しい名前だった。


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