◎はじめに
よく晴れたのどかな日曜日の午後。
パーンとディードリットはスレインやギムやレイリアたちを連れて、パーティーそろって洞窟の探検に出かけた。
先陣を進むのはウッドチャック。
ディードリットはパーンの後ろに付いているが、何かというと後ろを向いて、レイリアとの雑談に加わっている。
しかしウッドチャックには、女二人が好き勝手にしゃべり散らしているようにしか聞こえない。
ガヤガヤとうるさい声が切れ目なく聞こえるだけで、全く探索に手が付かないのだ。
ついにウッドチャックはキレた。
「うるさいぞ、静かにしないか!」
ダンジョンは水を打ったように静まり返る。
「どうして?」ディードリットが口を開いた。
「冒険できないだろう!」
ウッドチャックは腹立ちまぎれに答える。
ディードリットとレイリアは顔を見合わせ、「何で?」とつぶやいた。
なぜウッドチャックが怒鳴ったのか、彼女たちには分からない。
自分達のおしゃべりが、ダンジョン探索とどんな関係があるというのだろう。
また、ウッドチャックはウッドチャックで、それどころかパーンもスレインもギムもエトまでも、同様に分からないことがある。
どうして女達は、それぞれ違う話題を一方的にしゃべるだけで、状況などの判断がつかないのか。
少し静かにしてくれないと、探索に集中できやしない。
ウッドチャックは思った。
その証拠に、わき道のお宝を見過ごしてドラゴンのねぐらまで来てしまったじゃないか。
この問題の根本的な原因は、男と女は違うという単純な事実に尽きる。
どちらが良い悪いではなく、ただ違うのである。
これはゲームデザイナー、ディベロッパー、RPG啓蒙者には常識でありながら、敢えて世間にも知らせてこなかった事実だ。
というのも、人種や性別、年齢などでキャラクターを差別しない、つまり「ゲーム的に平等な」ことを目指す世界では、そんなことを口にすると女性プレイヤーからの激しい突き上げを食らうからだ。
RPGの世界では、技能やクラス、能力値などにおいて、男女差はないことになっている…だが、その前提が大きな誤りであることは、プレイヤーの世界では以前から知られている。
だとすると、私たちが今まで拠り所にしていた考えも、大きく揺らぐことになる。
男と女がもっと充実したRPGをプレイするためには、お互いの弱点をあげつらうのではなく、性による違いを理解するしかない。
この本では、プレイヤーの進化について最新?の研究成果を踏まえながら、そこから得られる教訓を男と女の関係に当てはめてみようと思う。
ここで出される結論は偏見だと言われるかもしれないし、素直に受け入れがたいものもあるだろう。
だが、男と女の間に起こるいろんな謎が解明され、理解を深める助けになるはずだ。
パーンとディードリットも、ダンジョンに出かける前にこの本を読んでさえいれば…。
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