第3章 すべては頭のなかに

これは事実?それともフィクション?
 まず男のRPG脳と女のRPG脳を図解してみた。
アホらしいと笑われるかもしれないが、間違いなくそこには真実が含まれている。
しかもその真実は、あなたが思っている以上に多い。
これから、RPG脳(ゲーム脳ではないので注意!)の最新研究から分かった驚くべき事実を紹介しよう。




なぜ人間は他の動物より賢いのか
 あなたは人間、ドワーフ、そしてグラスランナーの頭蓋骨の断面を見たことがあるだろうか。
違いは一目瞭然だ。
私たちの脳は、グラスランナーの3倍以上、ドワーフと比べても1.3倍は大きい。
出土した化石からは、人間の脳は5万年前から今と大きさも働きもほとんど変わっていなかったことが分かる。
また、額から頭頂部にかけて前に突き出しているのも、霊長類や祖先にはない特徴だ。
ここにある前頭葉は、考える、地図を読む、言葉を話すと言った人間にしかない能力をつかさどっている。
人間が他のデミヒューマンと技能や能力で一線を画しているのは、ここなのである。
 同じ人間でも、男と女の脳はその強さも、才能、能力も別の方向に進化していった。
戦闘を担当することになった男は、長距離移動に向いた脳が必要で、さらにパーティーを組織して仲間を作ったり、狙った女を確実に仕留める技術も磨かなくてはならなかった。
一方ロールプレイを上手にこなしたり、マスターの感情を察したりする必要はなかったから、脳の中で人付き合いを担当する部分は発達しなかった。
 これに対して女には、短距離を移動するための適性が不可欠だった。
周辺視野を左右に広げてパーティーを監視したり、いくつものロールプレイを同時にこなしたり、コミュニケーション能力を伸ばす必要があった。
こうして男と女の脳は、それぞれに求められる能力の部分を進化させていったのである。

脳は縄張りを守る
 「古い癖ほど抜けにくい」と言う言い回しがある。
同じことをゲーマーが言い換えれば「3D6は生きている」ということになる。
3D6とは、RPGでキャラクターを最初に作る時に行った、能力値を決めるための行為である。
こういう行為は、科学的には「遺伝記憶」とよばれる。
遺伝記憶とは、人間が見せる本能行動の一部である。
洞穴から外をうかがいながら、縄張りを守り、次々と降り懸かる課題を解決して着た何万年もの歳月が、人間の脳に痕跡を残さないはずがない。
 例えばコンベンションで、大抵の男は壁を背にして、入り口が見渡せる席に座りたがる。
その方が会場の様子に注意を働かせることもできるし、次々と会場に入ってくる参加者を注視して、男なら警戒し、女なら萌えるまなざしで鑑賞することができる。
そして背後からいきなり襲われれることもないから、安心なのである。
もっともコンベンションでは、不意打ちをくらわす敵といっても、目玉が飛び出そうな値のクリティカル・ダメージぐらいのものだが。
では女はというと、空間に背中を向けても気にしない。
ただしRPGの経験が浅かったり、コンベンション慣れしていない女は別で、そういう時は壁際の席に座ろうとする。
 セッションが始まってパーティーを組んでも本能的な行動は続く。
冒険者の宿で、男は扉に近いほうの寝床で寝ようとする。
寝床の入り口を守ろうとしているのだ。
新しい町に入った時、あるいは街道沿いの廃屋で一夜を明かす時、たまたま奥の方で寝ることになった男は、夜哨の時間になるまで、なかなか寝付けない。
扉近くの場所に移らないと、安眠は訪れないのである。

パーティーを組んだ初夜に扉よりの場所に寝るのは、いつでも夜這いできるためさ。
男はそんな冗談を言うが、本当は正常本能なのだ。



成功の影には脳がある
 1962年、神経生物学者ロジャー・スペリーは、大脳皮質の働きが左右で違うことを突きとめ、ノーベル生理学医学賞を受賞した。
創造的な脳とも言うべき右半球は左半身を担当していて、また右半球は右半身の面倒を見る他にも、論理、推理、発話をつかさどる。
言葉や語彙を蓄積しておくのは、特に男では左脳の方で、視覚情報をためたり、管理するのは右脳の仕事だ。
 家を守り、食べ物を集めるのが役目である女にとって、左右両方の手を同じように使えれば、能率も2倍になる。
そのため女の脳には、右と左を区別するための特定の領域がない。
左右を区別する必要がなかったからだ。
だから両手ききは、男よりも女のほうが断然多い。
そうかと思うと、マッピングで間違った方向を教えてしまって、「右も左も分からないの!」と怒られるのも圧倒的に女のほうだ。
いくら怒られても、「はい、そのとおりです」としか答えようがない。
右ききかどうかは、獲物を仕留めるためには重要かもしれないが、床に転がったサイコロを手早く集める時にはたいした問題ではないのである。
 左ききの人は、クリエイティブな右脳の方がよく発達する。
だからシナリオを書いたり、イラストをうまく仕上げられる人達には左ききが多いらしい。
世間の人の9割は右利きで、左利きを男女で分けると女のほうが多い。
大部分の男は右手、右腕を使うのは得意だが、左はそうでもない。
素早く動くグラスランナーを正確に狙い撃ちしたり、対面のプレイヤーからの攻撃に対して身を守るには、右腕が思いのままになることが重要だ。
男が「ここ一番」の時にサイコロを振る時、最初のひと振りはまず間違いなく右からのオーバーアーム・スローになるはずだ。
だが、左右の区別をあまり気にしない女は、統計学的に考えていくと、どちらの手でも均等にサイコロを振っているようになる。

ゲーマー女の知能はゲーマー男より3%以上高い。


 1990年代まで、脳の研究は戦死した冒険者からデータを集めるのが主流だった。
材料が手に入りやすかったからだ。
ただしこのやり方には問題があって、冒険者とプレイヤーが同じ性別でないと、正確な情報が得られなかったのだ。
そのため当時は、女の脳も男と同じはずだというのが、研究を勧める上での暗黙の了解だった。
 しかし今日では、男と女では脳の働きがまるで違うことが分かっている。
男女間におこる問題の大半は、そこに由来しているのだ。
女の脳は男よりわずかに小さいが、性能その他にこれといった違いはない。
だが、男のプレイヤーが女のキャラクターを演じる時、あるいはその逆では、男女の脳の違いによるすれ違いが発生して、なかなかうまいように役回りがいかなくなる。
女のキャラクターを演じているのに、考えていることは男の脳なので、周囲のプレイヤーは間違いなく違和感を感じるはずだ。
アニメヲタクの男プレイヤーがエルフの女キャラクターを演じることに、誰も異論を唱えないということはないだろう。
だが、清楚な雰囲気をまとったお嬢様がハーフオークの男、それもスパイクド・チェインを振り回すバーバリアンを演じるとしても、誰も異論を唱えないだろう。
女の脳には、いかなる状況にも柔軟に対応できる適応力があるからだ。
 そして、脳細胞の数は男のほうが40億個ほど多いにもかかわらず、知能テストでは女のほうが3%以上高い成績を収めることが分かっている。

女のほうが男より賢いに決まってるでしょ。
何しろ友達からして格が違うんだから。
…女の親友はダイヤモンドだけど、男の親友なんて犬ころじゃないの。

リナ・インヴァース



脳はいったいどうなっている?
 例えば男の脳をスキャンしてみると、脳の中で方向を感じ取る部分が光って見える。
つまり方向をあれこれ探ったり、うまくコンボを組み合わせる作業が好きということだ。
女のほうは、発話領域が画像にはっきり現れる…女は話すことが得意で苦にならないので、その特性を生かせるストーリーテラーや交渉系キャラクター、詭弁家といった方向に魅力を感じる。
逆にスキャン画像でぼんやりとしか写らないところは、そこに関係する技能は得意ではないし、やっても楽しくないということだ。
だから女のタクティカルコンバット専門家を見つけるのは難しいし、男の吟遊詩人や占い師も少ない。
 脳の中で特定の働きをする部分を見つけだす試みは、まず頭に痛打を受けた冒険者を対象に始まった。
男性が脳の左側にモーニングスターで損傷を受けると、発話能力や語彙のほとんどが失われるのに対し、女性は同じ部分を同じくらい負傷しても影響が小さい。
つまり女性は、発話を司る部分がひとつではないということだ。
よく、女は本音と建て前をひとつの脳で使い分けることができるというが、それはこのことが原因のようだ。
 頭の右側に損傷を受けた男は、空間能力のほとんどを失う。
つまり三次元でものを考えたり、頭の中に思い浮かべた物体を回転させて、違う角度からみた様子を想像することができなくなる。
ダンジョンの構造図も、女の脳がみるとひらべったいただの紙切れでしかないが、男は高さまで把握できるので、どんな武器が有効に使えるかまで想像が付く。
女はそういう空間能力がもともと発達していないので、右脳をけがしてもあまり変わらない。
 また90年代には、RPGを研究している大学のチームが、ロールプレイで演技をしている時に脳のどこが使われるかを調べる実験を行った。
MRIで血流のわずかな違いを測定したところ、男はもっぱら左脳を、女は左右両方を使っていることが分かった。
男と女では、脳の働きが違うのである。

男と女は脳の働きが違うそうですよ。
男「ふむ。この間似たような話をサークルの会報で読んだな」
女「そんなの当たり前じゃない。だから?」


 また女の子の左脳は、男の子より成長が早い。
だから後から生まれた妹も、兄さんより早く、上手に話せるようになる。
女の子はルールを覚えたり、専門用語を習得するのも早い。
マスターからのリアクションが遅かったり、うまく立ち回れなくて専門家のところに連れてこられるのは、男の子のほうが多い。
 しかし右脳に関しては、男の子のほうが成長が早く、空間能力、論理や知覚能力が発達していく。
だから男の子は能力値計算やコンボ作りが得意だし、キャラクターを組み立てたり、問題を(腕で)解決するのが好きで、そういう技術は女の子より早く身に付ける。
 男女の違いは最小限しかないとか、違いを強調するのはおかしいと主張するのが、昨今のRPGシステムの流行だ。
だが事実はその主張を支えてくれない。
反対に、男と女では脳の配線が違うという証拠、異なる進化の道筋を辿り、独自の能力や傾向を持つようになったという証拠なら、山ほどある…それでも私たちの社会は、男と女は同じだと言い張っているのだ。

男は「一度にひとつずつ!」しかできない
 男の脳は専門分野ごとにはっきり区分けされている。
一度にひとつの仕事しか集中できないように、脳ができているわけで、この事実を裏切る研究結果はない。
「一度にひとつずつ」なので、キャラクターを作成するのにどれから始めたらいいか?を順番分けしたり、まず何をするかというと、腕っ節に頼るのである。
だから、サイコロを振る時には同時にロールプレイをすることができない。
よく観察してみよう。
「ロールプレイをしてから、サイコロを振る」か、「サイコロを振った後、ロールプレイをしようとして止める」かのどちらかだ。
 女にはそれが理解できない。
おしゃべりしたり、キャラクターを作ったりしながらでも、ルールを聞き覚えるくらいならできるのに、どうして?なぜケータイの着信メロディが流れる度に、マスターの音量を落とせというわけ?「彼がルールを読んでいたり、サイコロを振っている時は、私が何をいっても聞いてないのよね」という愚痴は、女なら一度はこぼす。
男の脳は左右の連絡が悪く、鹿模様とごとに細かく区分けされているので、一度にひとつのことしかできないのだ。
本を読んでいる時の男の脳をスキャンしてみれば、必要なところ以外はほとんど死んだようになっていることが分かる。
 女の脳は、同時に幾つもの作業がこなせるようにできている。
だから互いに関連のない仕事を一度にやれるし、脳はいつも活動していて休むことがない。
携帯電話でおしゃべりをしながら、ルールブック片手にキャラクターを作り、なおかつイラストも描くことができる。
他の男キャラクターと何気ない会話をしながら、そのキャラクターに対する印象を記録して、パーティー内での男の「順位」を付けられる。
ビキニアーマーを付けたまま馬車を運転し、化粧を直しながらボイスチャンジャーを使ってマスタースクリーンの裏から状況説明することだってお手の物だ。
これが男なら、キャラクターを作っている最中に声をかけられると怒りだすだろう。
作成チャートを読みながら、同時に話を聞くことができないからだ。
肝心な時に話しかけるから、犯人に逃げられたじゃないかと男になじられた女は結構いるはずだ。
ある女性は、男性プレイヤーに腹が立った時は、戦闘シーンに最初の一撃でサイコロを振ろうとしている時にわざと喋りかけてやるのだと言った。

キャラクター作りひとつとっても
 スキル選択制のシステムでキャラクターを作る時、大抵の女は、キャラクターに複数の特技を取らせたり、技能をいくつも習得したりできる。
結果的には、女の作るキャラクターはまんべんなく技能を取り、平均的で程々の人物になりやすい。
そのため男に「器用貧乏」となじられるキャラクターでも、女ならばその技能を均等に使いこなすことが可能だ。
だがこれは、男にはかなり難しい芸当である。
 男はひとつの技能を最大限まで伸ばすことしかできない。
キャラクターシートの前で、自分の思い浮かべるキャラクター像をしっかりと掲げ、上体を前屈みにして、頭を前後に動かしながら、ひたすら得意な技能を伸ばす。
このとき瞳孔は開きっ放しだ。
 また、男は自分がプラスになるように技能を取っていく。
マイナスの要素は取らない。
だから、GURPSのようにマイナスの特徴を取ってキャラクターに悪影響を与えかねないようなゲームは男に嫌われる。
なぜこんなにちがうのか  いくら同じようにキャラクターを育てているつもりでも、男のプレイヤーと女のプレイヤーでの考え方が影響して、大きな隔たりが生じることは、歴史が証明している。
男のプレイヤーが育てる女のキャラクターは、やっぱり男の影響を受けた女になる。
女のプレイヤーが育てた男のキャラクターは、どうしても女っぽくなる。
多くのプレイヤーは、その原因はホルモンにあると断言する。

あなたの今ある姿、そしてキャラクターの姿は、ホルモンのなせる技だ。
実在・非実在にかかわらず、人間はみんな科学作用の結果なのである。


 生まれたてのキャラクターの精神はからっぽで、親(プレイヤー)や種族、環境がそのキャラクターの態度を形作り、ライフパスを選択させるというのが、近年までの考え方だった。
しかし最新のシステムでは、キャラクターのクラスや出身、才能、経歴などを選択したところから、すでにその子の精神はコンピューターのように配線が始まっている。
コンピューターを動かすのに不可欠な「オペレーティングシステム」はもちろんのこと、いくつかの「ソフトウェア」もこの時期にプレイヤーがインストールさせられる。
つまりハードウェアとソフトウェアが一通り揃った、プレインストールマンとしてゲームの世に誕生するのである。
 オペレーティングシステムとその回路に関しては、ゲームのシステムを改変しない限り、変更の余地はほとんどない。
環境や性格は後からデータを追加して、互換プログラムを動かすだけである。
しかもルールはあるが、操作マニュアルはプレイヤー側にはないに等しい。
 将来どんな道を選び、ロールプレイ的にどんな志向を持つかは、作られた時もう決まっている。
キャラクターを形成するのは生まれか、育ちかという議論は、現在では後者のほうが多勢を占めていて、生まれ付いての資質よりそれからの育ちが大きな部分を占めているシステムのほうが好まれている。
「育ち」が関係してくるのは出身や経歴といった領域で、これを選ぶだけで勝手に能力値や技能、ロールプレイの指針や装備までが決まってくるので、男の脳でも女の脳でも産みの母と同じようにちゃんとキャラクター育てができるようになっている。

キャラクターをプログラミングする
 能力値をダイスで決め、クラスを選択し、装備を選択するRPGシステムでは、キャラクターの骨格を作る作業は比較的簡単である。
そして、出来上がったキャラクターの性格や行動指針など、ロールプレイに関する部分のほとんどは、プレイヤーに任されている。
 一方、先にあげたクラスや経歴などを選択することでキャラクターを組み立てていくタイプのシステムでは、出来上がった人間(そうでない場合もあるが)の頭の中身はすでにシステムやルールによりプログラミングされた状態で仕上がってくる。
そのキャラクターを組み立てていくタイプの作成システムでは、キャラクターを構成するための要素はいろいろなパーツに分けられ、表に載っている。
そのパーツは人間を構成する単位、あるいはどんな人間になるかを構成する青写真といってもいいだろう。
 ここで注目すべきことは、男よりも女のほうが空想能力や知覚能力、そして何より母性本能に優れているから、女のほうがキャラクターを組み立てる能力にも優れているということだ。
そしてまた、女は同時に複数のこともできるから、キャラクターのパーツを組み立てながら、同時にその作成途中のキャラクターの空想力を膨らませることもできる。
繰り返すが、男にはこんなことはできない。
キャラクターがほぼ完成の状態になってから、初めて空想を膨らませることになるはずだ。
 女の優れた空想能力は、ゲームのディベロップにも大いに貢献している。
男なら想像が付かないであろう様々なものを、ディベロップの途中でどんどん盛り込むことができるからだ。
こうして、キャラクターのパーツを女はいくらでも作り出すことができる。
だから、男がデザインしていても、女がディベロップしたシステムは、経歴や性格など、キャラクターを組み立てるためのパーツが節操なく増えていくはずだ。
 このことは、市販されているRPGのシステムの大半を男がデザインしていることにも少し関係している。
男が男のことを表現するのは簡単だが、男が女のことを表現するのは非常に難しい。
何しろ脳の作りからしてまるで違うからだ。
だから、女性受けするシステムを作るためには、男のデザイナーはまず「女とはどんな生き物なのか?」を解析することから始めなければならないだろう。

RPGの世界でも、はじめにイブありきだった!?



女のキャラクター作成は長い
 プレイヤーが自分のキャラクターを作成する時間は、もちろんシステムによって様々だ。
ルールの量、作成プロセスの手順、データ量、そしてプレイヤーの熟練の度合いなどにより、その時間は大きく変化する。
近年のシステムは、すぐにキャラクターを完成できるように、アーキタイプやテンプレートといった半完成キャラクターをあらかじめ用意していることが多い。
そのため、特にデータ量の多いゲームやコンベンションなどでは、キャラクター作成にかかる時間をかなり削減できるようになった。
 それでも、キャラクター作成の作業は手間がかかる、楽しい作業に変わりはない。
だが、ここでも男と女の違いが現れる。
だから、男の右脳と左脳を結ぶ脳梁は女より細く、左右の脳で情報を交換する作業も女に比べてあまりうまくいかない。
だから、男のキャラクター作成は、一度にひとつのことしかできないから、物事を順番に追っていって作成しなければならない。
しかし、男はひとつの作業になら、深く鋭く物事をやり遂げる集中力が備わっている。
そのため、例えば能力値を決めるためにサイコロを振る時、男は女の数倍集中して振っている。
そしてキャラクター作成を補助するための進行チャートなどがあれば、男の作業は格段に早くなる。
目的を限定し、一度にひとつのことを示したチャートの順を追っていけば、男がキャラクターを作る時間を短縮し、さらに正確に出来上がる。
もし、ルールブックのどこにもキャラクターを作成するためのチャートがなければ、どこから手を付ければよいのか分からずに、多くの男性プレイヤーが路頭に迷うことになるだろう。
 一方、女のキャラクター作成はどうか。
女の脳梁は男の1.3倍太く、右脳と差の腕の情報の行き来も活発に行われている。
そして、女はひとつに複数のことをしても苦にならないから、キャラクターを作ると同時に他のこともできる。
これなら、男よりも早くキャラクターを作り上げられそうだ。
だが現実はそうではない。
現実には、女がキャラクターを作成する時間は、男のそれよりも長い。
女は男より知覚能力や空想能力に優れているとさっき書いた。
そして同時に複数のことができる。
女は、キャラクターを作ると同時に、そのキャラクターに対するイマジネーションを膨らませることができるのだ。
この膨らんだイマジネーションが、プレイヤーの脳を満足させるために、様々なことを考えさせる。
キャラクターの背景、服装、容姿、言葉遣いなどなど。
そして女は周辺視野にも優れているので、キャラクターを組み立てるパーツ表や武器表、装備表などを見せると、アレコレ目移りがしてどれがいいのか迷ってしまうことが少なくない。
いろいろと目に映ったものを通して、脳の中ですぐに目に映ったもののイメージを作り上げることができるからだ。
このイメージを具現化するべく、女はキャラクターのイラストを書く。
女が作ったキャラクターシートが、イラストを書く部分が大きく取られているのはこのためである。
 こうして情報が交錯し、自分の満足するキャラクターが出来上がるまでには、複雑で長い時間がかかってしまう。
男のようにチャートを注視する必要はあまりないが、複数のことを同時にこなせる分、脳の中で「アレもいい」「コレもいい」と情報が何度も行き来することで迷ってしまい、最終的に自分が満足するキャラクターを作り上げるのには男よりも長い時間を要してしまうのだ。

セックスで女がイクまでに時間がかかるのと同じように、キャラクター作成で女が満足するまでにも長い時間がかかる。


 さらに致命的なことに、女は数値計算が苦手で遅い。
生理の前は特にそうだ。
あるパーティーの検証によると、パワープレイというシステムの能力値計算に、まるまる1時間を要したプレイヤーもいたという。
だから、女の数値計算には電卓が欠かせない。
数値を加減乗除することが多いシステムでは、女の計算を注意して観察してみよう。
ほとんどの女が、紙や指を使っているはずだ。

プレロールド・キャラクター
 コンベンションでRPGを遊ぶとき、ゲームマスターがあらかじめプレイヤーのために作成した、プレロールド・キャラクターを使うことは少なくない。
プレロールド・キャラクターには、キャラクターの能力値や技能、装備、使える魔法などが事細かに決定済みの状態で用意されていて、キャラクター作成の時間を省いてすぐに遊べるようになっている。
 プレロールド・キャラクターの最大の利点は、マスターがバランスの取れたパーティーを作成できる点にある。
ということになっているが、実際にはキャラクター作成のためのルールが面倒臭く、特に女プレイヤーに作らせると大幅に時間を食うことから作っておくことのほうが理に適っている。
 プレロールド・キャラクターをプレイヤーに見せると、男女の脳の違いがはっきりと分かる。
男は、プレロールドのキャラクターシートに書いてある情報を受け取って、キャラクターの立体像を想像することはできても、キャラクターのデータから想像力を書き立てることができない。
そして、プレロールドのキャラクターに少しでも自分の主義主張を加えようとして…つまりキャラクターを「支配」しようとして、完成しているキャラクターに何らかの変更を加えようとする。
もしそれすらも許されない場合、そのキャラクターは拒絶される運命にある。
 一方、女がプレロールド・キャラクターを見ると、書いてある各種のデータから様々なイメージを膨らませることができる。
知覚能力や空想能力に優れているため、キャラクターのデータをもとにしてすぐにキャラクターのイラストを書いたり、ロールプレイするときの性格を形作ることも難しくない。
だから、プレロールド・キャラクターを作るのも、女のほうがうまい。
 ゲームのルールブックに載せられているサンプルキャラクターや、テンプレートといった半完成状態のキャラクターも、広義の意味でプレロールドと言える。
だがこれには、なぜか男も女も文句をいわない。
どんなに男がプレロールドが嫌いでも、ルールは絶対なのだ。

男脳と女脳
 これまで、男の脳と女の脳は役割や機能が違うことを紹介してきた。
だが、体は男でも、脳が女のものであるということもある。
その逆で、体は女でも脳が男ということも少なくない。
 通常、遺伝子的に性別が決定されると、男の子になった胎児はテストステロンという男性ホルモンを分泌するようになる。
これにより、体の男性的な特徴が形作られていくことになる。
ところが、何らかの影響により、胎児の脳にこのテストステロンが十分に行き渡らなかった場合、女性化した脳が形作られていくことになるという。
反対に、女の子の胎児はテストステロンを分泌されないが、何らかの影響があって脳に大量のテストステロンを受けてしまうと、脳の作りが男性化し、男の脳を持った女の子が生まれてくる。
 脳が男性的に配線されると、論理的で分析力に優れ、言葉を厳密にとらえ、几帳面で、物事を整然と処理する。
また感情に惑わされず、統計データをもとに期待値や結果を正確に予測することもできる。
だが、ロールプレイや空想をうまく膨らませることは苦手になる。
 脳が女性的に配線されると、創造性、芸術性が豊かで、ストーリーテリングやロールプレイで才能を発揮する。
直感や感覚で物事を判断し、わずかなデータから問題を鋭く認識することができる。
洞察力を働かせ、思ってもみない方法で課題を解決するのがうまい。
でも、計算が遅く、神経質で、物事を実行する時に分別が付かなくなることもある。
 体の性別と脳の性別が大きく異なる場合は、ゲイやレズビアンになったり、残念ながら何らかの障害を抱えてしまったりすることがある。
だが人間は千差万別だ。
男の体でも女の脳に近い考え方をもったり、女の体でも男のように力技に頼る人も決して少なくない。
 RPGは、そうした脳の悩みを一時的に解決できるツールとして注目されている。
なぜなら、女に近い脳を持つ男性が、女のキャラクターを演じることによって、空想的に女として生きることを見せることができるからだ。
異性のキャラクターをプレイすることを「ゲームおかま」「ゲーム宝塚」などといって忌み嫌う人もいるが、それが一部の人にとっては大きな福音となることも覚えておこう。
それが、RPGでお互いのストレスを増長させない、そして脳の健康を保つことになるはずだ。


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