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私は裁縫が嫌いだ。面倒だし、肩が凝るし、下手だし、どれを取ってもいい事がない。そんな人が何故手芸部に?いやいや、そんな人だからこそ、思い立ったら手芸部に。裁縫に対するイメージがきっと変わってくると思う。 大阪手芸部はクロバー株式会社で開催された。受付を済ませ、本日作成する型紙を受け取る。クロバーをずっとクローバーだと思っていた事は内緒である。 キョロキョロしながら自分の名前の貼られたミシンテーブルにつく。受付の横には、Crazy Yang(クレヤン)、ポチさんコウさんの本、手芸用品、型紙などがずらりと並び、教室にはクレヤン創刊号に掲載されていた服が展示されて いる。 それらを見ながら歓談している人、既に作業を開始している人、ミシンを使っている人、みんな楽しそうだ。使ってる裁縫道具も、私みたいな百円均一商品の寄せ集め、しかもほとんどサラピン(新品)で〜す、なんてもんじゃない。 「この人たちは手芸部に参加すんのは何回目やろ?きっと服も何枚かは作ってはるんやろなぁ。あー、なんか私、場違いや・・・」 いかに「超初心者歓迎」と書いてあったとはいえ、私のレベルは低すぎるかもしれない。丸一日、何ひとつできなかったら、まったく面白くなかったら、究極は仕事している方がええわって思ったら、「うわ〜」不安の渦がどよどよと押し寄せてくる。 ミシンは一人一台あるようだが、ミシンを使うのは高校の家庭科以来。その時に作らされたスカートは出来栄えも点数も悪かった。傷心の私はどんどん裁縫から遠ざかっていった。 最近では裁縫嫌いの名に恥じず、針を持つのは年に数回あるかどうか、アイロンに到っては何年も使ってない。着る服さえ選べば、意外にそういう生活は難しくない。 そもそも私が何故手芸部に参加しているのか?直接的にはミシンを買ったから、間接的には「きもの」にハマったからだ。 きものや足袋が作りたくて買ったミシン。先述の通り裁縫から縁を切ってる私だ。和裁はおろか洋裁の事もまったくわからない。何とか簡単に裁縫の事を勉強できないかと、インターネットで検索して辿り着いたのが「コウドットコム・クイックソーイング」だった。 折しもクレヤン増刊号は「木綿の着物」。きものにハマっている私にはタイムリーな特集だ。私は即クレヤン会員になった。そして大阪手芸部開催告知。仕事のある日だったのでちょっと躊躇したものの、結局は申し込んだ。期待と不安、半々だった。 コウさんの挨拶、スタッフの皆さんの紹介が終わり、いよいよ作業開始。 プチン。ミシンの電源を切り、別れを告げる。「今日、再び君と逢うことは無いかもしれない。さらばだ。」ミシンに別れの台詞を言ってる場合じゃない。そそくさと裁断部屋に移動した。 裁断部屋では5,6人の方が布を裁断していた。みんなサクサク作業を進めている。私もクレヤンを広げ作業を開始するが、ついついスタッフの方に質問攻めをしてしまう。 型紙の置き方。布の方向。待ち針の止め方。ノッチの入れ方(私はノッチは「△」に切り取ると思っていた)。情けない事に「おいおい、こんな所から説明しなくちゃいけないの?」ってな事まで聞いていたかもしれない。しかし気さくなスタッフの方は嫌な顔せず、丁寧に親切に、そして適切なアドバイスをしてくださった。嬉しかった。 「絣風かな?和調で良い感じの生地ですね」 午前中は裁断で終わった。布を切ったものの、どれがどこのパーツなのか、どんな風に繋がっていくのか、いまいち想像がつかない。これからこの布切れ達がどんな風に変わっていくんだろう?お楽しみはこれからだ。わくわく。 お昼は昼食をとりながらみんなでお喋り。布屋さん情報、クレヤンの話、今まで作った服の話・・・。もっと話を聞きたかったなぁ。 さて、昼の部のはじまりだ。昼からの作業の第一は、接着芯を布に貼り付ける所からはじまった。アイロンを使うのは何年ぶりだろう?緊張する。そして教えていただきながら、ひとつひとつ作業を進めて行った。 アイロン定規、ロックミシン、ステッチ定規、ループ返し、どれも初めて使うものばかり。それぞれの道具は使ってみて初めて「へ〜、便利なモンだなぁ」と実感した。 特にロックミシンは嬉しかった。 そして、ついにミシンとの再会。十数年ぶりのミシンだ。恐る恐るフットペダルを踏む。ミシンの右端の丸い所(はずみ車?)をクルクル回した方が速いんとちゃうか?というスピードで、まずはポケットが付いた。たったそれだけの事なんだけど、とてもとても嬉しかった。 余談だが、これからミシンの購入を考えている人は、手芸部に来て一着服を縫ってみるといい。そうすれば自分の欲しい機能がわかり、購入のポイントが見えてくると思う。 リッパー君が登場する事もあったが、その後、とんとん拍子に作業は進んだ。クレヤンを読んだだけでは、今ひとつピンと来なかった文章が目の前で繰り広げられ、実行されていく。一枚の布だった物が、裁断され、バラバラだったパーツが繋ぎ合わされる。目の前で布が服に変わっていく姿を見るのは、とても興味深く、面白かった。 周囲では続々と「できあがりました〜」の声が挙がる。そうかみんな完成していってるんだ。すごいな〜。そして「着てみてコール」。どうやら完成作品の試着、お披露目は恒例行事らしい。着替えてきた参加者の方をみんな拍手で出迎える。 ちなみに、今回私が作っているのはクレヤン創刊号のアロハシャツ。自分ではプラモデルの初心者が大阪城(1/200スケール)に挑戦しているようなものだと思っていた。 裁縫が嫌いで、ボタンが取れたら、全部取っちまうか、ボンドで付けちゃえ、裾が落ちたら、両面テープで貼っちゃえ〜と思っていた私が、ここまでできるなんて・・・、感慨無量。クイックソーイング、侮りがたし。いやいや、これはコウさんやスタッフの皆さんのご尽力の賜に違いない。大感謝なのだ。しかも最初の憂いはどこへやら、楽しく、飽きる事無く、あっという間の一日だった。 手芸部に参加して、少し裁縫に自信は付いたものの、やはり裁縫は苦手だ。面倒な所もある。でも服を作る事は、楽しく、面白かった。 そして参加してみてわかった。裁縫は布から服を作る物作りなのだ。物を作る事は大好きなのに、どうして裁縫を敬遠していたんだろう?今まで勿体無い事をした。 家に帰って片方しか袖の付いてないアロハシャツを羽織ってみた。嬉しい。知らずと顔がにやけてしまう。アロハシャツが出来上がったら、次は何を作ろう。今度こそ、きもの?足袋?長袖のシャツ、チャイナ・・・野望は広がるばかり。 私の服作りははじまったばかりだ。 |