Copyright by American Orchid Society (AOS)
Translated by Mariko Hayashi-Herron, Jun Maeda
and the Members Of NiftyServe Orchid Forum
| カタセツム | /Catasetum (Ctsm.) |
| カトレア | /Cattleya (C.) |
| シンビジューム | /Cymbidium (Cym.) |
| デンドロビューム | /Dendrobium (Den.) |
| リカステ | /Lycaste (Lyc.) |
| マスデバリア・ドラクラ | /Masdevallia (Masd.)・Dracula (Drac.) |
| オドントグロッサム | /Odontoglossum (Odm.) |
| オンシジュームと 中高温性近縁種 | /Oncidium (Onc.) etc. |
| パフィオペディルム | /Paphiopedilum (Paph.) |
| ファレノプシス | /Phalaenopsis (Phal.) |
| スタンホーペア | /Stanhopea (Stan.) |
| バンダ類 | /Vanda(V.) etc. |
| ページ作成者よりの謝辞 |
カタセツムは、 おもしろい仕組みを持ったロウ質の花をつけます。花には触角があり、これに触れた昆虫の背中に向けて、バネじかけで花粉塊を発射します。粘着板によってしっかりと昆虫に貼りついた花粉塊は、他の花へと運ばれ、受粉が行われます。カタセツム類はほとんどが落葉性で、生長期と休眠期がはっきりわかれています。近縁種には、キクノケス(Cycnoches)やモルモデス(Mormodes)があり、これらの栽培もカタセツムに準じます。
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カトレアは最もポピュラーなランのひとつで、カトレア類には、カトレア(Cattleya)だけではなく、ブラサボラ(Brassavola)、レリア(Laelia)、ソフロニティス(Sophronitis)、ブロートニア(Broughtonia)などと、これらの人工交配属が含まれています。これらは、それぞれさまざまな花色をしているものの、栽培方法はどれも似通っています。カトレアは、他のランの栽培を説明する上でもよく基準にされ、『カトレアと同じ環境で』(grow as for cattleyas;cattleya condition)などという表記が、よく見られます。ここでは、最も一般的なスタンダード種のカトレアの栽培を紹介します。
他のポピュラーなランと同じく、カトレアも着生植物ですので、根を地面に下ろして生育しているのではなく、木の幹や枝に貼りついて生えています。雨が降っては乾きを繰り返す樹上の環境に適応しているため乾燥に強く、貯水器官として、偽球茎(pseudobulb=バルブ)や、スポンジの様に水分を吸収するベラーメン層がある太い根を持っています。着性ランの根は、水だけでなく空気も必要としますので、他の植物のようにいつも根が濡れていては、根腐れを起こします。水やりと水やりの合間に根が乾くように、水はけや空気の流通の良いコンポストを使って植え込まれるのはこのためで、水不足よりもむしろ水やりのしすぎに気をつけることが大切です。
| ブラサボラ: | Brassavola(B.) |
| ブロートニア: | Broughtonia(Bro.) |
| カトレア: | Cattleya(C.) |
| レリア: | Laelia(L.) |
| ソフロニティス: | Sophronitis(Soph.) |
| ブラソカトレア: | Brassocattleya(Bc.) | =B × C |
| ブラソレリオカトレア: | Brassolaeliocattleya(Blc.) | =B × L × C |
| レリオカトレア: | Laeliocattleya(Lc.) | =L × C |
| ポティナラ: | Potinara(Pot.) | =C × S × L × B |
| ソフロカトレア: | Sophrocattleya(Sc.) | =S × C |
| ソフロレリオカトレア: | Sophrolaeliocattleya(Slc.) | =S × C × L |
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シンビジュームは、切り花や春のコサージュなどに用いられ、 大型の美しい花が広く愛されています。シンビジュームには大きく分けて、大型種(スタンダード種)と小型種(ミニチュア種)の二つのタイプがありますが、暑さの厳しい地域では、耐暑性があり、比較的高温でも花芽がつく小型種をお勧めします。
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デンドロビュームには千数百種の原種があり、これらはアジアからオーストラリアにかけての蒸し暑いジャングルから冷涼な高山地帯までの、さまざまな環境にみられます。このためデンドロビュームは系統(タイプ)別に分けられ、それぞれ異なった栽培法が必要です。花もたった一日でしおれてしまうものから、数週間ももつものまでさまざまですし、はっきり分かれた生長期と休眠期を持つタイプも多く、この場合は水やりや温度を時期に合わせて変えてやります。
ここでは、まず一般的なデンドロビュームの栽培を述べ、後でタイプ別の栽培も紹介しますので、参考にして下さい。
夏期は中〜高温(60〜90F)、中光線(カトレア程度)で育て、水やり施肥とも、普通にします。冬期は低めの温度(夜間50F/10℃位)、中光線で育て、水やりはバルブがシワだらけにならない位まで控え、肥料もやりません。
一年中、中〜強光線、中高温(夜間55〜60F/13〜15℃、日中65〜90F/18〜33℃)で育てます。休眠期はありませんが、冬の間乾かしぎみにすると比較的低温にも耐えます。
生長期は夏で、新芽が発根してからケーンの頂上の葉(とめ葉)が出るまで中〜高温で育て、水やり施肥ともたっぷりとします。天葉が出てからは、強光線にあて、夜温を下げ(40〜50F/5〜10℃)、水やりは絶つか少しだけにして、施肥もやめます(放置すれば良いわけです)。
グループ1と同様に栽培しますが、冬期の夜温は55F(13℃)位にします。落葉性のものは、冬期の水やりはいりません。
アンテロープ・タイプ(spatulata系)に準じますが、冬の休眠期にはアンテロープ・タイプよりも低温で、乾かしぎみにします。
一年中、中〜低温(夜間50〜60F/10〜15℃、日中85F/30℃以下)で育て、生長期の水やり、施肥は普通にします。バルブが完成したら短期間水やりを控えて休眠させ、次の新芽が伸び始めるまで、少し湿っている程度に保ちます。
一年中、中〜高温(夜間60F/15℃)、中〜低光線で育て、新芽から発根したら水やり、施肥ともたっぷりとしますが、バルブが完成したら減らします。バルブ完成後、低温で乾かしぎみにして3〜4週間ほど休眠させ、再び春〜夏の生長期と同じ様に育てると、またバルブが完成して、春に咲くことがあります。このタイプのデンドロビュームは、休眠させる時以外はファレノプシスと同じ環境で良く育ちます。冬の間低温環境に置きたい時は、春になって新芽が出るまで水を絶ちますが、株はこの場合落葉性になります。
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リカステ属は、大きな美しい三角形の花をつけることで知られ、花はロウ質で長く持ちます。株も特徴のある形をしていて、卵型のバルブの上に、幅広でひだのある葉がついています。リカステは、栽培方法が異なる二つのタイプに分けられ、ひとつは葉のついたバルブから咲く常緑性のスキンネリ(skinneri)タイプで、もうひとつは葉の落ちたバルブから咲く落葉性のアロマチカ(aromatica)タイプです。人工交配属のアングロカステ(Angulocaste=Lycaste×Anguloa)の栽培は、その品種の交配に使われた、リカステ側の親に準じます。
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マスデバリア属には約350の原種が含まれ、そのほとんどが中南米山岳地帯の雲霧林に自生しています。雲霧林は名前の通り、始終雲や霧に覆われていて、熱帯地方でも標高が高いために、冷涼なところです。湿度が高いために、いたるところがコケに覆われていて、多くのマスデバリアは樹木や岩などについたコケに根を下ろしています。特異な色、形、サイズのセパル(蕚片)を持つマスデバリアの花は、人をひきつける魅力を持っています。高湿度と冷涼な気候を好むため、涼しい沿岸地方(アメリカ北西部沿岸地方=Pacific Northwestなど)が栽培 に最適です。近縁種のドラクラの栽培も、マスデバリアに準じます。
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中南米の高地原産のオドントグロッサム類は冷涼地でよく育ち、コロンビア原産のミルトニア(Miltonia;正確には、Miltoniopsis)やオドントグロッサムの美しい花は、広く愛されています。近縁のオドントニア(Odontonia)、オドンチアダ(Odontioda)、ブィルステケアラ(Vuylstekeara)などの人工交配属の栽培も、オドントグロッサムに準じます。
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オンシジュームには、薄葉種(thin-leaved oncidium)、厚葉種(mule-ear oncidium)、剣葉種(equitant oncidium)などの、いろいろなタイプがあり、自生地も、厳しい高温乾燥地から温暖地までと、変化に富んでいます。
オンシジューム類は、低温を好むオドントグロッサムの近縁にあたり、両者をかけ合わせた交配種も多く作られています。これらの交配種やオンシジューム近縁種は、栽培適温によって低温種と中高温種に分けられていますが、栽培もこれに従って変える必要がありますので、どのような環境を好むのか、お尋ねになってからお求めになることをお勧めします。ここでは、中高温性オンシジューム(warm-growing oncidium)、アスパシア(Aspasia)、ブラシア(Brassia)、ブラジル産ミルトニア(Brazilian Miltonia)や、これらの交配種が含まれる、中高温種の栽培を紹介します(低温種の方はオドントグロッサム類を参照してください)。
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パフィオペディルムは、花の形からslipper orchids(スリッパーオーキッド)とも呼ばれ、極東やインドネシアが原産地です。ほとんどが半地生種で、ジャングルの地表や岩の割れめに積もった落ち葉などに生えていますが、数種は着生種で、木の幹や枝に貼りついて生育しています。栽培容易なランで、温室や窓辺だけでなく、人工光線でも良く育ちます。
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ファレノプシス(胡蝶蘭)は、家庭で栽培するのにもっとも適したランで、温室栽培家にも好まれているランです。近縁属のドリティス(Doritis)や、これらの属間交雑であるドリテノプシス(Doritaenopsis)の栽培もファレノプシスと同様に行います。
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スタンホーペアは複雑で入り組んだ奇花をつけ、花に集まってくる昆虫のための“通路”を持っているものから、特殊な液体をためたバケツ状の容器を持つものまでいろいろな受粉のしくみを持っています。ほとんどのものがバスケットの底から花芽をつきだし、垂れ下がって花をつけますので、株は吊りバスケットやそれに類したものに植え付けなければなりません。花には強い香りがあり、短命ですが、年間を通して何回も花をつけることもあります。
近縁のパフィニア属(Paphinia)とペリステリア属(Peristeria)は、それぞれ他の近縁のものよりも低温と高温の環境で育ちます。これらは上向きに花をつけます。
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バンダ類(アスコセンダ属(Ascocenda)、バンダ属(Vanda)、アスコセントラム属(Ascocentrum)などを含むいろいろな種類のランの一群を総称してこう呼んでいます)は、高温と日光を好むランで非常に多彩な花をつけます。熱帯アジア地方が原産で、暖かい気候では容易に育てることができ、ラスハウス(遮光ネットで覆った生育室)などのような明るい日陰の屋外で栽培します。冬寒い地方では、夏には屋外で、冬には屋内の日光の入る窓辺で生育させます。また、一年中温室で育てる場合もあります。
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AOS栽培テキストの原本の転載を許可して下さったアメリカ蘭協会(AOS)に感謝すると共に、テキストの英訳にあたられたMariko Hayashi Herron様、前田純様、Nifty-ServeのFGARDENの蘭会議室のみなさんに感謝致します。
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