![]() ●Kalk Samen Kuri No Hana 評価:★★★★☆ ご存知、新宿系歌姫(謎)林檎嬢の3rd。 今まで椎名林檎ってなんだか青臭いイメージがあって勝手に毛嫌いしていたんですが、 このアルバムではそんなイメージをぶっ飛ばしてくれるほど完成度の高い楽曲群を聴くことができました。 ひとことで言えばジャズ・ロカビリー・プログレ・ノイズの要素をブチ込み、軽く歌謡曲で味付けした感じ。 雰囲気的には今までの彼女の雰囲気なのでしょうね。 いかにも昭和・大正の東京レトロ趣味的な色、いわば口髭の紳士の持つグラスに注がれる琥珀色が このアルバム全体に漂うカラーですね。 今作はストリングスが大胆に導入されており、その上ディストーションをかけた琴なども飛び出し、 それらが巧みなサンプリングによりちぐはぐすることなく曲としてコンパクトにまとまってます。しかも宅録というアングラさ。 サンプリングノイズをやる自分としても得る部分は多いです。 人間の足音やメトロノームで拍を取るところなどかなりおもしろいですね。 ただ、歌詞は見慣れない単語を不条理に羅列しただけで、なんだか真理に欠ける感じがしますね。 ブックレットを見る限りでは奇を衒っているようにしか見えないのですが、 楽曲に乗ってしまえば単純に心地良いので、あえて歌詞は意味ナシ響きアリって感じにしてるのではないでしょうか。 個人的にこのアルバムを聴いていると戸川純を思い出してしまうのですが、 現在の音楽シーンにおいての彼女の立場的にはあながち間違っていないかもしれません。 『宗教』に始まり、『葬列』に終わる曲構成の巧みさ、トータルランニングタイム44分44秒という拘りなど、 ブックレットの修行僧のような林檎嬢の格好から、ストイックな姿勢が伺える快作。 あえて不満を言えば、ここまで完成度の高い楽曲を作り出すのだから一曲くらい10分台の大曲を アルバムのハイライトとして聞かせて欲しかったですね。 |