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          おやま事務所だより

                   2005年6月号

   ・ 求人は正社員重視に

   ・ 未払い残業代問題の抜本的解決策

   ・ 健康保険組合の異業種間の合併が可能に

   ・ 成果型退職金制度をご存知ですか

求人は正社員重視に
雇用情勢が改善傾向にあります。厚生労働省によれば、公共職業安定所(ハローワーク)における、求人と求職が折り合わない雇用のミスマッチも和らいでいるとのことです。
 
 厚生労働省がまとめた新規求人状況によると、フルタイムで働く正社員の求人は前年度比14.2%増となっています(これに対し、パートや臨時・季節労働などの非正規社員は、7.7%増にとどまっています)。この増加の背景には、2007年度から始まる団塊世代の大量退職に備え、技術伝承のために安定した人材の確保が不可欠だという企業の思惑があります。
求人の所定内賃金の平均についても、2002年度の20万6,000円を底に、2004年度には21万円まで上昇しています。
 
 しかしその一方で、雇用情勢の地域格差は拡大傾向にあります。2005年3月の都道府県別の新規求人は、東京・大阪・愛知などでは前年同月比でみると好調ですが(それぞれ17.5%増、13.2%増、9.7%増)、栃木や大分などの地域では伸び悩んでいたり落ち込みが激しくなっています(それぞれ0.2%増、12.7%減)。なお、業種ごとに雇用情勢をみると、サービス業や自動車関連が多い地域は好調傾向にあり、電気機械や電子部品の生産拠点が多い地域では苦しい状況にあることがわかります。

 こうした現状は、いわゆる2007年問題への対応や業績回復のために、人手不足と正社員重視が鮮明になってきていることを如実に示しているのです。


未払い残業代問題の抜本的解決策
 厚生労働省は、ホワイトカラー社員の一部にも時間外労働などの割増賃金の支払いの除外対象を拡大する方針を固めました。週40時間制や法定休日制などの労働時間規制に関する労働基準法の見直しを進め、2007年の国会に改正案を提出する意向です。

 労働基準監督署が2003年に行った未払い残業代の是正指導は約1万8,500件で、過去30年間で最悪でした。景気後退局面での過重労働も否めませんが、時間重視の規制と職場の実態のずれも是正指導急増の原因でしょう。

 工場のライン生産などが主流だった頃の労働時間規制が、サービス業中心の多様な働き方が定着した現代に適合しなくなってきており、労働生産性を高め企業の国際競争力を維持するためにも、労働時間規制の抜本的な改正が必要です。

 現行の労働時間規制が適用されないのは、工場長や部長など部下の労働条件を決める管理職だけです。また、実労働時間と関係なく一定時間働いたとみなす裁量労働制は、手続きが煩雑なため導入が進んでいません。ホワイトカラーに対する年俸制も、割増賃金に対する規制が残るため、真の年俸制にはなり得ません。

 時間で成果を測りやすい工場勤務のブルーカラー職種には規制を残し、本人の裁量が大きいホワイトカラー職種では規制を緩和するという方針転換は、過重労働を警戒する労働組合からの反発も予想され、規制除外対象をどう定義付けるかという今後の課題も残しています。
 この法改正が実現すれば、ホワイトカラー社員の未払い残業代問題の解決に繋がること、も考えられます。日本の労働時間を最重視した労働政策は、今大きく転換されようとします。
課題も残しています。

 この法改正が実現すれば、ホワイトカラー社員の未払い残業代問題の解決に繋がること、も考えられます。日本の労働時間を最重視した労働政策は、今大きく転換されようとします。


健康保険組合の異業種間の合併が可能に
厚生労働省は来年の医療制度改革の一環として、主に大企業の社員が加入する健康保険組合の再編促進に着手します。財政難の健康保険組合が解散に追い込まれた場合、加入者は国が運営する政府管掌健康保険に移ることになります。
 
 政府管掌健康保険は給付の一部を国が補助しているため、健康保険組合の解散=国の負担増ということになってしまいます。そこで、健康保険組合の解散を防ぐことで政府管掌健康保険への補助額が増えることを抑制しようという思惑が厚生労働省にはあるようです。

◆医療保険の仕組みと種類

 医療保険は国民健康保険と被用者保険に分類され、被用者保険は政府管掌健康保険と健康保険組合、公務員や教員等の共済組合、船員の船員保険に分類されます。

 健康保険組合は、健康保険事業を政府に代わって行う公法人で、常時700人以上の社員がいる事業所では厚生労働大臣の許可を得て単独で健康保険組合を設立し、健康保険業務を行うことができます。

◆健康保険組合のメリット

健康保険組合のメリットとして、次の4点が挙げられます。

@被保険者の年齢構成や男女比、疾病や医療費の動向を細かく把握し、組合員の状況に応じて自主的な事業運営を行うことができる

A法律で決められた法定給付に加えて、健康保険組合の財政状況に応じて「付加給付」を行うことができる

B保険料を決定するための保険料率と保険料負担の割合を、法律の範囲内で独自に決めることができる

C組合の実態に応じて病気予防、健康増進などの保健事業を行うことができる

◆健康保険組合の実態

 健康保険組合は、2004年度で1,599組合あり、これには加入者の減少で設立要件を満たさなくなっている小規模組合や、財政状況が悪く財政健全化の指導を受けた組合約240が含まれます。組合数は、解散や合併により前年度末より31組合減り、ピークだった92年度の1,827組からは毎年度減少しています。

◆健康保険組合の再編案

 現在、健康保険組合の統合は、同じ業種間でしか原則認められていません。しかし、同じ業種の複数の事業者が設立・運営しているケースもあることから、小規模な健康保険組合や財政基盤が脆弱な組合を含む再編について、同じ都道府県内の場合であれば、業種が異なっていても統合を認める意向にあります。

 また、合併後も数年間は複数の保険料率を併用したり、統合した各組合の積立金を別勘定で管理できる特例も設けます。


成果型退職金制度をご存知ですか
 従来の一般的な退職金制度は、退社時の賃金と勤続年数をもとに計算されました。支払い総額は退職時の基本給に、勤続年数が長くなるほど有利となる係数を掛け合わせて算出されます。つまり、一人ひとりの仕事の成果よりも長く勤め上げたことを評価する退職金の仕組みといえます。

 しかし、バブル崩壊の影響等により売上が停滞ぎみの企業にとっては、どの社員にも同じように高水準の退職金を約束するのは負担である、と考えるようになってきました。

 そこで「成果型退職金制度」が最近になって急速に広がり、厚生労働省によるとすでに大企業の36%が当制度を採用し、今年も大手企業の導入が続いています。

◆成果型退職金制度とは

 成果型退職金とは、社員の能力や貢献度、勤続年数を点数に換算し、それをもとに退職時の一時金を算出する方法です。これは、ポイント制退職金とも呼ばれており、毎年の点数を累積し、退社時に一定の係数をかけたものが支払額になります。

◆成果型退職金制度の特徴

 成果型退職金は基本給と連動せず、勤続年数による係数の傾斜は緩やかになっています。毎年の成果や役職を反映してポイントを積み上げるため、同じ勤続年数であってもより上の等級に格付けされた者、または早く昇格した者が退職金の額も多くなり、その意味で能力主義賃金を反映したものであるといえます。そのため、企業によっては、仕事で高い成果を上げることで退職金も増える、と強調して社員のやる気を促そうとしています。

◆成果型退職金制度のメリット

 成果型退職金制度は、企業からみて以下のようなメリットがあります。

@昇給による退職金の自然増加を回避することができるため、人件費の削減につなげることができる

A企業への貢献度を反映させた制度であるため、社員の意欲・モラールの向上が期待できる

B人材流動化に対応しやすいため、中途入社員にとって不利にならない

◆成果型退職金制度を導入する際の留意点

 成果型退職金は「成果を上げた人には報いる」のが前提であるため、毎年の査定を公平に運用できるかが重要になります。評価結果に社員が納得できなければ、不満や不公平感が高まって士気に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。そのため、管理職に対して人事評価の研修を実施する企業もあります。




      
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