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            おやま事務所だより

                   2005年11月号

 
 民間の
3割に派遣労働者

  管理職になって収入減?
  私傷病休職制度
  建設事業主間で労働者派遣可能に


民間の3割に派遣労働者
昨年3月から改正労働者派遣法が施行されていますが、厚生労働省の実態調査で、派遣労働者を使う民間企業が一段と増え、全体の
 3割を超えたことがわかりました。派遣受入期間の延長や製造現場への派遣解禁などの規制緩和が歓迎されたとみられますが、派遣労働者の5人に1人が賃金や業務内容について派遣元や派遣先に苦情を申し出ていたことも明らかになりました。
◆増える派遣労働者
 調査は昨年9月から10月に社員数30人以上の民間事業所(約14,000)と派遣労働者(約25,000人)を無作為抽出して実施し、それぞれ約6割から回答を得ました。

 調査結果によると、派遣労働者がいる事業所は全体の31.5%あり、2003年より10%以上増えています。事業所のうち47.8%が1年前に比べて「派遣労働者が増加した」と答え、「減少した」と答えたのは16.5%にとどまりました。
社員数が多い事業所ほど派遣労働者がいる割合が高く、社員数500人以上の事業所は全体の約8割にいました。

 企業側が派遣労働者を使う理由は、「欠員補充など必要な人員を迅速に確保できるため」が74.0%で最も多く、次に「一時的な業務量の変動に対応するため」が50.1%で、景気変動に応じて派遣労働者の雇用量を調節しているようです。

◆派遣労働者の苦情・要望
 派遣労働者本人に対する調査では、全体の22.9%が過去1年間に人材派遣会社や派遣先企業に「苦情を申し出たことがある」と答えています。その内容は「賃金」についてが28.0%と最も多く、次いで「業務内容」が21.9%、「就業時間や時間外労働、休憩時間、休暇」などが14.7%、「人間関係、いじめ」が13.5%ありました。

 また、66.4%が人材派遣会社に要望があるとしており、「賃金制度を改善してほしい」、「継続した仕事を確保してほしい」「福利厚生制度を充実してほしい」などの回答が多かったようです。

厚生労働省は、この調査結果を今後の派遣労働者の職場環境改善策に活かしていく考えのようです。

管理職になって収入減?
景気に明るさが出てリストラも一段落したといわれていますが、企業はコスト抑制の手綱をゆるめる気配はないようです。最近では、管理職になって役職手当がつくようになった代わりに残業手当がなくなり、結果的に収入が大幅に減ってしまったというケースがあります。仕事の中身はほとんど変わっていないにもかかわらず、人件費圧縮を狙った昇格人事により会社と社員の紛争に発展する例があります。
◆法律上の管理監督者とは
労働基準法では労働時間や休憩、休日について一定の条件を設けることによって、労働者を保護していますが、いわゆる管理職は「管理監督者」として規制の適用外となっています。しかし、仮に会社が管理職と位置付けていても次のような要件を満たしていなければ、法律上の「管理監督者」とはならず、会社は残業や休日出勤には割増賃金を支払わなければなりません。
@業務上の指揮命令権や相当程度の人事権がある

A労働時間の厳格な拘束を受けない


B管理監督者にふさわしい処遇を受けている
◆実際に裁判で争われた例
 実際に残業手当の支給対象であるかどうかが争われた裁判では、どういう肩書きかではなく、実態がどうであるかで判断されました。

 ファミリーレストランの店長が社員6、7人を統制し、ウエイターの採用にも一部関与し、材料の仕入や、売上金の管理等をまかせられ、店長手当として月額23万円を受けていたとしても、営業時間である午前11時から午後10時までは完全に拘束されて出退勤の自由はなく、仕事の内容はコック、ウエイター、レジ係、掃除等の全般に及んでおり、ウエイターの労働条件も最終的には会社で決定しているので「管理監督者」にはあたらないとした例があります。

 また、銀行によって事情が違うため一般化はできませんが、支店長代理が、規定の就業時間に拘束されて、部下の人事やその考課には関与しておらず、経営者と一体となって銀行経営を左右するような仕事に全く携わっていないとして「管理監督者」には該当しないと裁判所が判断した例があります。

私傷病休職制度
 私傷病休職制度は、多くの会社で以前から実施されていますが、近年では成人病や心の病など慢性的な疾患を抱える労働者が増加し、これまでの制度では対応できないケースが増えています。特に問題となるのは出勤と欠勤を繰り返すケースや、休職して職場復帰した後、短期間で同一の傷病で欠勤するケースですが、このような事例に対応できる私傷病休職規程にしておくとよいでしょう。
◆私傷病休職制度とは
 私傷病休職制度は、社員が病気やけがによって一時的に働けなくなった場合に直ちに解雇するのではなく、一定期間休職させることによって健康を取り戻し、再び就労するチャンスを与えることを目的とする制度です。

 この制度は法令で義務付けられているものではなく、会社が任意に実施する制度なので、制度を実施するかどうか、実施する場合に休職期間をどの程度にするか、休職期間中に賃金を支払うかどうかなど制度の内容は労使の取り決めによって決めることになります。

 ただし、制度として実施した後は、労働契約上の労働条件となるため、会社が恣意的に運用することはできません。
◆規程に定めておくとよい例
 休職発令前の欠勤期間(欠勤許容期間)については欠勤が連続して発生したことを休職発令の条件として定めるケースが多いですが、欠勤と出勤を繰り返し、同一傷病による欠勤日が連続しない場合もあるので、同一傷病による欠勤期間を通算してカウントする制度とするのがよいでしょう。
 私傷病制度を適用する場合には、社員に対し医師の診断書の提出を義務付けるのが一般的ですが、診断書を提出しないケースもあります。私傷病によって一定期間以上欠勤する場合および休職の適用を受ける場合に医師の診断書の提出を義務付ける旨を規程に定め、診断書を提出しない場合の取扱いも規程に定めるとよいでしょう。
 休職期間満了までに傷病が回復し、職場復帰が可能な場合、会社は職場復帰を認めなければなりませんが、短期間の休職と復職を繰り返す場合の対策として、規程に一定期間内に生じた同一傷病による休職期間は通算し、2回目以降の休職には欠勤許容期間を適用しないで直ちに休職を発令できる旨を定めておくとよいでしょう。


建設事業主間で労働者派遣可能に
 建設業務に従事する労働者の雇用の安定・維持を図るため、改正建設雇用改善法が10月から施行されています。改正の主な点は建設業務に従事する労働者を対象とした就業機会確保事業と有料職業紹介制度の創設の2点です。
◆就業機会確保事業とは
 建設業務は、労働者派遣法によって労働者派遣の対象外となっているため、派遣業者が労働者を派遣することも派遣業者から労働者を受け入れることもできません。

 就業機会確保事業は建設業を営む事業主が一時的に余剰となった建設業務に従事する常用労働者を他の建設業の事業主の下に派遣することによって、その雇用の安定・維持を図るものです。
◆就業機会確保事業の4つの条件
@送り出し事業主と受け入れ事業主の双方が同一の建設業の事業主団体の構成員であること

Aその事業団体が実施計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けていること

BAの実施計画で示した送り出し事業主と受け入れ事業主の組み合わせの範囲でしか建設業務労働者の送り出し・受け入れができないこと

C常用雇用労働者の一時的な余剰が生じた場合に、余剰となる労働者の雇用の安定・維持を図るために行われるものであること
◆禁止・制約される点
 就業機会確保事業は、一時的に余剰となる労働者の送り出し・受け入れを認めることで雇用の安定・維持を図ろうとするため、送り出し事業主が講ずべき指針により送り出すことのできる労働者の総数や送り出せる期間についての制約があります。
 具体的には、送り出し事業主が送り出しを目的に労働者を雇い入れることや退職予定者を送り出しの対象とすることを禁止しています。
 また、一事業年度において送り出す労働者の数は、自ら請け負った建設工事に従事させた延べ労働者の5割を超えてはならず、送り出し先で就業する日数についても、その労働者の所定労働日数の5割を超えないとの条件があります。




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