おやま事務所だより
2005年12月号
育児休業後、元の職場に戻ることはできる?
派遣?請負?
深刻な厚生年金の空洞化
女性が働きやすい職場とは |
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2002年の育児・介護休業法の改正で、育児休業を理由とする解雇や不利益な取扱いが禁止されています。育児休業を終え職場復帰する際、休業前の業務に代替要員が就いていることを理由に異動を言い渡された場合、元の職場に戻ることはできるのでしょうか。
◆不利益な取扱いの例
厚生労働省の指針では、不利益な取扱いの例として減給、降格、そして本人に不利益となる配置変更をあげ、禁止しています。つまり、本人の意思に反した配置変更はすべきではないのですが、実際には育児休業後の配置変更を巡るトラブルは多いようです。
1年以上空席となるポストに会社が代替要員を置くのは当然ですし、配置変更についても裁判所は会社に広く人事権を認めているので現実に辞令を覆すのは難しいようです。
◆不利益な配置変更として争える場合
不利益な配置変更として争える場合として、厚生労働省の指針には「通常の人事異動のルールからは十分に説明できない職務または就業場所の変更を行うことで、労働者に相当程度経済的または精神的な不利益を生じさせること」とあります。
経済的・精神的不利益について、労働環境がまったく変化しないことは考えにくいので、問題は変化が通常甘受すべき程度を超えているかどうかがポイントとなります。
過去の判例では、子供を保育所に預けて働いている女性の転勤について、片道2時間弱の通勤によって保育に支障が生じることは認めながら、転居することで解決できるので転勤命令は有効という判断を2000年に最高裁が下しています
ただ、不利益な異動に相当するかどうかの基準は、まだ確立されていません。納得できない場合は公的窓口などに相談するとよいでしょう。
書類上、形式的には請負(委託)契約であるにもかかわらず、実態は労働者派遣であるものを「偽装請負」と言い、違法です。
その理由は、労働者派遣法等に定められた派遣元(受託者)・派遣先(発注者)の様々な責任が曖昧になり、労働者の雇用や安全衛生面など基本的な労働条件が十分に確保されないという事が起こりがちだからです。
請負とは、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法)」ですが、派遣との違いは、発注者と受託者の労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントです。自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合には、偽装請負である可能性が高いと言えます。
偽装請負の代表的なパターンは、「代表型」、「形式だけ責任者型」、「使用者不明型」、「一人請負型」の4つです。
「代表型」とは、請負と言いながら、発注者が業務の細かい指示を労働者に出したり、出退勤・勤務時間の管理を行ったりしています。これが最も多いパターンです。
「形式だけ責任者型」とは、現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じです。単純な業務に多いパターンです。
「使用者不明型」とは、業者Aが業者Bに仕事を発注し、Bは別の業者Cに請けた仕事をそのまま出します。Cに雇用されている労働者がAの現場に行って、AやBの指示によって仕事をします。つまり、労働者が誰に雇われているのか良く分からないというパター
ンです。
「一人請負型」とは、実態として、業者Aから業者Bで働くように労働者を斡旋します。ところが、Bはその労働者と労働契約を結ばず、個人事業主として請負契約を結び業務の指示、命令をして働かせるというパターンです。
請負で働かせる場合、雇用形態について疑問を持ったときは、私共社会保険労務士にご相談ください。
国民年金の加入者に、実は給与所得者が多いのをご存知ですか? 社会保険庁の「国民年金被保険者実態調査」(02年)によると、国民年金の加入者(第3号被保険者を除く)の3分の1が臨時・パートを含めた給与所得者です。残りは、無職の人が3分の1で、本来の加入対象者である自営業者は3分の1しかいません。
この給与所得者の保険料の納付率が思わしくありません。自営業者の納付率が76.9%であるのに対し、常用雇用者の納付率は61.4%、臨時・パートは54.1%に過ぎません。
しかも、この常用雇用者に年収500万円以上の人が32.2%、そのうち 1,000万円以上が8.5%もいます。不思議なことに、臨時・パートにも年収1,000万円以上が6.3%もいます。
会社が従業員をパートや業務請負などの扱いにしていることと、会社自体が厚生年金に加入しないことから、厚生年金の空洞化も進んでいます。
また、高額所得者が厚生年金を避け、国民年金に流れています。さらに、そのうちの半数近くが保険料を支払っていません。自分たちの老後を皆で支え合う公的年金の崩壊は、避けなければなりません。
効率よく仕事をするためには職場の環境も大切です。いくつかの会社で働いた経験のある女性派遣社員に、設備や人間関係などの観点から「働きやすい職場の条件」について聞いたアンケートの結果が新聞に出ていて、興味深い内容となっています。
◆派遣社員の結果
1位 トイレがきれい
2位 正社員と派遣社員の間に壁を感じずにつきあえる
3位 干渉されない
4位 あいさつしやすい
5位 同じところから派遣されている社員がいる
1位は建物の設備に関するもので仕事と本質的な関係がないようにみえますが、清潔なトイレは会社として余裕があるか否かの目安とする考え方があるようです。2位から4位はいずれも人間関係の問題で、仕事をする上では重要と考えられているようです。
◆正社員の結果
同様に女性正社員にとっての働きやすさの条件についてのアンケートでは以下のような結果になっています。
1位 干渉されない
2位 上司や同僚に悩みを相談しやすい
3位 トイレがきれい
4位 あいさつしやすい
5位 小規模でアットホーム
1位「干渉されない」からは、仕事に責任を持ち、互いに協力するけれど、私生活には過度に踏み込まない職場を望んでいる姿が見てとれます。また、理不尽な目にあったとき、話を聞いてくれる人がいると働きやすいという意見や、キャリアアップの目標となる尊敬できる女性の先輩がいるなどの心の支えを重視する傾向があるようです。
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