| 2006年 9月号 |
| 「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ |
| 雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に |
| 外国人の従業員を雇う場合の注意点 |
◆地域別最低賃金の引上げ額
厚生労働省は、地域別の最低賃金(全国平均は1時間当たり688円)を今年度の改定で0.5%程度引き上げる方針を示しています。アップ率は、前年度に比べ0.1ポイント上昇する見込みです。
平成18年度の地域別最低賃金改定の目安は、全国の都道府県をAからDの4ランクに分類し、Aランク4円、Bランク4円、Cランク3円、Dランク2円、との引上げ額を示しています。
Aランク…千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府
Bランク…栃木県、埼玉県、富山県、長野県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、広島県
Cランク…北海道、宮城県、福島県、茨城県、群馬県、新潟県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、奈良県、和歌山県、岡山県、山口県、香川県、福岡県
Dランク…青森県、岩手県、秋田県、山形県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
◆引上げまでの流れと引上げの時期
上記の額を参考にしながら、各地域の賃金実態調査や参考人の意見等を踏まえながら審議を行い、その結果に基づいて都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することになります。
8月頃には各労働局が地域別の最低賃金を決定し、10月1日をめどに適用する予定となっています。この予定通りにすすめば、10月以降は新しく決まった最低賃金額を下回らないよう、賃金の支払いには十分注意しなければなりません。
◆労働者側と使用者側の見解の違い
改定の目安を審議していく中で、労働者側と使用者側に見解の違いがあったようです。
労働者側は、全体として企業業績の改善が進む一方で、所得の「二元化」が加速するとともに消費者物価も上昇に転じているため、低所得者の生活苦がさらに深刻化するのを防ぐためには、昨年を大幅に上回る改定が必要であると主張しました。
これに対し、使用者側は、日本経済全体が回復基調にあるにしても、地域間や産業間、企業規模間等で回復の度合いにばらつきがみられるとともに、企業の倒産件数も増加傾向にあることなどを主張し、地域別の最低賃金の改定には否定的な考え方を示しました。
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◆雇用保険制度の見直し
厚生労働省は、現在は認めていない65歳以上の人の雇用保険への新規加入について、これを認めるよう制度の見直しに着手するようです。少子化の影響による若年層の労働力人口の減少が懸念される中、65歳以上の就業者の増加につなげるのが狙いです。
◆現在の雇用保険の仕組みでは
雇用保険とは、会社に勤める労働者が給与の一定額を保険料として納めておくと、失業した際に就労時の給与の一定割合をいわゆる「失業手当」として一定期間受け取ることができる制度で、現在の雇用保険制度は、65歳になる前から雇用保険に加入している人に限り、65歳を超えた場合に継続加入を認めており、保険料も免除しています。65歳以上の人の新規加入については、現制度では認められていないのです。
65歳になる前から雇用保険に加入していて継続加入が可能な人と、65歳以上で新規加入できない人とでは待遇の差が大きいため、保険に加入できない65歳以上の高齢者の再就労意欲をそいでいるとの批判が出ていました。
今回の見直しで65歳以上の人も新規加入が認められると、失業時に失業手当が受け取れるようになるほか、雇用保険制度の職業訓練などを利用できるようになります。
◆今後の議論の焦点
新規加入の条件は今後詰められていくようですが、週20時間以上働くなど、今の雇用保険の加入条件を満たす65歳以上の人に門戸を開くのが基本方針のようです。
約500万人いる65歳以上の就業者のうち、200万人程度が新規加入の要件を満たすとみられています。また、65歳以上の新規加入者から保険料を徴収するかどうかも、議論の焦点となりそうです。
現在、保険料を免除されている65歳以前からの加入者と同様に65歳以上の新規加入者にも保険料免除を認めれば、雇用保険財政を圧迫することにつながります。しかし、新規加入者と65歳になる前からの加入者との間で待遇に大きな差が生じることは、不公平との批判がでるおそれもあり、慎重な議論が必要といえるでしょう。
少子高齢化で全体の就業者数が減少する中、65歳以上の就業者は今後も増加すると思われます。しかし、現在65歳以上の就業者のうち雇用保険に加入している人は全体のうちわずかとみられ、この制度の見直しをきっかけに、高齢の就業者がより安心して働けるようになれば、全体の労働力の増加にもつながるのではないかと期待されます。
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◆外国人の従業員を雇うには
ある中小企業で外国人の従業員を雇うことになりました。その外国人の方は別の会社で技術系のエンジニアをしており、こちらの会社では通訳や翻訳の仕事をしてもらうことになりました。事前に書類で在留期間の確認をしていれば、法的に問題はないのでしょうか?
◆在留資格の種類
日本に在留する外国人は、観光客のような短期滞在者や永住者など、27種類の在留資格に分類され、資格によって日本に在留できる期間が違います。
その中で就労の可否に着目すると、次の3種類に分けられます。
(1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格
「技術」、「人文知識・国際業務」、「技能」、「教授」、「芸術」、等
※一般の事業所で雇入れの多い在留資格
「技術」…システムエンジニア、自動車設計技師 等
「人文知識・国際業務」…通訳、企業の語学教師、デザイナー等
「技能」…外国料理のコック等
(2)原則として就労が認められない在留資格
「文化活動」、「短期滞在」、「留学」等
※「留学」、「就学」の在留資格をもって在留する外国人の方がアルバイトなどを行う場合は資格外活動の許可を受けることが必要
(3)就労活動に制限がない在留資格
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」
◆在留資格の変更
エンジニアなど「技術」の在留資格で働いていた方が、別の会社で通訳などの仕事をするためには、在留資格を「人文知識・国際業務」に変更する必要があります。
在留資格を変更せず、定められた以外の仕事を本業にすると不法就労に該当し、本国に強制送還される可能性もあります。
◆雇うときの注意点
外国人の方を雇うときの注意点としては、在留期間が有効か、その仕事に合った在留資格を持っているかの2点について、証明書を提示してもらって確認するとよいでしょう。
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