更新 2000/04/06 『P.A.』 [特別編]のデータ追加
各話の ※以下は私の読後感想メモです。
【タイトル】 P.A.1
[初版発行] 1992年02月20日
- ☆PART1 たとえばハイネみたい(91年4月号)
- 不治の病にかかった中年の実業家のために娘を演じるようその秘書が依頼する。娘は8年前に別れた母親とともにイギリスに行き、そこで強盗に遭って殺されたと伝えられていた。再会した父と娘として幸福な日々を過ごす志緒と実業家、レストランからの帰り、車をあさっていた強盗から志緒を守った力強さに志緒は父親の愛情の強さを知る。ディズニーランドで偶然従兄弟が二人を目撃した。実業家の命が長くないことを知っている従兄弟はまた当時イギリスで警官から娘の死を直接聞いていた。彼は志緒が一人でいるところへ乗り込み、遺産目当てなら協力しようと持ちかける。そこへ実業家が戻ってくる。志緒は疑いを晴らすため、ブラウスをはだけて胸からお腹へかけての傷のあとを見せる。志緒は仕事としてだけでなく、本当に彼を傷つけたくない気持ちにかられていた。その場はうまく収めた志緒だったが、その後、公園で遊ぶ志緒に娘のホクロが無かったことから、実業家は志緒が偽物だと気づいたが、黙っていた。
- そして彼が倒れるまで二人は一緒に過ごした。彼が亡くなったことを告げにきた秘書は「あの子にすまない」「娘が迎えにきた」と言い残して亡くなったと志緒に言った。そして渡されたハイネの詩集には、「ありがとう、えみる どこの誰であっても」と書き添えてあった。※志緒の登場編。志緒の学校での姿、その演技力、家庭環境などが紹介される。ところで日青プロの社長(?)って、とてもあのプロダクションを仕切ってるとは見えないんだよなー。それと志緒のことを社員に喋りすぎ(笑)。ストーリーとしてはいくつか不自然な箇所が目立つが(秘書が依頼するか? たとえ死体と対面しなくても、殺人事件なら警察がかかわっているはずだから死んでるかどうか不明なはずはない、など)、志緒の家庭環境から来る父親への憧れの感情と読者の理想の父親への憧れと年上の男性への憧れのまざったような感情をうまくだぶらせている。小道具はハイネの詩集、冒頭、教室で志緒が朗読し、志緒が実業家が帰るのを待ち構えていたマンションの部屋で置いてあったのを実業家が帰ってくるときに朗読し、最後に亡くなった実業家が志緒に送る。依頼人に志緒の演技力を聞かれたプロダクションの社長が「天才的です」と言うセリフに志緒の顔がアップになる場面、実業家の死を悲しむ志緒が次の左上のコマで学園の生徒たちをバックに正面を向いて「そしてあたしはまた小早川志緒に戻る」「仕事は終わった」とクールに決めるところがカッコいい。
- ☆PART2 正しいショパンの楽しみ方(91年11月号)
- 結婚式の客の仕事に出た志緒だがそこにいた新郎の後輩は、母、日本を代表する美人女優、永沢さゆりと不倫の関係を持って志緒を生んだ人気男優、緒方正和の息子、緒方京介だった。志緒を妹と知らず演技力抜群のPAと見た京介は女癖が悪く、母を泣かせ精神錯乱状態にまで陥れた父への復讐の片棒に志緒をやとう。志緒をさゆりの娘と思わせ、母違いの妹と恋人同士になっていると見せて、父をあわてさせようというのだ。初めて側で見る父親、緒方正和に複雑な感情を抱きながらも志緒はドラマの収録風景に見た演技の素晴らしさに涙する。志緒を永沢さゆりとだぶらせた京介の母はショパンのエチュードを流しながら手首を切る。母の心を静まらせるため病院で緒方正和の前で今までの「芝居」をばらした京介、そして「すべて芝居」と言って去って行く志緒に正和は「それが芝居なら君は天才だ」という。志緒は、冗談ぽく「わたし、天才なの」と答えて去ってゆく。※志緒の家庭環境が語られる話。ここではまだ正和との関係が進展する予定もなかったのか、それゆえに、実の父と兄に芝居して去ってゆく志緒が泣かせるし、カッコいい。
- ☆PART3 シェイクスピアのたまご
- 志緒は病で死を予期した男性の依頼を受けていた。愛する妻を悲しませないため、志緒と不倫の関係になったことにして妻と別れようというのだ。志緒の学校ではクリスマスの劇の練習に余念がない。そのハムレット役はボーイッシュで生徒たちの憧れのまと、るいだったが、るいは稽古をさぼる志緒を追って、不倫の現場を見る。その男性はるいの姉の夫だったのだ。るいの志緒へのちょっかいからだんだんと真相が分かってくる。死を予期したというのは真っ赤な嘘だった。るいへも手を出そうとした義兄は、同性愛者で男の恋人と一緒になるため、妻と別れようとしたのだ。今回は完全に相手の芝居にだまされた志緒だった。事実はシェークスピアの芝居の如く奇なり、だったのだ。※冒頭、学校の劇の練習風景を横目で見ながらの志緒のモノローグの場面を見るとカット割りやセリフの内容、セリフの配分などうまいなと思う。ストーリーは不倫に同性愛と今風の女の子向けで、アイディアは悪くないが、うまく練れてない感じだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A.2
[初版発行] 1992年12月20日
- ☆PART4 ウエディングはヒチコック風(92年6月号)
- 大女優の息子は結婚式の直前になって相手が消えてしまった。彼女が忘れられず、結婚する気はない彼だが母を安心させるため志緒を贋の新しい結婚相手に雇う。だが、彼の屋敷に行くと志緒の命を狙うような出来事が起こる。犯人は息子が奪われるのが許せない車椅子の大女優ではなく、息子が結婚相手の浮気を怒って殺して埋めていたのだ。大女優は息子をかばうため、自分が犯人であるようふるまうがヴェランダから落ちそうな志緒を一瞬心配したのを志緒は見抜く。息子は志緒に真相を悟られたと知って自首する。※女の死体が大雨の崖崩れで現れ、血を吐いて救急車で運ばれようとする母親の大女優に真相を見抜いた理由を語る志緒、大女優は一言「天才ね」、次に志緒のニヒルな顔のアップ、この場面が良い。メイドをやっていた女の子は女優志願で志緒の事務所で働くことになる。三枚目ぽいキャラクターだが、このあと活躍しなかったのは残念。
- ☆PART5 ルノアールのささやく日(92年9月号)
- 人気子役の女の子は母に死別していた。マネージャーは父親と結婚することになるが、母に未練がある女の子を説得するため、志緒に降霊術師になり、母親の霊が降りて結婚に賛成していると言うよう頼む。マネージャーの態度が気に入らない志緒は様子を探る。母親はニューヨークへ去っていたことが分かるが、その電話を聞いた女の子は志緒にだまされていたと家を飛び出す。志緒はそれでも母親の演技のまま、踏み切りではねられそうになった女の子を救う。
- ※結果的に依頼は果たせなかった志緒だが、女の子を幸福にした。特にマネージャーが悪役というわけでもないのだが、母には向いてないことを志緒に悟られてしまったのだ。特に謎解きがある話ではない。母親が実は死んだのでなくニューヨークに行っていた。だが、そこで亡くなっていたという秘密が分かるだけだが、クライマックスの演技だが母親の霊が降りているのだか分からないまま、女の子を救う場面が圧巻のカッコ良さなんである。
- ☆PART6 ナイチンゲールはどこへいった(前編)(92年10月号)
- 母である永沢さゆりが恋人がいると宣言、志緒に女優になっても良いという。母のためにずっと自分の立場を隠していた志緒は今更と思う。母の映画の撮影現場にエキストラで参加した志緒は監督に才能を注目される。そこにいた母の恋人は高校のコンパで会ったアニメおたくの羽村知臣だった。知臣は監督に注目されるほどの志緒の天性の演技への欲求を指摘する。知臣が売名行為のため、母に近づいていると思った志緒だが、母の恋人ということでヤクザに絡まれている志緒を母になりすまして助け、知臣と一夜を過ごす。
- ☆PART7 ナイチンゲールはどこへいった(後編)(92年11月号)
- 知臣を売名のため、母に近づいていると依然思っている志緒はそんな知臣を母と取り合っていることに悩む。撮影現場で志緒は知らないうちに監督にカメラテストをさせられ、役の少女と自分の立場を重ねて見事な演技を見せる。控室で母に甘い言葉をささやく知臣の声を聞いた志緒、雨に濡れて戻ってきた知臣に水をぶっかけるが、実は知臣は母の相手をカモフラージュするために雇われたP.A.だったのだ。一緒に母の相手を確かめに行った志緒は安心した。それは緒方だったからだ。そして、唯一秘密を打ち明け、自分でいられる相手、知臣と志緒は猫のように寄り添うのだった。(知臣がP.A.になったのは財閥夫人として貞淑な妻を演じる母を見てきたかららしい)。※ここらでまた志緒の身辺をきちんと設定しておこう的な話で、恋人となる知臣の登場、最初がアニメおたくの役として出てきて「セーラームーン」をもじったような割作品名が出てくるのが笑える。最初、読んだときも思ったが、永沢さゆりのファンのヤクザの組長がいて、その子分に因縁つけられるシーンは、なんかミョーだなと思うが、志緒のとっさの演技はさすが。あと、カメラテストで、自分と役をだぶられせて演技のテンションをあげてゆく場面、コマ割りもうまいし、こういう演劇的、または映画的な手法をこの人はうまく自分のものにしているのだな。後編の最初で、いきなり知臣と「そいつと寝てしまった」って言って、ランジェリー姿の志緒とベッドの知臣がいるのも(おおっ、ここまでやるか)と思ったものだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A.3
[初版発行] 1994年01月20日
- ☆PART8 ヴェルレーヌの手紙(93年04月号)
- 同じ学校の重病の少女から依頼を受けた志緒、文通相手のヴェルレーヌの「落葉」の詩を好きな相手と少女の代わりにコンサートを聴いてほしい。だが、会場に相手は現れない。文通相手の名前の主は予備校生で心当たりがないという。真相は、予備校生の祖父で売れない芸術家が孫の名前で文通をしていたと分かった。だが、その祖父も倒れて手術を受けることになっていた。志緒は祖父に文通相手の少女だと言って励ます。予備校生は文通相手を志緒本人だと思い、手紙の雰囲気からすっかり彼女を気に入って交際を申し込んだ。真相を話す志緒。少女の病室を訪れた志緒、手術は成功していた。そこへ予備校生が現れ、文通の名前の主と本物の文通相手の少女との会話が始まっていた。志緒はそっとその場を去るのだった。※手堅くまとまっていて(母親が予備校の送り迎えに来る東大コースの予備校生を、
- 手書きセリフで「冬彦か」という志緒、描かれた頃の空気が伝わる)、意外性、ヴェルレーヌ−上田敏の詩を使っておしゃれに、ラストも知臣にぶらさがりながら、三人を幸せにした私って天使かもなんて志緒がおどけて言うなんて、シリーズとしてすっかりノッテる感じだ。祖父の手術の結果が描かれてないけど、当然うまく行ったのだろう。
- ☆ PART9 だから赤毛のアンは嫌い
- 婚約者の出来た医学生はそれまで付き合ってた女の子たちをあきらめさせるために志緒に婚約者としての演技をさせる。妹でいいからと言う看護学生だけは婚約者の志緒とも仲良くなる。彼女は彼に処女を捧げていた。彼女はお嬢様だと言うがそれは空想で本当はしがない家の娘だった。医学生はすっかり志緒の魅力にまいるがここらが切り上げ時と仕事を終えた志緒が知臣と会っているところを医学生と一緒にいた看護学生の彼女が見つけ、彼を裏切ったと志緒に切りかかり、医学生がかばって傷つく。実は医学生と志緒が芝居をしていたと知った彼女、そして医学生は見合いの相手を
- 断った。彼女は一念発起して医学部を目指すことになり、二人の未来に可能性が出てきた。
- ※この話でなんと言っても印象的なのは、看護学生の彼女が志緒と処女を失ったときの話をする場面で「銭湯と歯医者いっぺんに行くみたい」というセリフ。ここで志緒の初めての相手はもう死んでいるという。後にその話が出てくるのである。裕福だと言う彼女の家が実は……と分かる場面もなかなかいい。
- ☆PART10 アガサは4:00にお茶を飲む
- 志緒のめんどうを母親代わりに見てきた家政婦の森さんは政治家のかつての愛人だった。政治家の娘が亡くなり、彼女の娘を引き取りたいと言ってきた。金で全てを解決しようとする政治家に怒りを覚えた志緒は、娘に扮して選挙運動に参加、政治家を落選させようとする。志緒を追いかけた政治家は森さんと再会、自分の行為を悩む。結局、当選した彼だが、初心に戻って頑張る新たな決意をする。※ちょっと強引だけど、題材が面白い。こういう世界も題材に出来るのがこの作者の力量である。
- ☆PART11 ディケンズをみてごらん
- 自分が芸能界の仲間と遊び歩いていたクリスマスに妻が死んだことにショックを覚えたマジシャンはそれ以来、妻がいるかのように振る舞っていた。家政婦として、志緒はその彼に合わせなければならなかった。怪奇な現象が起こり、それは妻の霊が志緒に嫉妬しているかに見えたが、実は超能力を持ったマジシャンが自分で起こしていたのだった。志緒は妻の最後の姿に扮し、マジシャンに「生きろ」とのメッセージを伝える。病院で麻酔から目覚めたマジシャンは、妻との幻想の世界から目覚めていた。※クリスマスの雰囲気とオカルトめいた話がうまくあっている。これもクライマックスは強引だけど(妻に扮する志緒)ドラマチック、霊の仕業と思ってたのが、実はという意外さもある。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A.4
[初版発行] 1994年08月20日
- ☆PART12 ダリのいる部屋
- 地方から出てくる母親のために友人役を頼んだのはマンションの隣室に越してきたちょっといやな女。志緒の部屋に嫌がらせが続く。果して犯人は?※いやがらせのうち、コンドームをまいたのだけは、彼女だった。ミスリーディング
- もうまく、孤独な都会暮らしの女性、その彼女が志緒と一緒に痴漢を退治することで仲良くなるという志緒のパワー。男の子にとってはちょっと手厳しい内容だが、ダリの絵のような、というのはよく思いついたと思う。
- ☆ PART13 モナリザは微笑む(前編)
☆PART14 モナリザは微笑む(後編)
- 娘がいじめ殺されたのではとの疑惑を抱いた両親のため、志緒は全寮制の女子校に入り込む。そこにはいくつも死者を弔う十字架があった※サスペンスにあふれた話でシリーズの結末の方向を決めた重要な作品でもある。謎を秘めた学校に乗り込む志緒のきつい顔が最高。最初の殺人は幼稚園のときだったらしい。それから10年間で 5人。いたずらをした教師、ライヴァル意識むきだしの学友、疑いを持った寮監の女性、そして目撃者の依頼人の娘。まあ、とんでもない話
- である。
- ☆PART15 サロメの口づけ
- 知臣を見合いを壊すための恋人に頼んだ志緒のクラスメートの金持ちの娘が、実は知臣に一目惚れしていて、彼を手に入れるために近づいたのだった。※どうしても知臣に振り向いてもらえず、ついに彼を刺してしまう彼女。これ、台詞で父親がなんとかすると言ってるけど、よっぽどの権力者なのか(笑)。彼女の気持ちも分かる気がする。この話では、同棲じゃなく結婚、と言われた志緒が裸で知臣に抱かれているイメージがあったりして、美男美女のカップル、うらやましい。すでに二人、さすがに志緒はスリップをつけた姿ではあるが、ベッドで知臣が隣で煙草ふかしてたりとかさ、行くところまで行ってるよな。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A.5
[初版発行] 1995年01月20日
☆PART16 ヨハネの消えた街
- 渋谷の人気占い師の美青年は知臣の従兄弟だった。彼の代わりに失踪した知臣を探すヨハネと志緒。ヨハネは志緒の心を奪おうとする。無事秘密の仕事を終えて現れた知臣は志緒との連携プレイでヨハネを欺く。
☆PART17 Queenで終わる夏
- 志緒の夏の思い出、日青プロにスカウトされて初めてのP.A.その相手は志緒が初めて体を許したHIV患者の少年だった。※親も友達も来れないところまで近くに来て、の名セリフがある。
- ☆PART18 ジャック・ザ・リパーへの伝言
- 七歳の娘を何者かに殺された仏像彫刻を営む父親は病気で倒れ、記憶障害に陥っていた。彼のために娘を演じる志緒は犯人の眼科医と出くわす。瞳の変わった色に異様な執着を持ち、殺人を重ねる眼科医が捕まる。
- ☆PART19 グレース・ケリー発見記録
- P.A.の仕事を探る風俗ライター、松前弘樹は大金持ちのお嬢さんを演じる志緒と出会う。お嬢さんはテロリストの目標だった。志緒と松前の活躍で無事、彼らは捕まる。病院で松前は志緒と永沢さゆりの秘密を知るが、志緒の女優としての力に魅せられて秘密を守る。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A. 6
[初版発行] 1995年10月20日
- ☆PART 20 吉宗とティータイム
- 家出した孫を演じる志緒金を取りに家に戻った孫娘を追いかけた志緒は彼女が近所の若者と同棲しているアパートまで行く。祖母が危篤になり、バイクで病院へ向かう孫娘は事故に逢う。祖母が孫娘をこの世に戻してくれたのか、彼女は目を覚ました。
- ☆PART 21 2人の源氏
- 人気モデルと内気な双子の弟。弟を安心させるための恋人役をする志緒だが、弟の精神状態はとても不安定だった。弟と知り合ったマンションの女の子は弟が失踪したという。実は双子の兄弟は一人の二重人格、正体を知った志緒を兄の人格はマンションの屋上から落とそうとして、女の子に止められる。二人を押さえるための第3の人
- 格が現れ、事件は解決する。
- ☆PART 22 ナポレオンの泣いた夜
- バルト海へロケに行った永沢さゆりの船が遭難。TV局で緒方正和と一緒にいた志緒は一瞬の視線で、実の娘であることを知られる。年下の恋人ということにして、ともにフィンランドへ赴いた二人。永沢さゆりは生きていたが、顔に怪我をして女優は続けられなくなった。
- ☆PART 23 その時ロミオは16だった
- 金持ちの彼女の駆け落ちを助けるため、志緒と一緒におとりになる青年。駆け落ちの相手はバンドに失敗して、彼女と一緒に心中を図る。間一髪でかけつけた志緒と青年だが、彼女と青年はまだまだ、ただの友達でしかいられないようだった。知臣の会社が乗っ取りの危機に。知臣は危機を救うまで戻らないと告げる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A. 7
[初版発行] 1996年05月20日
☆PART 24 夏色のモンロー
- 女優を引退した、さゆりにライヴァル女優の瑠璃子はからかいの電話をかけてくる。P.A.の仕事で瑠璃子の付き人をやることになった志緒は撮影で彼女の相手役を演じて、彼女を本気にさせる。瑠璃子は志緒がさゆりの娘だと知り、志緒は瑠璃子のさゆりへの友情を知る。
- ☆PART 25 クレオパトラの瞳(前編)
- 緒方正和の相手役だった女優が自殺。原因は顔と名を変えて、女優の付き人となった学園の連続殺人の首謀者、花菜によって自信を砕かれたからだった。花菜が現れたことを知った志緒は、エキストラとして撮影に参加、花菜によって相手役に指名される。
- ☆PART 26 クレオパトラの瞳(後編)
- 花菜は緒方とのスキャンダルを演じて、名を売ろうとするが、志緒がホテルにかけつけ、緒方を脱出させる。撮影のクライマックス、ビルの屋上からぶらさがる志緒はセリフを変えて、花菜に手をつかませる。命綱の金具が壊されていたが、下で志緒を受け止める準備が出来ていた。主役とのバランスの関係で志緒の出演場面は大幅にカットされるが、監督は次回作で志緒を主演デビューさせることを約束した。
- ☆PART 27 マスオさんになりたい
- 慣れない営業に回された男性を励ます手紙を渡して欲しいと頼まれた志緒。志緒を追いかけた彼は一緒に火事から親子を救う。二度目の手紙を持ってきた志緒を彼は引き止めるが、志緒はもう会うことはないと言って去る。彼の定期入れから依頼の相手が男性の妻だと志緒は知り、家を訪ねる。夫に元気を出させるために若い女の子からの手紙を装った妻の思いやりだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A. 8
[初版発行] 1997年04月20日
- ☆ PART 28 ルビーになりたくて
- 山形財閥の社長である父親に会いたくて、日本で女優のオーディションを受けようとするフィリピン人とのハーフの女の子マリコだが、スポンサーを取られると思った花菜はマネージャー岡田を使って顔に硫酸をかけさせる。志緒はマリコの代わりにオーディションを受け、山形に彼女の思いを伝える。
- ☆PART 29 キリストは来ないだろう
- イタリアの映画祭に招かれた志緒は、子役のこのみやジャーナリストの松前、そして花菜のマネージャー岡田と共に爆弾テロによってエレベーターの中に閉じ込められる。このチャンスに志緒を妨害しようとする岡田を逆に抑えて志緒は助けを呼ぶ。岡田は彼女が永沢さゆりの娘だと知る。
- ☆PART 30 キング アーサーの一週間
- 志緒の主演映画『W』が彼女とP.A.を通じて会った人たちの参加でクランク・インする。有能なブレーンを従えて会社を建て直し、キング・アーサーとあだ名されるようになった知臣が大統領の娘と恋愛中との記事が少し気になる志緒。一方、花菜の事務所の女の子が志緒のアシストとして撮影に参加。彼女は花菜が気に入らないと
- 言い、志緒の味方のようにふるまうが、実は志緒を妨害するために花菜がよこしたのだった。だが、花菜の接近をしりぞけた知臣によって正体が見抜かれる。志緒をはげまして日本を去る知臣だった。
- ☆PART 31 SHIO’S LAST ACT
- 志緒と花菜の共演映画がクランク・インする。志緒を密かに護衛するように知臣に頼まれたという男優が現れるが、実は彼は付き人である花菜によって自殺に追い込まれた女優の恋人であり、花菜の命を狙って、逆に窓から墜落する。彼の頼みを聞いて志緒は最後のP.A.の仕事を始めた。それは花菜の命を奪うことだった。撮影のク
- ライマックスで、花菜の用意したガソリンが炎上、二人は炎に包まれる。その中で志緒は花菜を殺そうとする。炎の中から花菜を抱いて逃れた志緒。花菜はショックで幼児の状態に退行し、岡田に保護されて人生を送ることになる。そして、5年後、国際的女優となった志緒がいる豪華客船にヘリコプターで乗りつけた知臣は今、志緒との
- 再会の約束を果たしたのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【タイトル】 P.A. [特別編]
[初版発行] 1999年03月20日
- ☆特別編 第1話 ジェームズ・ディーンに花束を
- 志緒はバイクで事故死した友だちの現場へ花束をかざる恋人役を依頼されるが、事故には隠された秘密があった。 ※交通事故死の現場。片方の死者には花束が絶えないが、もう一方には何もない、というところから始まる着想がうまい。なんと、はっきり「レイプ」という言葉が出てくる。落ちついて考えれば、飛び降り自殺未遂、もっと警察が乗り出してきてよさそうだが……この話では志緒が真相をつきとめる。志緒が事故で死んだ男の子の友人に、それだけ思ってくれる友だちを持ってたんだから、そんなに悪い人生じゃなかったよというところがいい。
- ☆特別編 第2話 「ヘプバーンは休日中」
- ローマの映画祭で志緒に一目惚れした、アラブの石油王の息子が、日本で見合い。断るための代役に志緒が選ばれる。※アラブの王子と志緒の東京、途中一人になった王子サイードが、街の外国人を見る目の冷たさを、そして路上にたむろする若者たちの孤独を知るくだりなど、うまい。撮影所の志緒に再会したサイードの最後の別れのセリフなんかもいかしてる。
- ☆特別編 第3話 「3時間のドイル」
- 劇団内で殺人未遂事件が起きる。志緒は刺された女優の代役を引き受けながら謎を解明する。※特別編の最後は現在連載中のシリーズ、『サイレント・アイ』の主人公、愛梨との共演である。クライマックス前の二人の顔が並ぶところなど、ファン冥利(&作者冥利?)に尽きるという感じだ。おまけにこれは志緒の結婚式当日の事件という派手なお膳立て。劇団内の殺人未遂事件を愛梨の写真のヒントで、志緒があざやかに解決する、特別編の最後を飾る華やかな内容だ。
最初の行へ戻る
このジャンルの目次に戻る
「すわてのメモ」ページ TOP PAGE に戻る