とり・みき


更新 

2000/02/08 『SF大将』『事件の地平線』の感想を追加

2000/02/06 「とり・みきの資料のあるところ」を追加、文章修正

1999/11/07 新設


ネット上には、とり・みきのファンなら結構いると思うので、データなどはそちらを探してください。ここには細かいことを書くつもりはないですが、好きなマンガ家ということでは、はずせないので項目を設置しました。初期の頃から読んでます。私のベストは『とり・みきのもう安心』です。ちなみに、とり・みきのストーリーものは私は、ちょっと苦手で、読んでません。


とり・みきの資料のあるところ

とり・みきの本の感想

『SF大将』(早川書房、1997.12.24 )

※@nifty, コミック・フォーラム、テーマ館(FCOMICT) ギャグマンガ会議室に書き込んだもの(98/06/09 21:57, 発言番号2325)

 

てっきり、発言があると思っていて、コメントでつけようと探したんですけど、本館の方だけだったんですね。昨年の暮れに早川書房から発売された、とり・みきのマンガ本、ハードカヴァーで\1600 です。

 

内容は

「SF大将」“SFマガジン”94.7〜96.12

「大青雲ショー」“GURU”94.3〜94.12

「SF小僧」「オリジナル・テキスト解題」描き下ろし

 

 なかなか凝った装丁です。私は最初に見たとき、、真ん中に挟まれた形になっている「大青雲ショー」「SF小僧」の読み方が分かりませんでしたが、要するに、この部分だけ左側から読むようになってるんですね。載った雑誌が横書きの左側から読む雑誌だったから。そういえば“GURU”という奇妙な面白そうな雑誌がありました。

 

 今回目立つキャラクターは、SF小僧にもなっている、中年で頭の真ん中がはげあがっているのに、なぜかウルウルした少女っぽい眼差しのオジサン。このオジサンの活躍する話で私が気に入っているのは、「ブラッド・ミュージック」。愛しくてたまらないものを抱きしめて転げ回るという、ギャグ(そしてその繰り返し)がとても可笑しい。

「ゴハンつぶゴハンつぶ」「ジュンコちゃんジュンコちゃん」「監督監督」はては「所長所長」。このギャグは「ソラリスの海」でも校長が「銘菓ヒヨコ銘菓ヒヨコ」と抱きついている。

 

 このオジサンがラストの「ソングマスター」では土手の上に座って、SFを待っている。通りがかるミニ・スカートの女の子が、ふと声をかける。叙情的で、この本のテーマが集約されたラストと言えるのでしょうが、このオジサンがギター抱えて吉田拓郎のエレック・レコードからのデビュー・アルバムのタイトル曲「青春の詩」の1フレーズをもじってたりするので、やっぱり笑ってしまう。

 オジサンは「きのうSFマガジン30年分を古本屋に売った」そうなのだが、思えば“SFマガジン”とビートルズ以降のロックと少年マンガ週刊誌っておなじくらいの歴史なんですね。でもって、このオジサンの言う「SF」を「ロック」とか「マンガ」に置き換えても、話が成立しそうだ

(ここで遠藤賢司の「待ちすぎた僕はとてもつかれてしまった」を流したとしたら……?あ、そういえば、しりあがり寿の『夜明ケ』も連想した)。

 

 その他に私のお気に入りの話いくつか

「鼠と猫のゲーム」倒錯的な愛の物語が「その間に空中で3回転するの」

さすがネコだけにキャット空中三回転は必須の技。

「リング・ワールド」作者の落語趣味が横溢。

「タイム・パトロール」「すーはーじぇったー」最後に「すいません」と謝ってるけど、こういう、一見やっつけ仕事みたいなネタ、私は大好きです。

「タイムスケープ」「よく考えたら私の才能は95年で……」「わ〜〜〜!?そんなにはっきり書くなーーー!?」とはっきり書くところがこの作者。

「宇宙船ビーグル号」最後にちゃんと猫も並んでるところがいい。

「火星人ゴーホーム」この二枚目キャラも最近良く出る。最初に対面するところの間のギャグ、そしてペスの散歩をしてて、いかにものタイミングと構図でトラックにはねられ、どうってことないように頭から血を流しながらペスを抱いているのが可笑しい。

 というわけで、値段からも、誰にでもおすすめ、という本ではないですが、その気があったら読まれるといいです。

 

『事件の地平線』

※@nifty, コミック・フォーラム、テーマ館(FCOMICT) ギャグマンガ会議室に書き込んだもの(98/06/09 21:57, 発言番号2326)

前半の「事件の地平線」は“平凡パンチ”でキャロル霜田、蝦子能収、根本敬と交代でやっていたコーナー「ニュースショー」を、後半の「くだんのアレ」は同じく“平凡パンチ”の『愛のさかあがり』を思い出させます。特に「くだんのアレ」には、その後のオジギビトの話なども載っているので余計、その感が強い。私も一応『とり・みきのしりとり物語』で、クダン関係の話は読んでいるのですが、さすが漫画家、マンガの方がずっと読みやすい、というか、今でこそ結構エッセーマンガの類はあるようですが、一見簡単なようで、実はエッセーマンガを描くと漫画家のセンスというのが結構モロに出てくるのではないかなと思う。

 

 前半はとり・みきとしてはシンプルな感じのギャグ。“平凡パンチ”時代からうかがえたニュースへの特有な距離感、とり・みきのギャグマンガが好きな人は、やはりこの距離感に共感しているのではないでしょうか。TVを観るのが好きということでは井上陽水が、かつて有名だったけど、今ふと思ったのは結構とり・みきと井上陽水って、そのTVの見方から最近の自分の作品世界の作り方に至るまで共通点があるかも。

 

 さて私の気に入ったいくつか。

「ゲーム」これはフィリップ・K・ディックに捧げるなんて副題がつくのだろうか(『高い城の男』)。

「ゴミ」この実話(たぶん)の描き方がやっぱりうまいと思う。

「就職」女子大生のワードローブの中に牛のかぶりものがあって、見ると、本当にそれを着ているのがバカバカしくて笑える。

「パンツ男」これが一番好き。

「教師」P.99「年末進行と風邪でもうなにがなんだか」な話なんだけど、私はやっぱりこういうのも好きです。

「人形」オオクニヌシ、オオクニヌシとやっぱり抱きついてゴロゴロしているのに爆笑です。

 


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