「すわてのメモ」ページ

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私の聴いたCD

2012/02/16『ベイビー アクション』 “BABY ACTION” スキャンダル SCANDAL (エピック・レコード ESCL3744-5 2011.8.10)

そろそろ、はまって 1年になる SCANDAL、このアルバムも今までのアルバム同様、聴くとなったら、あっと言う間に通して最初から最後まで聴いてしまう、ということの繰り返しだ。私の場合、最近新譜を聴くときは、なかなか CDのブックレットを見ずに余計な情報を入れずに聴くということが多い。 “BABY ACTION”もそうで、パラパラと写真を一度見たくらいで、後はなかなか見ようとしなかった。だから、最初のナンバーが、おっ、これはグラムロックっぽい曲で始まったな、いいな、とまず思ったが、そもそも曲名からして「GLAMAROUS YOU」なのね、ということを知るのは、しばらくしてから。1曲目、2曲目がそのグラマラスなナンバーで、3曲目で、今まで聴いてきたイメージでの SCANDALっぽいサウンドというかチューンというか、そういう曲が出てきたなという感じ。グラマラスなのもいいし、SCANDALぽいのもいい。この「LOVE SURVIVAL」、曲のクライマックスでブラック・サバスの「血まみれの安息日」風のリフが入るので、ニヤッとしてしまう。グラムっぽい曲は最後の一つ前の「Very Special」もそうで、だからなんとなくグラムで始まり、グラムで終わる、みたいな印象が最初あったが、全体で見ると、そういうわけでもない。ただ、グラム・ロックのブームになる 1972年から 1973年頃は、ロックンロールが一連の進化を経て、ヘヴィメタル、プログレッシヴ・ロック等様々な方向性でロックの完成形が提示されていた時であった。そんな中、難解化するロックに対してロックンロールの楽しさの原点に戻る、的な意義もあったグラム・ロックもまた、ステージ・ショーとしてのロックの完成形であると私は思う。エンターテインなステージ・ショーとして通用しながらロックであることを保つ形態がグラムロックである。新時代のロックであり、私が言うところの21世紀のガールズ今GSである SCANDALとしてはサウンドを問わず、あり方としてグラムになることは理の当然「GLAMAROUS YOU」、つじつまが合った?

そして、彼女たち自身だけでなく、「GLAMAROUS YOU」や「Very Special」などを聴いていると、リスナーに送るメッセージとしてグラムである、みたいなものを感じる。メッセージとしてグラムであるとはなんぞや、ロックであることが特別でなく、日常みたいな感じ? グラムロックというと私はまず SLADEなんだけど、SLADEの“MOVE OVER”(「ジャニスの祈り」のカヴァー)がラジオで流れていたのを聴いていた 1973年秋、1974年に入るとミカ・バンドの「ハイ・ベイビー」、夏にはエンケン「踊ろよベイビー」、そういう曲をラジオで初めて聴いて、当時の地方都市中学生の、色のない世界で生きているような味気なく息詰まる日常に、ああ、こんな生き方もあるんだ、みたいなことを教えてくれた。別に生き方がどうのこうのなんてことを語る曲じゃない。音でね、音楽でね、もっと別の世界があるんだと教えてくれた。「GLAMAROUS YOU」や「Very Special」などの曲は、歌詞にもメッセージはあるけど、まず曲でね、やはり「ああ、こんな生き方もあるんだ」「もっと別の世界があるんだ」というようなメッセージが必要なリスナーが今もいて、そういうリスナーに届く曲じゃないかと思うのである。メッセージ性では「アップルたちへの伝言」や「Pride」もいいよね。「Pride」は「風とともにヒュルリラ ヒュルリラ」というアイディアも面白く、このアルバムの中では「LOVE SURVIVAL」と並ぶお気に入りだね。

なかなか歌詞ブックレットを見ないので、前のカヴァー・アルバムで「ロックンロール・ウィドウ」をカヴァーした宇崎・阿木コンビがこのアルバムに曲提供というのは、9月になって毎週買ってる“少年チャンピオン”のグラビアに登場したときのインタヴューで初めて知ったのだった。そこで歌詞ブックレットを見ないで、どの曲が宇崎・阿木コンビの曲か、繰り返し聴きながら考えた。候補は「アップルたちへの伝言」「東京スカイスクレーパー」「スキャンダルなんかぶっ飛ばせ」、結果は「スキャンダルなんかぶっ飛ばせ」だったわけで、面白い曲だとは思うけど、特に HARUNAのイメージでなのか、それと過度に伝説化された「百恵伝説」の影響でか、つっぱりガールズ・歌謡ロックみたいな方向性を求められているのかも知れないが、そういうアナクロな方向でジジイ連中を喜ばせるみたいなことはやらなくていいと思う。

SCANDALのイメージとして最初から完成されていて、いつでもそこにある頼りにしてまっせという感の HARUNAのヴォーカルに並んで TOMOMIのヴォーカルが存在感を増していて楽しい(そこにときおり絡むMAMIのヴォーカルがまたいとおかし、RINAの名前が出なくてゴメン)だ。ところで「Sparkling」で〈運命に「ちょっと待った」って〉とあるのを、私は関西出身者がいるから「「ちょっと待ったって」ってか、面白いなあと、つい先日まで思っていたのだった。

2012/02/09『栄光のマウンテン』“THE BEST OF MOUNTAIN” マウンテン MOUNTAIN(ソニーミュージック SICP 1783 2008.6.25 original 1973)

このベスト盤にスタジオ録音版が収録されている「ベートーベンをぶっ飛ばせ」、これだろうな、 唯一リアルタイムで聞いたのは。ハードな曲だったということだけ覚えているシングル曲は、ラジオ番組「大橋巨泉のポップス・ナウ」で何度か聞いた。1973年夏だったと思う。その頃はだんだんと、ロックっていいなあと感じ始めていた頃だが、残念ながらマウンテンには、その程度の印象しかなかった。それでもハードなバンド、というイメージはあって、こうしてベスト盤を 35年以上経って、聴いてみる気になった。ベスト盤でなく『悪の華』とかでも良かったのだが、たまたまベスト盤だけ店頭にあった。

フェリックス・パパラルディは、この後クリエーションのアルバムをプロデュースしたことで名前を知った(アルバム・タイトルがそのまんま『クリエイション・ウィズ・フェリックス・パパラルディ』で、ラジオで紹介されていた、クリエイションはその前から名前は知っていた)。クリームのプロデューサーだというのを知るのは、まだ後で、奥さんに射殺されたニュースの前か後か覚えてない。クリームの『カラフル・クリーム』を聴いたのは、ちょうどその亡くなった頃、ちょっと後かな。そしてマウンテンでバンドの一員になってたとは、これまで知らなかった。ギターのレスリー・ウエストは名前は聞いたことがある、程度だ。

1曲目「君がすべて」は最初は、おおっ、これだよ、というようなハード、ヘヴィなリフ、音でいいなと感じたのだが、この曲や 7曲目「ミシシッピー・クイーン」とか、音はいいんだけど、ちょっと単調で聴いているとつらいな、という印象がある。「ナンタケット・スレイライド」とか「想像されたウエスタンのテーマ」といった凝った曲系は、前者と比較は出来ないが聴き応えある。そして私が一番気に入ったのは、聴かせるメロディとヴォーカルなどのハードな部分がバランス取れていて、凝りすぎてなく、ウッドストックのことを歌ったというメッセージ性のある「ヤスガーの農場」だ。

マウンテンのアルバムのことを調べていて「ナンタケット・スレイライド」という題名に興味を抱いたのは、ポーの唯一の長編「ナンタケットのゴードン・ピムの物語」というのを読んでいたからだ。ナンタケットから航海に出る話だが、そのうち同じくナンタケットから出る船を舞台とした『白鯨』を読み始めて、気持ち良く上巻の途中まで読んでいたところで、このアルバムを聴いた。歌詞ブックレットを見て「ナンタケット・スレイライド」が、そのものズバリ、白鯨の世界のことを歌った曲だと知って、一層曲に親しみが湧いた。

「クロスローダー」そして CDのボーナス曲 4曲の中にはクリームを思わせる曲調の曲がある。当時の他の数多いバンド、アーティストと同じく、ある程度は売れて、1枚2枚はこれというアルバムを作ったが、それが精一杯というバンドの一つなのだが、やっぱりその精一杯の中の曲々は捨てがたい。