前回、 写真用フィルム等のラティテュードに触れたので、写真用印画紙にも触れなければならないだろう。そうでなければ片手落ちと言うものである。
写真用印画紙の種類によっても変わってくるが、写真用モノクロ印画紙なら使い込んでいたので手に取るように解る。投影した光の強さで勘で露光時間を決められるので、今ではテストピース(テスト焼きの印画紙片)はほとんど使っていない。
イルフォードのマルチグレードをずっと使用していたので、フィルターワークによって自由自在にコントラストを変化できる。しかしこれも正しい写真用フィルム現像が行われて初めて可能になる。その正しいモノクロフィルム現像だが、実はフィルムパッケージや写真用モノクロフィルム現像液袋に書いてある現像時間は正しくない。本来天候条件や目的、印画紙の種類に応じて現像時間は変化させるものであり、細かいデータを確立する必要がある。
しかしその暇がない場合は、現像データを購入すると言う手がある。
今現在は不明だが、私の使用しているデータはマスコタンクと呼ばれる現像ムラをほぼ無くしてしまう特殊な攪拌方法を用いる現像タンクに対応したデータで、その道では著名な先生がデータを作り上げただけにその精度は群を抜く。ただし、実際には現像中のシビアな温度管理を要求されるので(私もこれで結構失敗した)、本格的に極めたい人向けだろう。
根本の考え方としては、写真用モノクロフィルムの感光レンジ(ラティテュード)に比較するとモノクロ用印画紙は半分ほどしかなく、その狭いレンジに合わせてフィルムの現像時間を引いていくわけだが、コントラストの低下と言う問題に常に直面することになる。そのラティテュードとコントラストの背反する要素をぎりぎりの所でどう落とし込むかが肝になって来る。
そういえば極端な例も有る。
コピーフィルムの軟調現像によって上がったモノクロフィルムから大全紙サイズのプリントを焼くときにほとほと困り果てたことがある。
あまりの超が三つつくほどの微粒子現像によって、ラティテュードは広がったが、コントラストがあまりにも低くなった(レンジが印画紙よりも少し狭い)。そこでマルチグレードのフィルターワークで何とかしのぎ、コントラストが最大に出る印画紙現像液の最適温度を導き出して、何とかモノになるプリントに仕上た。
その写真用プリントは35mm版でありながら、大全紙の写真でも全く粒子は出ていない…。
写真撮影時の感度はISO-1.5である。
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