かつて制作していた写真作品で、粒子を消すことでリアリティーを出す目的で行っていた現像方法がある。
コピーフィルムの軟調現像がそれで、写真用35mm版フィルムでありながら写真用4×5(シノゴ)フィルム並みの粒状性を出すことが出来る。
この現像法、最初は写真専門学校の授業で聞いたものだった。早速先生に詳しい事を聞いて試してみたのだが、やはり現像ムラや気泡ムラが発生し、全暗黒の中で短時間で現像を完了させるため、技術的ハードルは高く、安定的に仕上るのは困難を伴った。従って今はこの方法を用いていない…。
では現在はどうしているかと言うと、実はいくつかの方法を用いて試行錯誤していた時期のほうが圧倒的に長かったのだ…。
通常の写真用モノクロフィルム現像のようにタンクで密閉して攪拌する方法を用いるのだが、前段階のフィルム処理が肝心で、この作業のある無しで仕上りが変わる。それから写真用現像液についてもいくつかの薬剤を試し、希釈率を変えたりもしている。また、使用していた薬剤が製造終了となり、データが無意味と化したこともあった…。
さてこの困難な現像を経て仕上がったモノクロネガフィルムからの写真プリント。これもかなりのプリントテクニックを要求されるものだった。
まず、ラティテュードが写真用印画紙よりも狭く、そのまま焼くとメリハリの無い何とも間抜けなプリントとなる。そこでコントラストをつけて、メリハリを効かしていく訳だが、あまりの超々々々微粒子のため、少々のコントラストではメリハリが出ない。粒子のざらつきによるシャープネス効果(フォトショップで言うアンシャープマスク)が期待できないのだ。
3年の時を経て、このモノクロネガフィルムからまともな写真プリントが焼けるようになったとき、通常の写真用モノクロネガフィルムからは意図も簡単にクリアーな写真プリントが焼けるようになっていたのだった…。
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