06/03/25 デジタル一眼とピント

デジタル写真用一眼レフカメラには大抵今までの写真フィルム用カメラのレンズがそのまま使える。
これに絡んで様々な問題が出てくるのだが、あまり言われていない事がある。そこには写真フィルム用一眼レフカメラ向けレンズ設計の宿命が潜んでいる。

写真フィルムというのは必ずカーリングを起こす。そこで露光面の平面性がカメラ設計の長い間のテーマとなってきた。
一方レンズの設計でこの問題に対応しようと言う考えもあり、あえて像面の収差を少し残しているのだ。ここにひとつパラドックスが潜む事になる。

デジタルカメラ用の撮像素子(CCD,C-MOS)はほぼ完全な平面である。そこに感光性能と色収差除去のためにローパスフィルターが撮像素子の前に装着されている。
しかしこのフィルターでは写真フィルムの時ほどの融通性はなく、どうしてもそこに誤差は残る。つまり写真フィルムと同じような湾曲した状態を再現できない。
その結果、どんなにファインダーでピントを合わせても撮影した写真画像ではピントが甘くなるのである。またオートフォーカスのAFセンサーやまたは駆動機構の微妙な遊び、そしてファインダーの精度まで絡んで問題は深くなっていく。

さらに要因はある。レンズ交換の頻度が高いデジタル写真用一眼レフカメラの場合、レンズ交換時の着脱に伴うボディーに対するショックは増えるわけだが、写真フィルム用一眼レフカメラでは、強力な圧着板と、精度の高いボディー構造と一体化されたフィルムガイドレールによってマウントから写真フィルム面までのフランジバック量はきっちり担保されている。
しかし、デジタル写真用一眼レフカメラの撮像素子は果たしてどのようにカメラボディーに実装されているのだろうか。撮像素子単体ではなく基盤ごとボディーに実装しているとなればフランジバック量の担保に不安が出てくる。

別の問題もある。それはデジタル写真画像はディスプレイ上で拡大して見る事が多々有ると言う事。つまりはシビアな鑑賞状態であり、ロークラスのレンズでは、写真画像の再現性に問題が出る。今までの銀塩写真フィルムでは拡大することはほとんど無く、しかも写真フィルムの粒状性のよさでカバーできたものが、デジタル写真では、隠しようがなくなってしまう。

昔に比べて今は、腫れ物に触るようにカメラを取り扱わないといけないようだ(笑)


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現