08/07/23 デジタル画像のレタッチ

最初の頃に比べて、今ではインクジェットプリンターの性能も向上し、デジタルカメラで撮影した画像データを、何もいじらないでそのままキレイにプリントすることが出来るようになった。
これは写真プリント専用紙の進化と、プリンター側の使用インクの多色化が大きく寄与している。それから自動レタッチとも言えるプリンタードライバーの機能アップも欠かせない。

しかしこのプリンタードライバーも万能ではない。以前の銀塩フィルム時代のこだわりを追求するならば、デジタルでも高度なレタッチは欠かせないのだ。
かつてのプリント時における暗室テクニックの一つに覆い焼きがある。
文字通り、印画紙にに露光する際、手をかざして覆ってしまい、それぞれのコントラストに適した露光時間を与えることで全体のトーンを調整する。
コントラストの高いフィルムからトーン豊かなプリントを焼くときには欠かせないテクニックだ。

同じ事はデジタルプリントでも言えることで、特にデジタルでは、プリンターの高性能インクに依存しない、または能力を最大に発揮させるには、やはりレタッチで覆い焼きと同じ事を行う必要がある。さらに、デジタルでは今まで不可能であった、細かい範囲でのトーンなどの調整が出来るのだから、これを活かさない手は無い。

デジタル画像のレタッチは使用する用途によっても変わってくる。web用とプリント用で違うのは当然だが、印刷用途によっても変わる。
画像モードで言うとRGBとCMYKの違いである。
現在の高性能プリンターと多色インク及び専用紙によって色域限界は拡張されているが、それでもモニターでの発色を完全に再現することは出来ない。
かつては色域が狭かったので高度な印刷レタッチが必要となっただけである。いまだコストも考えてプリンターで言う普通紙レベルで高度な色調再現をしなければならない印刷の世界では印刷レタッチ職人の高度な技が必要である状況は変わっていない。

レタッチと言えば、最近では必ずついて廻るのが、ダスト除去のためのレタッチで、銀塩プリントで言うところのスポッティングに相当する。
繊細なタッチと慣れが必要だったスポッティングに比べ、デジタルではマウスでカチカチなので随分楽だ。ただ、あまりにもひどいようであればデジタル一眼レフカメラボディーのCCDクリーニングが必要であるが、自分でやるとこれがまたスポッティングよりも難しいのだから皮肉なものだ…。


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現