ここで言う印刷とはプリンターの印刷ではなく、製版の印刷である。俗に言う市販の印刷物である。
限られたインクと、狭い色域再現領域でいかに写真並に再現するか。そのテーマに答えるべく、印刷業界の方たちは日夜奮闘している。
かつては、こまやかな切りぬきで、今はフォトショップなどのレタッチソフトを十二分に駆使して対応している。
以前述べたように印刷のラティテュードはとにかく狭い。その厳しい制限の中で写真プリント並の再現性を持たせようとすると、とても考えられないような手間とスキルを要求される。
パス切りと呼ばれる技術は必須であり、カラーチャンネルとレイヤーを駆使し、時には様々なスキャンの方法を用いて半ば合成のような状態と化す事も当たり前だ。
そして秘伝とも言える、印刷インキと印刷用紙特性、さらには肌色のトーンカーブはやはり部外者に教える訳はない。
私も印刷業界の人間に色々と聞いてみたが、肌色トーンカーブラインだけはノーコメントと突っぱねられた(爆)。秘伝の詰まったデータだから当たり前ではあるが。
デジタルカメラで撮影した画像データは以外と曲者だ。
ダイナミックレンジが狭い。つまりコントラストが高い画像データは加色法にはうってつけだが、減色法となる印刷データにはとても不向きなのだ。
家庭用インクジェットプリンターで最大限の性能を引き出すためには、やはり印刷レタッチ並の画像加工は必要となる。
逆光時の撮影画像では特に粗が出てくる事になる…。
プリンター売り場にあるサンプル集。そのなかでもメーカー提供のサンプルが実は印刷レタッチに準じた処理を施してプリンター出力したものである。売り場の店員を捕まえて根掘り葉掘り問い詰めたら、その答えを頂いたのである…。私はさぞかしブラックリスト級の意地悪い客になったことであろう(笑)