06/04/16 抽象と具象の境界

写真イコール具象だと思っている方が圧倒的に多いと思うが、写真に抽象表現が出来ないと言う事ではない。
事実、写真史を紐解くと、幾度か抽象写真の試みが行われており、また抽象表現で有名な写真家も幾人かいる。
ではなぜ、いまだ写真は具象に踏みとどまるのか?その要因を考えてみたい。

そもそも写真は美術の写実と言う役割を引き継いだ背景を持っている。
それが現在の写真の役割を決定付けたとも言えるわけで、そこに瞬間の切り撮りと言う要素を追加して、いつしか写真イコール真実やリアリズムという看板を背負った。
写真用カメラの進化もその流れにしたがって発達し、いつしか誰でも気軽に撮れるカメラが登場するに至る。
ここで問題になってくるのは、現在世界の写真用カメラ市場では、日本製のカメラが圧倒的な販売シェアを誇っていることである。ここに実に解りやすい構図が発生する。
写真は具象でなくては困るのだ(笑)
そうでなければ多額の開発費をつぎ込んだ写真用フルオートカメラも、写真用デジタル一眼レフカメラとデジタル技術も、あるいは、手ブレ補正機構も、全部水泡に帰してしまう…。

それゆえに今まで幾度かあった抽象写真の試みはひとつの潮流として成功しないはずだ。と言うのはあまりにも横柄か(笑)
ただし、しっかりと具象写真が出来ないと抽象的表現写真に魂を宿らせるのは困難かもしれないが。

ちなみに写真の流行りを決める力を持つ写真評論家は誰のおかげで生活しているのかを考えれば、はからずもこの縛りからは逃れなれないだろう。特に日本においては。


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現