06/04/21 抽象写真

実はこの抽象写真、写真の1ジャンルとしては成立していない。そしてその写真ジャンルを規定する概念なども存在していない。

具象写真でなければ、抽象写真の範囲に入るのだろうが、その抽象写真自体が認められていないし、抽象写真を撮る人もとても少ない。しかし全くいないわけではなく、有名な写真家も幾人か存在している。

写真イコール記録である時代では、抽象写真の出番はない。事実リアリズム写真が流行った頃は全く日の目を見ないし、アレ・ブレ・ボケによる写真表現も日本では一時代のもので終わってしまった。
戦前にも幾人かの写真家による抽象的写真表現が行われたが、戦時下に入るとたちまち姿を消す。
瀬戸内海を油絵のような抽象的な写真で表現した有名な写真家もいるが、その後は抽象表現写真はほとんど出現していないといってもいいぐらいだ。しかし少し前にはこのような作品も存在している。

以外と最近感じているのは、実際は抽象的な写真は失敗写真として葬られている可能性である。ただしヘタウマ写真と区別をつけて、ふるい分けることが難しいが。
抽象写真でまず最初にぶち当たる壁は、被写体の一般的イメージに依存することが出来ないことである。当然フォトジェニックなどの写真技法も壊滅的に使用不能だ(笑)
それから通常の具象写真では使わないテクニックが必要となる。変性意識のコントロールだ。もうこうなると写真の範疇ではないな…。
このコントロールに失敗すると、見事に精神または身体を壊すことになる。だから幾人もの先人写真家達が犠牲となった。それも有名写真家が幾人か含まれている…。

抽象写真表現を本気で追及しようとする方は、是非ともメンタル面での健康管理にお気を付け願いたい…。


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現