06/08/27 抽象表現の鑑賞法その2

さて、前回述べたように、脳は言語とリンクされた物体輪郭のデータベースを画像にはめ込んでその全体像を認識する。だから抽象表現作品を鑑賞する時は慣れていないと、どこにも具象的輪郭を持たない抽象表現作品は何が描いてあるのかさっぱり解らないことになる…。

では抽象作品を鑑賞する際にはどうするのか?
何か判るものが描いていないのか探すことをやめるのである。
つまりそれによって、言語で結び付けられた既成概念を消し去ってしまうのだ。
そうなると何を手掛かりにして鑑賞すればいいのか?と言う事になるが、そこでは想像力を駆使して鑑賞するのが最初の近道だろう。
自分の中で目の前の作品から何を思い浮かべるか、またはしっかりした作品であれば、最初に見た時のインパクト、その感覚を呼び起こして鑑賞の手掛かりとする方法もあるだろう。

慣れてくると見たときの感覚のみでその作品の概要が掴めるようになってくる。と言っても言語化できるようなものではなく、なんとなく解るレベルではあるが、もともと抽象表現はあいまいなものであるので、鑑賞者に半分は解釈を委ねているのである。だから、ある程度は自由に解釈しても構わないし、そのことで新しい発見を期待するものでもあるからだ。
その事によって、具象イメージによるある意味押しつけがましいメッセージから自由になれる事で、新たな解釈の世界が広がれば、普遍的な表現への門戸が開かれるのかもしれない…。


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現