もう1ヶ月以上前の話になるが、洋画界での盗作事件が大騒動を巻き起こした。
日本国政府お墨付きの芸術選奨大臣賞を貰った画家の作品のほとんどがイタリアの著名な画家の盗作であり、過去30年以上に渡って盗作が行われ、少なくとも30点以上の盗作が制作されたと言う。
しかも問題なのは、この盗作を行う為に基となった作品を写真用カメラで撮影し現像されたスライドフィルムをプロジェクターでキャンバスに投影して、その輪郭をなぞっていったと言うのだ。事実写真独自のレンズによる歪みがその輪郭に如実に反映されており、写真の主体的役割である記録性を徹底的に悪用したと言っても良い。
つまり、写真の記録性自体の問題を含む事になる。平たく言えば、写真は盗作のツール!!と言う事なのだ…。
写真に絡んだ盗作事件はいくつかあるが、有名なのはスイカ盗作裁判だろう。
ある著名商業写真家が撮ったスイカの広告写真を地方のカメラマンが構図とテイストを真似て撮った事件である。
ただ、ある写真雑誌の編集者に言わせれば、スイカの構図で何でそこまで…と言う事だ。
私も純粋な商業写真では、著作権など無いに等しいと思っている口だが…(著作権の主張をせずとも誰の作品と分かるインパクトのあるカットを撮れないと無意味に近いと言う意味で)。
従来の国内の写真評価軸としては、好んで過去に評価されてきた写真家の作風に近いものを評価してきた。
それは評価の基準がはっきりしやすく、かつ評価のブレによる反発が少ないためである。
しかし、盗作事件がこれだけ騒がれると、さすがに従来の評価軸、著名写真家の作風に近いもの、あるいは写真家のコピー作品は評価し難くなるだろう。
何故か?
「写真は盗作のツール」
を認める事になりかねないからだ。
|