07/11/25 外資系企業 part-T

かつて、自身の作品が陽の目を見そうになったことがあった。
友人をマネージャーに立てて交渉を進めていたので、詳しいトラブルの概要は一部解らないところがあるが、おおむね次のようなことだった。

友人のつかんだ情報で、非公開のコンテストが行われた。
選考に通れば準備している新たに売り出すプリンターのイメージ作品として使用する。
使用料は年間2万ドルとのことだった。
私も当時制作していた作品群をプリントし二十枚近くを渡した。
その後、電話で担当者から私の作品が使用される事が決定したとの通知を受け、後の連絡を待った…。

それからしばらくして、その外資系企業にとっては浮沈に関わる事態が発生した。ニューヨーク市場の株価大暴落である。当時としてはかなりのダメージとなったようで、その後この話は立ち消えとなった。

それから2ヶ月後、その友人と鎌倉のミルクホールでまったりしていたところにマネージャー役である友人の携帯電話に突然電話がかかる。
名前は一切名乗らない。突然用件を切り出してきたのだ。
それは正体不明のエージェントらかだった…。
かかってきた電話の内容は、要約すると次の通り。
「作品を原版ごとで買い上げる。値段は5万(ドルではない)でどうだ?」
「アマチュアに毛が生えたようなもんなんだからそれでどうだ。」
冗談じゃない!!とすぐその場で断ったことは言うまでもない。
心血を注いで自分のほとんどを犠牲にして費やした値段がそれでは、あまりにも人をなめているではないか!!

とにもかくにも原版を狙われる事態となったのは言うまでもない。写真作家の命である作品原版をよこせと言うからには、ヤクザな連中であることは間違いなく、容赦の無い工作員じみたそのノリは、否応なく身辺に最大限の注意を払うデンジャラスな日々の始まりでもあった。

part-Uにつづく


  0(ゼロ)からのフォトテクニックマニュアル  by  RAY paint SSS - 写真の空気感表現