06/03/30 デジタルとフィルムのラティテュード

写真用デジタルカメラの落とし穴は以前に書いた通り、結構沢山あるのだが、その一つにラティテュード(感光範囲)の狭さが挙げられる。

以前まで主流だった写真用カラーネガフィルム、これが実はとんでもない万能選手で、少々暗く撮ろうが明るく撮ろうがお構い無しだ。これには理由があって、感光するレンジ(範囲)が広いので、多少暗く写真を撮ろうが写真プリント時の調整である程度なんとかなってしまう。
専門的に言うと露出段数で11段まで対応するといわれている。

以前プロによく使われていた写真用スライドフィルム、これはぐっと感光レンジが狭くなり、露出段数は5段である。ただしコントラストが強くなるので、パッと見は強いイメージの写真を作りやすい。鑑賞する時には透過光(光を後ろから当てて透かして見る。スライドボックスやプロジェクターで鑑賞。)なのでこれも良く写真が見える要素の一つである。また印刷時の処理が向いていることもあって長らく使われる要因ともなった。

さて写真用デジタルカメラである。これはどうかと言うと、さらに感光レンジが狭くなり、露出段数で言うと3段有るか無いかである。
これがWEBでの使用なら問題は少ないが、紙に刷ってみるとどうなるだろうか?
昔のプリンターではトーンの再現に問題が出てくる。今のはかなり自動で補正するので問題が見えなくなっているが、微妙なトーンは確実に潰れる。下手にコントラストが上がるので、写真が上手くなったかのような錯覚を覚える。
印刷も実は露出段数が狭いので(上質紙で3段前後、新聞紙で1.8段と思われる)問題は無いように一見みえる。しかし、トーンと色調の再現に問題が出てくるので、結局は写真画像をいじることになる。印刷屋さんの腕の見せ所がここにある。
更なる問題もある。ディスプレーで拡大してみると他の要因もあって、ビントがぼやけるのだが、拡大して見ているときのサイズは、写真で言うところの2倍紙や4倍紙で一部分を見ているのと同じことになる。これでまともに写真を撮れていないと言われたのではたまったものではない(笑)

ちなみに私が撮っているこのような作品では、写真用フィルムが有利である。
理由は、ラティテュードが広いからだ。


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