甘い生活の始まりに・・・
僕たちが結婚したのは1995年5月14日。「名古屋に住むなんていやぁぁぁ!!」と騒ぐカミさんをなだめすかして、わざわざアパートニュースを2冊も買って1冊送り、一応形だけは2人で決めたことにして、歩いて5分の最寄りのバス停からは1時間に2本しかバスがないという超便利な(爆)所に荷物を入れたのはゴールデンウィークのさなかであった。
それから2週間、僕一人だけ先に入居し、結婚式まで独り暮らしをしていたのであった。
独り暮らしは慣れていたので簡単である。食事はコンビニ弁当、お茶の代わりにビール、洗濯は週1回だ。
さて、結婚式前日、普通はわくわくしながら布団の中で寝られないというところなんだろうが、こちらはそれどころじゃなかった(泣)。
翌日の披露宴のBGMをせっせとテープにダビングしていたのだ(号泣)。しかも夜中の2時まで(慟哭)。まあどうせ翌日は結婚式で何にもすることないし(←自分のだろ)、ゆっくり寝て、起きたのは8時過ぎであった。
式場は名古屋でも一応上クラスには入るであろう某ホテル。どうせ荷物はいらないしと、手ぶらでスプリンターバン(当時の愛車。もちろん4ナンバー)でホテル入り。端から見ると、どう見ても引き出物の納入にきた業者にしか見えない(爆)。
3階の控え室に入ると、隣の部屋ではすでにカミさんは衣装を着ている。両親共々前日からホテル入りしていたので、用意は早い。髪形が「キャンディ・キャンディ」にでてくるイライザみたいだ。(笑)
さてと、僕も着替えだ。ボサボサの頭のまま、控え室のおばちゃんに言われるまま自分で着替える。あ、靴下忘れた。あ、ちゃんと用意してある。
どうせタキシードなんて普通のスーツと同じ。さあ、着替えが終わったぞ。やれやれと財布や鍵をポケットにしまおうとすると、スラックスにポケットがない。
上着のポケットに入れるとものすごく目立つ。さあ、どうしようとおばちゃんに聞くと、
「下のフロントで預けてくりゃあええがね」
ちょっと待てぇぇぇぇ!!!! この格好でフロントに行けというのかぁ!(泣)
タキシード着てるうえに、左ポケットにコサージュまで付けて!!(号泣)
周りを見ても頼めるような人がいない。仕方なくこのいかにも売れなさそうなキャバレーまわりの演歌歌手みたいな格好で、チェックアウト客や待ち合わせ客でごった返すホテルのフロントへ。
下へ降りると、両親や弟がいる。けど僕の格好を見て笑うだけ。すれ違う親戚も呆気にとられている。
フロントでは見ず知らずの人たちの視線が痛い。フロントの人たちも何者が来たのかという顔をしている。
「あのぉすみません。これ預かっていただけますか」
「え? あ、ああ、かしこまりました」
預かり証をもらうまでの時間の長いこと。もらって逃げるように上に上がっていったのは言うまでもない。
これが僕たちの甘い生活の始まりである。ああ幸せだなぁ。(撃沈)