学童保育のご紹介
このページの内容
1 学童保育関連リンク
2 学童保育に関する私の今までの発言集
1)1994年2月、浜松で開催された静岡県学童保育の集い
での父母の発表 「学童保育と時代の精神」
2)内野台,内野地区の皆様へ第2ビーバークラブのバザーへのご案内
1994年10月 学童保育所第2ビーバークラブ伊藤以知郎
3)学童保育の意義と役割
浜名学童保育所第二ビーバークラブから、内野台の皆様へのご挨拶
(92年6月 町内会の新聞に掲載された)
子育てと働く女性のためのリンク
(このホームページの別の場所に、一覧があります)
静岡女性ネット
厚生省児童審議会議事録
厚生省
「学童保育と時代の精神」
(1995年2月26日 浜松市青年婦人会館での 静岡県学童保育の集い 父母の発表
浜北市第2ビーバークラブ 伊藤以知郎
本日は,県内各地から浜松へようこそおいで下さいました。父母の発表というかたちで,7分間という短い時間ですが,日頃考えていることをお話したいと思います。
子ども達の放課後を豊かに,というだけでは,「母親が家にいてあげればよいではないか,勝手に共働きをしていて何を言うか」という古い考え方の人,例えば年輩の行政官などを,説得できません。 そこで,「学童保育の目指すものは,世代と性別を越えた普遍的な価値である」というお話をしたいと思います。
現代の女性は,家事をして子を育て家を守るという,女性が置かれていたかつての環境から解き放たれ,職業を通じ社会参加することによって自分の生活を充実したものにできるようになりました。家族を陰で支えることに尊さを見いだすのではなく,「自分の人生を,自分自身の価値を発揮するために生きる」こと,これは,もともと人間の本来的な生き方であり,今まで男性が女性より優先的に,この欲求を満たしてきましたが,若い世代は,両性ともに,同じように職業を通じて「自己実現」できるのだと考えるようになりました。ちなみに,皇太子殿下もそういう職業的,専門的な才能を持った女性に心惹かれた訳であります。
子どもを生まず,結婚もしない,あるいは結婚が遅いという最近の若い女性は,女性が自由に社会に出ることをなかなか許さない,古い家族生活のあり方に「No!」といっているのでありましょう。そのせいで,一人の女性が一生の間に産む子どもの数が1.5人ほどに少なくなり,高齢化社会を支える若い世代が育たなくなった今,急激に子育てにも日が当たり始めました。学童保育の法制化の可能性が高まったこともその現れでしょう。 この,「若い世代を産み育てなければ大変なことになる」,という立場から,学童保育にも脚光が浴びせられている,この事もたいへん重要ですが,それよりも前に,どういう世の中の在り方が求められているか,が,より重要ではないでしょうか。
それは,「自分の人生を,自分自身の価値を高めるために,自分の力を充分発揮し,楽しく人生を送るために,生きる」こと,このことが男女両性の協力によって,両性に保証され,なおかつ幸福な家庭生活を営むことができ,次の世代を育てることができるような社会,これが,真に求められているものである,と私は考えます。 そのように考える理由は,次のようないくつかの社会の動きがあるからです。それは,中高年夫婦の離婚の増加,タバコの煙を嫌う権利の確立,癌の告知を希望する人が増えたこと,などです。これらは,一見何の関係もないことのようですが,以下のような共通点があります。夫も含めて,他の人のために自分が犠牲になる必要はない,自分自身のための人生であり,生活環境であり,自分自身が人生の最後をどのように生きるかを決定するんだという,自分を大事にする考え方に基づいている点では,どれも全く一緒であり,女性が結婚しない,子どもを産まないというのも,同じ根っこから発生した社会現象と考えてもいいと思います。
学童保育や乳幼児の保育所は,子育てをしながらでも自分の人生を犠牲にする必要の無いようにし,職業人としてのハンディキャップを最小限にするための,具体的な手段であります。男性女性ともに,仕事やそのほかの社会的活動を通じて自分の人生を生きることは,次の世代にも受け継がれるべき普遍的な価値のあるものです。また,現在共働きをしていない親たちや,それ以外の人々にも共通した普遍的な人生の意義とでもいえましょう。
言い替えれば,「学童保育」は,現在の親たちのためだけのものではなく,現在の学童たちや,さらにその子ども達が,大人や親となったときにも役に立つ社会の仕組み,社会資本のひとつである。それだからこそ,両親とも外に出て働ける環境は,一時的には子どもに負担をかけているように見えるが,実は,長い目でみると,子どもたち自身がより良い人生を送るための環境でもある。子どもたちが将来,大人になったときに,彼らの人生にとっても同じように大切なこと,すなわち,男女の別なく,一人一人を大事にする生き方が,将来にわたって可能であり続けるようにする,そのために今,子育ての環境を一生懸命で準備している,それが,学童保育の運動なのではないでしょうか。そういう社会を実現しない限り,子どもはますます生まれなくなるでしょう。
さらに,学童保育が持つもう一つの意義,すなわち,「教育的な意義」について申し上げます。 ものがあふれ,便利になり,いかにも,人間一人でも生きていけると,日本の現代人は錯覚していましたが,はからずも,今回の阪神大震災では,人間は一人では生きられない,いままでの物に頼った生活は,しょせんは砂上の楼閣であったということを,まざまざと見せつけられました。その意味で,高度に高齢化する将来のために,一人一人が職業を通じて自己実現をめざすと同時に,家族や周りの人と協力して生活していくことがたいへん重要であるということも実感したわけです。コンピューターゲームをやったり,一人遊びの多い現代の子どもたちにとって,学童保育のような場で,いろいろな経験をし,共同生活を体験する事は,たいへん重要であり,学校や家庭だけでは十分に満足できない教育的意義が,学童保育にはあるのだと考えるのは,十分根拠のあることと言えます。
一人一人が十分に自分の能力を発揮し,楽しく仕事をして,他の人の犠牲にならない素晴らしい人生を送るためには,これからの日本社会の中で,どういう家族の在り方が望まれるか,豊かな物質文明が行き詰まったときのために,どんな子ども達を育てていくべきなのか,こうした大きな問題に,学童保育は深く関わっています。このような学童保育の持つ普遍性について,この機会に,皆さんと共に認識を新たにし,学童保育の関係者以外の方々にも,私たちが目指すものは,これからの社会全体に必要なものであるのだということを理解して頂くように,働きかけていきたいと思っています。(1995.2.26)
内野台,内野地区の皆様へ第2ビーバークラブのバザーへのご案内
1994年10月 学童保育所第2ビーバークラブ伊藤以知郎
このたび,恒例のバザーのお知らせを,自治会長殿のご好意により回覧させて頂き,誠にありがとうございます. 別紙のお知らせのみでは,少々言葉が足りないかと存じましたので,少し私どもの自己紹介をさせて頂きます.
第2ビーバークラブは,浜北市内の学童保育所9のうちの1つです.宝塚の純名理沙が扮するNHKの朝の連続テレビ小説『ぴあの』の主人公が,「子供の家」と呼ぶところで働いていましたが,それが「学童保育」です.ぴあのの書いた童話を全国の学童保育の子供たちに送ったら大反響があって,彼女は童話作家としてスタートする自信を得たのですが,「学童保育」とは,主に共働きの家庭の小学生の子供達を,放課後,親が帰宅するまで指導員が預かる施設です.(集団遊びをさせたいた等のめに,共働きでなくとも預ける親御さんもいらっしゃいます.)
今年5月現在で,日本全国では7500箇所以上,静岡県では147箇所の学童保育所があり,首都圏や静岡県函南町などでは,区市町など自治体が設置し,自治体が運営しています.しかし,浜北市では,親たちが集まって民家などを借りて共同保育の運営をし,1施設ごとに年間110万円の補助を浜北市から頂いて,何とかぎりぎりの切り盛りをしているのが実状です.(ただし,浜北市は,内野台の市会議員水野宏先生をはじめとする市議会,市役所のご理解があり,10年以上前から市の補助が出ており,県西部の中では先進的地域に属します.) 昨今の急激な少子化現象,これを招いているといわれる女性の高学歴化,晩婚化及び社会的自立,家庭の主婦の半分以上が働いていることなど,子を産み育てる環境は,ほおっておけば厳しくなるばかりです.
このような中で,厚生省は,今まで法的には認知されていなかった「学童保育」を,法制化する準備を進めているそうですが,何よりも大事なことは,子供達は地域の中で育まれるものだという事でしょう.急激な高齢化そのものに対しての対策もさる事ながら,日本の将来を担う子供達が育たなくては,高齢化した日本を,どうやって支えていくのでしょうか? そのような「学童保育」第2が,地域の皆様との交流をすることを目的として,このバザーを,毎年内野神明宮の境内をお借りして開かせて頂いております.どうか,この内野,内野台の子供たちと親たちが手作りで行う年に一度のバザーにお越し下さり,「第2ビーバークラブってどんなところ?」と,のぞきにきて下さい.
なお,学童保育については,詳しくは下記の拙文をご覧下さい.
(参考:92年8月の内野台新聞に掲載して頂いた文章)学童保育の意義と役割
浜名学童保育所第二ビーバークラブから、内野台の皆様へのご挨拶
第二ビーバークラブ 保護者会 伊藤以知郎
学童保育の意義と役割
浜名学童保育所第二ビーバークラブから、内野台の皆様へのご挨拶
第二ビーバークラブ保護者会会長 伊藤以知郎 (1992年6月)
内野神明宮の参道入口から細い道を南側へ渡ると、プレハブ作りの小さな建物があります。これが第二ビバークラブです。毎年十一月頃に、神明宮をお借りしてバザーを行っていますので、ご存じの方もおられると思います。 今回、指導員の方の募集のことで、自治会長の山本さんにご相談したところ、本誌にスペースを下さいましたので、この場をお借りし、ご挨拶を申し上げたいと存じます。
私たちのクラブは、内野小学校区の小学生の集まりで、放課後を指導員のもとで遊んだり勉強したりして過ごしています。現在、約二十四名が所属しており、夏休みはキャンプ、秋はバザー、冬は雪遊びなどの行事も親子一緒に楽しんでいます。参加している家庭は、共働きの家庭が主ですが、一緒に遊びたい子や、長期休みだけ来たい子も参加することができます。組織は、保護者が共同運営し、浜北市から毎年補助金を頂いています。同じ様な学童保育所が現在市内に9カ所あり、お互いに連絡し助け合いながら活動しています。
学童保育が創設された一九八十年頃と違い、今では、職業を持つ女性の数は非常に多くなり、経済的な目的もさることながら、女性の、職業を通しての社会参加や自己実現のために、子育てをしながら仕事もこなしていこうとする家庭が増えてきていると思われます。乳幼児のための保育施設や、学童保育施設がさらに拡充されれば、育児と仕事の両立がより容易になり、日本で現在問題になっている人手不足や出生率の低下といった問題の解決に、少しでも寄与できるのではないでしょうか。今後は学校の週五日制が拡大していくでしょうから、学童保育の拡充は、社会的要請といっても過言ではないでしょう。 浜北市にとっても、育児環境を整えることは、若い世代の定住促進、育児意欲促進にもつながり、更に、女性が存分に働けることで、市の財政にも有益になり、個人消費も伸び、地域経済の発展にもつながるでしょう。聞き及ぶところでは、厚生省も、放課後児童育成事業をスタートさせるそうですから、学童保育事業の重要性は、政府レベルでも認知されたと申せましょう。浜北市では、それを十年以上前から具体化していたのですから、学童保育創設期の保護者及び市当局の先見性には目を 見張る思いがいたします。
従来の学童保育は、放課後、保護者が帰宅するまで子どもたちの安全を確保するという、第一義的な機能が主な役割でした。しかし今日では、共働き家庭の子育てと仕事の両立を、学童保育が支えるという積極的な側面がかなり強くなってきています。また一方では、塾通いやゲームなど一人遊びの隆盛のために失われた子どもたちの社会性を、集団遊びの中で育てていくことも、学童保育の役割として登場してきました。日本を担う次の世代を育てていく場として、学童保育の持つ意義と重要性は、今後ますます増していくだろうと考えられます。言ってみれば、「生活大国」の一端を担う社会資本と位置づけることもできましょう。
その意味で、私ども第二ビーバークラブは、地元自治会、育成会、子ども会、議員の方々をはじめとする地元の皆様、小学校の先生がたからのご指導を仰ぎつつ、共に手を携えて活動していくべきであろうと考えています。従いまして、今回、このように紙上の一隅をご提供下さった山本会長のご好意に感謝申し上げると共に、そのご卓見に敬意を表する次第です。
最後になりましたが、昨年皆様から署名のご協力を頂き、お陰様で、市内全体で約五千五百名のご署名を集めることができました。そのかいあって、市の補助金が年間九十万円から百十万円に上げて頂くことができました。まことにありがとうございました。しかしながら、県の補助金が打ち切られたため、実質的には残念ながら減額になってしまいました。今年度も署名へのご協力をお願いに参上致しますので、宜しくお願い申し上げます。
(その後、放課後児童対策事業の適応など、浜北市の学童保育は、いくつかの条件が改善し、補助も増額された。また、1997年7月現在、学童保育が児童福祉法の中に法的に位置づけられた。)
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