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幕末ヒーローたちの詠んだ和歌や漢詩の中から
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| その1 | その2 | その3 | その4 | その5 |
| その6 | その7 | その8 | その9 | その10 |
| その11 | その12 | その13 | その14 | その15 |
| その16 | その17 | その18 | その19 | その20 |
| あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 |
| は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 |
| 赤根武人 <長州> |
| 真は誠に偽りに似 偽りは以って真に似たり (5) |
| 伊庭八郎 <幕臣> |
| 雨の日は いとど こひしく思ひけり よき友は いづこなるらめ (18) |
| 入江九一 <長州> |
| 年を経て替わらぬ梅の花の香を 手向くるさへも心愧し |
| 客夢は浮沈す国を去る船 今宵、いずれの所にか愁眠を着く 憐れむべし弟やわずかに袂を分かつに すでにこれ兄は倒懸(とうけん)にあり (16) |
| 語らんと 思う間もなく 覚めにけり あはれはかなの 夢の行方や(18) |
| 天野八郎 <彰義隊> |
| 北にのみ 稲妻ありて 月暗し (4) |
| 伊東甲子太郎 <新選組・高台寺党> |
| 残しおく 言の葉草のさはなれど いはで別るる 袖の白露 |
| ちりぢりの 身はいかにせん けふよりは すめら宮居の 守りともがな |
| 筆のあと 見るぞうれしき これなくば いかであづまの 春を知るべき |
| 我が袖の 涙にやどる影ぞとも 知らでや人の 月を眺めん |
| 心なき 人を心に思ひ初め こころ乱るる 秋の萩原 |
| おのれのみ 深くも思ひ初めにけり うつろいやすき 花の色香ぞ |
| 春風に吹きさそわれて山桜 散りてぞ人に惜しまれるかな (1) |
| すめらぎの 護りともなれ 黒髪の 乱れたる世に 死ぬる身なれば (7) |
| 波風の あらき世なれば 如何にせん よしや淵瀬に 身はしづむとも (2) |
| こち吹くと 云ひしむかしの ゆかしけれ 今も春辺に にほふ梅が香 (3) |
| 行末は かくこそならめ われもまた 湊川原の こけの石ふみ (5) |
| 大鳥圭介 <幕臣> |
| ゑぞのうみの 深き心を 人しらで たゞしら浪の 名をばえむらむ (20) |
| 岡田以蔵 <薩摩> |
| 君が為め 尽くす心は水の泡 消えにし後は 澄みわたる空 (2) |
| 沖田総司 <新選組> |
| 動かねば 闇にへだつや 花と水 (1) |
| 江藤新平 <佐賀> |
| ただ皇天后土のわが心を知るあるのみ (12) |
| 和宮 <皇女> |
| 惜しまじな 君と民とのためならば 身は武蔵野の 露と消ゆとも (3) |
| 空蝉の 唐織衣 なにかせん 錦も綾も 君ありてこそ (2) |
| 世の中の 憂てう憂を身ひとつに とりあつめたる 心地こそすれ (4) |
| 勝海舟 <幕臣> |
| 撫安三百歳 漸く移る幕府の権 鬱気発する所無し 号泣して蒼天に問うのみ (1) |
| 桂小五郎 <長州> |
| 酔うては枕す美人の膝 覚めては握る天下の権 (2) |
| 世の中は桜も月もなみだかな(8) |
| 去歳(きょさい千軍我が彊(きょう)に逼る 今朝(こんちょう)孤剣(こけん)他郷に入る 浮生萬事変じて夢の如し 一片依然男子の腸(12) |
| 河上彦斎 <肥後> |
| 君のため 死ぬる骸に 草むさば 赤き心の 花や咲くらん (6) |
| 河上弥一 <長州> |
| 後れては 梅も桜におとるらん 魁けてこそ 色も香もあれ (12) |
| 降ると見ば 積らぬ先に払へかし 風吹く松に 雪折もなし (12) |
| 来島又兵衛 <長州> |
| この首を とるかとらるか 今朝の春 (12) |
| 北添佶摩 <土佐> |
| 万里の波涛 家さらに通し 数行の涙 一封書に寄す |
| 清川八郎 <出羽> |
| 魁けて またさきがけん 死出の山 迷ひはせまじ すめらぎの道 (3) |
| さくら花 たとひちるともますらをの 袖ににほいを とどめざらめや(8) |
| 桐野利秋 <薩摩> |
| 曇り無き 心の月の清ければ 千歳の秋も さやけかるらん (4) |
| 大熕のおとを 蟲にも聞きなして 雲井に高き 月を見る哉 (17) |
| 国のため 心くだきししづのをも やがて雲居に 名こそ聞こえむ |
| 草枕 おもうもつらき 世の中は ただうたた寝の 夢にこそあれ |
| 今は世に よしをあしとも 知らねども 後の人こそ 知るべきものを |
| つつみおく 真弓もやがて 引きしぼり うちはなすべき 時は来にけり |
| もれ出づる かげさやけくも 見ゆるかな 雲居の中の 秋の夜の月 |
| 雲はらひ 大内山の桜木に 花咲かすべき 時はこの時 |
| 久坂玄瑞 <長州> |
| 黒雲(こくうん)低くして起きず 霖雨(りんう)山川(さんせん)に泛(う)かぶ 十日嶽下に往(ゆ)く 嘗(かつ)てその巓(いただき)を見ず 大風今朝吹いて雲(くも)白雪を散らす 千仞青天を照らす 旅人快を呼び耕人喜ぶ 孤士何ぞ独り張然たる(13) |
| 神垣の みかきの梅は散りぬとも 桜かざして われ出でたたむ |
| ゆく川の過ぎにし人の跡とへばますら猛男も涙ぐましも(8) |
| 葦辺ゆく 鴨川あたり青柳の 乱るる糸の心地して 鷺さへ知らぬ水底の 深きわたしが胸の中 たれに語ろか 聞かしようか 実に苦労の苦の世界 |
| 今は早や 都の春も時ならめ 吾家のさくら 春さきにけり |
| ほととぎす 血になく声は 有明の 月より外にきく人ぞなき |
| 久方の都やいづく 白雪の 積れる山を 今日こゆるかも |
| 龍田川 竿で渡れば 紅葉が散るし 渡らにゃ聞えぬ 鹿の声 |
| ふるさとの 花さへ見ずに 豊浦の 新さきもりと 吾は来にけり |
| 荒磯に よせ来る浪の岩にふれ 千々に砕くる 吾が思ひかな |
| 夕なぎに 痛くな泣きそ 浜千鳥 なかなくきけば 都しおもほゆ |
| 取佩ける 太刀の光は もののふの 常にみれども いやめずらしき (3) |
| 十里 菜花の外 春風に野の雉鳴く 何人ぞ犢(こうし)を牽(ひ)きて至る 縄の帯短刀を横たふ (3) |
| 桜花 手折りかざゝむ 武士(もののふ)の 鎧のうへに いろ香をみせて (3) |
| 香を千世に 留めぬるとも 武士の あだなる花の 跡ぞ悲しき (4) |
| 梓弓 はるは来にけり もののふの 引かへさじと 出づるたびかな (4) |
| 荒磯に よせ来る浪の岩にふれ 千々に砕くる 吾が思いかな (5) |
| けふもまた 知られぬ露の命もて 千とせをてらす 月を見るかな (5) |
| 秋の夜は かはらざらめと 殊更に うら悲しきは もちの夜の月 (5) |
| 軒端の月の露とすむ さむき夕べは手枕に いのねられねば橘の 匂える妹の恋しけれ (5) |
| はかなくも 浮世の人のあだ桜 いづくの野辺に ちらんものかは (8) |
| 近藤勇 <新選組> |
| 山守の使いはこねど 馬に鞍 置いてぞ待たん 花の盛りを (1) |
| 孝明天皇 |
| 和らくも たけき心も相生のまつの落葉のあらす栄えむ (10) |
| もののふと 心あわしていわおをも つらぬきてまし 世々のおもいて(10) |
| 西郷隆盛 <薩摩> |
| ふたつなき 道に此身を 捨小舟 波立たばとて 風吹かばとて (1) |
| 百千の窮鬼 吾れ何ぞ畏れん 脱出す 人間虎狼の群 (3) |
| 幾たびか辛酸を経て 志始めて堅し 丈夫玉砕すとも甎全を恥ず 一家の遺事 人知るや否や 児孫の為に美田を買わず(13) |
| 秋夜(しゅうや)東山(ひがしやま)の月 光輝(こうき)缺(か)け、却って明らかなり 京華(けいか)千里の客 相照らす故郷の情(じょう)(17) |
| 文(ぶん)を学びて主(しゅ)なきは痴人(ちじん)に等し 天心(てんしん)を認得(にんとく)すれば志気振るう 百派(ひゃっぱ)紛紜(ふんうん)乱れて線(いと)の如し< 千秋不動(せんしゅう)なるは一声(せい)の仁(じん)(18) |
| 西郷千重子 <会津> |
| なよ竹の 風にまかする 身なからも たわまぬ節は ありとこそきけ (18) |
| 品川弥二郎 <長州> |
| 雪と消え 花と散りても 後の世に 残るは人の 誠なりけり (17) |
| 坂本竜馬 <土佐・亀山社中・海援隊> |
| 世の人は われをなにとも ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる (2) |
| 又あふと 思ふ心をしるべにて 道なき世にも 出づる旅かな (1) |
| 嵐山 夕べ淋しく鳴る鐘に こぼれそめてし 木々の紅葉 (2) |
| 月と日の むかしをしのぶ みなと川 流れて清き 菊の下水 (4) |
| 藤の花 今をさかりに 咲きつれど 船いそがれて 見返りもせず (6) |
| 心から のどけくもあるか 野べはなを 雪げながらの 春風ぞふく (7) |
| 佐野七五三之介 <新選組> |
| 二張りの 弓引かまじと もののふの ただ一筋に 思ひきる 太刀 (3) |
| 三条実美 <公卿> |
| 九重の 御階の塵を 払はんと 家をも身をも 打砕きけり (5) |
| 芹沢鴨 <水戸天狗党・新選組> |
| 雪霜に 色よく花のさきがけて 散りても後に匂ふ梅が香 |
| 周布政之助 <長州> |
| 月明(げつみょう)、何ぞ、唯(ただ)、武蔵の洲(くに)のみならんや 今昔(こんじゃく)光は臨む五大州 客となり来(きた)たりて能(よ)く、異域に游ばん 空しく過ごす 三十九中秋(14) |
| 相馬主計 <新選組> |
| さながらに そみし我が身は わかるとも 硯の海の 深き心ぞ(19) |
| 高杉晋作 <長州・奇兵隊> |
| 翼あらば千里の外も飛めぐり よろつの国を 見んとしそ 思う |
| <回先生曰 振猛尚余十八回>真にこれ関西志士の魁 英風早動し我邦に来たるう 霊魂なお遺憾すべし多きを 猛気更に余す十七回(8) |
| <先師かつて久坂義助を称して少年第一流という> 骨を皇城に埋めて骨さらに香る 当時、苦節、我が州を震わす 知る君が同盟の裏に卓立し 少年第一流に背かざりしを (8) |
| 先生を 慕うてようやく 野山獄 (6) |
| 散り行きし 花に色香は おとれとも 同し心の 散る桜花 (8) |
| ともし灯の 影ほそく見る 今宵かな (2) |
| 真があるなら 今月今宵 あけて正月 だれも来る (6) |
| 人間は、艱難は共にできるが、富貴は共にできない (1) |
| 三千世界の烏を殺し ぬしと朝寝がしてみたい (1) |
| 何をくよくよ 川ばた柳 水の流れを見てくらす (1) |
| おもしろき こともなき世を おもしろく (1) |
| 身は棲禽(せいきん)に似て繋囚(けいしゅう)となる 心は逝く水の如く悠々に付す夜来独り怪しむ孤床の上 魂は走り夢は迷う 六十洲 (3) |
| 昨夜炎を洗って涼味新たに 今朝秋立って葉声頻りなり 始めてみる林景の詩意に堪ゆるを 残月依々として影半輪 (3) |
| 万物元来始終あり 人生いわんや百年の躬少なし 競名争利営々として没す 識らず何の娯(たのしみ)か この中に存せん (3) |
| わしとお前は 焼山葛 うらは切れても 根は切れぬ (3) |
| 細君はまさに我が閑居に到らんとす 妾女は胸間にわずらい余りあり これより両花艶美を争う 主人手をこまねいて如何ともするなし (3) |
| 内憂外患吾が州に迫る 正にこれ邦家存亡の秋(とき) 将に回天回運の策を立てんとす 親を捨て子を捨つる 何ぞ悲しまん (4) |
| 神武起ってより二千年 億万の心魂散じて煙となる 愚者、英雄ともに白骨 真にこの浮世は値三銭 (5) |
| 死だなら 釈迦と孔子に追いついて 道の奥義を 尋ねんとこそ思へ (5) |
| 生とは我れを労するなり。死とは天の乃ち我を安んずるなり (5) |
| 西へ行く 人を慕うて東行く 我が心 神や知るらん (5) |
| 雪折れし 松に罪こそなかりけり 裁にし人の むくいなるらん (6) |
| 自ら愧ず知君の我が狂を容るるを 山荘我を留めて更に多情 浮沈十年杞憂の志 若かず閑雲野鶴の清きに(9) |
| 自ら恥ず残骸晩風に泣くを 怪しむをやめよ家を華表の上に移すを 暮朝廟前の紅を払わんと欲す (9) |
| 脱出す風塵(ふうじん)の際(きわ) 酒瓶ただみずから親しむ 酔いきたりて肘(ひじ)を枕に睡(ねむ)る しらず何人をか夢みる (11) |
| 猛烈の奇兵 何の志す所ぞ 一死をもって邦家に報いんと要す むしろ欣ぶ 名を遂げ功成るの後 共に招魂場上の花となるを (15) |
| 夢は迷う 指月山頭(しづきさんとう)の月 人は東洋万里の船にあり 地中千里 黄泉の下 知らず孔翁(こうおう)如何(いかんの)の情ぞ 変檣(へんしょう)林立して雲を穿つの所 独り宝刀を撫(ぶ)して月明に対す(18) |
| 高杉マサ子 <長州> |
| 文(ふみ)見ても 読まれぬ文字は おほけれど なおなつかしき君の面影 (17) |
| 寺島忠三郎 <長州> |
| 関の戸は 雲やとざさん 五月雨の 今朝吹く風を 君は何方へ (14) |
| 武士のみちこそ多き世の中に たゝ一すちの やまと魂(13) |
| 道々も さぞかしやらん 五月雨の 雲は東(あずま)も ふるさとの雲(13) |
| 言の葉も 盡きざりにけん 五月雨も 我も東へ 行きて待つべし(14) |
| 武市半兵太 <土佐謹皇党> |
| 肝胆もとより雄大 奇機おのずから湧きいづ 飛潜す誰か知るあらん ひとへに龍名に恥ぢず (7) |
| 思ふこと 晴るるしるしや 富士の根の かかる雲なき 夢を見しとは(13) |
| 夜色沈々として雨脚軽し 悽然(せんぜん)涙を催して夢成り難し 杜鵑(とけん)窓外に何事をか陳(の)ぶる 亦囚人をして慨情(がいじょう)を増さしむ(13) |
| この梅の 花をば君の 面影と 思いかへして 眺め暮らさん(15) |
| 集(つど)ひして 語りあはなん 二年(ふたとせ)の つもる憂きをば むかしにぞして(15) |
| 逢ふことの ならぬ此身(このみ)と なりぬれど こころの逢ふぞ うれしかりける(15) |
| 田中寅蔵 <新選組> |
| いづかたも 吹かば吹かせよ この風よ 高天原は まさに吹くまじ (2) |
| 藤堂平助 <新選組・高台寺党> |
| 益荒男の 七世をかけて誓いてし ことばたがわじ わが大君のため (3) |
| 武田観柳斎 <新選組> |
| 我も同じ 台(うとな)やとはん ゆくすえは 同じ御国に あふよしもかな (15) |
| 中山忠光 <公家・天誅組> |
| おもいきや 山田の案山子 竹の弓 なすこともなく 朽ちはてんとは (14) |
| 中島登 <新選組> |
| 世の中にくまなく照らす 秋の月 月さへしばし 雲にかくれん (3) |
| 中島三郎助 <幕臣> |
| われもまた 花のもとにと おもひしに 若葉のかげに きゆる命か (18) |
| 中岡慎太郎 |
| 春山は青く、海水は碧(みどり)なり 文字関頭(もじかんとう)咫尺(しせき)に扼(おさ)ふ 煙霞(えんか)三月、好風景 却って悲しむ 寿永興亡(じゅんえいこうぼう)の迹 数隊の倡妓(しょうぎ)は諸嬪(しょひん)を擬(なぞら)え 玉簪金釵(ぎょくしきんさい)は先皇と拝す 孤客(こきゃく)、涕(なみだ)によって見ること能はず 即(すなわ)ち、是れ當年(とうねん)の舊宮粧(きゅうきゅうしょう) 而来(じらい)天下、幾変革ぞ 曽(かつ)て皇威の太古に復すること無し 今に至るまで六百八十年 碧水(へきすい)青山(せいぜん)猶(な)お依然(いぜん)たり (16) |
| 野村望東尼 |
| まごころを つくしのきぬは 国のため 立ちかへるべき ころも手にせよ (2) |
| 服部武雄 <新選組・高台寺党> |
| たづぬべき 人もあらしのはげしくて ちる花のみぞ おどろかれぬる (5) |
| 人見勝太郎 <幕臣・遊撃隊> |
| 琴となり 下駄となるのも 桐の運(20) |
| 真心の あるかなきかは屠り出す 腹の血潮の色にこそすれ |
| 林忠崇 <請西藩・遊撃隊> |
| 幾万の奸兵、海陸より来る 孤軍防戦、骨堆を成す 百籌運尽き、今日に至る 好し 五稜郭の苔とならん (18) |
| 橋本左内 <福井> |
| 二十六年、夢の裡(うち)に過ぐ 平昔(へいじゃく)を顧り思えば、感ずることますます多し 天祥の大節、かつて心折れんや 土室にてなお吟ず 正気の歌 (15) |
| 福原越後 <長州> |
| 中原に賊を逐(お)うて、気、鷹揚(おうよう)たり 獵狗(りょうく)烹(に)らるる時にこの殃(わざわい)に罹(か)かるる 愁思(しゅうし)、徒(た)に逾(こ)す三閲月(えつげつ) 頽齢(たいれい)まさに盡(つ)きんとす五旬(しゅん)の霜 體(たい)は痩せるを知りて食に甘み無し 鬚(ひげ)は撚(よ)るに足れども 詩、章を調(ととの)え難し 嘆かわしきかな 邦家何れの日にか定まらん 忠誠は一貫す 鉄心の腸 (15) |
| 平野国臣 <福岡> |
| 憂国十年 東走西馳 成否は天に在り 魂魄地に帰す (15) |
| いとをしみ 悲しむあまり捨てし子の 声立ち聞きし 夜もありけり(17) |
| 藤本鉄石 <備前岡山 天誅組> |
| 八咫からす 導よかし大王の 事しいそしむ 御軍の為 (16) |
| 土方歳三 <新選組> |
| たとひ身は 蝦夷の島根に 朽ちるとも 魂は東の 君や守らむ (1) |
| 報国の 心を忘るる 婦人哉 (1) |
| 梅の花 壱輪咲ても 梅は梅 (1) |
| 春の草 五色までは 覚えけり (7) |
| しれば迷い しなければ迷わぬ 恋の道 (2) |
| 叩かれて 音のひゞきし なづなかな (2) |
| 玉川に鮎つり来るやひがんかな (2) |
| 鶯や はたきの音も ついやめる (3) |
| 公用に 出てゆくみちや 春の月 (3) |
| 白牡丹 月夜月夜に 染めてほし (3) |
| 来た人に もらいあくびや 春の雨 (4) |
| 水音に 添ひてききけり 川千鳥 (4) |
| 早き瀬に 力足りぬか 下り鮎 (5) |
| おもしろき 夜着の列や 今朝の雪 (6) |
| 松平容保 <会津> |
| 幾人の 涙は石にそそぐとも その名は世々に 朽じとぞ思ふ (20) |
| 前原一誠 <長州・萩の乱> |
| 今日、高楼の上 酒、雪華に満ちて香る 故人の宅を訪れんと欲すれども いかんせん世上多し (20) |
| 松本奎堂 <刈谷・天誅組> |
| 君がため 身まかりにきと 世の人に 語りつぎてよ 峰の松風 (16) |
| 山県有朋 <長州・奇兵隊> |
| 呉竹の 世のうきふしの 杖の笠 おもひたつ身の うれしかりける (5) |
| 谷つづき 梅咲きにけり 白妙の 雪の山路を 行く心地して (6) |
| なき人の 魂のゆくへを つげがほに をちかえりても 啼くほととぎす (6) |
| ひさご酒 君がすすめし ありさまは 目にも耳にも なお残りけり (4) |
| 山本八重子 <会津> |
| 明日の夜は いつこの誰か 眺めむらん なれし大城に のこす月影(20) |
| 山内容堂 <土佐> |
| 摂州(せつしゅう)、用武(ようぶ)は論ぜずとも可なり 唯だ喜ぶ 伊丹の酒の甘からぜるを 醇醪(じゅんろう) 吾もまた京口(けいこう)に求む 常に待つ 軽風(けいふう)の南より吹(14) |
| 安富才介 <新選組> |
| 早き瀬に 力足らぬか 下り鮎(19) |
| 吉田松陰 <長州> |
| 箱根山 越すとき汗の 出やせん 君を思いて ぬぐい清めん (2) |
| 夢路にも かへらぬ関を 打ち越えて 今をかぎりと 渡る小瀬川 (3) |
| ★ 身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留めおかまし 大和魂 (4) |
| 親思ふ こころにまさる親ごころ けふの音づれ 何ときくらん (6) |
| 吾頬は 桜色にぞなりにけり 春来にけると 人や見るらん(18) |
| 此程に 思定し 出立ハ けふきくこそ 嬉しかりける(20) |
| 吉田稔麿 <長州> |
| わけのぼる 麓の道は多けれど 同じ高根の 月をこそ見れ (18) |
| 吉村虎太郎 <土佐> |
| ★ 吉野山 風にみだるるもみじ葉は わが打つ太刀の 血煙と見よ (3) |
| 桜樹(おうじゅ)いまだ開かず 楊眼(ようがん)嬌(きょう)たり 決心(けっしん)友(とも)を呼び酒(さけ)終宵(しゅうそう) 一家一国焉(いずくんぞ)患(わずら)う 宜(よろ)しく本朝をして本朝たらしむべし(13) |
| 曇りなき 月をみるにもおもふかな 明日はかばねの上に照るやと(14) |
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