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低出生体重児とは

出生体重2500g未満で生まれた赤ちゃんを「低出生体重児(low birth weight infant)」と呼びます。これは国際的な申し合わせで1995年よりICD-10(国際疾病分類、10版)にしたがい新生児用語が変更され、それによる新しい呼び名を用いた分類です。「未熟児」の場合ははっきりとした決まりはなく、胎外生活に適応するには十分に成熟していない未熟徴候を有する児を意味する臨床的表現で用いられていました。いわゆる「早産」と言った意味も含まれています。さらに以下のように出生体重別・在胎週数別で分類されます。

出生体重別 在胎週数別 体重基準曲線別 頻度 原因
特徴 養護 ハイリスク児 参考




















体重


出生体重別

2500g未満を総括して低出生体重児(low birth weight infant)
 そしてさらに分類して以下になります。
 1500g未満     極低出生体重児
                  (very low birth weight infant)
 1000g未満     超低出生体重児
                  (extremely low birth weight infant)

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ざいたい


在胎週数別

37週未満すべて早産児 (preterm infant)

28週以上37週未満  妊娠(在胎)28週以上の早産児
                      (other preterm infant)
22週以上28週未満  超早産児
                      (extremely immature infant)

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曲線

    
 出生時体重基準曲線による分類

 light-for-date児(LFD児)   出生体重が在胎週数に比して小さい児
 small-for-date児(SFD児)   light-for-date児のうち身長も小さい児    

 SFD児は従来LFD児と同義語として用いられていたが現在では区別されている。

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頻度

低出生体重児の頻度


 日本の低出生体重児の頻度は男児で約6%、女児で約7%である。
 出生数は減少傾向にあるが低出生体重児は増加しており、早産児では1980年には在胎週37週未満では総出生数の4.1%、在胎28週未満では0.12%だったが、1997年にはそれぞれ5.0%、0.20%と増加している。また,低出生体重児の比率は1960年では総出生数にたいして2500g未満は7.1%、1500g未満0.33%1000g未満0.03%だったのが、1997年にはそれぞれ7.9%、0.06%、0.22%と増加している。しかし、新生児期(日齢0〜27)の死亡率は低下している。日本小児科学会新生児委員会の全国調査によると出生体重1000〜1400gの児の新生児期の死亡率は1985年で11.6%、1995年で5.0%と有意に低下しており、出生体重500〜999gの児でも、41.2%〜21.8%と低下している。早産児でも同様の傾向にある。
     

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原因




 未熟児・低出生体重児の原因

 満産期(37週以降)以前の分娩(早産)、および子宮内で胎児の発育が遅れる事(IURG:子宮内胎児発育遅延)の2種類が考えられる。


IURG IURGの定義は国によって異なるが、日本では子宮内胎児発育曲線の−1.5SD未満に属する場合をIURGと呼ぶ。IURGの場合は正常に発達している胎児に較べて、周産期死亡率やリ病率(低血糖、黄疸、感染症など)および後障害発生率が高く、ハイリスク胎児および新生児である可能性が高い。原因としては、胎盤機能不全による「栄養不全」、「染色体の異常や奇形症候群」に大きく分けられる。「栄養不全」のタイプは身体発育は遅延しても頭囲発育は保たれている事が多い。また発育遅延の発症は妊娠28週頃が多くなり、妊娠中毒症に合併するのが30%で、その他は原因不明。最近では、抗リン脂質抗体症候群の母体に高頻度に発症する事がわかっている。「染色異常や奇形症候群」のタイプは妊娠初期から発育遅延が認められ、身体とともに頭部の発育も遅延する事が多くある。IURGの生命予後はNICUの普及、進歩により改善してきているが神経学的後遺症の発生には、胎内での頭囲発育が大きく関与すると考えられており、言い換えれば、子宮内での頭囲の発達が悪ければ、出生後NICUでどんな集中治療を行っても、手遅れといえるかもしれない。

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特徴


未熟児の特徴

  • 肺がふくらみにくい為、肺でのガス交換は不良であり、呼吸中枢の発達も不十分で、呼吸を止めてしまう事がある。したがって、酸素欠乏症になりやすい。
  • 体内での熱産生が少ないうえに、熱喪失が多いので、低体温になりやすい。
  • 感染に対する抵抗力が弱い為、感染を受けやすく、感染を受けると重くなりがちである。
  • 乳を吸う力が弱く、吸いついてもすぐ疲れて眠ってしまう。非常に小さい未熟児では乳を吸うことも飲み込むこともできない。
  • 肝臓の働きが不十分な為、黄疸になりやすい。
  • 生後1ヶ月前後くらいから貧血になりやすい。

熱産生 新生児の「熱産生」は、身震いと関係なく発生する熱が重要で、これは頸部や肩甲部などに分布する褐色脂肪組織で覆われて いるが、低出生体重児はその組織が少ない為、熱の産生能力が低い。
熱喪失 「熱喪失」は体内から体表面(内部勾配)と、体表面から体外へ(外部勾配)に大別される。新生児は体積あたりの体表面積が大きいこと、皮下脂肪が薄いことなどのため、内部勾配による熱の移動が生じやすく、輻射(ある一点から周囲に放射状に射出する事)による熱の喪失も大きくなる。さらに超低出生体重児では皮膚が未熟で蒸散によって熱が失われる。その為生後早期は100%に近い加湿が必要になる。

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養護


未熟児の養護

  • 保温                                                                                  保育器を用いて保温する。保育器は中性温度環境にて保育することを目的としているもの。中性温度環境は出生体重、在胎週数、日齢によって大きく変わるが、これに基づいて保育器内の温度を設定している(通常31〜34℃)。閉鎖式の保育器内では一定の酸素濃度に保つ事ができること、服を着せてコットに寝ている赤ちゃんに比べて、保育器に収容されている赤ちゃんは皮膚の色、呼吸の状態などが十分観察できるというメリットがある。
  • 呼吸管理                                                                               未熟児は酸素欠乏になりやすく、酸素不足になるといろいろな障害が起こるので、チアノーゼや呼吸障害のある場合には酸素吸入が行われる。動脈血の酸素分圧や、皮膚の毛細血管の酸素分圧を測って、酸素が不足しないよう、また多すぎないように注意しながら酸素吸入が行われている。自分で呼吸ができないような小さな未熟児には人工呼吸が行われる。
  • 栄養                                                                                   未熟児にも母乳が最も優れた乳汁であり、母乳で栄養することが望ましい。ただ、非常に小さい未熟児には母乳栄養では、タンパク質、カルシウム、ナトリウムが不足し、体重増加が悪かったり、骨の発育不良が起こったりする。その為この場合には母乳に母乳強化用の栄養素粉末を添加したり、未熟児用ミルクと混合栄養にする。自分で乳を飲めない場合は、カテーテルを鼻から胃まで入れておいて、注射器で乳を注入する。小さい未熟児は生後数日間乳を与える事ができない場合が多いが、その場合はブドウ糖液や食塩水、アミノ酸製剤や脂肪乳剤を静脈内に点滴注入して栄養と水分を補給する。
  • 感染予防                                                                               新生児室は、入院患者が未熟児、新生児という易感染宿主であり、医療従事者との接触が濃厚な事、人工呼吸器、保育器などの医療機器を使う頻度が高く、かつ長期にわたるということなどから、院内感染の頻度が高い。医療従事者や両親を介した感染の対策としてはNICUに入る時には、ブラシを使って手を洗い、消毒した帽子と白衣、そしてマスクをつける。また「一処置一手洗い」のもと児を取り扱う場合は前と後に必ず手を洗う。医療器具を介した感染に対しては可能な限り殺菌をし、おむつ、シーツなどは完全に消毒されたものが使われている。
  • 監視                                                                                         未熟児は病気にかかりやすく状態が急変しやすいので、絶えず注意深く観察されている。呼吸、心拍、血圧、体温、皮膚の毛細血管の酸素分圧などの自動監視装置も用いられている。
 


中性温度環境 新生児にとって最も楽な、そして最も発育に有利な温度環境。同じカロリーで栄養された場合、この中性温度環境で保育した新生児が最も体重増加が良好である事が証明されている。出生体重、在胎週数、日齢によって中性温度環境は大きく変化する。
チアノーゼ 皮膚あるいは粘膜が青紫色を呈する状態。毛細血管血の酸化されていないヘモグロビンが5g/dl以上、また動脈血で3g/dl以上存在する時にチアノーゼを呈する。
母乳強化用の栄養粉末 母乳の利点を生かした上で不足する栄養素を総合的に補う為、母乳に強化パウダーを添加して強化母乳を作成し、未熟児に投与がおこなわれている。
未熟児用ミルク 十分な栄養素の備蓄なしに胎外生活に適応しなければならない、未熟児に母乳だけで栄養していると低たんぱく血症、未熟児くる病、低ナトリウム血症など栄養素の不足に伴うさまざまな不都合な病態を招くことが知られているが、不足する栄養素を補うことで多くの問題は解消できると考えられている。従って、未熟児に対しては母乳栄養のみでは十分でないといえ、よって、従来の育児用粉ミルクはできるだけ母乳に近づけるように改良が進められている為、未熟児に対して通常のミルクを使用しても未熟児に必要な栄養は満たす事はできないと考えられる。そこでエネルギー、タンパク質を増加させ、ミネラル、特にカルシウム、リンやナトリウム、またビタミンDを強化してくる病の発症を防ぎ骨の発育を促すことを特に考慮されて未熟児用粉ミルクが開発され、用いられるようになった。これによってこれまでの栄養法とくらべて発育はよくなり、くる病の発生率も減少させることが明らかにされた。一般の調乳粉乳とは違い、いずれも病院において医師の指示の下に使用され、投与量、濃度、開始・終了時期は医師の裁量に任されている。また過剰投与にならないように、全身状態の観察、血液生化学検査でのチェック、発育曲線などを用いて急激な体重増加が起こらないか常に管理されている。基本的には市販されていない。

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ハイリスク児

ハイリスク児


 
ハイリスク新生児とは

  • 未熟児
  • 早産児
  • 母親が糖尿病、甲状腺機能異常
  • 前期破水で生まれた子
  • 前の子どもが新生児のときに重い病気になったことのある場合
  • 仮死で生まれた子
  • 妊娠健診で胎児に異常があるとみられた子     
 今は元気にみえるけれども、病気になりやすい、あるいは異常がでやすい状態なので注意してみていかなければならない新生児のこと。
 例えば、お母さんが糖尿病であった場合、子どもは生まれた時は元気にみえても
  • 巨大児(4000g以上)
  • 分娩外傷や仮死
  • 低血糖・低カルシウム血症によるけいれん
  • 多血症
  • 心臓の病気
  • 黄疸
  • 呼吸障害
などのさまざまな問題をおこす可能性がある。
 よって普通の赤ちゃんと同じような看護をしながらも、早めにミルクを始めるとか、血液を調べて低血糖や多血(血が多すぎること)がないかを調べ、症状が出る前にそれらを治療しなければならない。

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参考


   もっと詳しく知りたい時は、
    

神戸大学小児科 「新生児医療 光と影」 
     中村 肇先生
 新生児医療の変遷から、超低出生体重児の3歳時、6歳時、9歳時の予後までのことが書かれています。


「超低出生体重児の予後からみた21世紀の課題」 
   
中村 肇先生
  内容は上記とほぼ同じですが、こちらの方が多少詳しいかも。

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