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大統領選とヒスパニック (04.10)

アメリカの4年に一度のお祭りもいよいよメインエベントが近づき、数々の出し物が観客を沸かせます。

NY滞在中は第1回目のディベートの時だったのでメディアは盛り上がる。では、ヒスパニックTVのUNIVISIONの取り上げ方は?、と見てみたが、CNNやFOX、三大ネットワークが解説する争点と差ほど変わらない。「ヒスパニックはマイノリティー」「ヒスパニックは貧しい」というシンプルなくくりはもはや存在しない現在、選挙戦も総花的になるか、相当ピンポイントのアタックが必要なのだ。それは、ヒスパニック向けマーケティングの多様さを見ても分かる。

芸能誌"People en Espan~ol"のここ数年の広告、例えば自動車のアドを見ても、高級車の広告がどんどん増えている。アメ車、日本車、韓国車のD-Class程度がせいぜいだったのがBMWやVolvoまで伸びてきている。それは多様化と共に、ポテンシャルの強さでもある。

ヒスパニック系のテレビ局の純益は前年比16%だ。英語系が主流の業界全体の平均、8%の2倍!いかにヒスパニック・マーケットのポテンシャルがあるか、というのが分かる。


さて、大統領選。ブッシュ、ケリー の両陣営がどの州のどこにTV広告を集中させたか、という大手の調査会社ニールセンの資料がある。なかなか面白い。

1 フロリダ州マイアミ
2 ニューメキシコ州アルバカーキ
3 ネバダ州リノ
4 フロリダ州タンパ
5 ウィスコンシン州グリーンベイ
6 オハイオ州クリーブランド
7 オハイオ州トレド
8 オハイオ州コロンバス
9 ミシガン州グランドラピッズ
10 ペンシルベニア州ハリスバーグ

1から4はヒスパニックの多い場所。特にマイアミが1位だというのはなかなか象徴的。

ケリーはフロリダを始めと重点州にスペイン語のTV広告を行っている。費用は数100万ドル規模だそうだ。副大統領候補を決めた直後、さっそく遊説に回ったのがフロリダ州タンパだ。


アレハンドロ・フェルナンデスの新譜に合わせた特集記事を真中に据えた10月号。クリントンの自伝"My Life"の記事の中でさりげなくケリーに触れたりしてる



こんな団体もあります。
共和党キューバ系アメリカ人の会
共和党のシンボルはぞうさん

フロリダのヒスパニックといえば、「キューバ系」と連想するが、最近はその理解はちょっと違う。なんと今やキューバ系はたった3割なのだ。もちろん亡命キューバ系(反カストロ系)は昔から強力な共和党支持で、アメリカの数々の"キューバいじめ"を支持してきた影響力のある集団だ。

しかし、残りの7割の構成は多様だ。カリフォルニア州、テキサス州、ニューメキシコ州などに留まらずメキシコ系の伸びは強い。彼等は他の中南米各国出身者と同様、低賃金の人々が多く、民主党支持の傾向がある。一方、亡命キューバ系同様、左翼ゲリラから逃れてきた、例えばニカラグア出身などは共和党支持の傾向がある。


 

プエルトリコ系はなかなか微妙。プエルトリコの現政権PDPは伝統的に共和党支持、PNPは民主党支持の傾向があるが、ビエケス問題などでは「そんなの関係ない!」的動きを取る。

島の選挙の投票率は80%を超える選挙好き(?)。しかし本土では伝統的には民主党支持が多いものの投票率は島のレベルには程遠く、7割が浮動票となる。フロリダで50万人いるプエルトリコ人のうち35万人もが浮動票ということだ。


PNPのシンボルは
椰子の木

PDPのシンボルは
ヒバロ。
明確な共和党支持の亡命キューバ系は別として、一般にフロリダのヒスパニックは実は浮動票が多いのだ。しかし、その人口は既にマジョリティーであり、それだけにこの浮動票を獲得することが今回選挙の勝敗を握るという訳だ。そしてその危機感が前述のニールセンの調査にははっきり現れている。なにせヒスパニックは全米で4千万人の大票田。

 

↑どちらも泣けます↑
(泣くか?そんな事で)

しかしプエルトリコ知事選も
目が離せない。
これはまた別のページで。


さて、ご両人はヒスパニックにどんなアプローチをしてるかというと、各々のウエブサイトでも熾烈な戦いを繰り広げている。細かく読むとなかなかおもしろい。

ブッシュのサイトの中のヒスパニック向けページ

ケリーのサイトの中のヒスパニック向けページ"UNIDOS CON KERRY"

どちらが勝つにせよ、今後益々膨張するヒスパニック。音楽や音楽産業にも必ず影響が出るから(既に出てるし)、目が離せません。



まあ、どっちが勝っても大筋ではあんまり変わらないけど、局地戦では変化があるかも。


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