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バンコ・ポプラール年末企画盤 2001 /"RAICES" (02.1.30)

BANCO POPULAR恒例の年末企画、2001年末はこのRAICES。スペイン語で"ルーツ"の意。

プエルトリコ文化はタイノ、スペイン、そしてアフリカの3要素でよく語られるが、その内今回は音楽のベースにあるアフリカの要素とその果実であるボンバとプレーナに焦点をあてた作品。今の音を組み合わせエンタテイメント性もしっかり押さえている。VIDEO・DVD版ではなかなかお目にかかれない映像も。

アフリカからの黒人は主に農業の為の奴隷とされたものが多かった。プエルトリコにも海岸沿いは多くの砂糖きび農場があった。

アロージョ、グアィヤマ、サリナス、サンタ・イサベル、フアナ・ディアス、ポンセ、グァヤニージャ・・・といった海岸沿いの町を中心に多くの黒人奴隷が働いた。1873年に奴隷制度が廃止された後もそのアフリカ起源の伝統の踊りや音楽は脈々と受け継がれた。

砂糖精製工場(1930年代)
砂糖きび畑

プエルトリコの農業労働力はアメリカやハイチ、キューバ東部に比べると黒人割合が少なめだった。つまり白人系の貧しい農民も多かった。そのため、血も交じり合い、音楽の感覚も交じり合う。

VIDEO版作品のオープニングは、黒人達が奴隷として働き、そして解放後も主要な労働力として働いた農園のひとつ、サリナスの工場の廃屋の前から始まる。

ラッパーのウェルモが進行役となって、ボンバとプレーナを歴史、地域性、時代時代のポピュラー音楽とどう交わり何を生み出してきたか、今の音とこれからはどうなのか、を様々な角度で聴かせてくれる。

カナリオ、アンヘル・ルイス・トルエージャス、モン・リベラと来て、セサル・コンセプシオン、オルケスタ・パナメリカーナ、コルティーホと来る流れは、エル・グラン・コンボへと繋がり、モン・リベラ、パルミエリとくる流れもあれば、モン・リベラ、ウイリー・コロンと来る流れもある。パナメリカーナからオルケスタ・インテルナシオナル、キケ・ルカ、ソノーラ・ポンセーニャと言うのもある。

別にすべてのプエルトリコ発の音楽がボンバやプレーナの直系である訳もなくその必要もない。ただその土地が生んだ音楽の遺伝子が、今の音にどう繋がっているのかいないのか、とか考えるのも僕の楽しみの一つなのです。


この作品の最後、"Lo Que Somos"のコーラスで
"somos junto de nuestro ayer/自分達の昨日といっしょに"<
というフレーズが歌われる。


それは、ルーツのありかは遥か昔の話じゃない、という事だろう。
それは自分達の横にいて、自分達の中にあって、それが自分達自身だ、という事だろう。
それは、自分自身が過去から未来へ続く、流れる時間の一部だという感覚だ。

ボンバやプレーナを紹介するときに"Folklore/伝統音楽"と言ってしまう事もある。
でも日本で使われる「伝統」という言葉のもつ感覚で理解するするのは間違いだろう。
明治と敗戦時の2回、「伝統」を「現在」と切り離した僕らには、この感覚がちょっとうらやましい。


というような作品です。しかしCDにもVIDEOにも曲と演奏者を紐つけたクレジットすらない。これじゃ楽しみづらいかも。

という訳でちょっと1曲ずつコメントつけてみました。ひまな方はどうぞ。
曲順と内容が一部違うのでCDとビデオは別に作成。

 

CDバージョンはこちら
ビデオバージョはこちら


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