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99.4.19

セペダ一家対アフロクーバ・Bomba vs Afrocuba

於プエルトリコ大学・野外ステージ

アフロ・クーバ・デ・マタンサスはムニェキートスと並びマタンサスを代表する 強力なルンバ・ユニット。一方、セペーダ一家は当地ボンバプレーナの代表。 アフリカ起源のリズム・音楽は「一羽の鳥の両翼」に片やルンバ、片やボンバを 生んだとも言えるが、今までセペーダ一家はキューバに行くチャンスもなく、キ ューバ側がこちらに来るのも中々かなわなかった。この分野では'96年のロス・ パピネスに次いでようやくこのアフロ・クーバの来島が実現した事になる。

Afro Cuba de Matanzaz Afro Cuba de Matanzaz ステージはアフロクーバからスタート。まずエレグア神に関した曲から。男性の ダンサーはかなりアクロバティックで激しい。3本のバタ・ドラムの繰り出すリ ズムと音色は美しい。そして、様々なパターンの曲次々にを聴かせてくれる。 2人のツンバドールとバタとの掛け合いは息を飲む緊密さ。ラモン・"サンディ ー"・ガルシアがセンセーロでリードする曲はそのセンセーロ1個であっけに取 られる程強力なドライブ感。この人はすごい。そこへリーダーのフランシスコ・ サモーラのツンバドーラ、ペドロ・"ページョ"・タパネスのキントが縦横に遊ぶ 。野外に夜空に抜けて行くキントのトゥオーンという音色に身震いしてしまう。 後半は会場から観客をステージに引き上げ、大いに盛り上げる。

次いでセペーダ一家の登場。皆パンデレータを叩きながらプレーナで出て来る。 ヘススを中心にロベルト、マリオなどのセペーダ家と共にサントゥルセのボンバ を支えるアジャラ家のホルヘなどの顔も。まず基本的なシカのリズムの曲でスタ ート。コンガではなくバリール(樽状の太鼓)を使うので低音の迫力が素晴らし い。バリールと共に基本リズムを刻むクアの乾いた音とのコンビネーションも気 持ちがいい。そしてレロ、グエンベと異なるリズムへと進み、踊りとスビドール (リズム・アクセントを担当する太鼓)の一騎討ちも折り混ぜる。

Bomba これがボンバの一つの楽しみ。通常はコンガのように立てて叩くバリールもこの 時は横にして、またがって叩く。踊り手と相対する形になり踊り手がバリールに 対してつっかけ、バリールが会話を返して行くパターンを取る。セペーダ家の 華、フリア・セペーダの美しく抑制された踊りのメッセージがかえって色気を醸 し出し、バリール側はその切なさ、狂おしさの気持ちを昇華させるような音を返 す対話の素晴らしさに思わず拍手を送る。会場からこれまた腕に自信の女性陣 (皆若い)が次々に舞台に上がりヘスースのバリールと相対する。普段は見えな いボンバの層が厚いのを見せ付けられる。

Cepeda ルンバのエネルギッシュな踊りに対し、抑制と爆発をコントロールしたエレガン トなアプローチが前に出るボンバの踊り。プエルトリコとキューバのこの対比は サルサのダンスにも受け継がれている気がして面白い。

そして最後のジョイントはルンバとボンバのモントゥーノとも言うべき掛け合 い。セペーダ側が繰り出すジュバのリズムに対しアフロクーバが見事なカウンタ ーを返したのは鳥肌ものだった。

会場にはバタクンベレカチェーテ・マルドナドアンソニー・カリージョ、 ジャズのダビッド・サンチェス、ロックのミロ・トレス、ラップのDJエリックな ど当地の広範囲なアーティストが顔を見せ、ボンバやキューバの音への強い関心 が伺われた。ボンバやプレーナのリズムはクラーベではなく、むしろカリプソや 仏領カリブのティブワ、そしてメレンゲなんかとの共通の過去を感じる事ができ るが、ラッパーのビート感覚とも合うとしたら、アフリカの精霊のせいかも知れ ない。

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