Mofongo's 100% PUERTO RICO - Borinquen te llama -

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
Centro de Bellas Artes, San Juan, jueves, 27 de enero de 2000
The Arena, San Juan, viernes 28 de enero, 2000

世界で人気者のこの人たちは何がいいのか?? この音楽が日常に存在しないアメリカや欧州や日本でウケルのと当地プエルトリコでウケルのは どこに違いがあるのか、感じ方は別なのか同じなのか??

当地じゃ映画は半年前くらいに封切られたけど、 サントゥルセ地区の1館ともう1軒くらいしか扱わず、特に映画がはやったとは言えない。 音楽家や音楽愛好家はこのじいさんたちの事は知ってるけど、一般的にはぼとんど知られてるとは言えないし ましてやライクーダーなんて知名度ないし、そうだなあ、オマーラ・ポルトゥオンドが一番知られているのでは。

オマーラが前回来たのは50年代にクアルテート・ダイーダの一員としてだからから半世紀ぶり。一昨年は 来島が決まっていたのにハリケーンのおかげでキャンセルされてしまったが、友人の音楽ファン、音楽家は ずいぶん残念がっていた。さて、お客の入りは?

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大ホール、セントロ・デ・ベジャス・アルテスは満員。ルベンのピアノ、やっぱりすごいわ。 かなり肉体的にはあっちへ行っちゃってるという感じだが、一たび鍵盤に触れると もうそれしかないよねという絶妙のフレーズ。音楽全体の1つ鼻先にポンと出される メロディーとタイム感。 不要な見得は切らないが、油っ気が抜けてる訳じゃない。人生の分かった色気と茶目っ気が聞き手の 耳を音楽に集中させてくれる。


"Libre de Pecado"、"Isora"とスタートし"Bodeguero"ではお客も思わず歌を 口ずさむ。そして"Veinte An~os"、"Quizas, Quizas"と来てオマーラが"Obsesion"を歌う。言うまでもない このご当地ペドロ・フローレスの超スタンダードをパワフルにそして粋に 料理する。"Negra Tomasa"、"Cadete Constitucional"、"Buena Vista"と様々に続く。 あまりに無意味な比喩ですが、カウント・ベイシーやオーネット・コールマンが生み出すような つややかで無駄な力がなく、それでいてそれ以外選択の余地がないような音が あの物理的によぼよぼの77歳の肉体から出てくるのは、うーん、いったい・・。
Ruben Gonzalez
  Ruben Gonzalezの手は厚かった

第二部はこれまた73歳のイブライム・フェレー。しかしこちらは肉体的には元気元気。 そしておちゃめでかわいいじいちゃん。

"Bruca Manigua"、"La Ultima Cita"、そしてご当地ラファエル・エルナンデス の名曲"Silencio"、はオマーラと。いやはや、よいものです。"Mami me Gusto"と高めの声で エネルギッシュな歌、そして "Herido de sombras"、"Que Bueno Baila Usted"と盛り上げる。お客へのサービスもたっぷり。 "Aquillos ojos verdes"のしっとりしたボレロもよろしいですねえー。
そして アンディー・モンタニェス、ダニー・リベラ、ヒルベルト・サンタ・ロサとの共演は"Candela"。 これは、なんとお得なセッション。最初はお互いに敬意を表するソネオで、 詞の内容と歌うトーンが一致している。 しかし、ダニーはともかく、アンディーとヒルベルトと言う、なかなかに押しの強い人たちが やる訳で、そう長く社交をやってる訳はない。 見事な韻は踏むは、ひねった言い回しで笑いは取るは、詞のリズムの譜割を はずしてみるは、とやってりゃおちゃめな イブライムだって遊びに乗ってくる。ああキューバ恐るべし。あまりに見事な大人の戦い、 脱帽でございました。しかし8時から11時までの 長丁場。達人たちはタフであります。
Ruben Gonzalez & Orlando "Cachaito" Lopez
  Ibrahim Ferrer & Omara Portuondo

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翌日休めるプエルトリコ勢とは違い、次の日もステージが組まれている達人の面々。 おい、だいじょうぶかね? 次の夜はナイトクラブと言いうか、飲めるし踊れるしとぐっとリラックスの場所、 港近くの「アレーナ」が会場。 アンディー・モンタニェスと奥さんと一緒に繰り出す。

一杯やりながら達人が楽しめるのは幸せなもの。 アンディーは前夜の打ち上げでのルベンを思い出して 「あれはちょっとやばい。はっきり言って時々どっかにぶっとんでる。さすがに年だな。 でも音は信じられないくらい良かっただろう?」と真顔で言う。

今夜のステージも構成は基本的に前夜と同じ。しかしダンス・フロアが付いているのがうれしい。 客層はさすがにラップ兄ちゃんはいないが若い層から年配まで。当地の人は確実に 「このジャンル(?)の音楽」 「この匂いの音楽」が聴きたくて来てる。

お、キューバ系のお得意先のグループも。 あそこも先代がこっちに渡ってきた世代だからなあ。そう言えばイブライム・フェレーの奥さんのお母さんは プエルトリコ出身。 革命とか経済封鎖とかややこしい前には行き来が盛んな兄弟島だったのが、こんな所からも分かる。 エルナンデスやフローレスの曲を取り上げるのも、もちろん当地へのサービスではあるが、 やはり同じ音楽圏としての繋がりが いまより強かった時代から、より広域の競争の中で生き残ってきた名曲だという事だろう。
The Arena
  Andy Montan~ez & Ibrahim Ferrer
ルベンの驚異的な音にぶっとばされた第一部の後の休憩。チェオ・フェリシアーノと ロベルト・ロエナが席にやって来る。

MOFONGO「ルベンはよかったですよね?マエストロ」
チェオ「あれがキューバ!たいしたもんだ」
ロエナ師匠「$%&#でエレガントで$%&#・・」(例によってダミ声の為よく聞き取れず)

さて第二部はオマーラが美しい。そして近くでよく聴けたカチャイート師匠が 大変素晴らしい事がよく 分かった。楽器をほんと良く鳴ってたのは感動だが、達人なのであたりまえ。すごかったのは 鋭角に切り込んでも、けっして気負いなど全然ない、高音へ行こうと開放弦を弾こうと無駄な 振れがない。 だからやはり音楽だけが耳に入ってくる。これルベン師匠と同じ。しかし結構細かい色々な動きを している。うーん、ジム・ホール的。そして15名のオルケスタの管のアレンジも面白い。

フロアは踊ります。でも美しいのは、皆音楽を聴いているのがよく判ること。アップテンポの 曲でもやたらぐるぐる回したり、大汗かいたりするような踊りをする人々は皆無。 音楽を聴いて体がちょっと動き、歌詞を聴いて パートナーの手を取りたくなった気持ちの延長線で自然に動いている、といった風情。

お、お約束のようにチェオ、アンディー、ロベルトの3師匠が次々にステージへ。 チェオとオマーラというのは よいなあ。しみじみ。
Orlando "Cachaito" Lopez
  Ibrahim Ferrer & Cheo Feliciano
などとラムも回り、幸福な気分の中でステージは終了。おやもう1時だぞ。達人は今日もタフだった。 飲み足りない、踊り足りない客を受け持つのは昨年デビューのNYのキューバ音楽フリーク "MO' GUAJIRO"。いいグループだけど、 ちょっとかわいそう。あの達人の後ではね。

さて最初の疑問はクリアになりました。地元は地元の耳で聴いてるってこと。あたりまえ。 しかし「異邦人兼当地在住地元派」の私の耳には地元と異邦人の間のどの辺が聴こえたのだろう?
Mo'Guajiro
  "Pueblo Alegre"/Mo'Guajiro / 1999

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