Crazy for The Matrix!

6月に完成披露試写会で幸運にもこの映画を観ることができてから、すっかり
はまってしまっている毎日。気がつけば3回鑑賞し、4回目も鑑賞する計画が
立ってしまっている。一体何が私をそこまで惹きつけるのだろうか、考察してみ
たりするのであった。

取り急ぎ作ったので未完成な状態ですが、随時更新していくので乞うご期待!

もくじ


ハマったわけ

ヲタク心をそそる設定

ヘナチョコおたくトマス・アンダーソン君の逆襲

ディテールに凝り過ぎなところが、スキ。

勝手に決めつけ、この作品のテーマ

引用が見受けられる書物

Soundtrack

レビュー(感想)

リンク集



Why? どうしてハマった?

まず、なんといってもかっこいい!始まりは漆黒の都会の夜。革のキャット
スーツに身を固めたトリニティがホテルの部屋で美しい鳳凰のポーズを取っ
てから壁を横に歩き、ビルの間を飛び駆け抜ける疾走感!この「廃墟のよう
な、都会のダークな夜」というモチーフが大好きなのだ。だから、「ダーク・シ
ティ」も最高なのだけど。

アクションがすごい!さすがにキアヌはちょっとヘナチョコだけど、トリニティ
は一つ一つの動きが流麗で美しい。カンフーの動きもまるでダンスを踊って
いるかのような美しさだが、それよりも、「ナカトミ・ビルディング」(と勝手に
呼んでいる)ビルに乗り込んだときのガン・アクションが最高。黒いロングコ
ートを風になびかせ、過剰なまでの「タメ」が入っている。そして、これでもか、
という大量の重火器をコートの下に隠している。二丁拳銃を構え、雨嵐のよ
うに降り注ぐ銃弾の雨の中を自在に動き回る。落下し続ける薬莢。そう、過
剰までの、笑ってしまうくらいのスタイリッシュさにしびれてしまうのだ。これ
はまさに香港ノワールの魅力的な部分をもらって行っちゃっている。もうアド
レナリン放出されっぱなし、見ているだけで興奮で酸欠状態になりそうだっ
た。

もちろん、物語の中にちりばめられた隠喩の数々、見れば見るほど新しい
発見があるという点も見逃せない。(この項つづく)


オタク心をそそる設定!

コンピューターに人間が支配され、残された人々が立ち上がるという設定
自体、10代の頃に見たアニメなどで死ぬほど出てきた世界である。時々、
新聞などの「マトリックス」評で、斬新だ、これまでなかった世界観だなん
て書いている輩がいるけれども、そんな人に「マトリックス」を語る資格はな
い。どこか懐かしさすら感じてしまうような近未来図に、思わず打ち震えてし
まうのである。こんな映像を待っていた、こんな世界観が映画で語られ、生
身の俳優で演じられるのを待ち望んでいたのだ!

ヘナチョコおたくトマス・アンダーソン君の逆襲!

ネオのキャラクター設定というのは、非常にシンパシーを感じさせるもので
ある。会社では遅刻の常習犯、ダメ社員のレッテルを貼られている。だけ
ど、夜は凄腕のハッカー。キアヌ・リーブスが演じているからかっこよく見え
るけど、要はタダのコンピューターオタクだ。いつも青白い顔をしている。い
ざカンフーをやってみたりしても、ゲームで鍛えているから?一応反射神経
はあるみたいだけど、迫力では完全にモーフィアスに負け、動きのシャープ
さではトリニティにかなわない。やっぱりちょっとヘナチョコなのだ。
しかも、自分が救世主だという事実をなかなか信じることができず、既成概
念に囚われている。そんな男が、救世主になってしまうのが、この映画の
世界。まさにオタクの逆襲だ!

ディテールに凝り過ぎなのが好き。

1.部屋番号の謎
ネオことトマス・アンダーソンが住んでいる穴蔵のような部屋の番号は
101.これは、ネオ(Neo)のアナグラムが(The)Oneとなるところから来て
いる。なお、トリニティが警官隊に踏み込まれた部屋はHeart o' the City
というホテルの303号室。トリニティとはキリスト教で言う「三位一体」の
こと。最後にネオとエージェントが戦う部屋も、全く同じホテルの303号室。
2.質問の数
ネオが最初の方で呼び出され、乗った車の中でスイッチが「We don't have
any time for 20 questions」と言うが、ちょうど20個目の質問にネオが答
えたところである。
3.サイファーの謎
ステーキをエージェント・スミスと食べるサイファー。エージェント・スミスは
サイファーに「Mr.Reagan」と呼びかける。そして、サイファーは「俳優になり
たい」と言う。なお、サイファーという名前は「ルシファー」(堕天使)に似て
いるが、ロナルド・レーガンも悪魔にたとえられたことがあるらしい。なぜな
らば、彼の姓、名、ミドルネームがすべて6文字で、「666」となるからであ
る。
なお、サイファーとは「0(ゼロ)」という意味であるが、The Oneの「1」と「0」
の二つの数字で、コンピュータの言語を作っている。
4.窓拭きの謎
トマス・アンダーソンのオフィスで窓拭きをしている二人は、監督のウォシャ
ウスキー兄弟である。

この作品のテーマって何?

1.自分の人生を運命に委ねるのではなく、自分で選択する、ということ。
モーフィアスに初めて会ったとき、ネオは「運命を信じるか?」と聞かれ「No」
と答える。自分の人生が誰かに操られるなんてまっぴらだから、と。
そして、ネオはある選択をする。赤いピルを飲むか、それとも青いピルを飲む
かという。

預言者に会ったとき、預言者は「あなたは良い魂をしているけど」と言った
後、「その後を続けて」と言ったので、ネオは「でも、僕は救世主じゃない」と
答える。その時点では、彼は救世主ではないことを選んだのだった。そし
て、預言者は、ネオは一つの選択を迫られるであろうことを予言する。ネオ
とモーフィアスのどちらかは戦いの中で死ぬであろうから、どちらか一方が
生き残るかを、ネオが選択しなければならないと。預言者はまた、「運命な
んて信じちゃだめ」とも言う。

そして、モーフィアスがエージェントに捕らえられたとき、ザイオンへの暗号
を盗まれないためにモーフィアスのプラグを抜いて死なせるか、それとも決
死の覚悟で彼を救いに行くかを、ネオは選択する。

地下鉄の駅でのエージェントとの戦い。エージェント・スミスは「アンダーソ
ン君の運命の足音が近づいてくる」と言ったことに対し、ネオは「俺の名前
はネオだ」と答え、運命なんて信じていないことを主張する。

2.信じたくない現実であっても、目を背けず、目の前を覆う既成概念を取
り払うことにより、自分本来の、無限の力を発揮すること。
このあたりについては、もはや解説は不要であろう。ヘナチョコおたくのトマ
ス・アンダーソンくんでも、既成概念を取り払えば、マトリックスの中では光
よりも早く動けるし、ビルの谷間を飛び越え、弾丸を止めることだってできる。
自分の限界というのは、実は自分自身が作っていたと言うことに気が付け
ば、全てが可能になるということだ。「自分の限界は自分自身が作っている
ものである」「ある人の現在の姿は、自分が潜在意識の中でなりたい者と
同じだ」という考え方は、ニューエイジや自己開発の考え方にも出てくるも
のである。

3.考えるな、感じろ
とは、もちろん「燃えよドラゴン」の中の有名な台詞であるが、「スターウォ
ーズ」にも出てくる。預言者の家でスプーン曲げをする子供が「スプーンを
曲げようと思ってはいけない。曲がるのは自分なんだから」というように、
それがスプーンだと思うから、スプーンは曲がらないのだ。同じように、跳
躍プログラムを使用したときも、ビルとビルの間には谷間なんてないと考え
たから、モーフィアスは飛び越えることができたのだ。カンフーのトレーニン
グの時にも、モーフィアスは「速く動こうとするな、自分が速いということを
知れ」という教えをネオに対して行う。

4.ヘナチョコオタク、トマス・アンダーソンくんの成長物語
あの穴蔵のようなひどい部屋に住んでいる青白い遅刻常習犯ハッカーの
トマス・アンダーソンくんだって、世の中の真実を知り、既成概念を取り払
えば救世主への一歩を踏み出すことができる。それに、それまでは孤独
な青年だったのが、ネブカドネザル号では、父のようなモーフィアス、それ
にタン
クやエイポック、ドーザー、マウスなどの仲間に囲まれ、さらにはトリニティ
とという好意を持って接してくれる女性がいると言うことで、人間関係も維
持できるようになったという成長もあった(と思う)

5.単に、かっちょいい香港アクションを近未来サイバーパンクの世界で
やってみたかっただけ。


引用が見受けられる書物

ニューロマンサー(ウィリアム・ギブソン)
なんと4ページ目に早くも「マトリックス」が登場する。もちろん、ザイオン
も出てくる。何しろ、元祖サイバーパンクと言えば「ニューロマンサー」だ。
「不思議の国のアリス」
冒頭、ネオの部屋のパソコン画面には「Follow the White Rabbit」という
メッセージが出てくる。その通り、白いウサギの刺青をした女とクラブに
行ったネオは、トリニティと出会う。また、モーフィアスは、初めて対面した
ネオに「ウサギの穴を落ちていって、「不思議の国」にやってきた気分だ
ろう」と言う。
「オズの魔法使い」
リアル・ワールドにあるネオの体を探し出すため導入プログラムに入って
いくネオに対し、サイファーは「Buckle up your seatbelts Dorothy, because
Kansas's gonna say goodbye」と言う。

聖書
・トリニティとは、まさにキリスト教で言うところの「三位一体」(神とキリスト
と聖霊)を意味している。神をモーフィアス、キリストをネオ、聖霊をトリニテ
ィとたとえるのが一般的な解釈のようだが、他の解釈もできるようだ。
・跳躍プログラムで、既成概念を取り払い、心を解き放つという訓練を行う。
このとき、モーフィアスがビルの谷間を易々と飛び越えたのは、新約聖書マ
タイ伝からの引用だそうだ。イエスが湖の上を歩いているのを見つけた弟子
のペテロは、イエスに従って水の上を少し歩くが、直後に恐怖を感じて水に
沈んでしまう。イエスはペテロに手を差し伸べて「信仰の薄い者よ、なぜ疑
ったのか」と言った。
・ネオの復活は、あたかも十字架にかけられたイエス・キリストの復活を思
わせる。なお、『マトリックス』は全米では復活祭(イースター)の日に公開
された。
また、リアル・ワールドからやってきたばかりのネオの体に残る管の痕は、
キリストの体の「聖痕」を思わせる。
(この項つづく)

Soundtrack

インダストリアル・ロック、ハードコア・ロックのトップ・アーティストの曲を集めた
サウンドトラックが、この映画のスタイリッシュさに磨きをかけていることは疑い
ようもない。
中でも、エンディングにかかるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(RAGE AGAINST
THE MACHINE)のWake Upは、歌詞の意味や、グループ名からしてこの映画
にあまりにもピッタリとはまっている。その後にかかるマリリン・マンソンの「ROCK
IS DEAD」も最高だ。他に印象的なのは、クライマックスの突入シーンのプロペ
ラヘッズ「Spy-break!。クラブのシーンで流れるロブ・ゾンビーも印象的。
残念なのは、冒頭のネオの部屋で流れていたマッシブ・アタックの曲が収録さ
れていないことくらいか。

Reviews(菜穂美による感想)

マトリックス 1回目の感想

マトリックス 2回目の感想

Links

公式ホームページ(日本)



公式ホームページ(アメリカ)(英語)

The Matrix Unfolded(英語) 
充実したFAQが素晴らしい。これを読んで解決した疑問が多数。

The Matrix World(英語)
出演者、スタッフのインタビューも読めるほか、1996年時点での脚本、さらに
は熱心なファンが聞き取った脚本もある。フラッシュの画面もかっこいい。

SF-ONLINE
ウォショウスキー兄弟とコンセプト・デザイナー、ローレンス・フィッシュバーンの
インタビューが載っている。何よりも驚かされるのが、ローレンス・フィッシュバ
ーンのオタクさ加減。死んでもオタクに見えないのに、日本のアニメには造詣
が深いし・・・。

角谷HTML化計画
「死とコンパス」のなかにある「(超訳)5分でわかる『マトリックス』」は最高で
す。必見。

eiga.com
e-peopleの中に、視覚効果スーパーバイザー、ジョン・ゲイターのインタビュー
があり。(9月29日分)
e-specialの中に、特集記事あり(8月分なので、現在はバックナンバーに)

Imdb (英語)
言わずとしれた無敵データーベース。9月29日現在、平均得点は8.6/10
(16619 票)で、全作品の中で28位。