| ゼブラーマン |
☆☆☆1/2 |
全国公開するにはあまりにもマニアックなパロディが満載なのがちょっと心配であるけど、往年の特撮ヒーローモノへのオマージュが満載で、個人的には好き。どうせならエンディング曲、ザ・ハイロウズなんか使わないで水木一郎にして欲しかった気がする。ちょっと「マーズ・アタック!」入っていたり、同じ三池の「ビジターQ」入っていたり、歩けない少年と飛べないゼブラーマン、ダメダメな小学校教師との関係は泣けたりと、三池作品らしいリリカルな部分が残っているのもいい。 |
| インファナル・アフェア |
☆☆☆☆1/2 |
これぞ男の映画!トニー・レオンvsアンディ・ラウのガチンコ/ハードボイルド対決ももちろん燃えるが、傑作「ザ・ミッション」に続くアンソニー・ウォンの渋さ極まる演技にはしびれる。自分が果たして善なのか悪なのかわからなくなってしまう、アイデンティティを失いそうになる男たちの葛藤は「フェイス/オフ」を超える。モールス信号や携帯の使い方もいいね。生き残って無間地獄を生きるか、死んでようやく安らぎを得るかどちらが幸せなのだろうか。というわけで、やっぱり原題「無間道」を生かして欲しかったわ。 |
| ラスト・サムライ |
☆☆☆☆ |
基本的に私は男気系や滅びの美学系の話には弱く、後半から涙が止まらなくなって困った。命を捨ててでも守り抜きたいものって自分にとっては何だろうと考え始めたら、激しく感情移入してしまってもう大変。ストーリー展開自体は何の新味もないが、威厳だけでなく悲しみや色気、ユーモアも表現していた渡辺謙の魅力に抗うことは不可能。桜吹雪が舞うあのシーンはまさに「完璧」で、日本映画をよく研究しているし日本人に敬意を抱いていることが見て取れる。この映画に出てくる凄い人たちに恥ずかしくないように生きていかなければ、と自分に言い聞かせた。 |
| サロメ |
☆☆☆☆ |
前半はドキュメンタリーの体裁を取りながらも実はフィクションであることから、後半部のドレスリハーサル的な映像までもがフィクションに見えてしまうという構造がとても興味深い。サウラらしい鮮やかな色彩感覚とケレン味。そして情熱的で限界を知らないほど圧倒的で肉体性を感じさせるアイーダ・ゴメスのパフォーマンス!トランス状態になっていくクライマックスの陶酔感。生の舞台を観るのが楽しみ。 |
| モロ・ノ・ブラジル |
☆☆☆☆ |
カウリスマキ兄がブラジル音楽に夢中になっていたとは驚き。さて、この映画が面白いのは、ブラジル音楽の源流であるネイティブ・アメリカンや黒人の音楽というルーツを見せながらも、それが徹底的に“今”を写していること。最初のうちはお勉強っぽい音楽ドキュメンタリーだなと思っていたら、途中からは軽く裏切られて俄然面白くなっていく。「シティ・オブ・ゴッド」に出てきたようなスラム街の中に生きるミュージシャン(というか本人も「シティ〜に出演しているのだが)、サンバとファンクとレゲエとラップをミックスしたような強烈なビート。音楽のみならず現在のブラジルの問題も炙り出されていて、エンタテイニングでありかつ社会的。 |
| 息子のまなざし |
☆☆☆☆ |
登場人物の背後から追っているような息苦しいまでのキャメラが、実に生々しく、少ない台詞の中で彼らの心情を綴っている。ひりひりするような息詰まる緊張感の中で、この上ない苦しみ、復讐心、そして赦しが静かに、ドラマティックに描かれていて、この見事な演出力と完璧なオリヴィエ・グルメの演技力には感服するほかはない。大仰なことをしなくても、音楽や台詞や涙で飾り立てなくても、映画には人の心を動かす力があるのだと実感。 |
| ヴァイブレータ |
☆☆☆☆ |
噂に違わぬ傑作。セックスがどうのこうの、ということは大きな問題ではない。人間同士の魂の触れあいというのはこういうことなんだな、と思った。一見不幸じゃない人間の中に潜むふしあわせとさみしさと心の痛みがさりげなく、さらりと描かれていて心に響く。求めていたのは、何も言わないで、こういうふうに包み込むような優しさなんだなって。現実には、ここまでいい男というのがいないのが問題なのだが。 |
| 昭和歌謡大全集 |
☆☆1/2 |
おばさんVSガキの仁義なき戦い。面白くなりそうな題材で過激でアナーキーなストーリーなのに、ゆるくてメリハリのない演出によってひどく退屈な作品に成り果てている。前半の勢いを保って、もっとはじけてバカやってほしい。昭和歌謡が登場する意味も、この映画だけではさっぱりわからない。三池崇史が監督だったらこの100倍面白くなるんじゃないの?唯一よかったのはトカレフとか○○とか簡単に出してきちゃうアナキストな原田芳雄。 |
| ポロック 二人だけのアトリエ |
☆☆☆1/2 |
実は“二人だけのアトリエ”という邦題は大嘘なんだが…。天才画家の苦悩というよりは、彼の周囲の人間、特に自らも芸術家である妻リーが天才の扱いに困ったり振り回されている様子が克明に描かれているところが可笑しい。ポロックが独特の芸術を発見していく過程が生々しくリアルでスリリング。エド・ハリスの入魂の演技は言うまでもなく凄すぎて、特に晩年のヨレヨレの姿には驚嘆。 |
| フォーン・ブース |
☆☆☆1/2 |
冒頭のゾクゾクさせるスピーディな移動撮影。ほとんどのシーンが電話ボックスの中というシチュエーション、ほぼリアルタイムで進行というアンチハリウッド的スタイル。。その条件で、緊張感を維持しつづけるのは並みの演出の手腕ではないだろう。脚本、ライブ感あるカメラワーク、コリン・ファレル、そして犯人の声とそれぞれが秀逸。もう少し深みがあってもいいかもしれないが、主人公のキャラクターが薄っぺらいという設定の下では、これ以上掘り下げるのも難しいだろう。 |
| ルールズ・オブ・アトラクション |
☆☆☆1/2 |
自分が大学生時代にバイブルのように読んだ原作の映画化とあって感慨深い。でも好きな人には振り向いてもらえず好きじゃない人に愛されるというのは、いつの時代も同じ恋愛引力の法則なのね。キップ・パルデューのヨーロッパ実録ナンパ旅行やローレンとショーンの出会いのシーン、逆回転の演出など映像的な工夫も面白いし、自分の恋愛人生を振り返ってみたくなるような映画になっている。 |
| キル・ビル Vol.1 |
☆☆☆☆ |
普通の人には絶対ついていけないような、オタクの夢をすべて実現してしまったとんでもない映画。いまどきこれだけ血みどろの映画を作ることができてしまうということだけでも凄いと思う。石井輝男になったり三池崇史になったり鈴木清順になったりと日本映画ファンには垂涎のシーンが盛り込まれていたりして楽しい限り。そんなアホなという展開の連続はコミックみたいでわくわく観ていられるけど、果たして元ネタを知らない人にはどれくらい面白いのかが心配になってきちゃう。青葉屋での大暴れのバカバカしさはもはやシュールを飛び越えて傑作。やっぱり決戦はししおどしをアクセントにした雪景色じゃなくちゃね! |
| アララトの聖母 |
☆☆☆☆ |
混み合った人物配置が、やがて、パズルのようにきれいにつながっていくところに演出の妙を感じた。トルコ軍による虐殺の残酷さはまさに目を覆うほどだが、こういう行為は今も世界のどこかで似たようなことが行われているのであり、すっかり麻痺してしまった自分の感覚が怖くなる。主人公が撮影したアルメニアの風景や、絵画「芸術家とその母」のほうが、残虐行為を忠実に再現した映像よりも雄弁だし、映像が伴うより目撃者の証言の方がインパクトがあるものだと改めて思ったのだった。 |
| フリーダ |
☆☆☆1/2 |
シュールレアリストとしてのフリーダを強調したキッチュな画面作りは面白かったし、アシュレイ・ジャッド、ジェフリー・ラッシュなどの豪華なキャストの意外な使用法も楽しい。極彩色で華やかなフリーダの衣装、やけに豊かなサルマ・ハエックのバスト。そして力強いフリーダの作品の数々。目を十分楽しませてはくれるけど、実際のフリーダという存在や彼女の絵に、映画が負けてしまっている感じがしてしまうのが惜しい。あまりにも多くのことが起きていて、さらっと彼女の人生の表面だけがなぞられてしまっている印象も受ける。 |
| リード・マイ・リップス |
☆☆☆1/2 |
ヒロインのエマニュエル・ドヴォスが、孤独で周りに疎んじられている、そして恋愛したい気持ちだけは充満している年増で性格もブスなOLをリアルに演じている。この映画ベッドシーンはおろかキスシーンもないのだけど、捕えられたヴァンサン・カッセルの唇を望遠鏡で読んで機転を利かせ、彼の言葉を復唱する彼女の姿がえらく色っぽい。暗闇にぽっと浮かぶ彼女の唇、エロティック。ヴァンサン・カッセルって不細工なのに、この映画では野獣系でほとんど放送禁止みたいな生々しい男の匂いぷんぷん。もう少しテンポをよくしたほうがいいとは思うけど。 |
| 恋は邪魔者 |
☆☆☆ |
60年代のファッションや少しエッチでポップな画面作り、音楽もキュートだしテンポもいい。メガネひとつで変身するユアン・マクレガ−の芸達者ぶりも楽しい。彼の親友の情けなさは相当笑える。全体的にとてもいい感じだったのに、物語が転調するところで、これまでのスピーディでポップな部分が殺されてしまっていたのは残念。エンドクレジットの二人のプロモーションビデオはまたキュートだっただけに(「ムーラン・ルージュ」以来のユアンの歌声!)、惜しい。それと、「シカゴ」のロキシー役を演じて以来、どうもレニー・ゼルウィガーって腹黒い女に見えてしまうのがマイナス。 |
| ロボコン |
☆☆☆☆ |
可愛い長澤まさみちゃんをさらに可愛く撮ることを目的としたアイドル映画ではある。保健室でのやる気がない彼女をファーストカットにしたのは大正解。彼女を含めて徹底的にダメダメな第二ロボット部のメンバーのそれぞれのダメさ加減、前半のぬるくてゆるい感じがこの地味目な題材にマッチして良い。それぞれのロボットの技も楽しいし。ほとんどワンカットで撮り切っているコンテストの演出や、屋上ラーメンのシーンは古厩節炸裂。特にラーメンのシーンは彼女の「ずっとこれが続けばいいな」と同じ気持ちになってしまったよ。アイドル商業映画なのにロングが多いのが世界観を感じさせて好き。 |
| 10億分の1の男 |
☆☆☆☆ |
「運」というテーマを扱った映画って今まであったようでなかったかもしれない(「アンブレイカブル」などはその系統だけど)。単純な設定でありながら、物語が一体どこに着地するのか見当もつかず、そして運を試すためのさまざまなゲームも凝っていたり、目隠しなどの小道具が実に有効に機能していたりと、ちょっとしたアイディアがあれば映画というのはとても面白くなるものだと実感。特に後半の畳み掛ける展開には、息をつく暇もないほどの面白さがあった。運の強さを競うために命まで賭けてしまうという気合は凄いよな。マックス・フォン・シドーの食えないオヤジぶりもさることながら、主人公のラテン系ハンサムぶりにもうっとり。 |
| 蛇イチゴ |
☆☆☆☆ |
すべて“正しい”ことが行動規範の生真面目な妹と、胡散臭いことこの上ない兄。小市民的な幸福感を装った薄ら寒い家族の会話、不気味な婚約者。幸せに見えた家族が嘘で塗り固めたものであったのが一瞬のうちに明かされるところが鮮やかだし、ラスト近くの兄の表情が忘れがたい。宮迫の見るからに怪しい顔つきと存在感が最高だし両親役の二人も流石に巧い。本当に“正しい”ことってなんだろうと考えさせられた。これを28歳で監督し脚本まで書いてしまうとはなかなか西川美和監督もたいした才能だ。 |
| 座頭市 |
☆☆☆1/2 |
今までに作られた日本の時代劇の最大公約数のようなありがちなストーリー、間に挟まるたけし的寒いギャグ。カット割で細かく途切れさせた殺陣。そしてラストのあまりにも長いゲタップ。と、しょうもない要素が多い映画なのに意外と面白く、たけしらしさが満載だから不思議。このベタベタな世界こそが北野ワールドなのだ。勝新太郎というより、黒澤明の「用心棒」へのオマージュが前面に出ている。 |
| アダプテーション |
☆☆☆1/2 |
うじうじと後ろ向きでコンプレックスだらけのチャーリーと妙に自信家なドナルドのニコラス・ケイジ二役演技がとにかく可笑しくて、これだけでも必見。さらに歯抜けなのに妙にセクシーで怪しすぎるクリス・クーパーの強烈キャラクターも最高。良くぞここまで自虐的なものを作ったという皮肉さや、どこに着地するのかわからないプロットと独創性は素晴らしい。あの大女優メリル・ストリープのアイコラまで登場するし。途中で少し失速するし着地点はありがちなものだが、それもこの作品のコンセプトどおりだろう。 |
| リベンジャーズ・トラジディ |
☆☆☆1/2 |
変態バカ息子をいっぱいもつ、口紅&ポニーテール姿の怪しげな支配者デュークを、あの名優デレク・ジャコビが演じてしまうのがイギリスの奥深さ。真剣に復讐しようとしているクリストファー・エクルトンが真面目になればなるほど可笑しくて。近未来、キッチュな悪趣味さ、パンク、古典、ゆがんだユーモアとものすごくイギリスっぽくてバカバカしくも知的で楽しい映画。これでもう少しテンポがよければ言うことなしなのだが。 |
| 名もなきアフリカの地で |
☆☆☆1/2 |
カロリーヌ・リンクは相変わらず女性への視点が厳しい。新しい生活に適応できず、時には夫以外の男性に惹かれたりしながらも大地に根を下ろしていく母親の描写は執拗だがリアリティはある。だが娘のエピソード、父親のエピソードとそれぞれが散漫に描かれてしまっているきらいがあってエモーションには結びつきづらい。この作品は宣伝とは裏腹に、少女の物語ではなく母親の物語として作られているのだ、必要以上に持ち上げられることもないが、ケニア人のコックが敬意をもって描かれ、素敵なキャラクターとしていいアクセントになっている。 |
| トーク・トゥ・ハー |
☆☆☆☆ |
倫理的に正しいかどうかなんてことはどこかへ吹っ飛んでしまうという恋愛のダークサイドを、恐ろしい説得力をもって描いてしまうアルモドヴァルの手腕は鮮やか。眠れる美女の太ももナデナデ、おっぱいモミモミしているベニグノがピュアな男に見ちゃって間違って感情移入しそうになるんだから。恋をすることの本当の幸せってどんなことだろうと考え込んでしまった。あと、途中に挿入される無声映画「縮み行く恋人」が最高にシュールで素敵。 |
| ファム・ファタル |
☆☆☆☆ |
ずいぶんとあちこちで酷評されているけど、別に辻褄がどうのこうのという映画じゃないし、クラクラするようなデ・パルマの映像マジックに耽溺していれば楽しめると思うんだけど。乳首が見え隠れする蛇ビスチェを盗み出すまでの畳み掛けるような魔術的な編集と、それにかぶさる「ボレリッシュ」な劇伴には本当に酔えた。セクシーで下品で時々笑えてツッコミも入れられて最後はあっけに取られる、こんな映画もあっていい。 |
| HERO 英雄 |
☆☆☆☆ |
なるほど、ジェット・リー、ドニー・イェンと当代一、ニを誇るアクションスターを起用しただけあって、アクションシーンは華麗だが、「マトリックス」「グリーン・デスティニー」を通過した私たちには、斬新さは感じられない。だが、赤、青、緑、白と章ごとに染め分けられた色彩、黄色い葉が赤く染まる瞬間、チャン・イーモウ初期の傑作「菊豆」を思わせる鮮やかな布が風をはらみ落下する瞬間の美−究極の美しさがここにある。「藪の中」を思わせる構成、真の英雄とは一体誰だったのかという東洋的なアプローチ、群集のドラマティックな使い方などはため息が出るほどの、極めたものを感じさせる。娯楽性を犠牲にまでして美に殉じる姿勢は、これほどまでのものを作ってしまったからにはひれ伏すしかない。 |
| ナイン・ソウルズ |
☆☆☆☆ |
社会からドロップアウトした人間たちの、それでもこの世でどうしてもやらなければならない落とし前をつけていくまでの姿を、突き放しているようで優しい視線で描いていて胸に迫る。あまりにも彼らに寄り添いすぎていて甘い部分もあると思うけど、今の世の中の汚さ、矛盾に対するやり切れなさと怒りが爆発していて、豊田監督はこちら側の人間だ、と無条件に支持せずにはいられない。脱獄シーンのスタイリッシュさには震えたね。9人の群像劇としたことですごし深みに欠けるところが唯一の欠点か。 |
| ベアーズ・キス |
☆☆☆1/2 |
大好きだったセルゲイ・ボドロフ・Jr.の遺作。彼が見せる純朴さは本当に魅惑的で、こんな誰にも真似の出来ないcharmとイノセンスを持った俳優がもうこの世にいないなんて、とそれだけで涙が出てくる。おとぎ話っぽい仕立ても悪くないし、サーカスの雰囲気も楽しい。動物と人間の恋って本当にありえるかも、と思ってしまう。が、ヨーロッパ大陸が舞台なのに台詞が英語だということには違和感を感じてしまった。特にレベッカ・リリビエリの英語が、まるで吹き替えられたかのような不自然なものだったのは著しく興をそぐ。 |
| 永遠のマリア・カラス |
☆☆☆☆ |
映画としての出来は置いておいて、ため息が出るほどゴージャスなプロダクションの劇中映画「カルメン」の見事さ、冒頭でいきなり美青年をナンパする怪しいジェレミー・アイアンズ、伝説の大スター役が似合いすぎるファニー・アルダンと、胡散臭さと豪華さが渾然一体となって楽しめる作品に仕上がっている。ラテン系美形がたくさん登場するし、目と耳の保養にはこれ以上のものはない。そしてかつて栄華を経験した人間が老いて行き、才能を失っていくことに対していかにすべきか、というテーマもいい。 |
| 10話 |
☆☆☆☆ |
車のダッシュボードにくくりつけたデジタルキャメラ2台で、脚本もなく、女ともう一人の人物の会話を延々と収めたというだけの内容。映像も、二人の人物のどちらかが写っているだけ。なのに現代のイランで女が置かれている状況、彼女たちの喜びと悲しみ、葛藤が巧みに切り取られていていて心を揺さぶり、しかも刺激的。映画とは何か、その原点を考えさせられる。 |
| マイ・ビッグ・ファット・ウェディング |
☆☆☆1/2 |
ラブコメというより、ギリシャ人の強烈な家族と文化のギャップを面白く描いたドタバタコメディ。名古屋人の嫁入りみたいなもんだ。深みとかは全然ないし物語りの結末も最初からわかっているしゆるい映画なんだけど、何も考えずに笑えて息抜きには最高。あまりにも濃いぃギリシャ人家族の一人一人がいい味を出しすぎなのである。暴力的な婆ちゃんとか。しかしあの濃ゆい家にIびびらずに素直に改宗までして婿入りする旦那は本当にいいヤツだなあ。 |
| めぐりあう時間たち |
☆☆☆ |
3人の女優たち、特にジュリアン・ムーアの繊細な演技は素晴らしいし、何よりも編集の精緻さ、時を越えた物語の構成の妙には舌を巻く。演出も非常にうまいと思うが、期待していたほど心に残らない作品になってしまったのは、実は脚本があまりよくできていないからなのではないか、とふと思う。女たちの苦悩というのが一体どこから来ているのかさっぱりわからなかったのだ。どうも、この映画での二コールのヒステリックにわめきちらす演技というのは苦手なのだが、ヴァージニアという女性の心の闇の源が脚本に描かれていないから余計そう見えてしまうのでは。あと、映画には関係ないが邦題は最悪。“時間たち”なんて日本語として正しくないタイトルをつけて、宣伝会社として恥ずかしくないのか。 |
| 8 Mile |
☆☆☆☆ |
今や大スターのエミネムのサクセス・ストーリーと思いきや、さにあらず。もっと普遍性を持たせた、荒廃しきったデトロイトを舞台に(NARCもデトロイトだね)閉塞的でどんづまりの環境にいる割と普通の青年が、そこから抜け出そうと必死にもがく姿を描いていて、共感を呼びやすい作品になっている。キム・ベイシンガーのダメダメな母親像とか、上昇志向の強いブリタニー・マーフィとか、キャラクターもよく描けているし、頭の悪い人はラップはできないという意外な事実もわかっちゃう。バトルのシーンは、言葉の応酬がまるでボクシングみたいですげー盛り上がるね。 |
| シティ・オブ・ゴッド |
☆☆☆☆1/2 |
今上映中の映画で一本観るとしたら、この作品(と「アバウト・シュミット」)だろう。2時間超の上映時間を忘れるテンションの高さ。スタイリッシュでライヴ感とリズム溢れる映像、きわめてドライな描写でありながら、傍観者にしかなれなかった弱弱しい語り手と、あまりにも凶暴だが憎めないリトル・ダイスの二人の関係には心を鷲掴みにする魅惑的なものがある。子供が子供を殺すなどの残虐なシーンもあるけど青春の甘酸っぱさもあり、信じがたいような現実を目の前に叩きつけられもする。ただただ凄いね。 |
| 黒水仙 |
☆☆☆1/2 |
『二重スパイ』と同じ、重い、暗い、濃い情念が漂うという韓国映画らしい作品。特に逃げ回っているところのドロドロした暗さはなんだ。日本映画が失ってしまったものを感じる。ただ50年に及ぶほどの長く深い愛を描いている割りには、幕切れがチープなのと、宮崎まで出かけていくところのドラマがしょぼいのには興ざめ。若者と老人を演じ分けたアン・ソンギの寡黙ながらも意志の強さを感じさせる演技は素晴らしく、特にラストの感情が放出するところは、それまでが抑えていただけにあまりにも強烈。 |
| 二重スパイ |
☆☆☆1/2 |
重い、暗い、そして濃いという韓国映画らしさが漂い、娯楽色は抑えたスパイ映画。どこにも居場所を失ってしまった女スパイの切実さをコ・ソヨンはよく演じているし、転向したと見せかけて信念を持ちつづけるハン・ソッキュの演技も流石に素晴らしい。「テーハンミンゴク・マンセー」というくだりは、ちょっと衝撃的だし、自分の国の暗部をこのような大きな作品で描けるというバイタリティは凄い。ただ、ラブロマンスは全く盛り上がらないしどうしてこういう行動を取ったのか?という説得力に欠ける行動も。 |
| マトリックス・リローデッド |
☆☆☆1/2 |
期待するなとは言われていたけど、やっぱり頭を抱えてしまうような出来。大きく拡散してしまったお話は散漫だしジェダイ評議会みたいなのは出現するし、謎のレイヴパーティとか、ひゃあと思うこと多し。哲学的な説明は眠気を催すし。ただ、エージェント・スミス100人登場、とか高速道路バトルとか、目を思わず瞠る(が、バカと紙一重)映像も満載なので、やっぱり必見とはいえよう。体制に対する反逆が根底に流れている点は今のアメリカを見ていると、勇気あるし。だが、斬新な続編映画を作ることの難しさを実感してしまった。いかに『マトリックス』が凄い作品だったかがわかる。 |
| BORDER LINE |
☆☆☆1/2 |
人生の崖っぷちに立たされた3人プラス狂言回しのそれぞれの物語。あれもこれもと盛り込みすぎて多少散漫になり、上映時間が長くなってしまっているのが惜しいが、ふとした映像表現や台詞、演出に非凡な才能が見受けられる。「またいつか会おうな」と繰り返す光石研の存在感が素晴らしいし、人生をやり直そうという気持ちにもさせられる。 |
| アバウト・シュミット |
☆☆☆☆ |
さすが傑作『ハイスクール白書・優等生ギャルに気をつけろ!」のアレクサンダー・ペインだけあって、ジャック・ニコルソン演じるシュミットの描写にも、周囲の人々の描き方にも容赦がないし、感動的に見せかけて非常にブラックなオチを持ってきてしまう手腕も鮮やか。"自分はひとかどの人物になりたかったのに、自分が死んでしまったらもう誰も自分のことを思い出さないのではないか”という不安を突きつけられて、考え込んでしまった。もちろんニコルソンの演技はこれ以上のものを望めないくらい完璧。 |
| ぼくんち |
☆☆ |
西原理恵子の原作のファンとしては、ショックを受けるほどの駄作になっていて非常に残念。特にかの子の基本設定をいじるとは一体どういうこと?なぜ家に火を放つシーンがないの?一つ一つのシーンが長くだらだらしており、さらにすべてがぬるくなっていてまとまりがない。観月ありさは頑張っているものの、原作のかの子の聖母のような微笑はついに観られなかった。 |
| NARC/ナーク |
☆☆☆☆1/2 |
ザラザラした肌触り、疾走感と緊張感が溢れてスタイリッシュ。しかもどうしようもない人間の業をハードに描いた文字通りの傑作。やっと自らのプロデュースでまともな役にありついたレイ・リオッタの、渾身の演技も必見。徹底的に救いのない内容でありながら、誠実に生きようとして道を踏み外してしまう憐れな人間どもへの憐れみの思いもにじませ、ずっしりとした手応えを残してくれる。一度観たら、ニ度目が必ず観たくなる映画! |
| 少女の髪どめ |
☆☆☆☆ |
イラン映画にしては珍しい恋愛映画。アフガニスタン人少女への青年のかぎりない無償の愛の美しさは当然美しい。自分では愛だとすら気がつかないような淡いが胸をかきむしる想いによって、粗暴で自己中心的な青年が生き方を変えていく様子が、ごくごく自然に描かれていてイラン映画界の底力を感じる。ほとんど言葉を交わさない二人の視線が一瞬交錯するラストが秀逸で余韻が残る。 |
| ベッカムに恋して |
☆☆☆☆ |
タイトルでむっちゃ損しているけど(この邦題は行く気を萎えさせるよね)、サッカーというのはほんの一部の要素に過ぎず、保守的な考えをもつ家族に反撥しながら自分の人生を模索する女の子の爽やかな青春ストーリーを、歌と踊りで生き生きと綴ったマサラムービーなのだ。後半の結婚式のシーンなど、まさに「DDLJ」あたりのインド娯楽映画を観ているときの幸福感と高揚感がたまらない。恋あり同性愛ありスポーツあり友情ありの盛りだくさんでテンポも最高によくて、誰が観ても楽しめる映画。元クリケット選手のお父さんがまた泣かせてくれるんだな。 |
| WATARIDORI |
☆☆☆☆ |
鳥が飛んでいく姿を下からではなく、横や上から見るのが初めてだったので、とーっても新鮮。傷ついた鳥が寄ってたかって蟹に食べられちゃうシーンは「残酷大陸」って感じだったが実は演出だとさ(ちょっとだけ白ける)。ほかにも登場するさりげない残酷描写は素敵。これだけの映像を作るのにどれくらいカメラを廻したのかな、とか卵から育てたらしいけどどうやって育てたのかな、とかいろんなことを想像するのも楽しい。ディスカバリー・チャンネルのドキュメンタリーとそう変わらない気がしなくもないけど、お勉強にもなるし貴重な映像なのは間違いない。 |
| きみのかえる場所/アントワン・フィッシャー |
☆☆☆☆ |
きわめてオーソドックスな作りながら、決して押し付けがましくなることなく、素直に感動の涙を流せるとても好ましい作品に仕上がっている。アントワンを励ます精神科医もまた家庭の問題を抱えていたり、普通は語るのを避けて通ってしまう性的な問題にも正面からぶつかっているし、アントワンのあまりにも悲しい少年時代の回想シーンの処理も非常にうまい。悲惨な部分もあるのに、デレク・ルークの好演もあって暗い印象は微塵も受けず、観る者に希望を与えてくれる映画だ。デンゼルの次回作が楽しみ。 |
| ドリームキャッチャー |
☆☆☆1/2 |
スティーヴン・キングの全4巻の原作を2時間に収めなくてはならなかったため、詰め込みすぎの印象は否めず、すべてが駆け足で進んでしまっていて情感もへったくれもない。しかーし!この出来損ない感がとっても面白いのである。最初の化けモンが出演するところのトイレの描写を延々と引っ張りまくったり、ウンコ・オナラ・ゲップ・チンコの下半身尾篭ネタの応酬とあきれ返るほどのあほらしさ。ブチキレたモーガン・フリーマン(もっともっとやって欲しかったが)と善良なトム・サイズモア。そこへ、4人の男たちの幼年時代の友情物語が絡んで、妙ちきりんだけど心温まるお話になっていると思う。「アーイ・ダディッツ!」は最高。 |
| the EYE |
☆☆☆☆ |
単なる幽霊ホラーと侮ることなかれ。たしかに日本固有のものと思われていた“足のない幽霊”が出現したのはビックリしたけど。幼い時に失明して“目が見えることとはどんなことか知らなかった”人間が目が見えるようになってきたところの映像表現の巧みさや、前作『レイン』でも印象的だった回想シーンのリリカルな処理など、センスは非凡なものがある。難病の少女のエピソードも感動的だし“目が見えること”すなわち幸せなのかどうか、とか世界の美しさについてなど、いろいろと考えさせられる映画でもある。 |
| 魔界転生 |
☆☆☆1/2 |
エロティックな部分、妖しい部分は麻生久美子が一人で担っていて、基本的にはロールプレイングゲームのような単純な娯楽活劇。チャンバラの部分はカット割が多くて物足りないけど、魔界衆が消えるシーンの映像的な処理はとてもユニーク(少し『ブレイド』に似ているけど)だし徳川家康の転生シーンはさすがに目を瞠った。草原を渡る妖気や城に十字型の雷が落ちるところもカッコいい。窪塚洋介は生前の姿は良かったのだけど転生してからは突っ立っているだけで存在感なし。佐藤浩市はさすがに魅力的だけど脚本の描きこみ不足で深みはない。加藤雅也の使い方もあまりにももったいない。 |
| サイドウォーク・オブ・ニューヨーク |
☆☆☆☆ |
離婚率の高さ以外はNYのシングルも東京のシングルも大差はない?エドワード・バーンズの人間観察眼はさすがに大したもので、特に五番街で開業していてへザー・グラハムが奥さんで若い愛人もいるのにやたらとサイズを気にするスタンリー・トゥーチの金持ち歯医者とか、バーンズとロザリオ・ドーソンの微妙なすれ違いとか、とーってもリアルで、シニカルなところはウディ・アレンっぽい。がウディと違うのは、バーンズが二枚目であること。その中で、ボンクラのデイヴィッド・クラムホルツととっても愛らしいブリタニー・マーフィのカップルの恋はとびきりキュートで素敵。 |
| デアデビル |
☆☆☆ |
ベン・アフレックは顔がでかい上に短足、有能な弁護士には見えない。ジェニファー・ガーナーはニューハーフ顔。主人公の苦悩を見せようと頑張ってはいるものの、脚本で心境の移り変わりなどが描けてなくて一歩及ばず。ただし、あほな悪役を楽しそうにノリノリで演じているコリン・ファレルを見ているだけで元を取った気がしちゃうし、ジョー・パントリアーノの記者もいいね。盲目のデアデビルに見える感覚の世界を表現したCGはなかなか良い。Evanescenceの音楽は最高。 |
| クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード |
☆☆☆1/2 |
前2作が奇跡のような大傑作だっただけに、今回の水島監督による"子供にウケるギャグ路線”は賛否が分かれるところ。たしかにぶりぶりざえもんとか、劇画タッチとかお子様に受けていて、正しいクレしん映画になっていた。自転車チェイスシーンの疾走感もさすがに手馴れたもの。しんのすけの自転車に乗れたシーンは正しい子供の成長話になっていて胸が熱くなったし。大神源太(今回一番美味しいキャラ)とかキルゴア大佐のようなマニアックなギャグで大きなお友達にもしっかり目配せ。ただし、ギャグはおかしくても全体のお話の骨格が弱くラスボスの意図もよくわからなかったのは説明不足で残念。観ている間は楽しいけど、作品としての完成度は次回作に期待するべし。 |
| 裸足の1500マイル |
☆☆☆☆ |
オーストラリアのアボリジニ強制隔離政策という歴史の暗部にスポットを当てた作品だが、その蛮行を非難することよりも、母親に会いたい一心でとてつもない旅に出た女の子たちの知恵と勇気を描くことを主眼にしているのが成功している。素人という少女たちの瞳の輝き(特にヒロインのモリーは凄い)や表情が素晴らしいし、凄腕の追跡人や白人たちをかわすために頭脳を駆使していくところは気持ちいい。14歳という年齢ですでにハードボイルドのヒロインのようだ。また、オーストラリアの雄大な大地、どんよりとした空を翔ける鷲や砂漠の中の足跡、まるで棒切れのようになって立ちすくむ少女たちの姿を詩的に捉えたクリストファー・ドイルのキャメラも格別。 |
| クローサー |
☆☆☆1/2 |
『チャリエン香港版』という予想に反して、徹底的にハードな展開に驚愕。こんな可憐な姉妹相手にここまで本気で戦うのか、こいつらは。中でも、終盤の倉田保昭vsヴィッキー・チャオの戦いは血みどろで容赦がなく、あまりにも凄すぎる。ハリウッドでは絶対こんなことできまい。スー・チーもカレン・モクも見せ場がこれでもかとあって、この際緩急の差が無さ過ぎとか設定のツッコミどころあり過ぎとかそういうことには目をつぶろう。ウェットな部分とハードな部分は適度なバランスが保たれているし、もちろんお色気も。アクション映画として合格点はあげられる。 |
| 過去のない男 |
☆☆☆☆ |
いつもの飄々としたカウリスマキ節炸裂の作品なのだが、「コンテナ暮らしの貧しい家族」「過去も名前も失った男」「いまだに恋の経験が無い女」といった、世間的に見れば不幸な人々がこの上なく幸せな日々を送る様子を温かく描いていて、失業中の身にはしみる。地味な救世軍の職員カティ・オウネンが寝る前にロックを聴いていたり、救世軍の演奏者たちがご機嫌なロックンロールを演奏していたりと音楽の使い方も素晴らしい。細かいギャグも冴えわたりつつ、素敵な人情話を見た思いがする。 |
| キープ・クール |
☆☆☆1/2 |
チャン・イーモウにしては珍しいロマンティックコメディかな、と思わせて驚愕の展開になだれ込んでいく、テンポのよさが気持ちよい。キレた男をなだめるはずが、と立場がスルッと逆転してしまったりする可笑しさ。クローズアップを多用しすぎの画面はかなり鬱陶しいが、メリハリや画面転換の妙、ライブ感覚はあって楽しい作品になっている。ヒロイン美しいけど前半で退場になるのはちょっと勿体無い。 |
| 戦場のピアニスト |
☆☆☆☆1/2 |
戦争において、武器を持って戦わなくても、ただ逃げ回って生き抜くということだけでも一つの戦いだということを思い知らされた作品。いつも窓から傍観者のように戦いを見つめ続け、何も出来ないわが身をもどかしく思い息を潜めるエイドリアン・ブロディの、静かな哀しみに満ちた演技が素晴らしすぎる。唐突で理不尽な残虐行為も死も淡々とドキュメンタリーのように撮影されることで、よりその恐ろしさが際立ってくる。そして月光の中での心振るわせるショパン…。ホロコーストで死んだユダヤ人、戦後ソ連で死んだドイツ将校、たった一人を救うために死んだすべての名も無き死者たちへの鎮魂歌。 |
| リベリオン |
☆☆☆☆ |
まさかクリスチャン・ベールとショーン・ビーン、そしてエミリー・ワトソンでバカ近未来アクション映画が観られるとは思わなんだ。北朝鮮をモデルにしたとおぼしき、感情を持つことを禁じられた超管理社会の描写はなかなか危ない美しさがあって、少し『ガタカ』風味なんだが。あのガン=カタという目にも止まらない必殺技、楽しすぎ!いや〜たまげた。設定は穴だらけだが、気持ちよく裏切ってくれる部分もあり、特にラスト30分の展開はもう最高。しかも、エイリー・ワトソンやショーン・ビーンというちゃんと演技の出来る俳優を、演技が達者じゃないと務まらない役にあてているし、良いわ。クリスチャン・ベールは顔がますますトム・クルーズのパチモン化してきたけど、次の『サラマンダー』といい、作品選びのセンスはなかなか。 |
| キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン |
☆☆☆1/2 |
スピルバーグの作品とは思えない、驚くほど軽やかでキャッチィな映画。オープニングもお洒落。割と能天気な題材なのにダークな色調のカミングスキーのカメラで遊んでいるのだが。クリストファー・ウォーケンとトム・ハンクスという二人の父親に愛されるディカプリオは本当に高校生に見えるとともに、いとも簡単に人を騙せてしまう天才詐欺師にもちゃんと見えるところが立派。息子に悲しいほど愛されるうらぶれた父親を演ずるウォーケンの素晴らしさといったら!ナタリー・バイとのダンスシーンが素敵で、しっかり泣かせてくれる。出番の少なさが勿体無い。クリスマスとか、パイロットの制服とか、設定や小道具の使い方も見事だしさすがに手馴れたものだけど、ウォーケンのダンスばかりが記憶に残る。 |
| 抱擁 |
☆☆☆☆ |
100年前と現在の恋の重ね合わせ方が実に巧い。19世紀の恋人たちが、手紙で身を焦がす想いを雄弁に綴り禁断の恋に苦しんでいるのに、現代の二人は恋の邪魔になるものなど何もないのに一歩を踏み出すのに躊躇するのが面白い。そしてためらう二人の言動のリアリティも大したもの。文学史上のミステリーと恋愛を交錯させ、その上発見を横取りしようとする人が出てきたりと、単なる文芸映画ではなく娯楽性も十分あるのは、さすが才人ニール・ラビュート。アーロン・エックハートも相変わらず演技が達者で、オクテで優柔不断だけど魅力的な研究者に実体を持たせてくれる。 |
| アカルイミライ |
☆☆☆1/2 |
未来に希望をもてず、ただただ淡々と生きているフリーターの生態のリアルな描写にまず目を瞠らされる。そしてちっとも美しくない東京の寒寒とした風景が、陰影を強調した粗いデジタルビデオの映像で綴られるところの倒錯した美。浅野忠信の刑務所入りまでの畳み掛けるような暴力的で社会的な逸脱感が満載の描写、浅野とオダギリの同性愛めいた不思議な関係のあたりまではすげ〜と思って見ていた。そうだ、別に前向きに生きなくたっていいんだ。でも、藤竜也とオダギリの抱き合うところはちょっとかゆい違和感が。いずれにしても、今回は黒沢清にしてはとてもわかりやすい作品に仕上がっていながら非常にかっこええわけだが、もう少しクールで突き放したものをどうしてもこの作家に期待してしまうのだ。 |
| ヘヴン |
☆☆☆☆1/2 |
なんという美しい映画だろう。純粋な、見返りも何も求めない愛によって罪深い女性が浄化され、天に上っていく姿が崇高に映る。光と影のコントラストが絶妙な映像、研ぎ澄まされたダイアローグ。ケイト・ブランシェットとジョヴァンニ・リビシという全く違った二人がまるで双子のように同じ運命をたどって行く道程を説得力をもって見せてくれる、ふたりの静かで力強い演技。自分の運命をどのように選び取っていくのか、深く考えさせられるシンプルだが哲学的な作品。 |
| スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする |
☆☆☆1/2 |
クローネンバーグの作品にしては恐ろしく地味〜な映画。ただし、『レッド・ドラゴン』に続き病的な役柄の(一体何枚重ね着しているんだ!)レイフ・ファインズの変態演技を見ているだけでも飽きない。ろくに台詞すら発しないんだから。そのあまりにも哀しい存在感は切ない。人間の記憶や深層心理というものがいかに当てにならないかを描き、観る者をも混乱させる演出はさすがに巧みだ。3通りの女性を演じ分け、混乱に拍車をかけてくれるミランダ・リチャードソンも達者。しかし、作品に選ばれない人にとっては退屈な代物となってしまう。 |
| 歓楽通り |
☆☆☆1/2 |
ルコント得意の“無償の愛”を描いた作品。ヒロインが娼婦であるからして、プチ・ルイの想いが性的な欲求とは無縁であるというのは確かに説得力のある設定。しかし、相手の男のほうも、三角形の一点に(決して自分のものにしようとしていないように見えていても)プチ・ルイがいるということを受け入れられるというのがちょいと理解しにくかった。一方、時折訪れる、マリオンに対して独占欲をちょっと見せてしまい、この三角形を崩そうとする小さな欲望がプチ・ルイの表情の中に表れる瞬間というのは、本当に切なくて美しい。現実にはこんなことは決してありえないだろうし、冒頭とラストの娼婦たちの会話からしても、これは美化された御伽噺であるように思えてしまう。レティシア・キャスタはちょっと歯並びが悪くて、この映画の中では意外と魅力に乏しい。 |
| 24アワー・パーティ・ピープル |
☆☆☆1/2 |
ニューオーダーの『ブルーマンデー』をリアルタイムで聴いて熱狂した世代としては、懐かしさいっぱい。知っている固有名詞がたくさん出てくるところは興奮するし、一つのムーヴメントが誕生する瞬間の熱狂を肌で感じられる作品となっている。でも、果たしてマンチェスターサウンドを知らない人が観ても、楽しめるかどうかは疑問。トニー・ウィルソンという稀代のトリックスターが、時折カメラ目線で、彼自身の目というフィルターとバイアスのかかったムーヴメントを語るという手法はとても楽しい。一つの栄枯盛衰物語でありながら、感傷的にもならず、ちょっと斜に構えた感じも照れくささを隠すようでかわいい。世の中には勝者と敗者がいるけど、勝てなくても記憶に残った者の勝ちであり、そしてこの映画の中には愛すべき敗者がたくさんいる。 |
| エルミタージュ幻想 |
☆☆☆ |
90分ワンカットで絢爛たるエルミタージュ美術館を捉えた撮影はなるほど凄いけど、フィルム撮影ではなくハイビジョンのキネコなので色彩が浅くてのっぺりとしか見えないところに激しく萎えてしまった。なるほど、これは一つの夢幻であり、エルミタージュの中に漂う亡霊たちを見ながら、自分自身も映画の中でふわふわ浮いているような気分になる。ラスト近くの舞踏会の麗しさには酔えるだけに、35ミリ撮影だったらどんなに良かったか残念に思った(もちろん、デジタルビデオ撮りだからこそ90分ワンカット撮りできたわけだが)せっかくの美術や調度品、華やかなドレスも本来の美しさの何十分の1しか再現できていないもん。 |
| 007/ダイ・アナザー・デー |
☆☆☆1/2 |
なんとも贅沢なバカ映画。バカ度では、近年の007映画の中でも屈指の作品。遺伝子交換でアジア人(金正男?)が白人に化けたり、必然性もなくキューバやらアイスランドらや出かけてきたり、ボンド14ヶ月間も北朝鮮にとっつかまっていたわりにはたくましくすぐに元の髪型に戻ったりと、ゴージャスで楽しくもあほらしく愛すべき作品になっている。アバンタイトルだけでクラクラしちゃうもんね。ハル・ベリーとリック・ユンはもっと活躍を見たかった気も。 |
| 青の炎 |
☆☆☆1/2 |
ロードレーサーで疾走する二宮和也を捉える息苦しいカメラワーク。よく動くカメラ、ロングショットをはさむ撮影が実に巧みな映画だ。そして、アイドル3人の意外なまでの好演(鈴木杏はあたりまえとしても)。甘い点も多いが、アイドル映画として敬遠しておくには惜しい、観る者に心の痛みを感じさせる映画。少年が一人で世界と戦っているつもりになっているところの追い詰められ方、終盤の美術部室でのシーンや、映画そのものの幕切れ方も見事。 |
| 小さな中国のお針子 |
☆☆☆1/2 |
文化大革命時の中国の山奥の農村で、再教育のために送られてきたブルジョワ青年二人と、無学なお針子との恋のお話。山奥に鳴り響くヴァイオリンの調べや書物の言葉たちは美しく、水のモチーフは官能的。バルザックに影響されて奇抜な服を作り始めるお爺さんなど、ユーモラスで茶目っ気あふれる部分は楽しい。ただ、フランス製映画であることもあって、どうしても“西洋文化によって啓蒙してやる”という部分とエキゾチズムが見て取れてしまうところがちょっと残念。青年二人の描写は丁寧なのに、お針子は表層的でありきたりな描き方なのも気になる。 |
| ボウリング・フォー・コロンバイン |
☆☆☆☆1/2 |
アメリカにおける銃の問題を扱った作品かと思いきや、アメリカ建国までの人種差別と暴力に満ちた歴史、テレビで不安と恐怖を垂れ流されることによって、間に流されるCMの効果を高めるという手法を取るメディア、それらがアメリカの好戦的な国民性を作り上げているのだという種明かしが実に鮮やか。もっともクレバーで理性的な発言を行っているのがマリリン・マンソンだというのも、目から鱗が落ちる思い。“社会問題を扱いつつも徹底的にエンターテインメントである”のが勝因か。SAGで脚本賞を取ったことからも、これは贋ドキュメンタリーぽいが。 |
| モーヴァン |
☆☆☆ |
自殺した恋人の書いた小説を自分の名前で発表し、死体を切り刻んで捨てちゃうモーヴァンという女の子の行動は、モラルには反しているのに、見ているうちにそれが当然取るべき行動であったことが理解できてしまうという恐るべき作品。自分に正直に生きていくと言うことはどういうことなのか、その問いを観客に突きつけているという意味では、ナイフのような鋭さを持っている。ただ、あまりにも心理描写を排して音楽に心情を語ることを委ねるという試みは、100%成功しているとは言いがたい。「ボクと空と麦畑」でも観られた、リン・ラムジーの“言葉ではなく映像を通して語る”という優れた才能は確かに感じられるので、音楽と脚本の部分は今後頑張りましょう。 |
| ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 |
☆☆☆☆☆ |
マーヴェラス!としか言いようがない。前作の数倍グレードアップしていて、あまりの凄絶さとセンス・オブ・ワンダーに言葉も失う。冒頭のガンダルフの勇壮なお姿に心を鷲掴みされ、善と悪に引き裂かれた憐れなゴクリを観ているだけでも涙が出てしまうし、腰を抜かしそうになるほどのとてつもないスペクタクルシーンに打ち震える。峡谷での戦いは『クレヨンしんちゃん、アッパレ戦国大合戦』を髣髴させるが、これほどまでに実写で激しい戦いを見せてしまって、今後これを上回る映画が出てくるとは到底思えない。あるとしても『王の帰還』だけだろう。そしてエオウィン姫の「私が恐れるのは檻だけ」という言葉に、背中を押された気がする。 |
| Kissingジェシカ |
☆☆☆☆ |
28歳で恋人を見つけられずちょっと焦っているマジメなキャリア女性が、恋人募集広告で知り合ったのは魅力的な女性だった!というわけで、等身大の女性の恋と人生が軽快にユーモラスに語られる素敵な映画。リルケの詩の引用、ダメダメなデート相手たち、そしてユダヤ家庭の家族の絆、女同士の愛とも友情とも取れる関係といった要素を巧みに使い、オクテなジェシカが自分の殻を破っていく様子が気持ちよく描かれている。恋に人生に悩む女の子には必見! |
| ロベルト・スッコ |
☆☆☆☆ |
ヴィンセント・ギャロにそっくりだけど、さらに大きくギラギラした青い目が印象的なステファノ・カセッティが凄い迫力。あえて感傷やセンセーショナルな描写を避け、ただただカート=ロベルトの狂気と正気の淵をひた走る軌跡を追い続けた演出も成功している。殺人鬼というよりは、車を奪って持ち主の女性を脅して運転し、ひたすらフランス中を走り回っているというのが面白いところ。理由なき殺人の理由を探ろうとしないのも良い。 |
| ウェルカム!ヘヴン |
☆☆☆ |
男っぽいペネロペは、アメリカ映画では決して見られない可愛らしさとビッチさがあってとっても魅力的。モノクロームの天国でアンニュイにヴィクトリア・アブリルが歌う姿(なんとワンカットで捉えている!)は魅惑的(カラーの地上では皺が目立ちすぎるけどね)。なのに、肝心の地上世界では、どうもはじけないし、ポップさが足りないのだ。美女二人が一人の男の魂をめぐって戦うのに、三角関係にはならないし男に魅力がなさ過ぎるのがイカン。さらに、画面が全体的に暗くて湿った感じなのもバツ。ガエルくん、相変わらずキュートだし、パーツパーツは良く出来ているのに、全体的には面白いとは言いがたい出来。 |
| ノスタルジア |
☆☆☆☆1/2 |
難解といわれるタルコフスキー作品だが、この「ノスタルジア」は、きわめてシンプルな映画。ただただ世界を救うために一個人ができることって何だろう、なんてことに思いを巡らしながらも目もくらむばかりの圧倒的な映像に酔いしれ、水の滴る廃墟の腐乱していく美しさに身を任せ、遠い故郷に思いを馳せ夢のような時間に浸るということで自分の中の引出しを増やしていくことができるという稀有な映画だと思う。本当に夢の中に入ってしまってもいいし、それもまたタルコフスキー体験のひとつ。これを、映画館で体験することが大切。 |
| 猟奇的な彼女 |
☆☆☆☆1/2 |
日本のコミック(「うる星やつら」あたりがお手本!?)的なベタベタ加減と、テンポのよさが心地よく、いつしか滅茶苦茶可愛くてはちゃめちゃで奔放な彼女の虜になってしまう、スウィートな映画。死ぬほど笑わせてくれると思ったらロマンティックだったり、切なくなったりと万華鏡のような表情を見せてくれる、こういう映画を待っていた!そして何回観ても、新しい発見があるというのも凄い。 |
| Mr.ディーズ |
☆☆☆☆ |
フランク・キャプラの『オペラ・ハット』のリメイクだというのがわからないくらい、アダム・サンドラー一色に染まった作品。しかし私はは断固として、誰になんと言われようとサンドラーは支持する。よくあるお話にスウィートさと優しさと少しの毒を加え、ニコニコさせて幸せな気持ちにさせてくれるのだ。メディアのあり方も少し皮肉りながら、愚直な人間の魅力を謳いあげていくのにもっとも適任な男。素敵でちょっと変態っぽいジョン・タットゥーロや、相変わらずアブラギッシュなジョン・ギャラガー、そしてやっぱりヘンなウィノナ・ライダーとキャストも魅力的。 |
| ボーン・アイデンティティ |
☆☆☆1/2 |
プラハとパリのロケからもたらされるヨーロッパ的な香り、自分が何者なのかわからない人間の苦悩などが適度にちりばめられ、楽しめる作品にはなっている。マット・デイモンも思ったよりたくましくて魅力的に映っているし、クリス・クーパーはやっぱりいかしている。しかし、ラドラムのスパイ小説が原作という割には行動パターンは突っ込みどころありすぎだし、いくら殺人マシーンだからといって無駄に人を殺しすぎなのでは? |
| トランスポーター |
☆☆☆ |
相変わらずリュック・ベッソンの脚本は30分で書いたって感じで、中学生でも思いつきそうなしょうもないお話。しかしこの映画は、なんといってもジェイソン・ステイサムに尽きる!広い肩幅、分厚い胸板。禿げ上がったおでこすら美しいし、静けさを好むというのも渋い。タキシードを着てこれほどまでにセクシーな男性っていないかも。体が大きいくせにとても柔らかくて身のこなしがきれいなのは、さすが元水泳選手。彼を観ているだけでオーケーの映画。スー・チーもファニーフェイスが魅力的なんだけど、キャーキャー言っているだけと言うのはあまりにも勿体無い。 |
| 青の稲妻 |
☆☆☆☆ |
超長廻し、だらだらといった風情の『プラットホーム』に比べると相当とっつきやすい映画なので、びびらないで観よう。中国大陸のどうしようもないクソ田舎で、閉塞感に煮詰まった日々を送るカッコ悪い青年たちのやるせない物語。そんな中繰り返されるリッチー・レンの歌が途方もなく切ない。モンゴル酒のキャンペーンダンサーとの恋とか、受験生の彼女とのずれていく想いとか、青春の挫折にあふれていて、普遍性を持った作品になっている。 |
| アレックス |
☆ |
問題作ということにはなっているが、逆回転によって、取り返しのつかなくなった現実を見せていく手法は『ペパーミント・キャンディ』が先鞭をつけているわけで、とりわけ斬新というわけではない。その上、最初の20分間の描写はただただ不快なだけで、別に心に響くようなことは何一つない。たしかに恋人同士のラブシーンは美しいが、だからといって何よ?失われたもののかけがえのなさは、『ペパーミント・キャンディ』のほうが数倍切なく描けているよ。こけおどしで問題作になろうとするミエミエの魂胆が醜い。『カルネ』『カノン』はいい作品だったのに。こんなのを評価する人、底の浅さを露呈しているね。 |
| 呪怨 |
☆☆☆ |
あの怖すぎるビデオ版を観てしまってからだと、階段を這い下りてくる伽椰子とか、俊雄くんの怖さに親しんでしまっていていまさらまったく怖さを感じられないというのが残念。予告編でもいろいろ見せすぎている。まっさらな状態で観れば、凄く怖い映画ではある。が、幽霊の正体を思いっきり見せるというのは新しい恐怖でもあるがやりすぎると完全にコメディになってしまうことを感じてしまった。女優たちに綺麗どころを揃えているのは、映画化にあたりメジャー感を感じさせて正しい選択であると思う。 |
| ギャング・オブ・ニューヨーク |
☆☆☆1/2 |
チネチッタに作られた壮大で美しいオープンセット。圧倒的な存在感、優雅さと野卑を兼ね備えたダニエル・デイ・ルイスの完璧な演技。ニューヨークという場所が、文字通り血を吸い込んで作り上げられた街であるということを物語っている暴力的な展開。確かに風格はあるし、胃に堪えるようなずっしりとした映画ではあるのだが、主人公のキャラクターがあまりにも類型的で、宣伝されている恋愛劇もあまりにもありきたり。父親の敵でありながら、同時に父親のような存在であるビルに対するアムステルダムの複雑な感情も伝わって来ない。 |
| 僕のスウィング |
☆☆☆☆ |
「音楽は譜面を見て演奏するものではなく、心と耳で演奏するもんなんだ」。マヌーシュ・スウィングというロマの音楽に魅せられた少年が、同時にスウィングという黒い瞳のロマの少女に惹かれ、甘酸っぱい一夏の恋を知るお話。この女の子がボーイッシュなのにすんげえ美少女で、アディダスのジャージを脱いだ小さな胸のふくらみには、マックスならずともドキドキするはず。彼女が通る時にはギターの練習も上の空でその姿を追い求めちゃう気持ちも良くわかる。二人のシーンはキラキラ輝いていて、緑の森の中での疾走感と初恋のドキドキが伝わってきて素敵。 |
| ウエストサイド物語 |
☆☆☆☆1/2 |
「彼を殺したのは銃ではなく憎しみなのよ」というラストのほうの台詞などはまったく今日的といえるし、殺し合いは真っ平だと誰もが思っていても、それをとめることが出来なくなり憎しみの連鎖となっている状況は、今の国際情勢に見事に当てはまるもの。冒頭の俯瞰のシーンから指を鳴らすリズムのワクワク感。そして一人一人仲間が増えていき、顔、腰、足とカット割して躍動感を増していくところはすんごいカッコいいし、「マンボ」の怒涛のダンスシーンや「トゥナイト」のカット割を巧みに使ってどんどん盛り上がっていくとこにはもう、身震いするばかり。この魂の感動をぜひ大スクリーンで! |
| 黄泉がえり |
☆☆☆☆ |
草なぎ君主演の東宝全国ロードショー作品でも、そこはかとなく塩田イズムが健在なのはうれしい。なまめかしい中学生カップルや殺伐とした教室、田辺誠一や伊勢谷友介のカメオ出演などには思わずニヤリ。哀川翔アニキの登場シーンも最高。一歩間違えるとベタベタになる話を、塩田の作家性や抑えた演出が救っているし、やや散漫な部分もあるが一人一人の“想い”を大切に描いているのが良くわかる。 |
| セクレタリー |
☆☆☆☆ |
自傷癖があって貧乏ゆすりに髪いじりに鼻すすりという情けなくてさえないヒロインが、美形でサディスティックな上司の虜になり、やがてスパンキングの快感に目覚めて花開くというお話は一見通俗的だ。が、マギー・ギレンホールのやたらリアルで説得力のある演技があまりにも見事で、思わず感情移入してしまう。変態道に目覚めれば目覚めるほど美しく自信に満ち溢れていく姿は崇高なまでに素敵だ。願わくばもっともっとこの道を極めて欲しい、なんてね。従属関係にあったのがいつのまにか逆転しちゃっているのもいい。完全ビョーキの弁護士がジェームズ・スペイダーというキャスティングも最高にいいね。 |
| パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち |
☆☆☆☆ |
夏休みのアトラクション的エンターテインメントムービーとしては最高の一本。なんといっても、怪しさ満点、少しずっこけているのにとってもイカしていてセクシーなジョニー・デップのチャームにはしびれてしまった。オーランド・ブルームの清新さ、キーラ・ナイトレイの凛とした魅力、楽しそうに悪役を演じるジェフリー・ラッシュと役者がみんな輝いているのが勝因。月光に照らされたガイコツ軍団が動き出すところのワクワク感とか、呪いの話とかギミック的な仕掛けも楽しい。 |
| シカゴ |
☆☆☆☆ |
毒は控えめではあるが、悪趣味一歩手前の華やかさで、殺人が最大のショーとなるショービジネスの虚飾をギラギラと描いていて、この上なく楽しめる。キャサリン姐の毒婦ぶり、図太さ、いざとなったらなりふりかまわぬ潔さ、そしてド迫力の開脚と、完璧なまでのスターのオーラが眩しい。迫力では完全に負けているけど、レニー・ゼルウィガーの頭が足りなくて妄想に走りがちだけど腹黒くしたたかな部分、リチャード・ギアの薄っぺらさや哀しいほど善良なジョン・C・ライリーと役者陣は充実。謳って踊るところと芝居の切り替えも巧いし、心に残る映画ではないけどエンターテインメントとしては超一級品。 |
| レッド・ドラゴン |
☆☆☆1/2 |
手堅くかっちりとまとまった演出。隙も無駄もない脚本。そして、何よりも豪華な俳優陣が良い。特に、哀しみを内に秘めた殺人鬼を抑えた演技で優雅に(しかし時にはエキセントリックに)演じたレイフ・ファインズと、メソッド演技全開のエミリー・ワトソン(今回はとっても綺麗)は素晴らしい。この二人の美しくも哀しいラブストーリーが際立っている割に、レクターとグラハムの関係が濃ゆくなっていかないのが惜しいところか。ハーヴェイ・カイテルとか、フィリップ・シーモア・ホフマンとか、脇役の使い方はあまりにも贅沢。エドワード・ノートンのいつもながら何を考えているのかわからない不気味な芝居も光っている。 |
| 許されざる者 |
☆☆☆☆ |
『新・仁義の墓場』ほどの圧倒的な狂気は無いが、スタイリッシュでしかも叙情的という三池の美点が現れた佳作。惜しむらくはビデオ撮影で夜のシーンがぼやけていること。日本映画としては、俳優陣の充実振りが半端じゃない。美しすぎる加藤雅也を始め、端役でも強烈な個性の遠藤憲一、不気味なスナイパー平田満、長門弘之と津川雅彦の兄弟共演、『アカルイミライ』でのキャラを引きずった藤竜也、最近三池組の常連美木良介、二役で登場し相変わらず不敵な石橋蓮司、軽やかさが素晴らしい北村一輝とまあ列挙していくだけでももうすごい。そして常に組織にたてつき、どんな犠牲があっても己の美学を全うしていく男たちの生き様は美しい。 |
| アウトライブ−飛天舞− |
☆☆☆1/2 |
これはもう、香港映画の武侠片の世界そのものが展開していて、実際アクション関係やCG関係は香港映画界から招いている作品なのであった。てなわけで、華麗で派手なアクションはこの手のものが好きな人には必見。中でも度肝を抜かれるようなオープニング、忍者のような十剣組がそぞろ歩いていたり飛び回ったりするところの派手派手しさや見得の切り方は、そうそう観られるレベルのものではなくて、しばし呆然としてしまうほど。お話のほうは、さすが少女マンガが原作だけあって、ロマンティックな大河ロマンと悲恋をからめてある、悪く言えばありがちなものだ。が、ヒロインやライバル役の悪女など女性陣の絶世の美しさに免じて許せる。 |
| 夜を賭けて |
☆☆☆☆ |
とにかく熱い!そして濃いい!山本太郎の盛り上がったしなやかな筋肉と、すがすがしい瞳、そして雄叫びにしびれるね。決してうまい俳優ではないけど、なんともいえない魅力があって、日本映画をこれから支えていくのは彼のような人だと思った。1950年代の大阪の朝鮮人部落、生活は楽ではないけど、毎日を精一杯力いっぱい疾走して、“生きている”って実感がする。キムチを顔に押し付けたり、すぐちゃぶ台をひっくり返したりと激情型の人たちは、観ていて気持ちよい。六平直政、清川虹子、樹木希林、山田純大とみんないい顔をしているよ。そしてまっすぐな瞳の青年や、詩人のような夫婦が理想郷を求めて北へと旅立つ姿は本当に切ない。 |
| きらめきの季節/美麗時光 |
☆☆☆☆ |
あまりにも辛すぎる、ドブ川の中のような生活の中にも、青い水槽の中の熱帯魚のように限りなく美しい瞬間があるということをリリカルに、時にはファンタジックに描いた作品。破滅に向かう二人のチンピラ少年たちの儚い生が文字通りきらめいている。二人でタバコに火をつけるシーンに象徴される、友情を越えた絆の強さには、死さえも超えたものがある。 |
| SWEET SIXTEEN |
☆☆☆☆1/2 |
ケン・ローチの映画には、登場人物をぎりぎりのところまで追い詰めて、その中でほとばしる感情の噴出を厳しくも限りなく美しく優しく描き切っているという美点がある。今回の主人公、まっすぐな瞳のリアム少年はこんなにもヘヴィな状況のもと、必死にひたむきに生きているのに、まだたったの15歳なんだから、もう。自分も襟を正して生きていかなくちゃ、という気持ちになる。 |
| スパイダー・パニック! |
☆☆☆1/2 |
往年のC級モンスター・パニック映画にオマージュを捧げた、圧倒的にバカパワーが炸裂する楽しい作品。田舎町ではまったく無意味な熟女のお色気が炸裂するカリ・ウーラーが最高に魅力的。巨大クモの動き方ひとつとっても、すごい工夫の跡が見られるし、悪徳町長、ボンクラな主人公、美人保安官とブータレ娘、クモおたくのガキとクモ博士、さらには電波系DJとキャラクターの配置も完璧。お正月にはこういう頭を使わない映画が最高! |
| マイノリティ・リポート |
☆☆☆1/2 |
変態監督スピルバーグの趣味が全開になった、絶妙にヘンな映画。目玉に対する執拗なこだわり、プレコグのアガサに接する係員の態度のやらしさ、逃亡シーンの微妙なギャグの数々、突っ込み入れ放題のプロットと非常に楽しめるつくりになっている。ヤヌス・カミングスキーのダークな映像のルック、その独特の魅力にはけっこう病み付きになるかも。頭に?マークを入れるのを忘れて、このヘンな世界にドップリと漬かりたい。 |
| キス★キス★バン★バン |
☆☆☆☆1/2 |
ハードボイルド風味でありながらも、笑えて泣ける素敵な映画。「地球が流した涙が集まったのが海だから、だから海の水はしょっぱいんだ」なんて気の利いた台詞もニクくて切ない。「最後の台詞集」を収集していることもうまい伏線に。無垢な30男に、初老の元殺し屋が大人の男の嗜みを教えるところのカッコよさ。不器用な男たちが自分にないものを必死に求めようとする姿がたまらなくいとおしい。そしてバリー・ホワイトなど音楽の使い方も実に見事。 |
| ズーランダー |
☆☆☆☆1/2 |
これ以上バカな映画はないくらい大バカなことを大真面目にやってしまったとんでもない大傑作。チビのベン・スティラーがスーパーモデルという設定自体がバカ。スーパーモデルの脳味噌はカラッポという強引な大前提がすべての世界観が強烈。そのスーパーモデルたちが過去の要人暗殺をやってきたというのもバカ。洗脳のキーワードがフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」だったり、80年代のバカヒット曲がてんこもりなのも最高だし、「レッツ・ダンス」に乗って登場するデヴィッド・ボウイも素敵過ぎ。あなたもキメ顔を作りたくなる! |
| ラスト・プレゼント |
☆☆☆☆ |
売れないコメディアンの夫と、彼を支えるしっかり者の、しかし余命幾ばくもない妻の物語と聞くとあまりにもベタベタなようだが、つぼを押さえた泣かせ方がうまい!家族写真を撮影するところや、お墓のシーンではもう号泣するしかないほどの"催涙映画”。また病身の妻の前で必死のコメディ演技を見せてくれるイ・ジョンジェの演技があまりにも素晴らしい。憎めない詐欺師二人組の存在が、この映画を単なる「泣ける映画」となってしまうことから救っている。 |
| CQ |
☆☆☆1/2 |
ローマン・コッポラの60'sカルチャーへのオマージュが何のてらいもなく出ていて、思わず微笑ましくなってしまう。劇中映画"ドラゴンフライ”のキッチュでダサさ一歩手前のセンスのよさは最高。「アンドレイ」「ジュリエッタ」「マルレーヌ」など出演者の名前一つ一つにも洒落が効いているところもいい。だけど、本筋はあまりにも紋切り型っぽいのが少し残念。 |
| Jam Films |
☆☆☆1/2 |
北村龍平監督「The Messenger」ヒロインの演技があまりにも下手。なんだかよくわからない映画で、北村一輝の無駄遣い。篠原哲雄「けん玉」笑えるには笑えるけど、ちょっと平凡。飯田譲治「コールドスリープ」ひとつの世界観を作っているところは評価してよいと思う。望月六郎「Pandora〜HongKongLeg」相当エロくてちょっと不気味で笑えて楽しい作品。麿赤児の存在感は最高。堤幸彦「HIJIKI」貧乏自虐ギャグという最近見ないジャンルがとても新鮮で、不条理な終わり方も○。行定勲「JUSTICE」男の子の夢を映像化した、みずみずしい映画。岩井俊二「ARITA」岩井ファンと広末ファンにしかアピールしない映画では? というわけで、出来不出来の差は激しくあるものの、一粒で7倍おいしい作品とは言える。一貫したコンセプトの不在も、たまにはいいのでは。 |
| 刑務所の中 |
☆☆☆1/2 |
特に物語の筋というのはなくて、ただただマターリとした刑務所内の生活を淡々と描くことで、そこはかとないユーモアをかもし出している作品。山崎努の抜けたような独白は、可笑しさを狙っていないのに強烈に可笑しい。自由もなく規則だらけで質素な生活を強いられる刑務所の中が、娑婆よりも楽しく感じられるのはなぜか?そして自由のない受刑者の哀しみとは、というところまで踏み込んだらさらに面白くなっていたと思う。椎名拮平の医師とか、嶋田久作とか、くすくす笑えるポイントは満載。 |
| 火山高 |
☆☆☆1/2 |
まんま「少年ジャンプ」というか「炎の転校生」を実写映画に移したという感じの映画。無彩色のルックはストイックで美しいし、漫画チックな登場人物たちはクールでスタイリッシュだが、戦うシーンはやや単調で飽きてしまう部分があるし、ワイヤーアクションも見慣れてしまうと新味はない。それでも、こういう斬新な映画が日本ではなく韓国で出来てしまうというのは、考えさせられる映画的事件だ。 |
| 8人の女たち |
☆☆☆☆ |
ゴージャスな女優陣を取り揃えての悪趣味でキッチュな極彩色世界のめくるめく展開は予想通り。笑えてブラックで面白いのだけど、予想を裏切るような部分を出して驚かせて欲しかったというのは贅沢というもの?85歳のダニエル・ダリューの美しさと、そんな彼女を花瓶で殴りつけてしまうイザベル・ユペールのはじけた演技は最高。 |
| AIKI |
☆☆☆☆ |
今時珍しいほどの正攻法の爽やかでしかもリアリティのある青春映画。人生、どんな挫折があっても投げちゃイカンと思わせる。そしてなんといっても素晴らしいのが、カリスマ性あふれる合気柔術家(兼サラリーマン)役の石橋凌。平凡な男性の持つ凄さを体現していて素敵すぎ。最後の対決シーンはやや漫画チックだけど、それもまた楽しい。 |
| アイリス |
☆☆☆☆ |
ジム・ブロードベンド、ジュディ・デンチ、ケイト・ウィンスレット三者三様の演技が実に見事でぐうの音も出ません。ジム・ブロードベンドは、若い頃を演じる俳優とそっくりなのがまた凄い。しかし、若い頃は奔放で生き生きとした魅力にあふれていた女性が老いて言葉を失っていく姿はあまりにも痛ましくて、こちらも言葉を失ってしまうほど。そうなっても深い愛がある人間って凄い。 |
| たそがれ清兵衛 |
☆☆☆☆1/2 |
身なりは薄汚くとも高潔な魂を持つ清兵衛の月見草のような生き様が美しい。お互いに想い合っているのにすれ違ってしまう恋の切なさ、その中でも思わず抑えていた想いがほとばしってしまうシーンの秘めた官能。そして、お互い斬り合いたくないのに相手を倒さなければならない一騎打ちの凄み。日本映画の良さをしみじみと堪能。拍手が出るのも当然かな。 |
| 至福のとき |
☆☆☆☆ |
「初恋のきた道」「あの子をさがして」の変奏曲と思いきや、心温まる物語に見せかけて非常に厳しい現実を突きつける、まるでケン・ローチの中国版のような作品。美少女ドン・ジエのあまりのやせ細った姿が痛々しいだけに、一瞬の至福のときの心からの笑顔も哀しい。 |
| ジョンQ |
☆☆☆1/2 |
ニック・カサヴェテス監督作品であるだけに、70年代アメリカンニューシネマの味わいもある。法を破っても家族を命がけで愛する男=デンゼル様の熱演はただただ素晴らしい!あなたには一生ついていきたい。レイ・リオッタやロバート・デュバルの類型的な使い方は少々残念。 |
| マーサの幸せレシピ |
☆☆☆1/2 |
ドイツ女の生真面目さ、手堅さがイタリア人の伊達男によって打ち解けていくお話はとっても予定調和的でありがちなのだが、レストランの生き生きとした厨房は目に美味しい。母を失って何も食べなかった少女(美少女!)がまかないパスタで元気になるところはちょっと映画の魔法を感じさせる。でもやっぱりドイツっぽくて生真面目で堅い映画。 |
| サラーム・シネマ |
☆☆☆☆ |
マフマルバフの底意地の悪さ炸裂の、爆笑ブラックコメディ。一般人であるところのオーディション応募者に「その場で泣け」と迫ったり、さっきまで応募者だった少女達に面接官をやらせてみたと思ったらまた元に戻したり。極めつけは、火炎放射器や銃撃に遭ったときの演技をさせるシーン。この怪しさこそが、映画!?そして彼に負けていない応募者達もさすが。自分を「アラン・ドロンに似ている」なんていけしゃあしゃあと言うイラン人。 |
| チェンジング・レーン |
☆☆☆☆ |
小さな交通事故が一人の人間の運命を狂わせて行く恐ろしさ。ささくれ立つ感情。運命に翻弄されながらも必死にもがく男をサミュエル・L・ジャクソンが円熟の演技で見せてくれる。たった数日間に起きた、こんなにも身近な題材を使って、現代社会の血も凍る恐怖を物語る手腕もたいしたもの。人間の弱さ、ずるさが招く悲劇を、ちゃんとカタルシスのある終わり方に仕立てているのもさすが。 |
| ガーゴイル |
☆☆☆☆ |
何よりもアニエス・ゴダールによるフェティッシュな撮影が圧倒的に素晴らしい。カニバリズムの物語というより、愛の不毛というより、現代における吸血鬼物語の変奏曲と考えたい。ベアトリス・ダルはその存在だけで怪物的で想像力を刺激してあまりある。 |
| セレンディピティ |
☆☆☆1/2 |
あまりにも偶然やニアミスが重なりすぎる展開、何の罪もない主人公達の婚約者が不幸にさせられるなど釈然としない部分も多い。でも、カップルで観ると最高に盛り上がる、ロマンティックなデートムービーには仕上がっている。カシミアの手袋、ガルシア・マルケスの本、「暴力脱獄」など小道具の使い方も達者。ジョン・キューザックのモラトリアム青年ぶり、ケイト・ベッキンゼールのキュートさもさることながら、ブルーミングデールズの怪しい店員、ユジーン・レヴィのとぼけた演技が最高。 |
| 酔っ払った馬の時間 |
☆☆☆☆1/2 |
国境地帯に降りしきる雪は、幼い兄弟姉妹たちの悲しみのように降り積もり、酔っ払って動けなくなったラバたちも、人間達と同じように嘆き悲しんでいるように見える。そして圧巻なのが、雪山から転げ落ちるタイヤの大スペクタクルシーン。圧倒的に力強いシネマトグラフィが、あまりにも残酷、しかし美しい物語に真実味を加えていく。ノンフィクションを超えたフィクション。必見! |
| OUT |
☆☆☆☆ |
原作のエッセンスは残しつつも、爽快で少し苦いエンディングへと持っていく力技はさすが。カッコよくて惚れるようなオバサンを日本映画で観られるようになったのは素晴らしい。死体解体シーンのブラックな笑いもうまく処理している。 |
| トリプルX |
☆☆☆☆ |
ヴィン・ディーゼルの「筋肉マンだけど愛嬌のあるいい奴」という魅力をフルに引き出した娯楽大作。「007」へのオマージュだらけで新鮮さはないけど、見たこともないようなアクションとスタントのつるべ打ちに、心地よい疲れが引き起こされる。悪役集団の名前が「アナーキー99」というのも笑えるし、ゴスでセクシーでカッコいいアーシア・アルジェントの妖しい魅力も光っている。 |
| マッスルヒート |
☆☆☆1/2 |
お話はとってもありがちなんだけど、香港から招いたスタッフによる香港映画風味無国籍雰囲気のアクションはなかなか良い。ケインの抜群の身体能力を活かしたアクションシーンは生身の感じがするし、加藤雅也、哀川翔という三池映画っぽいメンバーも、その魅力を発揮。5分で忘れる映画ではあるけど、観ている間は楽しいからいいんじゃない? |
| tokyo.sora |
☆☆☆1/2 |
男の人から見てとてもきれいで揺らめいている女の子たちが登場する、儚くて浮遊感があって、すこしさみしかったりちょっとうれしかったりする物語。淡々としている中にも時折きらりと光る瞬間があって捨てがたい作品。だけど、あまりにも理想化されているきれい過ぎる女の子たちには、ナマの生は感じられず。 |
| ゴスフォード・パーク |
☆☆☆1/2 |
ものすごく上手な映画なんだけど、職人アルトマン監督があまりにも多くの登場人物たちを駒のように動かすことに熱中し過ぎるあまり、途中で頭の中がこんがらがってしまう。観る前に必ず人間関係と出演者の顔と名前を一致させないとつらいかも。マギー・スミスやヘレン・ミレンの演技はさすがの円熟度。 |
| 容疑者 |
☆☆☆1/2 |
デ・ニーロのいぶし銀の演技もさることながら、若くてハンサムなのに汚れ役に挑んだジェイムズ・フランコの熱演に拍手。ややセンチメンタルに過ぎるけど、親子がはじめて正面から向き合ったシーンには思わず涙。二人の葛藤や心の傷が良く描かれている。ロングアイランドがこんなに寂れたところだとは。 |
| 阿弥陀堂だより |
☆☆☆1/2 |
「雨あがる」同様、丁寧に真面目に作り上げた美しい作品。北林谷栄の絶妙な演技を観るだけでも価値はある。その上香川京子、田村高広の演技もまた素晴らしい。長野県の美しすぎる自然に癒され心が清らかになる一方、あまりにも説教臭いダイアローグはちょっと何とかして欲しいところも。ラストの寺尾聡の剣の舞は素敵だった。 |
| ミーン・マシーン |
☆☆☆1/2 |
元ホンモノのサッカー選手ヴィニー・ジョーンズが渋くてカッコいい。「少林サッカー」に比べればサッカーシーンは相当地味だけど、やっぱりスポーツ映画は燃えるよ。半端じゃなく凶暴(なのに笑える)ゴールキーパーのジェイソン・ステイサムや、意地悪な看守が最後に見せる男気など、見所もたくさん。意外と楽しめる。 |
| Dolls |
☆☆☆1/2 |
日本の四季を捉えた美しすぎる映像にみなぎる美学、運命に翻弄される3組の人形=カップルの悲劇は本当に残酷で綺麗なんだけど、3組のエピソードがバラバラに存在していて、かなり散漫なつくり。独特の歩き方、無表情の中に切なさを込めた菅野美穂の演技はぞっとするほど達者。 |
| 酔っ払った馬の時間 |
☆☆☆☆ |
雪深い峠を越えていく少年と酔っ払ったラバたちの圧倒的なスペクタクルシーンが目を引く。残酷なまでのリアリティが込められた美しくも胸を締め付けられる映画。力強いシネマトグラフィにも注目。「イラン映画はみんな一緒」なんて言わないで、ぜひ観てもらいたい作品。 |
| ロード・トゥ・パーディション |
☆☆☆☆1/2 |
雨の降りしきる中での音を消した殺戮シーンや、少年が覗いた殺しの場面のしびれるようなスタイリッシュさに酔いしれたい。強盗シーンの流れるような麗しいキャメラや、暗い中に浮かび上がる少年の暗い瞳、死神のように立ち尽くすトム・ハンクス。絵づくりのあまりの非凡さを見ているだけで酔うほどに楽しめる。「お前でよかった」とつぶやくポール・ニューマンの入魂の演技も素晴らしい。重厚で胸に響く風格を持ったノワールの傑作。だがドラマそのものより映像美ばかりが印象に残ってしまう。 |
| ディナー・ラッシュ |
☆☆☆☆ |
「ER/緊急救命室」のようなスピーディなキャメラの動き、きびきびしたテンポの中に皮肉な笑いとスパイスの効いた会話を聞かせてくれて、レストラン「ジジーノ」でフルコースを楽しんだような気分にさせてくれる。やっぱり美味しいご飯を食べてこそ、人生は楽しいんだよね。 |
| メルシイ!人生 |
☆☆☆☆ |
冴えない中年オヤジが、自分自身はは何にも変わらないのに、ふとしたきっかけで彼を取り巻く状況が状況が変わっていくところが奇妙に可笑しい。ジェラール・ドパルデューの怪演も最高に可笑しく、とてもインテリジェントでデリケートな問題を扱いつつも身近に感じられるユーモアには舌を巻く。中でも「コンドームの実地試験」ネタは最高。でも「奇人たちの晩餐会」ほどのアナーキーな笑いはなかったかな。 |
| 火星のカノン |
☆☆☆1/2 |
時折はっとするような生々しく残酷な台詞が放たれ、恋愛の苦しみ、幸せを生々しいほどに掬い取った演出も巧み。全体的に漂う寂寥感は監督の才能を感じさせる。4人の登場人物の配置も絶妙。ただし、画面が暗くて表情がはっきり見えなかったり、台詞が聞き取れないところがあるのは大きな減点。 |
| クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア |
☆☆☆1/2 |
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」とは180度違った、B級娯楽作品。デスヴァレーでの、デスロックが鳴り響く中でのヴァンパイア飛びまくりコンサートなどは、マジ面白くて笑える。アリーヤの高貴で邪悪で官能的な姿態は実に魅惑的で、あまりにも早すぎるその死は本当に悔やまれる。スチュワート・タウンゼントの爬虫類っぽい美しさもヴァンパイア向き(「シューティング・フィッシュ」のオタク青年がこんなになるとは誰が想像したか!)しかし誰だ、あのブスヒロインを連れてきたのは。ゴス系美少女女優ならいくらでもいるでしょ |
| スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 |
☆☆☆☆ |
序盤の退屈な展開、まるで中学生のような安っぽくて陳腐な恋愛部分。そして、アナキンのガキっぽいことといったら。そんなこらえ性のない性格でジェダイの騎士になれるわけないないじゃん。でも、後半の圧倒的な戦闘シーン、スペースオペラチックな場面の数々、そしてヨーダ様やドゥクー伯爵の大活躍で、これらの欠点も帳消しだね。ヨーダ最高! |
| アバウト・ア・ボーイ |
☆☆☆☆ |
独身でリッチでグータラな男をこれ以上うまく演じられる人はいない、というヒュー様はもちろん素敵。いじめられっ子のマーカスの描かれ方は思わず涙が出ちゃうほど痛い。中年男と少年の交流というありがちなテーマなのに辛辣な面もあり、さらりとツボにはまって心を打つ。文化祭のギターのシーンには感涙でスクリーンが見えなくなっちゃった。 |
| リターナー |
☆☆☆1/2 |
いろんな有名映画のパクリが何のてらいもなく登場するのは難だが、鈴木杏という女優の魅力はぎゅっとつまっていて、タフで健気で演技力とガッツのある彼女を見ているだけでも価値がある映画だ。金城も日本語を話さなければいいんだけど。あの擬態飛行機だけは、かなりオリジナリティを感じてしびれたよ |
| スパイキッズ2 失われた夢の島 |
☆☆☆☆ |
前作以上にパワーアップして楽しい逸品に仕上がった。敵役のスパイキッズ兄妹のイヂワル加減もグッド。ハーレイ・ジョエル・オスメントの妹はオスメントにそっくりなのが笑えるし、早くも2枚目の嫌らしさがムンムンしている美少年の兄も最高。そしてブシェミのマッドサイエンティストぶりは意外と大人しいけど、彼の創造したハイブリッド動物達の造形は魅惑的で、特に空飛ぶ翼ブタの可愛らしさと言ったら!カルメンちゃんの踊りもキュート。
|
| さすらいのカウボーイ |
☆☆☆☆1/2 |
スーラの絵画のように光が乱反射するオープニングから、黄昏時のマジックモーメントを捉えたこの上なく美しい映像で綴られる詩篇のような夢のような傑作。ベトナム戦争に疲れて家に帰りたい青年達の心境が読み取れる。主人公を待ち続ける妻の、大地に根ざした力強さと複雑な情念と、男同士のあまりにも痛ましい友情のトライアングルも鮮烈。 |
| チョコレート |
☆☆☆☆ |
黒人に対する差別用語を邦題にした宣伝のセンスは最悪と思う。それはさておき、絶望的な状況の中で、「愛」という甘いものではなくただ痛みを分かち合いたい、誰かに必要とされたい、大事にされないという一心で求め合う、痛々しくも美しく本能的な姿には心を鷲掴みにされる。余韻のあるラストも素晴らしい。 |
| モンスーン・ウェディング |
☆☆☆☆ |
インドという国の伝統的な部分と現代的な部分が巧みにミックスされ、社会性を持たせながらも一級の娯楽作品に仕立て上げる手腕は鮮やか。結婚を前に揺れるヒロインの心情もさることながら、ウェディング・プランナーとメイドの恋が微笑ましくて素敵。そして子供達を思う父親の姿が一番心を打つ。マリーゴールドの花を飾りたくなってしまうね。 |
| ドニー・ダーコ |
☆☆☆1/2 |
たしかに2回観ないと納得ができない作品ではある。でも言われているほど難解な作品ではないのでは?冒頭のエコー&ザ・バニーメンの「キリング・ムーン」の雰囲気が最高。80年代、アメリカがヘンになっていく様子が、サバービアの街を舞台に静かに進行していく様子は美しくも恐ろしい。それを少年の妄想と片付ける風潮がもっと恐ろしいというか。 |
| 月のひつじ |
☆☆☆☆ |
人類初の月面着陸を中継したのは、オーストラリアの羊ばかりの小さな町の望遠鏡だったとは!人類にとって大きな第一歩を支えた人たちの、のんびりほのぼのしながらも夢に賭ける姿には胸が熱くなった。一人一人の登場人物たちを丁寧に愛情をもって描いていて気持ちいい。アメリカに対するオーストラリア人たちの意地と心意気にグッと来る。 |
| オースティン・パワーズ・ゴールドメンバー |
☆☆☆1/2 |
冒頭の10分間は椅子から転げ落ちるくらい凄い。なるべく情報を仕入れないで観たほうがいいね。小学生レベルの下ネタの連打(特に影絵!)も、下品だけど爆笑しちゃう。スコッティことセス・グリーンや、マイケル・ケインの活躍ぶりは嬉しい。ドクター・イーヴルの子供時代も可愛い!ただ、前2作品の文化ギャップの笑いが今ひとつはじけていない気はしたけど。 |
| ル・ブレ |
☆☆☆1/2 |
とにかくバカな映画ではあるんだけど、一連のフランス産娯楽映画の中ではかなり面白いほうだと思う。コンコルド広場を転がる観覧車、パリ・ダカールを舞台にしたカーチェイス、そして3つ子の黒人警官、ロッシ・デ・パルマのマンボシーンなどコテコテでダイナミックなギャグは笑える。主人公二人の凸凹コンビぶりも楽しい。 |
| ウィンドトーカーズ |
☆☆☆☆(おまけ) |
ナバホインディアン役のアダム・ビーチはいい。差別される側の気持ちと、それゆえ任務に懸命に打ち込む様子を体現していた。ニコラス・ケイジの役もある意味ナバホに近いところがあるのだが、彼らの文化に影響を受けていく様子が十分描かれていなかったのが残念。戦闘シーンが多いのはまあいいとしても、メリハリがなく平坦な印象を受ける。ラストの男泣きシークエンスはさすがジョン・ウーお手のもの。 |
| バイオハザード |
☆☆☆1/2 |
ミラ・ジョヴォビッチの硬質なセクシーさはこの役に打ってつけ。「これが終わったら一発やりたい」という三白眼娘ミシェル・ロドリゲスの名言も素晴らしい。お話には最初から期待していないし、古今ゾンビ映画からの引用だらけだが、ゾンビ犬への飛び蹴りといい、ダークな終わり方といい、なかなか楽しめる作品である。 |
| 天国の口、終わりの楽園 |
☆☆☆1/2 |
実はメキシコ版「アメリカン・パイ」みたいな映画なんだけど、頭の中はエッチばかりな男の子二人の裸が満載でビックリ。映像も美しいし、若さゆえのバカっぽいところもなかなか楽しい。しかし、ヒロインが出っ歯で全然魅力がないため、説得力が相当減ってしまった。メキシコにはもっときれいな女優がいっぱいいるんじゃないの?それに、結末が最初からバレバレなのはいかがなもんでしょうか。 |
| イン・ザ・ベッドルーム |
☆☆☆☆ |
あの夫婦が最後の結論に到着するまでの息苦しいまでの苦悶。そして結論を下した後の寒々しい空気が突き刺さる。「被害者にとっての真の救済とは」と思うとやりきれない。9.11以降の米国社会を抜きにしては考えられない部分がある。高まり行くサスペンスに、少しも目を離すことは出来ない。まさかこのような展開になるとは!トム・ウィルキンソン、シシー・スパイセクとも素晴らしい。 |
| エヴリバディ・フェイマス! |
☆☆☆1/2 |
テンポが良くて笑わせてくれるコメディ。特にマネージャーおやじは最高。ただし、誘拐犯になってしまうお父さん、彼の苦境があんまり描かれていないのでちょいと暴走しすぎに見える。あと、あの娘はスターになったところで絶対に一発屋で終わりだな。だってブスで歌も上手くないもん。 |
| スクービー・ドゥー |
☆☆☆ |
マシュー・リラードは面白いし、サラ・ミシェル・ゲラーのアニメキャラのような衣装と可愛さは流石だけど、ちょっとこのノリは原作を知らないと辛いな。上映時間が短い割に思いっきり中だるみ。 |
| トータル・フィアーズ |
☆☆☆1/2 |
原爆が爆発された直後に、グラウンド・ゼロあたりをうろうろして無事で済むわけないでしょ、ベンくん。核の被害がかくのごとく軽すぎ描写は問題あり。娯楽作品としては手に汗を握る、なかなか面白い映画だけど、現実のアメリカ大統領があそこまでアホなわけないよね…いや、実際もこれくらいアホかも(以下自粛) |
| エイゼンシュタイン |
☆☆☆☆ |
たしかに低予算でしょぼい映画だけどエイゼンシュタインという20世紀の怪物のケッタイなところは過剰なくらいに描かれていて、すごく楽しめてしまいましたわ。「イワン雷帝」でスターリンを激怒させながら踊り狂って、心臓発作を起こして死んじゃうなんて、なんて凄い人生。「イワン雷帝」どこかで上映しないかしら。 |
| プレッジ |
☆☆☆1/2 |
ゆるみのないタイトな演出の中で、少しずつ狂っていくジャック・ニコルソンが怖すぎ。そしてこれだけ後味が悪い映画もなかなかないのでは?とにかく「シャイニング」よりも怖いニコルソンが堪能できる。アメリカの田舎の自然を捉えたシネマトグラフィが実に美しい。 |
| 青い春 |
☆☆☆☆ |
校舎の屋上の黒い影、墨のような色で染め上げられた校舎の壁、そして一晩中屋上で立ち尽くす青木の姿と変わり行く空の色−映像表現の秀逸さに目を瞠らされる。破滅へと突き進む青木の姿はあまりにも痛々しい。 |
| チキン・ハート |
☆☆☆☆ |
独特のとぼけた味がクスリとさせる、脱力コメディの体裁を取った真面目なお話。三者三様の生き様がそれぞれ個性的だけど、特に清志郎のアナーキーでやがて物悲しい生き方は、中途半端に生きている身にはちょっと胸にこたえる。 |
| アイス・エイジ |
☆☆☆☆ |
キャラクターは日本人好みじゃないし、モンスターズ・インクと似たところもあるストーリーだけど、つぼを押さえたウェルメイドな映画ではある。特に壁画のマンモスが動き出すシーンには思わず涙がじわり。爆笑問題の太田による吹き替えもなかなか良い。 |
| この素晴らしき世界 |
☆☆☆☆1/2 |
あまりにも過酷でひどい現実を描いているのに、ついつい笑いが漏れてしまう素敵な悲喜劇。どんな人間でも、時には支えあって生き抜いていかないとならんのだなあ。生き抜いていくための苦し紛れの知恵が、結果的には幸せをもたらしていくから、捨てたものじゃない。 |
| ゴースト・オブ・マーズ |
☆☆☆☆ |
イケイケドンドンのカーペンター流西部劇。CGに頼ることなく、肉体一本で戦っている様子がスカッと爽快。またカーペンター自作自演にアンスラックスが共演した音楽がもう最高!いつまでも耳に残ってしまって。多少首や手足が飛ぶのを見るくらいなら平気な方なら、ぜひ。 |
| タイムマシン |
☆☆☆1/2 |
ILMとデジタルドメインによる、目のくらむばかりのCGはお見事。しかし、タイムマシンに乗って見に行った80万年後の未来は…。いきなりB級映画に変貌しているのでビックリ。ジェレミー・アイアンズくん、あんな役やっていていいんですか?ある意味とーっても面白い映画なんだけどね。 |
| 少林サッカー |
☆☆☆☆1/2 |
中年の不恰好な負け犬オヤジたちが、少林拳で結束して人生の敗者復活戦にかけ、誇りを取り戻する姿に号泣!饅頭娘ムイの涙でしょっぱい饅頭でさらに滂沱の涙!でもって「火星人は火星に帰れ!」だもの。最強のギャグ映画にして泣ける感動大作!四の五の言わずにとにかく観なさい。 |
| ハッシュ! |
☆☆☆☆1/2 |
女性の人物像の描き方はやや極端な感じがしなくもないけど、片岡礼子の、とてもリアルで率直な人間像には素直に共感。生きていく上でのささやかな喜びをこれほどまでに正直にウソのない言葉で表現した映画はなかったかもしれない。まだあきらめちゃ、ダメなのだ。 |
| スコーピオン |
☆☆☆1/2 |
よくもまあ、こんなに派手で中身がなくてバイオレントなバカ映画を作ったものだ。吹っ切れたようなブチ切れ極悪人を演じるケヴィン・コスナーは見直したけど。最初と最後はとっても派手で盛り上がる。中でも、クルクルと逆さ釣りになりながら回転するアイスTは必見の爆笑ポイント。手癖の悪いガキもいい。子供を捨てて金を持ち逃げする年増コートニー・コックスのキャラクターは途中で死んで欲しかったけど。 |
| 華の愛−遊園驚夢 |
☆☆☆1/2 |
ダニエル・ウーの彫刻のような裸体を執拗に舐め回すキャメラは、やらしいですね〜。宮沢りえの童女のような独特の人間離れした美しさや素晴らしい衣装、耽美的な美術はため息ものだが、物語には期待しないように。滅び行くものの儚い美しさの小宇宙に酔いしれる2時間。 |
| 父よ |
☆☆☆☆1/2 |
思わず魂が震えてしまうほどの、渋いフィルムノワール。ギャンブラーの父が息子の命を救うために奔走するのだが、不器用なゆえ息子には何も言うことができない。父へ与えなければならない愛を、見せることができなかった息子の、悔やんでも悔やみきれない悔恨がひしひしと感じられて、切ない。これぞ男のドラマ。 |
| ブレイド2 |
☆☆☆1/2 |
アクションが期待したほどではなかったのは、ドニー・イェンが途中降板したせい?もっとブレイド自身の活躍が見たかったわ。でもプラハロケのゴシックな雰囲気やアンデッドの造形、さらにはノーマークの涙を誘うキャラクターの秀逸さにはかなりしびれた。ウェズリー・スナイプスはサングラスを外すと凄く可愛いのね。 |
| 模倣犯 |
☆☆ |
う〜ん…。人間を「デジタル」と「アナログ」に分けようとする価値観そのものが、ものすごくダサくて古臭いんじゃないかな。ピースは中途半端に「母の愛が足りないからああいう性格になった」ではなくて、もっとカラッポで悪い人に描いて欲しかった。ラストのCGと赤ちゃんにも萎え。役者はみな健闘していると思うけど。 |
| マジェスティック |
☆☆☆☆ |
フランク・キャプラの世界そのまんま、という感じではあるけど、言われているほど予定調和ではなく、ちゃんとダークな面もあるお話。戦争で傷ついた人たちを癒すものは何か、というテーマには、フランク・ダラボンの心優しさが感じられる。ジム・キャリーはクラシックな二枚目役が似合うね。 |
| セッション9 |
☆☆☆1/2 |
大きな年老いた鳥が翼を広げたような、実際の精神病院の廃墟そのものという舞台装置が恐ろしくてたまらない。「シャイニング」の如くこの場所に取りつかれて静かに狂っていく男たちの様子も怖いが、終わり方はちょっと腰砕け。それでも、叫びそうになるほどの根源的な怖さは感じる。
|
| ワンス・アンド・フォエバー |
☆☆☆☆ |
戦闘シーンには近年の「プライベート・ライアン症候群」が感じられるが、正統派の重厚な戦争映画だ。ベトナム兵の描写は取って付けたような感じが否めないが、それでも美しい。銃後の家族の描写はあまりにもベタだ。だけど、戦争というものが、兵士やその愛する者に、どのような傷を与えるものかということだけはちゃんと描かれている気がする。 |
| スコーピオン・キング |
☆☆☆☆ |
まったく予測を外さない、意外性のかけらもない、限りなく中身の無いストーリー展開。ごくごくオーソドックスな筋肉活劇。でも、ロック様のユーモラスな魅力は120%発揮されている。CGやワイヤーに頼らない生身のアクションは楽しい。そして、黒帯保有者ケリー・ヒューのほとんど裸同然のセクシーな衣装は女性から見ても魅力的! |
| きれいなおかあさん |
☆☆☆☆ |
中国の庶民の日常生活がふとした描写ににじみ出ている。目にするものすべてを言葉にして子供に教えていくコン・リーの素朴な姿。決して100%良い子ではない、自我の芽生えつつある息子。一つ一つのディテールの描写が細やかで心にじんわり染みる。 |
| ナショナル7 |
☆☆☆☆1/2 |
障害者といえども聖人君子ではない!性格の悪い障害者もいるし、人間だからセックスがしたくてたまらないのも当然。最初は最悪にいやな奴だった筋ジストロフィー患者のルネがとっても素敵な人に見えてくるから不思議。実話ベースだけど、エンターテインメントとしても滅法面白くてやがて切ない映画。 |
| 愛しのローズマリー |
☆☆☆☆ |
「ナショナル7」同様身体障害者でイケている人を描いていたり、独特の刺激的だけど心優しいワールドが展開しているピュアな恋愛映画。グウィネス・パルトロウが意外と可愛くてびっくり。特に太っているときの彼女のほうが魅力的だというのが…。 |
| 突入せよ!あさま山荘事件 |
☆☆☆1/2 |
エンターテインメントとしては楽しめるんだけど、わりと淡々としていてメリハリに欠ける気がする。山荘内の位置関係が非常にわかりにくくて、ちょっとイライラ。てゆ〜か、この映画ってもしかしてコメディですか?長野県警のアホさ加減は滑稽としか言いようがなくて、関係者が見たら怒りそうだな。あと、役所広司と藤田まこと以外の役者の滑舌が悪すぎで、何言っているのかわからないことがある。監督の息子が標的にならんとふらふら頭出しているのが苛立たしい。 |
| 翼をください |
☆☆☆☆ |
恋に溺れてしまうあまり突っ走ってしまうパイパーベラーボの激しさには、女優としての非凡さが伺えて心をえぐるものがあった。夜の森や寄宿舎の部屋から立ち上る(夜間シーンの撮影の美しさは犯罪的!)、少女たちの体臭と森の湿った匂いがかぐわしく漂う、美しい映画。 |
| ノー・マンズ・ランド |
☆☆☆☆ |
戦争の原因になる憎悪というのは一体何なのか、戦争に巻き込まれたときに、普通の平凡な人間はどのように振舞うのか、平和のために何ができるのか、考えずにはいられない映画。黒い笑いを引き出しながらも、悲しさと無力感で胸がいっぱいになってしまう。だけど、この無力感こそが、戦争が地上からなくならない原因の一つなのだろう。とにかく平和をもたらすためにも、この映画を多くの人に観てもらいたいと思った。 |
| スパイダーマン |
☆☆☆☆ |
悩めるヒーロー像と、悩める恋する若者像がピタリと合っていて、とっても甘酸っぱくビターな感触のする青春ヒーロー映画。大きな力を手にしながら、それゆえ苦悩も大きくなる生身の青年役を、トビー・マグワイアが好演。ニューヨークの街を自在に動き回るジェットコースター的な感覚も楽しい。あとは、もうすこしウィレム・デフォーが暴れてくれたら言うことなしだったけど、でも彼も十分やってくれている。 |
| バーバー |
☆☆☆☆ |
ロジャー・ディーキンズのシネマトグラフィの完璧なまでの美しさに思わず息を呑む。光と影のコントラストが強調されたモノクロ画面にはもううっとり。終始一貫ヴォイスオーヴァーによるナレーションが続き、漂う紫煙といい、雰囲気はハンフリー・ボガードの映画そのもの。その中にUFO!が出てくるんだからコーエン兄弟ったらもう! |
| ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ |
☆☆☆☆1/2 |
「魂を鷲掴みにする系」の、圧倒的な作品。失われたカタワレを求めて漂泊するヘドウィグの裸の魂は胸に突き刺さる。アニメーションで表現された「愛の起源」の中に秘められた、人の営みのいとおしさよ。そしてロックの魂よ!楽曲もそれぞれ素晴らしく、最大音量で聴きたい。そして今度はぜひカラオケナイトに挑戦したい! |
| アメリ |
☆☆☆☆ |
お洒落系映画に見えながらも、相当歪んでダークな世界観がとってもいい感じ。人にはお節介を焼くくせに、自分の恋のことになると途端に内気になって、ぶきっちょで突飛な行動に出るアメリのシャイさはやっぱりいいよね。 |
| アリ |
☆☆☆1/2 |
本物のヘビー級ボクサーと対決する肉弾戦のようなボクシングシーンは、本物のタイトルマッチを見ているようで凄い迫力。ベトナム戦争の徴兵忌避のあたりのエピソードも骨っぽくてカッコいいし、独特のラップのようなハイテンションな喋りもしびれる。サム・クックなどソウルミュージックの使い方も良い。しかし、ただただウィル・スミスの顔のアップを映すだけでは、アリの心の中の葛藤はなかなか見えてこない。 |
| サウンド・オブ・サイレンス |
☆☆☆1/2 |
ブリタニー・マーフィの登場シーンあたりはおっ!と思ったけど、マイケル・ダグラスに簡単に心を開いちゃうし、途中まではなかなかダークな雰囲気で面白そうなサスペンスだったのに、結局は殴り合って終わりというのはいかにもハリウッド的で拍子抜け。私のショーン様をそんなにいじめないで!アヒル顔少女ブリタニーは危うい魅力があって今後に期待。 |
| パニック・ルーム |
☆☆☆☆ |
びっくりするくらい「普通の話」だけど、シンプルなストーリーを緊張感あふれるものに仕上げる技が光る。懸命に生き抜く母の強さと女の強さをジョディに感じた。スタイリッシュな演出や見せ方の工夫はさすが。 |
| アトランティスのこころ |
☆☆☆☆ |
失われゆく少年時代への哀惜の念が痛切に伝わってくる、美しく繊細な映画。二人の子役が素晴らしい。子供のことを愛さない母親役の憎憎しさもうまい。アンソニー・ホプキンスがいいのは言うまでもないが。 |
| スパイダー |
☆☆☆1/2 |
決して悪くはない。「アトランティスのこころ」「サンキュー・ボーイズ」にも出ている天才少女ミカ・ブーレムちゃんはここでも存在感たっぷり。モーガン・フリーマンも安定感があっていい。あっと驚くどんでん返しがあるのだけど、そのどんでん返しがあまりにも唐突なのが欠点といえばそう。これがもう少し鮮やかに。説得力をもちつつ語られていたらよかったのだけど。 |
| ドッグスター |
☆☆☆☆ |
元盲導犬が人間の姿をしているという設定の豊川悦司、本当に犬みたいに見えてくるから不思議。泉谷しげる、石橋凌という二人の役がとても生き生きしていて楽しい故、さらに切なくなるファンタジー。動物の可愛らしさにも負けていません。随所にピンク映画の瀬々らしいエッジの効いた演出が見られるのがいい。
|
| ドリアン ドリアン |
☆☆☆☆ |
流行の自分探しの物語なんだけど、迷いながらも非常に潔く凛としているヒロインの姿がとても清々しい。猥雑な香港の魅力とそこに生きるたくましい人々が生き生きと封じ込められていて、元気が出てくる。 |
| 光の旅人 K-PAX |
☆☆☆☆ |
バナナを皮ごと食べ、犬と話すケヴィン・スペイシーだけでも必見。という冗談はさておき、非常に知的で謎に満ちた、独創的な映画。プロートが宇宙人かそうではないかはもはや大きな問題ではないのだ。そして人間の心に宿った深い哀しみこそが、他人を癒すものなのか、と考えさせられたのだった。 |
| クレヨンしんちゃん アッパレ戦国大合戦 |
☆☆☆☆1/2 |
しんちゃん映画にハズレなし!今回の本格的時代劇、合戦シーンは「グラディエーター」より燃える!そしておまたのおじさんと姫との恋の端正な描写の切なさといったら。姫が裸足で駆け出すシーンは「春婦伝」の野川由美子を想像してしまいました。でも、しんのすけのお尻も大活躍するし、相変わらずのしんちゃんワールドが展開。傑作! |
| 鬼が来た! |
☆☆☆☆1/2 |
とにかく圧倒的な展開にはもはや唖然とするしかない。黒いユーモアと、絶妙のやり取り、そして最後のカタストロフィまで、2時間20分間一気に見せる。日本人として、あの終わり方にはいろいろ言いたいことがある人も多いようだが、イデオロギーとか歴史認識の話をこの映画に持ち込まれるのは間違っている。どっちが悪いという問題ではなく、これが戦争というモノだってことだよ。 |
| キューティ・ブロンド |
☆☆☆☆ |
最高に元気が出る、楽しい映画。お堅いロースクールで浮きまくっても、ハデハデカリフォルニアブロンドガールルックをやり通すリース・ウィザースプーンがとっても素敵。彼女のファッションとか、独特のヘンな歩き方とか、長いアゴとか上を向いた鼻まで可愛くなってしまう。若い女の子にはぜひ見て欲しい映画。 |
| アザーズ |
☆☆☆☆ |
陰鬱な屋敷の中でひっそりと暮らすニコール・キッドマンのクラシックなクールビューティぶりに酔う。彼女の演技力も半端でないことが証明された作品。この薄暗闇の感覚は癖になる。ネタは割れても面白い作品。 |
| ミモラ 心のままに |
☆☆☆☆ |
インド映画界の圧倒的な美意識の高さに酔いしれる3時間。ヒロイン、アイシュワリヤ・ライの美しさもさることながら、美術、衣装、音楽、踊り、すべてがため息の出る豪華絢爛な美しさ。彼女の夫の無償の愛には、思わず涙。 |
| ピンク・フロイド/ザ・ウォール |
☆☆☆☆ |
20年前の作品だが、今観ても非常に斬新。めくるめく不条理な悪夢の世界は本当に恐ろしい。ピンク・フロイドのファンの方はぜひ! |
| 陽だまりのグラウンド |
☆☆☆1/2 |
キアヌってやっぱり演技下手!しかし彼にはボンクラ役が似合うね。どんなアホを演じていても、大根役者でも憎めないのはお得。ダイアン・レインの枯れた大人の女っぷりが素敵。そして黒人少年たちの瞳の輝き!彼らを取り巻くあまりにも過酷な環境。それだけに、ちょっと哀しすぎるお話でもある。 |
| コラテラル・ダメージ |
☆☆☆ |
ジョン・タットゥーロ、ジョン・レグイザモという曲者役者がいきなり登場してすぐ消えていくというもったいない使い方!レグイザモはいい味出していたけど。テロに対して無座別武力攻撃をしてイカンという至極真っ当な主張が、今の社会情勢でどれくらい本気にされるのかな。シュワは老いたね。フランチェスカ・ネリも良い。 |
| トンネル |
☆☆☆☆1/2 |
2時間46分の長さを全く感じさせない、重厚で感動的な作品。こんなにドラマチックな話が実話だなんて!自由を求めて闘った普通の人々の生き様を鮮烈に描くとともに、愛と自由の戦い半ばで散っていった人たちへの鎮魂歌にもなっている。 |
| 恋ごころ |
☆☆☆☆ |
前半ちょっとつらいところもあるけれども、流れに乗ってしまうとすんごく楽しい映画。複数の相手の中を揺れ動く登場人物たちが、それぞれに可愛い。ウォッカ一気呑みによる決闘は、映画史に残る名シーンになるかも? |
| 蝶の舌 |
☆☆☆☆ |
「ミツバチのささやき」を思い出させる、スペインの光あふれる自然が目に染みるほどの美しさ。先生とモンチョ少年の交流がキラキラと輝くだけに、最後の少年の台詞が哀しみをもって胸に突き刺さる。 |
| メメント |
☆☆☆☆1/2 |
人間にとって記憶とは何か、人間のアイデンティティは果たしてどこに求められるものなのかを考え込んでしまった、哀しい物語。脳味噌フル回転を求められる、知的だが切ないスリラー。自分の存在というものがかくも危ういものだとは!何回でもリピートしたくなる映画。 |
| 殺し屋1 |
☆☆☆☆ |
いや〜残酷ですね。グロイですね。思わず目を背けてしまうシーンも多々あるけれど、それに見慣れてくると大爆笑するしかない映画となる。暴力表現の極北に挑戦した驚異のコメディ。寺島進、凄すぎるよ貴方は。大森南朋の演技の上手さも実感。 |
| ムーラン・ルージュ |
☆☆☆☆ |
キッチュで悪趣味でゲイ感覚満載の、最高に楽しい映画。20世紀のポップカルチャーの膨大な引用のパッチワークにはクラクラする。ニコール・キッドマンのお人形さ的美しさもひときわ。 |
| 千と千尋の神隠し |
☆☆☆☆ |
起承転結はないが、娯楽映画として普通に良くできている。お湯屋の世界観が素晴らしい。ただし、一度見たらもう十分って感じで、過大評価されすぎているふしも。 |
| ミスター・ルーキー |
☆☆☆1/2 |
ダメなところとか、穴はいっぱいある映画だけど、楽しくていい気分になれる作品。何よりも、本物の阪神の選手、本物の応援団、そして相手チームも社会人野球の選手が演じていて、野球に対する本物の愛が感じられるのがいい。しかも、あのスーパースター、ランディ・バースを代打に使うなんて、ズルイ。長島一茂も想像していたよりずっと良かった。 |
| 友へ/チング |
☆☆☆☆1/2 |
少年時代の生き生きとした描写が眩しいだけに、その後彼らがたどることになる運命の切なさ哀しさが胸に突き刺さる。やくざのメンテリティは日本映画からの影響がバリバリ感じられて興味深いけど、韓国人はやっぱり情がむちゃくちゃ濃い。欲を言えば、極道の道に進まなかった二人の描写をもう少し見たかった気がするが。撮影も実に美しくて見事。 |
| とらばいゆ |
☆☆☆☆ |
4人の俳優がそれぞれ魅力あふれていて、ポンポンとテンポよく繰り広げられる会話には大笑いするとともに、同じ「仕事を持つ奥さん」として身につまされる部分も。塚本晋也の給料で、リバーシティという高級マンションに住めるのか、という疑問はあるけれども。 |
| D-TOX |
☆☆☆1/2 |
クリス・クリストファーソン、トム・ベレンジャー、ロバート・パトリック、ショーン・パトリック・フラナリー、そしてジェフリー・ライトと脇役が異常に豪華な映画。かなり残虐なシーンも多いしツッコミどころもあるけれども、スタローンは頑張っているし料金分は楽しめるのでは? |
| アニマルマン |
☆☆☆1/2 |
いかにもアダム・サンドラー組っぽいアホコメディ。ひたすらボンクラな主人公が、肉体的にはスーパーな男になってしまったら?をハチャメチャに描いていて、楽しい。「サバイバー」出身のヒロインがものすごく可愛い。 |
| ブラックホーク・ダウン |
☆☆☆1/2 |
墜落して身動きの取れない米兵にうじゃうじゃ襲い掛かるソマリア人が、まるで「スターシップ・トゥルーパーズ」の虫どもに見えてきてしまう映画。一生懸命中立を装うとしているが、やっぱりアメリカ側のワンサイド的描写は目に余る。たしかに、最終判断は観客の目に委ねられているのだが、一方的な事実を突きつけられても公平な判断は出来ないと思うのだが。戦闘シーンの言葉を失うほどのリアリティと残酷ながら美しい映像は流石だが。 |
| ドメスティック・フィアー |
☆☆☆ |
ヴィンス・ヴォーンはどう見たって悪い人にしか見えないんだから、サスペンスの構築にはちょっと失敗しているかも。トラボルタの息子役の少年がジェイミー・ベルを髣髴させる大変な美少年なので、目の保養になった。少年に迫る狂った義父の恐怖感はうまく演出しているんだけど。ブシェミの使い方ももったいない。 |
| able/エイブル |
☆☆☆☆ |
知的障害者の少年二人を追ったドキュメンタリー。環境にさえ恵まれれば、障害をもつことは不幸なことではない、障害を持つことでかえって無限の可能性を秘めているんだいうことを感じさせる。明るく爽やかで前向き、説教臭さとは無縁の素敵な映画。 |
| ビューティフル・マインド |
☆☆☆1/2 |
単なる感動モノかと思うと、意外なところで裏切られるのだが、それが吉と出たか凶と出たかは微妙なところ。狂った天才の目で世界を観られるというのは確かに映画的な体験で、面白いのだけど。ラッセル・クロウの熱演は素晴らしいが、やっぱり数学者には見えない。 |
| 少年と砂漠のカフェ |
☆☆☆☆1/2 |
アフガニスタンとイランの国境を舞台に、アフガニスタン人の少年(しかも現在行方不明)が主人公という、思いっきりタイムリーな作品ではあるのだが、淡々と少年と周囲の人を描いたストイックな作品に仕上がっている。しかし、時折はっとするような見事なカット、疾走する少年の美しい姿、言葉の通じないカップルを通して問い掛けられる愛の本質など、映画でしか決してなしえないあまりにも素晴らしい表現が見られて打ち震えるほどだ。 |
| A2 |
☆☆☆☆1/2 |
日本人だったら絶対に見て欲しい映画である。マスコミそのものが検閲装置なのではないかという疑念。住民運動というものの欺瞞を暴きつつも、オウム真理教(現アレフ)の善良な信者たちのあまりにも危うい現実感を炙り出す。地域住民と信者たちの親しげな交流や、信念を持って抗活動をする右翼団体の姿には、思わず大笑い。そして、とにか今の日本の社会についてく考えさせられる。 |
| 荒ぶる魂たち |
☆☆☆☆ |
奇をてらった作品だけが三池崇史ではない。一見アナクロな仁侠映画のなかに持ち込まれる、詩的な映像表現、滅び行く男たちへのレクイエムは心に染みる。加藤雅也のあまりの美しさに絶句。 |
| 落穂拾い |
☆☆☆☆1/2 |
モノを拾う人々の姿を通しての文明批評なのだけど、とっても奔放に、軽やかでユーモラスに彼らを追っていくアニエス・ヴァルダの姿は、みずみずしさ、若々しさで一杯。拾ったモノだけを食べて生きているサラリーマンとかいるのにはびっくりするとともに、痛快さを感じた。 |
| ヒューマン・ネイチュア |
☆☆☆1/2 |
奇想天外な設定は確かに面白いし、リス・エヴァンスのサル演技は最高。特に、パトリシア・アークエットを初めて見ていきなりオナニー始めるところは大爆笑。出だし20分で一気に状況を説明するところのテンポのよさに比べて、後半急に失速してしまうのが残念。 |
| アメリカン・サマー・ストーリー |
☆☆☆☆ |
前作と比べての進歩はないんだけど、相変わらず「下品なのに爽やかでちょっぴり切ない」な映画で、爆笑の連続。今回はアップルパイではなくて、接着剤ネタが笑い死にしそうになるくらい可笑しいし、物分かりのよすぎるお父さんの登場するタイミングの絶妙さといったらもう!パート3も作って欲しい。 |
| ピアニスト |
☆☆☆☆1/2 |
おそろしく残酷で屈折している話だが、母親の強烈な抑圧の結果生まれた変態性欲というのは、胸にグサグサ痛い。この凄まじい役柄を演じきったイザベル・ユペールの勇気に拍手。ピアノの鍵盤を真上から映す演出はとても斬新で、モノトーンの世界にすごく似合っている。 |
| エネミー・ライン |
☆☆☆1/2 |
アメリカ・マンセー映画ではあるけれども、話の筋は置いておいて、平凡な一人の青年が生き抜くためにひたすら走って逃げるというプロットは悪くない。F18の迫力の撃墜シーンや、ジャージ姿の、目の美しいスナイパーもなかなかよろし。 |
| ロード・オブ・ザ・リング |
☆☆☆☆ |
画面から伝わってくる圧倒的な情報量と迫力に身を委ねる快感。イアン・マッケランとクリストファー・リーのほとんどオーバーアクト合戦、そして暴力的なまでのニュージーランドの自然と、めくるめく世界。できるだけ大きなスクリーンで体感すべし。 |
| モンスターズ・インク |
☆☆☆☆ |
ジョン・グッドマンとビリー・クリスタルの掛け合いの絶妙さといったら!フワフワと可愛いサリーと、おしゃべりで一つ目がお茶目なマイク、こんな怪物と仲良くなりたいわ。ドラえもんへのオマージュも感じてしまって、大人も必見の楽しさ。 |
| マルホランド・ドライブ |
☆☆☆☆ |
リンチにしてやられた!予想していたとはいえ、あんなにクラクラするような展開になるとは。今も頭の中はクラクラシテイル。「サンセット大通り」へのオマージュもあり、映画好きには絶対に見逃してはならない映画。 |
| レイン |
☆☆☆☆ |
物語よりも、スタイリッシュでエモーショナルな映像を楽しむ作品。香港時代ジョン・ウーのノワール作品が好きな人にはぜひともお勧め。主人公やヒロインのルックスもいいし(これは意外と大事な要素)、泣ける。 |
| スパイキッズ |
☆☆☆☆ |
何も考えずに楽しめる一級のエンターテインメント。ピーウィ・ハーマンを思わせる悪のテレビスター、アラン・カミングと彼の創造したクリ−チャーたちはもう最高。ダニー・トレホ、チーチ・マリン、ロバート・パトリックなどロドリゲス作品常連キャストも嬉しい。 |
| プラットフォーム |
☆☆☆1/2 |
中国の10数年間の変化が、ファッションや音楽に出ていたりするのは非常に興味深かったけど、時間経過が全くわからないのと、男性登場人物の個体識別が非常に難しい映画だった。3時間近い上映時間、終始ロングショットだった割には退屈しないのは大したものであったが…。 |
| 耳に残るは君の歌声 |
☆☆☆1/2 |
まるっきり少女漫画の世界なので気恥ずかしくなってしまうけれども、主演4人の見事な演技は堪能。大きなテーマを意外とあっさりと仕上げてしまうところがやや物足りない。クリスティーナ・リッチが大人っぽくなっているのにはちょっと驚き。 |
| インティマシー/親密 |
☆☆☆☆ |
肌に寄り添うような、寂寥感が漂うベッドシーンの描写は濃密で忘れがたい印象を残す。彼女を彼が追うところ、セックスが愛に変わる瞬間を上手に描いていると思う。 |
| おいしい生活 |
☆☆☆ |
成り上がり者が必死に教養を身につけようとするところなど、面白いことは面白いのだけど、非常に淡白な印象が残るのはなぜだろうか。トレイシー・ウルマンやエレイン・メイ、ヒュー・グラントという芸達者に囲まれるとウディ・アレンは精彩に欠けること夥しい。 |
| アモーレス・ペロス |
☆☆☆☆ |
冒頭の畳み掛けるような展開から、息もつかせない2時間30分!3つの物語の絡み合い方は絶品。犬の姿に人間の生き方をなぞらえた語り口も見事。どうしようもない愛、激しい愛、どうにもならない愛が胸をえぐる。実にラテンアメリカ的。 |
| バスを待ちながら |
☆☆☆☆ |
いや〜楽しい映画でした。構成もびっくりするくらい上手い。人間、ピンチのときにも慌てないでイライラしないで、状況を楽しむくらいの余裕がないといけませんね。バスが来なかったりするのは大変だけど、キューバに住みたくなってしまいますわ。 |
| ラット・レース |
☆☆☆☆ |
欠点はいくらでも挙げられる映画だが。ナチス・ギャグ、動物虐待系ギャグ、心臓移植ギャグなどの超アナーキー・ギャグのつるべ打ちに、腹筋が痛くなるほど笑いっぱなし。ジョン・ロービッツのホワイトトラッシュ家族は何をやっても可笑しすぎ!そしてリスおばさん! |
| オーシャンズ11 |
☆☆☆1/2 |
魅力のかけらもなくオカマのようにしか見えない(なんて言ったらオカマに失礼ですね)ジュリア・ロバーツには目を覆いたくなる。カール・ライナーなどのベテラン勢はいい味を出しているし、洒脱な雰囲気はあるのだが、ジョージ・クルーニーも「アウト・オブ・サイト」のときほどの魅力はなし。 |
| ハートブレイカー |
☆☆☆☆ |
何も考えずに、芸達者な3人-シガニー・ウィーヴァー、ジーン・ハックマン、レイ・リオッタの演技を堪能できる楽しい映画。特に不気味な老人のハックマンはお腹が痛くなるほど笑わせてくれる。 |
| バンディッツ |
☆☆☆☆ |
ボニー・タイラーの「ヒーロー」に乗って踊り狂っていたケイト・ブランシェットが、男二人を翻弄するファム・ファタルに変身して行く様子が一番の見所。「明日に向かって撃て」を意識しているけれども、そこまでの質には至っていない。80年代洋楽好きにはたまらない映画ではある。 |
| 私は好奇心の強い女 |
☆☆☆1/2 |
猥褻とは程遠い、60年代の政治とポップカルチャー、恋愛がビビッドに描かれている作品で、少しゴダール風味。ヒロインのワガママすぎるバディはそれでも魅力的。今でもこのタイトルは秀逸。 |
| フロム・ヘル |
☆☆☆1/2 |
娯楽性と政治性の両立を目指した意欲的な作品。ダークな19世紀ロンドンの描写はなかなか魅惑的。階級闘争を裏テーマに置いているところもいい。ただ、サスペンス面は弱く、この監督の力量からすればさらに面白くすることはできたのではないかと思う。 |
| 息子の部屋 |
☆☆☆☆ |
派手さは一切ないが、深く静かな悲しみが胸に染み入って、時間がたつとさらに味わい深くなる。ブライアン・イーノの使い方は絶妙。ぜひとも繰り返し見てみたい作品。 |
| 青い夢の女 |
☆☆☆1/2 |
ジャン・ユーグのオルガに対してどうしようもなく惹かれる気持ちが表現できていないなど、ダメな点もたくさんあるんだけど、死体を抱えて右往左往のコメディとしては、なかなか黒い笑いが炸裂していて楽しかった。特に墓場での一件には爆笑。 |
| ひかる源氏物語 千年の恋 |
評価不能 |
新年早々とんでもない怪作を見てしまったという感じ。斬新というか大胆な演出にはびっくり。ツッコむことを目的に見ればそれなりに楽しめる作品ではある。あ〜あ。松田聖子は凄すぎるよ。 |
| ムッシュ・カステラの恋 |
☆☆☆☆ |
おフランスな大人の恋話(こいばな)。ハゲ&ヒゲ、センスがなくて政治的に正しくない発言を思わずポロリのカステラ社長が途中からこの上なくいとおしく、可愛く見えてくる。ヒロインより、アニエス・ジャウィ監督が演じる、麻薬密売人のバーの女のほうがずっと素敵。 |
| アメリカン・スウィートハート |
☆☆1/2 |
「オーシャンズ11」に引き続き、ジュリア・ロバーツの魅力のなさが致命的な映画。やはり彼女はビッチなヤンキー女しか似合わないのだよ。しかも、姉の夫を略奪する地味でやな女に、誰が感情移入できるものか。ゴーマンなスター女優を楽しそうに演じているキャサリン・ゼダ=ジョーンズのほうが数倍役者が上。 |
| 不実の愛、かくも燃え |
☆☆☆☆ |
ずどーんとヘヴィな映画だが、ベルイマンの脚本はなんともいえない重厚な迫力に満ち、心の襞と人間の闇を描いている。不倫愛の末の結末の恐ろしさにはたじろいでしまった。 |
| 夜風の匂い |
☆☆☆☆ |
ドヌーヴはすっかり老けてしまったけれども、年齢が生む迫力は凄絶なものを感じる。幾多の死を乗り越えてきたフィリップ・ガレルの生き方と想いが染み込んでいる、美しく厳しいレクイエム。 |
| カタクリ家の幸福 |
☆☆☆☆ |
今年(まだ2月だけど)一番笑った映画。シュヴァンクマイエルを意識したクレイアニメといい、サウンド・オブ・ミュージックしちゃっている爽やか過ぎるエンディングといい、最高!可笑しくてちょっと不気味でブラックだけど、ちゃんと家族の情愛も描かれている。出演者もそれぞれ楽しいけど、中でも一番ぶっ飛んでいるのは丹波哲郎@79歳。 |
| アタック・ナンバー・ハーフ |
☆☆☆☆ |
見ている間はとても楽しかったので、野暮なつっこみは入れない。 |
| 魚と寝る女 |
☆☆☆☆ |
この上なく幻想的で悪夢のような完璧なまでの美しさ残酷さを備えた、愛の寓話。釣り針をあんなふうに使ってしまうとは。 |
| ビヨンド・ザ・マット |
☆☆☆☆ |
プロレスの映画だと思っていたのに、ホームドラマを見せられるとは。究極のショウビジネス。自ら悪役レスラーになって笑いながら傷の手当てをするヴィンス・マクマホンすごすぎ。 |
| 天国から来た男たち |
☆☆☆☆ |
三池作品にしては普通だけど、普通に濃くて楽しい。遠藤憲一凄すぎ。 |
| A.I. |
☆☆☆☆ |
想像をはるかに超えたダークな世界観と残酷さ。スピルバーグらしさとらしくないところの共存。 |
| レクイエム・フォー・ドリーム |
☆☆☆☆ |
エレン・バースティンの狂気の演技にはぶっ飛んだ。命綱なしバンジージャンプの映画。冷蔵庫怖い。 |
| センターステージ |
☆☆☆1/2 |
王道青春ストーリーだが、ダンスシーンはさすがに素晴らしい。ヒロイン美人だけど体型はあまりバレエダンサー向きじゃない。 |
| ベンゴ |
☆☆☆☆ |
アンダルシアのロマの人々に流れるあまりにも濃密な血の情念。そして彼らの血そのもののフラメンコは、何よりも雄弁。 |
| テイラー・オブ・パナマ |
☆☆☆☆ |
実はブラックな風刺映画。タカ派ディラン・ベイカーに大笑い。ブロスナンの胡散臭さも○。 |
| ディボーシング・ジャック |
☆☆☆☆1/2 |
地味な公開だけど、テンポが良くて滅法面白くてブラック!見ないと損。 |
| ザ・コンテンダー |
☆☆☆☆ |
骨太の政治映画。ジョアン・アレンがカッコいい。G・オールドマンの髪型が見もの。 |
| ディスタンス |
☆☆☆ |
意欲作だけど、成功しているとは言い難い。オウムを生んだ世界の本質から目をそらしている。 |
| ジャニスのOL日記 |
☆☆☆ |
つまらなくはないんだけど、嘘つきの主人公があまりにもブスだと感情移入しにくい。 |
| 姉がいた夏、いない夏 |
☆☆☆1/2 |
もはやこの世にいない存在なので仕方ないのだけど、「姉」像が希薄なのと、妹の成長ぶりが今ひとつ良く描けていない。時代性も足りない。 |
| ハムナプトラ2 黄金のピラミッド |
☆☆☆☆ |
サービス精神の塊のような映画。時々椅子から落ちそうになったけどそれもいとおかし。 |
| JSA |
☆☆☆☆1/2 |
私たちには彼らの心の痛みはわからないと思うけど、胸にしみる。 |
| ロマンスX |
☆☆☆ |
出産シーンのモロ性器&産道を通り抜ける胎児の描写はトラウマになる。ロマンスはない。 |
| 点子ちゃんとアントン |
☆☆☆☆ |
子供の描写は生き生きとしていてすごくいい。ミュージカルシーンの映画的な快感も最高。大人(特に点子ちゃんの母親の葛藤など)の描写はやや物足りないが。 |
| DENGEKI |
☆☆☆1/2 |
交通整理したりスタンガンでいじめられたり暴力傾向を抑えるセラピーに通わされる哀愁のセガールは見もの。ワイヤーアクションでも頑張っています。 |
| クレーヴの奥方 |
☆☆☆1/2 |
いいんだけど、恋人役のロック歌手が松山千春もどきのハゲサングラスオヤジだったのに萎え萎え。 |
| こころの湯 |
☆☆☆☆ |
定石通りだけどほろりとさせられる。いい話だけど苦いところもあるのがまたいい。 |
| ドリヴン |
☆☆☆1/2 |
観ている間は決して飽きない、こってりゴージャス大味エンターテインメント。シャッターを押す謙虚なスタローンはなかなかイイ感じ。 |
| 焼け石に水 |
☆☆☆1/2 |
70年代風のインテリアや時代考証がとてもお洒落。そして、アンナ・トムソンの切ないキャラクターが心に響く。残酷で美しい愛のおとぎ話。 |
| 王は踊る |
☆☆☆1/2 |
美術の豪華絢爛さ、ブノワ・マジメルの残酷な美しさは素晴らしいが、人間はあまり描けてない。目の保養にどうぞ。 |
| チアーズ! |
☆☆☆☆ |
決して美人とはいえないキルスティン・ダンストがとっても魅力的。スポ根映画だけど、ちゃんと文化系やゴスにも目配りしているのがいい。そして競技シーンの驚くばかりの技! |
| シャドウ・オブ・ヴァンパイア |
☆☆☆☆ |
もうウィレム・デフォーったら凄すぎ。そんなにメイクしていないのにあんな顔になってしまうなんて!マックス・シュレックの狂気に当てられてムルナウまで吸血鬼っぽくなってしまうし。 |
| ジュラシック・パーク3 |
☆☆☆1/2 |
何も考えなくて楽しめるジェットコースタームービーとして良くできている。ティア・レオーニの役はバカすぎ。 |
| パール・ハーバー |
☆☆ |
まあ、予想通りの作品です。看護婦がみんなケバイ。戦争がなくてもあのカップルは別れるでしょう。 |
| 猿の惑星 |
☆☆☆1/2 |
こんなもんでしょう。やたら猿がウッキーと飛び跳ねているのには、一人でくすくす笑ってしまったわ。 |
| コレリ大尉のマンドリン |
☆☆☆1/2 |
ヒロインの父親役ジョン・ハートと、婚約者のクリスチャン・ベールが素晴らしい。ナチス将校の苦い涙も印象的。 |
| 純愛譜 |
☆☆☆☆ |
別の国に住む二人の男女がラストまで出会わない、お互いの存在すら気づかないにもかかわらず、それぞれの心の揺らぎがしっとりと描かれていて新鮮。美しい映画。 |
| 恋は負けない |
☆☆☆☆1/2 |
田舎者の主人公が「負け犬」と都会人の同級生に馬鹿にされる姿、苦学生のヒロインの都合のいい女ぶりに胸が痛む。切なくて愛すべき青春ドラマの佳作。 |
| クイーン・コング |
評価不能 |
いや〜バカだわ。でも、色っぽい水着のお姉ちゃんはいっぱい出てくるし、広川太一郎の悪ノリ吹き替えは楽しい。そしてあの恐竜の造形といったら…絶句。 |
| VERSUS |
☆☆☆1/2 |
ジョン・カーペンター+サム・ライミ+ロバート・ロドリゲスに「WiLD ZERO」風味を振りかけて3で割った感じ。とりあえずガチンコアクションだけはよく出来ている。ヒロインがあまりにもイモ臭くて猛烈に殺意を覚えた。 |
| キス・オブ・ザ・ドラゴン |
☆☆☆ |
ジェット・リーは魅力的に撮れているものの、キャメラが全然追いついていないわ、引きが足りないわ。その上、このリアリティがゼロの脚本はなんじゃこりゃ。香港映画よりも無茶苦茶。 |
| ロック・スター |
☆☆☆☆ |
80年代にヘヴィ・メタルのファンをやっていた人間としては、涙モノの映画。でも、ロックファンじゃなくても楽しめる。?と思うところはかなりあるけど、贔屓でこの点数。ウォルバーグはボンクラ役が似合っているね。 |
| スコア |
☆☆☆1/2 |
思いがけないカサンドラ・ウィルソンの出演が嬉しい。今時珍しい正統派泥棒サスペンスだがノートンの演技はちょっと浮いている。デニーロは流石の安定感。 |
| ラッシュアワー2 |
☆☆☆1/2 |
前作より「ジャッキー・チェンの映画」ぽくて数倍良く撮れていると思う。全く中身はないけど、チャン・ツィイーのアクションも華麗で観ている間は楽しめる |
| タイガーランド |
☆☆☆☆1/2 |
戦争の狂気というものは、戦場ではなく、兵士を作っていく過程の中にこそあるのではないかと問題提起。今こそアメリカ人に観て欲しい真の反戦映画。コリン・ファレルのカリスマ性ある存在感も素晴らしい。 |
| ゴーストワールド |
☆☆☆☆☆ |
痛過ぎる青春映画の大傑作。ヒロインの性格ブス少女が周りに取り残されていく感覚に涙涙。 |
| ザ・ミッション/非情の掟 |
☆☆☆☆☆ |
これほどまでにスタイリッシュで美しいアクション映画が、今まであっただろうか。プロフェッショナルたちのハードボイルドな友情に全身、鳥肌が立った。アクションファンなら、観なさい! |
| 反則王 |
☆☆☆☆ |
ソン・ガンホ兄貴は本当に素晴らしい役者だと思う。純情で不器用な覆面レスラーぶりには大爆笑、そしてほろリ。これだけ劇場内でバカ受け、拍手喝采だった映画は最近ではなかった。 |
| リベラ・メ |
☆☆☆☆ |
主要キャラより、クリスマスイブなのに「お父さんは消防士なんだ」と非番にもかかわらず炎の中に突っ込んでいく消防士のおっさんに涙、涙。思わずWTCの悲劇がかぶってしまった。本物の炎の迫力はさすが。ただし、ちょっと人を殺しすぎ。 |
| ブロウ |
☆☆☆1/2 |
80年代にアメリカのコカインの大半を扱っていたという男にしては、その栄光の頂点の描写が弱い気がする。ジョニー・デップとレイ・リオッタの親子関係の描写は良い。 |
| リメンバー・ミー |
☆☆☆☆ |
恋に恋するヒロインの一挙一動が初々しくて、胸がきゅんとする映画。端正な映像、1979年と2000年の色調の違い、叶えられなかった思い、そしてその20年の間の韓国の歴史の激動までもが描かれていて、韓国映画はますます侮りがたし。 |
| ブリジット・ジョーンズの日記 |
☆☆☆1/2 |
レネー・ゼルウィガーの捨て身の演技、ヒュー・グラントの崩れた色気、そしてコリン・ファースのトナカイのセーターが最高だったので、欠点は許す。 |
| ピストルオペラ |
☆☆☆☆ |
山口小夜子様の妖艶さ、韓英恵のロリータの魅力にノックアウト。相変わらずの木村威夫の美術も期待通り。お話?そんなの期待している人いるんですか(笑) |
| シビラの悪戯 |
☆☆☆☆ |
おおらかでエッチな大人の世界に、少女のはかない美しさが巧みに融合。魔術的な切ないおとぎ話として、大切にしまっておきたい映画。ヒロインの清冽で奔放な美しさにメロメロ。 |
| ELECTRIC DRAGON 80000V |
☆☆☆☆ |
5.1chDTSの轟音爆音、尋常ならざるテンションに55分間酔うことの出来る熱い熱い作品。マンガの吹き出しを思わせる手書き文字を叫ぶのは、あの船木だ!乞続編!浅野の蛇皮パンツ欲しい! |
| トゥームレイダー |
☆☆☆1/2 |
世間的には評価が悪いようだけど、言われているほどひどい映画ではない。アンジェリーナのスーパーセクシー&パワフルな魅力の前には、欠点もトホホな演出も吹き飛ぶのだ。 |
| ロック・ユー! |
☆☆☆ |
つまらない映画ではない。だけど、お姫様の「私のために○○して!」というのには萎えた。クソ女。鍛冶屋のローラ・フレイザーのほうが100万倍可愛い。前半、鎧の見分けがつきにくいという致命的な欠陥、そして選曲のセンスが悪いのも…。(シン・リジィの「The
Boys Are Back in Town」はいいけど) ついでに、邦題が最低。 |
| チェブラーシカ |
☆☆☆☆ |
チェブラーシカが悶絶するばかりに可愛い!特にあの寂しそうな表情。そしてワニの奏でる哀愁のメロディがいつまでも耳に残る。 |
| PAIN/ペイン |
☆☆☆☆ |
文字通り痛切な映画。生きるためのギリギリの選択として、援助交際や風俗勤めを選ぶヒロインの姿に、リアリティを感じた。 |
| 夜になる前に |
☆☆☆☆ |
ハビエル・バルデムの演技はとにかく完璧の一言。詩的なイメージの映像美と、毒々しいまでの現実の交錯。そしてアレナスの底知れぬ孤独と苦悩が渾然一体となった傑作。 |
| スウィート・ノベンバー |
☆☆☆1/2 |
キアヌのあまりの大根ぶりに唖然。だが、その演技の寒さが笑わせてくれるんだな。強引な設定も、シャリーズ・セロンの美しさと頑張り、そして「アリー」のリチャードことグレッグ・ジャーマンに助けられてそれなりに楽しめる。 |
| テルミン |
☆☆☆☆ |
テルミン博士というキャラがあまりにもおいしすぎ!スターのようにハンサムで狂っていて、ソ連のスパイで、不老不死の研究をしていて97歳まで生きたなんて!彼に純粋に恋した美しいクララとの物語はまさに大河ロマンの世界。事実は映画よりも奇なり。 |
| 同級生 |
☆☆☆☆ |
ゲイを扱ってはあるが、自分の生き方に戸惑う少年の心の揺らぎを描いた正統派青春映画。可愛くて爽やかで、しかしとっても真面目な作品で好感が持てる |
| GO |
☆☆☆☆ |
小劇場演劇の、リアリティのないダイアログが大嫌いな私には、この脚本は向いていない。ただ役者はみな輝いているし、原作の良さもあるし、志も高いし演出もいい。いい映画だと思う。それだけに、メタファーだらけの台詞群には我慢ならなかった。芝居ががり過ぎなのだ。 |
| 陰陽師 |
☆☆☆☆ |
野村萬斎の妖しげな存在感、美しい身のこなしと滑舌の良さに惚れ惚れ。かなり笑ってしまう場面も多かったけど、B級歴史活劇として非常に楽しめる。キョンキョン老けたけど、なかなか色っぽい。 |
| ビヨンド・ザ・マット |
☆☆☆☆ |
プロレスの映画だと思っていたのに、ホームドラマを見せられるとは。究極のショウビジネス。自ら悪役レスラーになって笑いながら傷の手当てをするヴィンス・マクマホンすごすぎ。 |
| ロード・キラー |
☆☆☆1/2 |
この手のプログラム・ピクチャーとしては十分な出来。とりあえず観ている間は、息つく暇もなくハラハラできるし、結構怖い。最近ご贔屓のポール・ウォーカーの全裸に萌え。 |
| まぶだち |
☆☆☆☆1/2 |
子供の世界を描いているというのに、なんというシビアで透徹した視線だろう。正直に生きていくことの難しさを、子供達の姿を通じてここまで語ってしまうというのは、そう簡単にはできないこと。リアルで、しかも胸にひりひりと痛い。 |
| ムッシュ・カステラの恋 |
☆☆☆☆ |
おフランスな大人の恋話(こいばな)。ハゲ&ヒゲ、センスがなくて政治的に正しくない発言を思わずポロリのカステラ社長が途中からこの上なくいとおしく、可愛く見えてくる。ヒロインより、アニエス・ジャウィ監督が演じる、麻薬密売人のバーの女のほうがずっと素敵。 |
| 蝶の舌 |
☆☆☆☆ |
「ミツバチのささやき」を思い出させる、スペインの光あふれる自然が目に染みるほどの美しさ。先生とモンチョ少年の交流がキラキラと輝くだけに、最後の少年の台詞が哀しみをもって胸に突き刺さる。 |
| バニラ・スカイ |
☆☆☆1/2 |
「オープン・ユア・アイズ」は観終わったときに思わず身震いするほど興奮した映画であったが、リメイクものの宿命で、あのインパクトはどうしたって得られない。あまりにも判りやすく出来すぎているし。トムちんの「僕チンぶり」にはちょっと失笑。しかし、キャメロン・ディアスの意外なまでの芸達者ぶりには驚いた。女の怖さ、哀しさ、業の表現が恐ろしいほど演じられている。 |
| ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃 |
☆☆☆1/2 |
ゴジラの正体とは、第二次世界大戦で散っていった日本人、韓国人や中国人、そしてアメリカ兵の残留思惟の塊だったという設定に身震い。そして、「くに」とは国家ではなく、国土にある森羅万象全てのもののことだという台詞にも感心。こういう認識で映画が作られている限り、日本という国も捨てたものじゃない。怪獣同士の対決シーンの美しいまでの凄絶さにも驚く。 |
| イースト/ウェスト 遥かなる祖国 |
☆☆☆☆ |
ご贔屓セルゲイ・ボドロフ・Jrが海を泳いで渡ってしまう所が見られて幸せ。というのはさておき、大河ロマンをやや端折り過ぎているきらいはあるが、ドラマティックで見ごたえのある作品。ラストのオレグ・メンシコフの表情が素晴らしい。 |
| スパイ・ゲーム |
☆☆☆1/2 |
古いポルシェを乗り回すレッドフォードのちょっと枯れた伊達男ぶりはとてもいかしている。目の中に入れても痛くないほど可愛がっているブラピのために老後の蓄えをパーにするなんて、なんて「漢」なんだ。だが、ブラピの相手役のおばはんテロリスト。何じゃありゃ。あんな女に命賭けるなんてあほだよ。ミスキャスト一つで映画が台無しになる好例。 |
| シャンプー台の向こうに |
☆☆☆☆ |
チラシではジョシュ・ハートネットがフィーチャーされているが、どう考えても主役はアラン・リックマン。これがまたカッコいい頑固オヤジを演じていて素敵なの。いかにもイギリス映画的なハートウォーミングストーリーで、心があったかくなる |