落語は庶民に愛されて育った楽しく面白い日本の伝統芸能です。
落語は庶民の暮らしの中で起こる人間の喜怒哀楽を表現しています。
寄席太鼓・三味線の出囃子の音が鳴り、家号や亭号が書かれた芸名の寄席文字のメクリがめくられ、
落語家が前座・二つ目・真打と順番に代わる代わる高座に登場します。
羽織には噺家それぞれの家紋があります。扇子や手拭が演技によって様々な形に変わっていきます。
落語の基礎知識や落語の雑学を知れば落語がもっと楽しくなります。
落語とは?と感じたとき、落語家・三遊亭楽春の落語豆知識が落語の魅力への入り口になれば幸いです。
「寄席の太鼓と出囃子」
寄席は一番太鼓で始まり、追い出し太鼓で終わります。
太鼓の稽古をするのも前座の勤めです。
一番太鼓は、「どんどんどんと来い!」と打ちます。
お客様にどんどん入って頂きたいと言う縁起を担ぐのです。
一番太鼓の次には順に、二番太鼓、仲入り太鼓があり、終演の合図が追い出し太鼓です。
追い出し太鼓は、「でてけでてけ、てんでんばらばら!」と打ち、
太鼓のふちをバチでたたいて、「カラカラカラ」と客席が空(カラ)になった音を出し、
太鼓のふちのビョウたたいて、「ぎ〜〜!」という音を出します。
これは木戸を締める音をマネしたものです。
こうやって寄席は最初から最後まで、お客様に楽しんで頂けるようになっています。
これが寄席の太鼓です。
大小の太鼓があり、バチも細く長いバチと、短く太かいバチがあります。

寄席太鼓は出囃子にも使われます。
出囃子(でばやし)は、噺家一人一人が持つ出演時のテーマ曲です。
出囃子を聴いただけで、次に出てくる落語家が誰だか、
わかってしまう落語好きも多くいます。
東京の落語家は、昔は出囃子を使いませんでした。
東西交流の折、すでに出囃子を使用していた上方落語の出囃子を、
東京が取り入れたのは大正の後半です。
二つ目昇進で自分の出囃子を持つことができます。(前座個人の曲は無し)
それを決めるのは下座(げざ)さんです。(寄席の高座袖で三味線を弾く人が下座)
その人の雰囲気や芸風に合わせて似合う曲を決めてくれます。
使う曲で多いのは長唄を元としたものです。
もちろん自分の希望する曲を使っても構いません。
最近では、最新のヒット曲、人気アニメの主題歌を使う人もいます。
寄席でトリを取る時は、自分の出囃子とは別に、「中の舞」を使います。
これが流れると「今日の最後の出演者だ。」と観客がわかるのです。
尚、太鼓は前座が叩いています。
前座は落語だけでなく「鳴り物」と呼ばれる稽古もするのです。
何人かの落語家の出囃子を紹介しましょう。
三遊亭円楽師匠「元禄花見踊り」
桂歌丸師匠「夫漁節」
林家こん平師匠「佐渡おけさ」
林家木久蔵師匠「宮さん宮さん」
三遊亭小遊三師匠「春はうれしや」
三遊亭好楽師匠「ずぼらん」
三遊亭楽太郎師匠「花が咲き候」
ちなみに、私・三遊亭楽春は、賑やかな明るい感じの「かじや」という曲を使っています。
更に、寄席太鼓は落語の効果音としても使われます。
幽霊が出る時の効果音や、川の水の流れの音などを表現します。
まさに寄席には無くてはならないものなのです。
三遊亭楽春公式サイト「落語の輝き」 (落語家 三遊亭楽春公式ホームページのトップへ)
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