落語は庶民に愛されて育った楽しく面白い日本の伝統芸能です。
落語は庶民の暮らしの中で起こる人間の喜怒哀楽を表現しています。
寄席太鼓・三味線の出囃子の音が鳴り、家号や亭号が書かれた芸名の寄席文字のメクリがめくられ、
落語家が前座・二つ目・真打と順番に代わる代わる高座に上がり登場します。
羽織には噺家それぞれの家紋があります。扇子や手拭が演技によって様々な形に変わっていきます。
落語の中では登場人物が生き生きと動き回り、暮らし、生活しています。
落語のストーリーには起承転結があり、物語の最後にはオチ(落ち)がつきます。
落語の基礎知識や落語の雑学を知れば落語がもっと楽しくなります。
落語とは?と感じたとき、落語家・三遊亭楽春の落語豆知識が落語の魅力への入り口になれば幸いです。
「寄席文字」
寄席の看板やめくりを見た人は、「独特な字だな?」と思ったことがあることでしょう。
歌舞伎は勘亭流。相撲は相撲文字。千杜札や提灯は江戸文字を使います。
では寄席は?
寄席では「寄席文字」を使います。
寄席文字の特徴は、筆太で、右肩上り、そして余白(隙間)をなるべく少なくします。
興行が常に伸び、空席を少なくするという縁起かつぎです。
また「お客様を逃さない芸をしよう。」という芸人の心の現れです。
寄席文字の起源は、「ビラ字」(江戸時代)に始まります。
大坂から江戸に来た岡本万作という人が、
寄席の宣伝のためお店などに貼ったものがビラ字と呼ばれるようになりました。
風でビラビラと音をたてるからそう呼ばれ、ビラビラに書かれた文字だからビラ字なのです。
ちなみに、「寄席文字」と命名したのは橘右近(たちばなうこん)さんです。
橘流を継承している方々が寄席文字の発展に努めています。
以下は、私・三遊亭楽春の芸名を寄席文字で書いたものです。(橘流、橘右女次氏・筆)
中でも特に「遊」や「楽」の字が隙間なく書かれていて、独特の字体であることがわかるでしょう。
これが寄席の「看板」に字になったり、高座の「めくり」に使われるのです。

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