山靴を買ってきた

 山靴を買ってきた。1996年の秋から先週まで8年弱の間に234回の山行を重ねたが、昨日購入した靴で4足目だ。もちろん以前から使用している靴も現役で活躍している。今、改めて眺めてみると、ともに歩いた山が思い出され少しだけ感傷的になってしまった。
 
 最初に使った靴は、息子のお下がりである。息子の通った高校では、当時学校行事として奥白根山の登山が行われていた。菅沼でキャンプをして、翌日奥白根山のピストン登山をしたのだ。そのときに買った靴がほこりをかぶっておいてあった。足をあわせてみると大きめだが、靴下で調整できる範囲である。私としてもいつまで山歩きが続くかわからないので、新調するにはためらいがあった。
 見た目は軽登山靴なのだが、布製で防水はできていないしなんとも弱々しい。それでも20回ほど使った。もっともそのころは、山に雪がふったらシーズンオフ、雨が降りそうな日は中止が当たり前と思っていたので、なんとかなったのだ。
 ところがそうもいかない時がやってきた。
 知人に誘われて行った尾瀬で雨に会ったのだ。雨具にスパッツで装備しても、靴が防水でないのだからたまらない。雨は容赦なく靴の中にしみてくる。やがて靴下を伝わってズボンのすそまでビッショリになってしまった。
 この夏には八ヶ岳の予定もあった。ついに観念し新しい靴を買った。 

 それでも、まだ本格的な”山靴”を買おうとは思わなかった。実力もないのに靴だけ立派じゃ恥ずかしい、というわけでAxesQuinの軽登山靴にした。
 ゴアテックスの防水はよく効くし満足だった。
 これで八ヶ岳にも富士山にも行った。初めて奥穂高に登った時もこの靴だった。
 縫い目に小さなほつれができて、大雨のときは少し雨がしみることがあったが、きちんと防水スプレーをすれば解決できる程度で、問題はない。ただ、ソールがずいぶん減って少し滑りやすくなっているのはしかたがない。
 いまでも軽い山行にはよく使っている。引退させるには忍びない。

 今、メインで使っているのがこのDannerである。これは通信販売で
買った。試し履きをしないで買うことに不安はあったが、合わなければ
交換可能とのことで注文した。届いてみるとこれがぴったり。
 この靴は1500足限定生産でNo734の刻印と証明書がついていた。
それ以来の酷使に耐えてよく頑張ってきたが、さすがに最近疲労がみえる。
ソールが減ってきて”車検が通らない”くらいの山になってきた。時々は
休ませてあげないと可愛そうだろう。ソールの張替えもしてあげなければ。
 決して山小屋で間違われることのない特徴あるデザインも魅力のひとつだ。

 雪山用に買ったMeindlである。12本爪のアイゼンと一緒に買った。雪山専門に使っている。本格的に雪山をやっているわけではないが、雪の上ではやはり強い。
暖かく、適度の重量と硬さが安定感を与えてくれる。
 夏は棚の上でお休みしている。

昨日買ってきたGronellである。
これから、この靴とどんな喜びを共有できるのだろうか。

 実はこの靴は息子が買ってくれた。
 公募に応募したエッセイが入賞し、その賞金で買って
 くれたのだ。
 もうすぐ父の日。
 私の宝物になりそうだ。

(2004.6.17)

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