団長BNR32物語
第3章
- 弁当代
- Rと共に過ごす初めての夏休み。Rで田舎へ帰った。九州の夏は暑い。暑いと言うより日差しが痛い。でもRはエアコン付き。快適である。今時エアコン無しの方が珍しいが、前の車はエアコンが効かなかったから余計に有り難いと思う。
夏休みの最終日、Rを田舎に置いて新幹線で帰る。一週間後もう一度田舎に帰らなければならないので、その方がよかった。田舎を出発する時、おばあちゃんが新幹線での弁当代と称して1万円くれた。当然弁当が1万円もするはずは無いのだが有り難く頂いた。
流石に新幹線は早い。夕方には帰り着いたが、暇である。Rがあるならその弁当代でガソリンを入れてどこかに行くだろうが、肝心のRは田舎に置いたままである。
気が付くと、近所のパチンコ屋に居た。何故かスロットマシンの前に座って居た。パチンコ屋を出る時、弁当代が2.5倍になっていた。これで沢山駅弁買えるな...。
- 弁当代で買ったもの
- Rも田舎から戻ってきた。Rが田舎にある間に弁当代はなぜか増え、最初の5倍くらいになっていた。弁当代をRのパーツ代にしようかとも考えたが5万円ではちょっと少ない。最初に替えたいのはやはり足だ。
数日後、近所のディスカウントストアへ行った。別に何を買うとも決めてない。ただ、処女オープンの広告が新聞に入っていたから。
そのディスカウントストアにはカー用品も売っていた。レーダー探知器もあった。レーダー探知器も色々ある。高いものは所持金全部でやっと買えるものから、安いものは4980円。当然一番安い4980円に目が行く。
4980円は安すぎる。あまり信用できない。買うなら高いものの方がよさそうだ。しかし、私はそれまでスピード違反で捕まった事はほとんど無い。大昔に24kmオーバーで一度っきり。当然前の車にもレーダー探知器などは着いなかった。レーダー探知器は金の無駄か?
悩んだ、悩みに悩んだ。結局、4980円と消費税を払い、ディスカウントストアの駐車場で動作確認。電源は入る様だ。その後、近くのオービスのある所へ移動。一応動作するようだ。余り信用できないけど、4980円だったし、あぶく銭だし、まあいっか〜。
- ツキ
- その日、友達のST205乗りと、嵐山パークウェイにドライブに行く約束をしていた。朝からとても良い天気だ。快適なエアコンもOFFのまま窓も全開で京都方面へ向かう。途中高速道路に乗った。高速道路の加速車線で加速。ウインカーを右に出してミラーを見ると車は1台もいない。右後ろを目視。オールクリア。そのままアクセル開度100%で合流。前もオールクリア。天気もGOOD!!。気持ちが良い。4速へシフトUPした時は既に1○○km/h。しばらくして5速へUP!!。それでもオールクリア。アクセルは踏みっぱなし。
緩やかな左コーナーを曲がりながらトンネルに入る。トンネルを抜けると突然、4980円から音が。え?、この辺にはオービスは無いはずだが....。このスピードに追いつけるなら国産ノーマルは有り得ないと思いながらルームミラーをチェック。当然クリア。前方を良く見ると遥か前を1台の車が走っている。その車との差がグングン詰まってくる。4980円からの音は段々激しくなる。もしかして、あの車のレーダー探知器と共鳴しているのか...やっぱり4980円は所詮4980円...。
4980円がうるさいし、万一を考えアクセルを抜く。前方に走っていた車を追い越し車線からゆっくりとパス。4980円はそれでも叫びつづけ、悲鳴に変わる。その瞬間、道路の脇で、青っぽい服を着た人が、短い望遠鏡の様なものの後ろにしゃがんでいるのが見えた。慌ててスピードメーターに目を移すと約90km/hを指している。(ここは制限速度80km/h)助かった...。
そのまま料金所へ向かう。この料金所は、この高速道路の終点である。料金所の脇には沢山の車が止まっていて、机に向かって座ってなにやら書いてる人も沢山いる。お金を払って高速を出る瞬間、膝を叩いて笑ってしまった。
4980円が何十万円にも化けた。もしこれが無かったらと思うと恐ろしい。免停で済むか?取消しか?想像しただけで寒気がする。某車雑誌の「今月の大捕物」に載れたかもしれないが、R買ったばかりでそれは辛すぎる。もう、車の無い生活には耐えられない。今後こんな運転はしない様にしようと思った。4980円の呼び名がその後、「レーダー探知器様」となったのは言うまでも無い。
私は確信した。このラッキーも、元はと言えばおばあちゃんに貰った弁当代から始まったもの。この弁当代のツキは本物だ。もっと膨れ上がるに違いない。
- 膨れ上がる
- 昔は良くパチンコ屋に行っていたものだが、最近は余り行かなくなっていた。でも、今は別だ。ラッキーな弁当代がある。できるだけ時間を見つけてパチンコ屋に通う。
その内11連勝(勝って帰った日を1勝とする)と言う記録を樹立。それも1機種のスロットマシーンで。勿論小さい勝ちも多かったが連勝がこれほど続くとは驚きだ。
でも、このツキがず〜っと続くわけが無い。一番膨れ上がった時から3万負けた所で止めると決めた。が、その時はなかなか来なかった。
季節はすっかり秋、と言うより冬の入り口。終に、3万円負ける時が来た。その時、弁当代は24万円になっていた。弁当代はこれまで、ちょこちょこ使っていた。弁当代の一部はターボタイマー、油脂類、ガソリン代などになっていたがそれでも24万も残っているのはたいしたものだ。
- 弁当代の使い道
- パチンコ(正確にはパチスロ)は止めた。膨れ上がった弁当代を何に使うかは最初から決まっていた。足である。何にするか色々悩んだ。バネレートはどれくらいにしようか?、ショックの減衰力はどれくらいが良いか?ノーマル形状か車高調か?
足を買う前にトルクレンチを買った。足回り交換に使える程度の容量の大きいものと、細かい部分用の小さいものの2本。1本約2万もした。前々から欲しかったが、こんな時くらいしか買えないのでおもいっきた。
現在では結構安いが、この頃はまだ車高調は高かった。ショートストロークのショックも出始めた頃。ボディー補強がされていない事と、Rに長く乗りたい事、街乗りなどを考慮してバネレートは100%UPくらいと考えた。バネレートが決まるとおのずとショックの減衰力も決まってくる。ノーマルのスプリングレートは若干リアが固めだが、フロントヘビーを考えるとフロントのバネが固い方が良いと考えた。今となってはこれで正解だったかはわからないが。
フロントが100%UPくらいでリアがその80%くらい、そう考えた時、kg/mmのDR21が当てはまった。DR21はフロントが6kで少し固いがバリアブルレートなのでよしとし、街乗りでの乗り心地も確保できると考えた。ショックは固い時のバネレートで減衰力を考えてGABのスーパーRに決めた。
近所のショップへ出かけ、DR21とスーパーR1台分を8万円で購入。最近この手のパーツは結構安く手に入り易くなっているが、当時ではびっくりするほど安い買い物だった。ついでに、スプリングコンプレッサー(5000円)も購入した。
- 足の交換
- 足回りの交換は自分でやる。でも、当時使っていた駐車場は狭すぎてそんな事できない。そこで、205乗りの愛用ピットを借りる事にした。実はこのピット205乗りの奥様の実家。ちょっと気が引けるが仕方ない。ついでに205乗りの手も借りる事にした。
朝早く、ショックとサスと愛用工具一式を車に積んでピットへと向かう。一寸遠い。片道1時間以上かかった。ピットに着いて、作業開始。作業は順調に進むと思われたが、安物スプリングコンプレッサーがネックとなった。ある程度絞め上げた所でずれてしまう。それでも、205乗りが持っていた、これまた安物スプリングコンプレッサーも使って、なんとか左フロント交換が終わった時にはもうお昼になっていた。時間がかかった所はやはりノーマルスプリングの圧縮。これが簡単に済めばなんてことない作業のはずだった。
昼食を取り、右フロントの交換に取り掛かる。又、スプリングの圧縮に時間がかかったが、何とか圧縮成功。先が思いやられる。アッパーマウントを外す為のメガネレンチとモンキレンチをナットを回そうとするが、なかなか外れない。硬すぎる。二人で目一杯の力を込める。と、その時悲劇がおきた...。
- 悲劇
- なんと、ストラットの先の部分がねじ切れてしまい、モンキレンチでロッドの固定ができなくなった。メガネレンチだけでナットを回してもロッドも一緒に回ってしまい外れない。そこで、ナットを壊してしまう工具を思い出した。
名前な何と言うのはわからないが、近所の量販店(ドライバーズスタンド)で見た事がある。しかし、その量販店は作業場からは遥か遠い。とにかく、近所にあるのはホームセンターに行ってみる事にした。しかし、目的の工具は売ってない。そこで小さいパイプレンチを買った。
パイプレンチでロッドを挟んだりもしてみたが、時間だけが過ぎる。どうしようも無い。途方に暮れていた。冬場の日の入りは早い。時間が無い。気ばかり焦る。仕方無いのでお茶休憩をしながら方法を模索するが...。
第3章完
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