咲耶ちゃん、まだ起きてる?
前もさぁ、こんな夜があったの、覚えてる?
ほら、咲耶ちゃんがおふくろさんに連れられて、うちに来た日…… 親父や私と初めて会った日だよ。
ふふ、やっぱり覚えてたか。咲耶ちゃんの事だから、きっと覚えてるだろうって思ってた。そういうの好きそうだもんね。
しっかし、あのおちびちゃんがこんなに大きく育つとは、私も年をとるわけだ。
え? ……ああ、ありがと。いや冗談だよ冗談。ちょっと言ってみたかっただけだって。本気でそう思ってるわけじゃないよ。この前、高校生に間違われたしね。
ま、それは置いといてさ。あの日も、今日みたいに一緒の布団で寝たよね。
いきなり「泊まってけ」なんて親父が言い出すもんだから、慌てて咲耶ちゃんのパジャマを買いに行ったり大変だったっけ。
それも今となっちゃいい思い出だけど……
咲耶ちゃんてば、銀座を歩き回って疲れたからすぐ寝つくだろうと思ってたら、逆に興奮しちゃって中々寝てくれなかったよね。
寝るどころか、私の腹にタックルかましてみたり。
……まあ、簡単に「一緒に寝よう、私のとこおいで」なんて言った私もあさはかだったけどさ。
あの「おねえさまだいすき」アタックは私のメモリーに深く刻まれているよ。
……え? 何?
まさか……再びお姉様大好きアタックをやる気か?
……よーし、来るなら来い!
あ、でも全力では…… って話は最後まで……!
うわっ……と……
あれ? くまのぬいぐるみ……?
あ、これって…… あの日、銀座で買ったテディベア……
まだあったんだ…… 懐かしいなあ。
そっか、これ、初めて私が咲耶ちゃんに買ってあげた物だもんな。
それにしても、子供の事だからボロボロになってるかと思ったけど、そんなことないね。
私に似て物持ちがいいのか、それとも……やっぱり高いものは丈夫なのかね。
しかし、咲耶ちゃんがぬいぐるみと寝てるなんて、意外だな…… ん?
……咲耶ちゃん、ここ咲耶ちゃんが縫ったの?
大事にしてくれたんだねぇ…… いや、そんなことないよ。巧いもんだって。それに咲耶ちゃんが一生懸命縫ったんだもん、この子も喜んでるよ。私も買ってあげた甲斐があったって思えるし。
ふふ、そんなに気になるなら、今度教えてあげるよ。裁縫は自信あるからね、私。
そうだ、この前咲耶ちゃんが可愛いって言ってたワンピース、あれ多分だけど同じようなのつくれると思うからさ、今度一緒に生地買いに行こうよ。
はは、そんなにうれしい? こいつを買ってあげたときと同じ顔してるよ。
っと、もうこんな時間か。咲耶ちゃん、もう寝た方がいいよ。
……おやすみのキスぅ?
おいおい、ここは日本だよ? 四葉ちゃん辺りに毒されたか?
……ま、いっか。
いい? 頬だよ、頬。
ちょっ、頬って言ったじゃん。唇にするなよ……
もう、咲耶ちゃんはしょうがないなぁ……
頬っていうのは、ここのことだよ。
こ・こ!
はいはい、じゃあおやすみ。
ラジオシスタープリンセス『お兄ちゃんといっしょ』に眞深役の氷上恭子さんがゲストでいらした記念に書きました。
その頃、この番組では泊まりに来た妹たちが語りかけてくるラジオドラマが放送されており、折角眞深萌えを標榜しているのだから記念に眞深お姉ちゃん版を書いてみよう、と思い立ち書きました。
咲耶が眞深の部屋に押しかけて寝てるという設定です。
当サークルのシスプリ設定『妹姫家の人々』
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