|
■肩こりを引き起こす三大原因とは ■更年期に多い女性特有の肩こり ■冷え性体質の人も肩がこりやすい ■運動不足こそ最大の原因 肩こりを引き起こす三大原因とは 肩こりを起こす直接の犯人は、くびや肩の周囲にある筋肉です。 肩こりの三大原因といえば、@姿勢に悪さ、A悪い姿勢をつくる生活環境、B精神的負担つまりストレスです。 しかし、同じ環境下にあっても肩がこりやすい人とこりにくい人がいるように、肩こりがあらわれる際には、さまざまな誘因が働いています。 性格や体型、あるいは環境といった誘因で、こうした条件があえば、一度肩こりを治療しても、また再発することは明白です。 そこで、肩こりを起こすさまざまな条件をあげて、可能なものはその対処法を考えてみましょう。 もし、これから述べる条件に思いあたることがあれば、それを解消することも肩こりを治療する大切なポイントです。 更年期に多い女性特有の肩こり しかし、筋肉の緊張は弛緩と組み合わされてはじめて役に立つもので、緊張だけが長時間つづくと、さまざまな障害が起きてきます。 肩こりは、もともと男性より女性に多い症状です。家事の姿勢や骨格なども影響しているのでしょうが、特に、気をつけたいのは更年期を迎えたときです。 更年期、すなわち生理が停止して、卵巣の働きが低下してくると、女性ホルモンを中心にホルモンの分泌が変化してきます。これは、老齢期に向かって体が変化するためで、その過渡期にあたる更年期にはさまざまな変調が起こります。 自律神経の働きが不安定になるのもその一つのあらわれです。 内臓のはたらきとして、体温の調節、血液の循環などは、すべて自律神経にコントロールされています。そのため、自律神経の働きが乱れると、手足の冷えやのぼせ、発汗、頭痛、めまい、胃腸の不調などさまざまな障害あらわれてくるのです。 筋肉に酸素やブドウ糖を供給する血液の循環も、やはり自律神経の支配を受けています。ですから、その働きが乱れると、血液の流れも不安定になり、ともするとウッ血を起こして、肩こりが起こりやすくなるのです。 また、この時期は精神的にも不安定になる傾向があり、ささいな事が気にかかったり、クヨクヨと思い悩むことも多くなります。更年期は、こうした身体的条件と精神的条件が重なって、肩こりに悩む人が増える時期なのです。 この時期にさしかかった人は、意識して運動を行い、ウッ血の防止に努めたり、ストレスの解消を心がけてください。 さらにもう一つ、更年期を過ぎたころから目だってくるのが骨の老化です。骨は、簡単にいうと、たんぱく質の網目にカルシウムが沈着して出来ています。しかし、一度できたらそのままの形で一生を過ごすのではなく、常にカルシウムの流出と、新たなカルシウムの沈着が繰り返されて維持されています。 ところが、女性の場合は特に、女性ホルモンの分泌が低下したとたんにカルシウムの沈着が悪くなります。流れ出るほうは以前と変わりありませんから、結果としてカルシウムの量がどんどん減り、骨が弱くなってしまうのです。この状態がひどくなり、「す」の入った大根のように骨がスカスカになってしまうのが、骨粗しょう症とよばれる病気です。 骨粗しょう症になると、骨が折れやすくなるばかりか、背骨の椎骨が体の重みでつぶれてきます。これが、腰痛や肩こりの原因となることも多いのです。 骨粗しょう症を防ぐには、十分なカルシウムとタンパク質、ビタミンDなどの栄養素が必要です。ビタミンDは、日光浴や干ししいたけなどでまかなえますが、カルシウムは意識してとらないと、なかなか十分な量をとることができません。手軽なカルシウムの補給源として、牛乳を一日300mlくらいずつ毎日飲むようにしましょう。 冷え性体質の人も肩がこりやすい 冷えは、肩こりの大敵です。 冬の寒い日など、オーバーのえりをたてて、背中を丸めた人をよく見かけます。寒さを避けるためのこんな姿勢、すなわち体を縮めて小さくする姿勢が、肩こりによくないことは、もうよくおわかりだと思います。 ひどく寒いと歯がガチガチふるえたり、体が自然にブルブルふるえてきたりします。これは、体を温かくしようとする防衛反応のあらわれです。 ふつう、私たちの体温の維持に使われるエネルギーの75%は、筋肉の運動によって作り出されています。寒いときに体が震えるのは、寒さを脳がキャッチし、いちばん熱を産生しやすいこの筋肉をケイレンさせて、熱をつくらせるからです。またその一方で、血管はギュッと細くなり、熱の発散を防ごうとします。 この筋肉の緊張と血管の収縮が、ウッ血を起こし、肩こりの原因となるのです。寒さをがまんするのは、肩こりのもとと心得ましょう。 特に、冷え性の人は、夏でもクーラーや扇風機の風にあたっていると、体温がどんどん奪われて、肩こりを起こす原因になります。薄手のカーディガンなどを用意して、冷房対策を心がけましょう。 また、最近たいへん気になるのは、場所によって温度の差が非常にはげしいことです。家の中と屋外、オフィス、さらにデパートなど、場所によってずいぶん温度が違います。外界の温度が変わるたびに、体はそれに対応しなければなりません。そのために、自律神経の働きが乱れてしまいがちです。自律神経の乱れは血液の流れにも影響し、ウッ血も起こりやすくなります。 生活環境、特に一日のうちで過ごす時間の長い自宅と仕事場では、5度以上温度差がないようにしましょう。といっても、温度差のほうを変えるのはなかなかむずかしでしょうから、衣類で調節することがたいせつになります。 夏でも冬でも、セーターや上着を使ってうまく温度調節をしましょう。もし、仕事場で制服の着用がきめられているのであれば、下着で調節してください。 それだけで、体の疲れ方も肩のこり方もずっと違ってくるはずです。 冷え性と関連して、やはり女性に多く、肩こりを作りやすいのが、貧血です。 貧血といっても、やせたいばかりに無理な食事制限をして、鉄分不足に陥った人、あるいは、赤血球の数が少ないために起こっている場合がほとんどです。 貧血になると血液に十分な酸素がないため、体じゅうの細胞が酸素不足に陥ります。そのため、心臓も息切れが起きて負担が大きくなる一方、脳も酸素不足でボーッとしたり、頭が重い、体がだるいといった症状があらわれます。 同じ状態は肩の筋肉にも発生しますから、貧血になれば当然、肩こりが起こるわけです。 こうした人は、ほうれんそうやレバーなど食事で鉄の不足を補うと同時に、運動で全身の血のめぐりをよくすることが大切です。 運動不足こそ最大の原因 運動不足は、すべての肩こりの前提条件といってよいかもしれません。 キャッチボールをしても肩がこった、引越しで重い荷物を持って肩がこったなど、一見すると肩を使ったから肩こりがおこるような感じがします。 しかし、それは全くの逆です。それ以前に運動不足があり、なまった筋肉を突然使ったために起こったのであり、肩こりは、むしろ、肩を使わないために起こる症状というべきでしょう。 最近では、車を多用するために、歩く機会が少なくなり、女性の家事ににしても電化が進み、日常生活の中で体を使うことがずいぶん少なくなりました。 それでも運動で穴埋めすればよいのですが、仕事はデスクワーク、趣味はごろ寝にテレビという人が多いのではないのでしょうか。これではみずから望んで肩こりをつくっているようなものです。 たんぼで泥水につかりながら行う農作業など、私たちの目には肩こりを起こす大変な重労働に映ります。しかし、それを日常としている人たちのほうが、むしろ肩こりは少ないのです。 人間の体は大変合理的で、使わなければ衰えていくのが定めです。筋肉も、使わなければ必ず衰え、わずかな労働でも肩がこるようになることを忘れてなりません。 また、この点で特に注意したいのは、「昔はずいぶんスポーツをやったが、今は何もしていない」という人たちです。こういう人たちは、昔とったきねづかで外見的にも体格のいいかたが多く、本人も体には自身を持っています。 しかし、毎日私たちが使っている関節でさえ、たった3日使わなければ固くなってきます。筋肉でもこれは同じです。 問題は、こうした人たちのほうがかえって、一般の人よりも肩こりや五十肩になる率が高いといわれていることです。その理由はよくわかっていませんが、筋肉は残っているのにそれをつなぎとめる腱が固くなってしまい、両方のバランスが悪くなるためではないかとも考えられています。 いずれにしても、昔は昔と割り切って、少しずつでも、毎日運動を続けることが大切です。 最近ではテニスや水泳、ゴルフなどに精をだすかたが増えてきました。こうした傾向はよいことですが、月に一度、あるいは週に一度くらいくらいの運動では、あまり大きな効果は望めません。せめて週に3〜4日、できれば毎日運動するのが理想です 。 その意味では、いろいろな設備や道具を必要とする運動より、なわとびやジョギング、あるいは体操など、気軽にできる運動を行うのも一つの方法ではないでしょうか。運動を続けていると、最初の3〜4日は体の節々が痛むものですが、それをおしてなお続けていると痛みが消えてきます。このときから、少しずつ筋肉の強化が始まっているのです。 |