『夏の庭』 湯本香樹実 新潮文庫「死」に興味を持った小学6年生の少年3人は、町外れの 今にも死にそうだと思った老人の観察を始める。 毎日毎日観察に出かける3人と、それに気付いてから だんだん元気になっていく老人。 4人の関係は、深いものへと変わっていく。 けれど、いつかそれも喪われるときがくる…。 様々な経験をした一夏の少年を描く小説。 「死」に興味が出てくる年齢ってあるとは思う。 本で読んだとか、ふと死んだあとどうなるんだろうって 考えたときとか、ちょっとした動物の死に触れたときとか。 だけど、いくらなんでも「死んだ人」を見てみたいっていうのは 趣味が悪いというか、好奇心が違う方に向いちゃってるというか 正直、微妙な気もした。 ウチが祖母を亡くしたのは小4のときだったけど、なんか 「怖い」っていうのが理由で顔を見れなくて、最後にやっと… ってタイプだったから、そう思うのかもしれないけど。 けど、少年と老人との交流は素直にいいなぁって思った。 同年代の子たちと付き合うだけではわからないことも 知ることができたし、悲惨な話も聞くことができた。 身内でなくても、こんなに深い交流が持てるのかと、逆に 身内じゃないからこそ深く関われたのか、そんな気もした。 だけど、別れはあっけなくやってくる。 少年と老人との関係は、一夏であっさり終わってしまった。 「まだまだ言いたいことも聞きたいこともあったのに」。 それでも、老人は少年の心の中でいつまでも生きている。 何かあるたびに、心の中で老人に語りかけ、そして 答えにヒントをもらう。 この先も少年はこの老人のことを忘れないだろう。 出会いと別れを経験した少年は、このさき違う道を進んで 行くけれど、いつまでも老人との関わりを絆に、どこかで つながっているのだろうなぁ…と思う。 |