労働基準法は、憲法25条1項の生存権、憲法27条2項の勤労条件の基準を具体化したものです。
また、労働基準法は、一般法である民法の特別法です。特別法は一般法に優先するため、たとえば、労働基準法(特別法)の労働契約に関する規定は、民法(1般法)の雇用契約に関する規定に優先して適用されます。

労働基準法は社会的経済的に見て使用者に対して弱い立場にある労働者を保護するものとして労働条件の最低基準を定めています。

この法律違反の契約(労基法13条)この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

効力 (労基法93条)就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となつた部分は、就業規則で定める基準による。

立法趣旨 労働条件の最低基準を定め、労働者の保護を図る
法的性格 取締法としての性格※1、強行法規としての性格※2、労働条件の最低基準の遵守を強制
※1取締法としての性格→罰則の規定があります。労働基準法13章(107条から121条)
※2強行法規としての性格。いわゆる部分無効自動引上げ規定があります。

原則として
@全業種に適用があり
A国籍を問わず※1
B他人を1人でも労働者として使用する事業又は事務所に
C場所を単位として
D事業の実質的種類別に適用されます。
☆保護の対象は労働者であり、使用者は一定の制限を受けます。

労働条件の原則(労基法1条1項)
労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

「人たるに値する生活」とは、生存権を侵さない最低限度の生活をいいます。
具体的には、一般の社会通念によって決まるものです。
労働者が人たるに値する生活を営むためには、その標準家族の生活を含めて考えます。

(労基法1条2項)
この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

「この基準を理由として」労働条件を低下させてはならない・・・最低基準を定めた労働基準法の水準まで、他に決定的な理由がないのに従来の労働条件を低下させることを禁止しています。
経済情勢の悪化、企業の経営状況の悪化を理由として、労働条件のダウンを求めたり、話し合ったりすることを禁止しているわけではないです。

労働条件の決定(労基法2条)
@労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものである。
A労働者及び使用は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。


経済的弱者である労働者を保護するため、労働基準法で、労働条件を労使が対等の立場において決定すべきものと規定しています。なお、労働組合法では、実質的に対等にすべく、団結権、団体交渉権、争議権等を保障しています。

労働契約、就業規則、労働協約が同1の労働条件について異なつた定めをしている場合は、労働契約よりも就業規則の方が強い。さらに労働協約の効力が強いという関係であり、いずれの内容も労働基準法に反することはできない。

労働時間の原則 (労基法32条)
使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
労働時間は、1週40時間(1日8時間)を超えてはならない
第32条の4
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第32条の規定にかかわらず、その協定で第2号の対象期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が4時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において同条第1項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。

1この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
2対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が4時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1箇月を超え1年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
3特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第3項において同じ。)
4対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を1箇月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
5その他厚生労働省令で定める事項 (有効期間の定め)

@労働日数の限度
対象期間が3箇月を超える場合
1年あたり→280日が限度(閏年の場合も同様)

365日−280日=85日

最低85日の休日を確保する必要があります。

A1日及び1週間の労働時間の限度
原則 : 1日10時間 1週間52時間
ただし、対象期間が3箇月を超える場合は、
○イ対象期間において、48時間を越える週は連続3以下であること
○ロ対象期間をその初日から3箇月ごとに区分した各期間(3箇月未満の期間を生じたときは、当該機関)に48時間を越える週の初日の日数は3以下であること。

B対象期間における連続労働日数の限度
原則 6日
特定期間 1週間に1日の休日が確保される日数

時間外及び休日の労働(労基法36条)
 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては 労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならない。
2項 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
3項 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
4項 行政官庁は、第2項の基準に関し、第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
期間区分 限度時間
原則 1年単位変形の場合
1週間 15(時間) 14(時間)
2週間 27 25
4週間 43 40
1ヶ月 45 42
2ヶ月 81 75
3ヶ月 120 110
1年 360 320
(適用除外)
第5条 次に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、前2条の規定(第4号に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、労働省労働基準局長が指定する範囲に限る。)は適用しない。
1 工作物の建設等の事業
2 自動車の運転の業務
3 新技術、新商品等の研究開発の業務
4 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として労働省労働基準局長が指定するもの
法37条 時間外、休日及び深夜の割増賃金
使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2項 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3項 使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
4項 第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
政令で定める率
時間外労働 2割5分以上
休日労働  3割5分以上

  
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