夢を見る島
あなたは、夢をみますか? 夜、寝てる方にみる方のやつね。 って、見るに決まってるんだけど。
夢って好きですか?私は嫌いです。昔はどーだったか忘れたけど、なんか最近はロクな夢を見ない。朝起きてホッするだけでなく、昼頃までイヤーな気持ちになってたりします。夢は無意識の現れだと言うから、私の無意識はさぞグチャグチャなのに違いねえ。
ま、それはそれとして、一般に夢というとロマンチックで良いものとされとりますわな。が、時としてこの「夢」がスゲー忌み嫌われる時もあります。それは漫画やアニメなどの「夢オチ」というヤツです。「ハイ、結局全部夢でした」という、ほとんど反則みたいなオチで、「じゃ、今までのドラマはなんだったんじゃい!!」と納得できない気持ちにさせられる事もしばしばです。
おそらく、作成者サイドにもいろいろと事情があるんでしょうけど、受け手としては「フザけんな」であり、ほとんど禁じ手みたいな扱いを受けます。 が、そんな「夢オチ」というオチを利用しながらも最高傑作のストーリーとなっているゲームを私は知っています。そのゲームとは「ゼルダの伝説 夢を見る島」。
ゲームボーイソフトの中では5本の指に入る名作であろうゲームですが、そのストーリーは次世代機のそれと比べても見劣りしません。っていうか、ハードの性能とストーリーの良し悪しは関係ないのだなあ、と再認識させられます。
確かに、最後でイキナリ夢オチ、というのではなく、途中から分かってくるので夢オチとは少し違うからも知れませんが、「全部夢でした」という本質は変わらないでしょう。
そこでの物語は、あまりにも儚く、あまりにも哀しい。そして美しいのです。
あらすじを紹介しておきましょう。船旅の途中で主人公のリンクの乗った船が遭難し、ある島に流れ着きます。しかしそれはただの島ではなく、「かぜのさかな」の夢の世界だったのです。
いつから生きているのか分からない「かぜのさかな」のあまりにも長いその夢は、いつしか自立し、世界を形成し、様々な人々や動物達が、まさか自分達が夢の一部などとは思わずに生活しています。
リンクがこの世界から脱出するためには、「かぜのさかな」を目覚めさせなければなりません。そして、リンクはそれができる者として「かぜのさかな」に呼ばれた勇者だと言うのです。
そしてリンクは、己が使命の為、帰るべき場所に帰る為に、夢の世界で冒険を続けていきます・・・
とまあ、王道といえば王道、セオリーどおりのRPGのストーリー。ですが、その見せ方はグンバツに上手い。 ゲームボーイのちゃちいドット絵とは思えない感動を与えてくれます。 いや、ドット絵だからこそかもしれません。その小さい、私の小指くらいのキャラクター達が、必死こいて動き、話している。夢オチを知っているだけに、その内容がたまらなくせつないのです。
リンクはこの島に来て、いろいろな人と知り合い、そこにさまざまなドラマが生まれます。 そしてこのゲームのヒロインであるマリンともそれなりにイイ感じになり、彼女に歌を歌ってもらいます。このゲームのキーともなっている、「かぜのさかなのうた」です。彼女は歌を愛しています。嬉しい時も、哀しい時も歌います。動物であろうが、魔物であろうが、彼女の歌には聴き惚れずにいられません。それは、この島に生きとし生けるものの琴線に触れずにはいられない歌だったのでしょう。
ラスボスを倒し、「かぜのさかな」は目覚め、リンクは元の世界に帰ります。気がつくと、漂流した時と同じ海の上。島なんてどこにもありません。ただ巨大な魚が、ゆっくりと離れて行くのが見えるだけです。「すべては全部夢だった」のです。マリンも、出会った人たちも、そこにあったドラマも、すべて。やがてリンクも、夢の事として忘れてしまうかもしれません。しかしそんな時、リンクの心にあの歌が響きます。あの、「かぜのさかなのうた」が。(これが流れた瞬間、ぶわっ涙が出ます。マジで。っていうか今でも泣きそうになります。)
冒険の途中で、リンクはマリンと海岸で話しをします。その時、マリンはこんな事を言います。
「・・・海の向こうには何があるのかな。お父さんも、村のみんなも、海の向こうには何も無いって言うけど、わたし、そんなの嘘だって思ってた。 だから、あなたがここに流れついた時はドキドキしたわ。だって、それって海の向こうにも世界があるって事の証明じゃない?わたし、あなたの生まれたところに行って見たいな。」
ゲームボーイのゲームです。そこにはハデなグラフィックも、豪華なBGMもありません。ドット絵のリンクは、そんなマリンの話をポーカーフェイスで聞くだけです。ですが、その時のリンクの気持ちはこれ以上ないほど伝わってきます。その後のリンクの心境が、これでもかってくらい突き刺さってきます。「ハイ、結局全部夢でした」。そんな夢オチのお話です。しかし、最高に切ないお話です。
私は、あまり現実が好きではありません。
すべてが夢であったらいいのに、と時々思います。
しかし、もし夢であるなら、「かぜのさかなのうた」のような、夢から覚めても忘れられないステキなものを見つけたい。
それを見つける為に、今に生きているのだな、と思います。
などと駄目人間の私にこんな事を考えさせてしまうような、どすげえゲームだと言う事である。
★おまけ TAKEXのこいつはグッと来たぜ!ゲーム名シーンベスト5
1.セガサターン「街」 :隆士の母親が隆士の誕生日を告げるシーン
●ここで泣かないヤツは人間じゃねえ。哀しすぎる。あまりにも哀しすぎる。
隠しシナリオなのでプレーしてない人がけっこう多いが、号泣モノなのでプレー必須!!
2.セガサターン「街」 :「青虫抄」のラスト
●これも隠しシナリオだが・・・・いいのこれ?ってくらい衝撃的ラスト。
哀しいネェ・・・切ないネェ・・・・・・青ムシィィイイイーーーー!!!!
3.ゲームボーイ「聖剣伝説」 :マミーシーカーと別れるシーン
●自分を犠牲にして主人公を助けるマミーシーカー。そして
「・・・マタイツカ・・・アエルヨ・・・」 ・・・号泣
4.スーパーファミコン「ライブ・ア・ライブ」 :無謀松が死ぬシーン
●熱いッ!!熱すぎるぜ無謀松ッッ!!!アンタ男だよッ!!!!
カッコ良すぎ!!!さすが島本キャラ。
5.ゲームボーイ「カエルの為に鐘は鳴る」 :ラスト直前の決闘シーン
●リチャード王子がカッコ良すぎる。とてもガキとは思えない。
「・・・王子?泣いてるんですか?」・・・俺も泣いたね。
注釈:
※ロクな夢を見ない・・・この前、シーマンみたいな虫と友達になって、しかもそいつが俺のせいで死ぬ夢をみた。昼休みの後くらいまで怖かった。
※ロマンチック・・・このコーナーでこんな単語が出てくるとは思わなかった。
※「ゼルダの伝説 夢を見る島」・・・中古屋に行けば普通に売ってます。今度の連休にでも買いに行きましょう。あるいはエ(以下略)
※ゲームボーイソフト・・・単純にプレー時間で考えるなら、「ゲームボーイウォーズ」が一番ハマった。サルのよーにやりまくってた。ところで、ゲームボーイをゲボと略すのはすげえハイセンスだと思った。
※次世代機・・・いつの時代も「次世代機」と呼ばれる。たぶん、この言葉でどのハードを思い浮かべるかで世代が分ると思う。俺ならサターンかプレステ。もう旧世代・・・。
※あらすじ・・・今度はあってるんだろうな。もうビクビクもんです。
※今でも泣きそうになります・・・これを書いてて泣きそうになった。
※ポーカーフェイス・・・ホントにコイツには表情と言うものが無い。それでも感情が伝わってくるから不思議。ただの妄想という説もなきにしもあらず。