コスプレダンパは眠らない
ある土曜日の事であった。私は昼ごろ目覚めた。土日は休みなので問題はないのだが、この後メシ食ってまた寝てしまったのは問題であった。気がつくと夕方。夕べは別に夜更かししたわけではなく、12時頃に自分でも気がつかないうちに寝ていたのだが・・・これは不覚である。寝過ぎだ。しかし、よく考えたら寝すぎて困る事は別にない。特にする事もなかったし。このまま夜まで寝て、そんで夜また寝るのも良いかな・・・と思った瞬間。明日は?明日もする事ないじゃん?明日も寝て過ごすの、俺?っていうか俺の人生ってナニ?ふだん会社と家を往復して、土日は寝てるだけなの?俺の存在って一体ナニ??
と、見事にマイナス思考悪循環に見事にハマってしまい(別にこの日に限った事ではないのだが)、「このまま家にいたら、俺、死ぬ」と思った私は、もう夜だがどこかへ出かける事にした。しかし、今から出かけると行ってもどこにも行くとこないだろ・・・と思ったが、フト思い当たる事があり、部屋にあったイベント情報誌を手に取った。
「TOKYOアニメガナイト・3rd ボーイズコンピレーション」
・・・時間は夜22:00から翌朝5時まで。コレか!?場所は新宿ロフトプラスワン。今から充分時間に間にあう。自分は今までコスプレ関係のイベントにはよく行っていたものの、こういったダンパ関係には行った事がなかった。あるのは知ってたけど、そーゆー空気に馴染めないと思っていたからだ。しかし、今夜は他に行くところもない。ロフトプラスワンは前から気になっていた場所だ。どうせハズしたって家にいるよりはマシだろう。しかも今夜のテーマは「ボーイズ」、男である。しかも説明によると、「漢」と書いてオトコ。熱い熱血ソングが中心であると言う。先日、私がイヤがる後輩達を引き連れ徹夜でカラオケした時のような夜を、新宿でやると言うのである。これは行くしかあるまい。だが待て、自分はクラブとかディスコ(死語か?)とかのたぐいには一切行った事ないぞ。踊りなんて踊れないのにダンパに行って良いのか!?・・・む、よく考えたら普段私が部屋で筋肉少女帯をかけながら一人はしゃいでいる、アレは踊りとしてギリギリ通用するか!?暗黒舞踏としてなら通用しそうだが。ええい、考えていても仕方がない。どーせ家にいてもする事はない。駄文のネタにもなるし(便利だ)、レッツチャレンジ!!
というわけで、突然の思いつきから私はダンパデビューを果たす事となった。新宿には夜の九時ごろついてしまったので、マックで時間をつぶし、開場時間である9:30キッカリにロフトプラスワンへ。ちなみにこのロフトプラスワンという場所、リンク先を見ていただけると分ると思うが、ホントいろんな事をやっている。風俗嬢のエロ祭りをやったと思ったら太平洋戦争について語る夜をやり、この夜にコスプレダンパをやったと思ったら次の日にはコスプレ撲滅団体が使う事になっているのだから、その混沌さが伺えると言うもの。ポリシーがないのがポリシーというやつか。先日は大槻ケンヂと庵野秀明の対談をやっていたようだ。めちゃくちゃ行きたかった・・・。
なんだかんだで、会場につく。場所は地下2階だ。怪しい階段を降りると、すっげえ狭い廊下に人が所狭しと並んでいるではないか。どうやら前のイベントが押してしまい、開場が遅れているらしい。しょうがないので待つが、なにせ場所は狭い廊下である。否が応にも周りに目がいく。予想はしていたが、周りはやはり友達同士で来ているようだ。一人で来ているのは自分くらいではないだろうか。逃げ帰りたい衝動に駆られるが、地上までの階段はすでに待ち人で埋め尽されてしまい、ここを駆け抜ける方が勇気がいる。覚悟を決めて、開場を待つ事にする。
と、その時!DJの人が調整をしているのであろう、「ザンボット3」の曲が店内より流れてきた。自分が知っている曲なので安心する。のもつかの間!なんと、ザンボットの曲に合わせて待ち人が踊っているではないかッ!!ザ、ザンボットに振りつけなんてあったのか!?
こ、ここは自分の予想を遥かに越えた世界だったのではないだろうか!?戦慄が走る。
やっぱし帰ろうかな、などと思っていたら、開場である。もうこうなったら中に入るしかない。で、入った感想。・・・狭い。学校の教室くらいしかない。いや、もっと狭いかもしれない。このような場所で200人とも言われる参加者が踊る事などできるのだろうか。とりあえず、シラフだと呑まれそうなので奥のバーでアルコールを入れる。
よし、気合はバッチリだ。いつでも来い!でもとりあえずスミの方で様子を見よう。と言っても、開場してもなかなか始まらない。コスプレダンパなので、着替える人を待っているらしい。スタッフの細かい気配りが伺える。で、周りを観察してみると、どうやら一人で来ている野郎は自分の他にもけっこういる。「良かった、ボクは一人だけど一人じゃない」というよく分らない安堵感に包まれる。
そして会場も人で埋まって来て、いよいよスタートである!一曲目はドラゴンボールZであった。
ひっかっる雲を突き抜けファラウェイ〜♪・・・うおおおおおおお!!私の文章力では表現する事ができないくらい凄まじい盛り上がりである!そんなに好きかドラゴンボールZッ!!と、とりあえず様子を見る事にしよう・・・と、スミの方でタバコを吸ったりして様子をみる。
・・・そしてしばらく後。うん?
ちゃら〜ちゃらららちゃららちゃらら〜 ・・・これは・・・私のよく知っている曲だッ!0083の主題歌(メン・オブ・ディスティニー)であるッ!これは燃えねばなるまいッ!気がつくと絶唱。その後もアイアンリーガーやムサシロードと言ったツボ突きまくりの曲が流れ、周りにすっかり溶け込んみ(溶け込んでいたかどうかは定かではないが)、ふだん部屋でやっているような踊りで暴れまくっていた(ヤバ)。恐るべしアニメガナイト!
一通り暴れた後、休憩時間となった。時間を見ると深夜12時が近い。このイベントは朝まで続くが、ここで帰る事もできる。帰るならもうチャンスは今しかない。終電ギリギリである。・・・迷った挙句、とりあえず休憩終了後の一曲目を聞いて判断する事にした。それが私に合わない曲なら帰れば良いし、合えば残れば良いのである。で、休憩終了。さて、一曲目は・・・?
・・・(セリフ)「ズバっと参上、ズバっと解決ッ!人呼んで、さすらいのヒーロー!快傑ズバァァァット!!」
残る事に決定。もうこうなるとテンション上がりまくり。会場は異様な熱気に包まれ、「怪物くん」のエンディングテーマ(フンガーフンガーフランケンー ザマスザマスのドラキュラー♪ってやつね)でも盛り上がるくらいである。ルパン音頭までかかった。ここのDJの人はどっから曲を見つけてきているのだろう。スゴすぎる。しかも、会場の皆様はそれらの曲をほぼ全て知っている。スゴすぎだ。自称アニソンマニアの私であったが、ぜんぜん知らなかった事を思い知らされる。キャプテン翼の五枚目のアルバムとかから選曲されても、何がなんだか。井の中の蛙、大海を知らずである。だが、スーパーミルクちゃんのエンディングテーマがかかった時はけっこう知らない人が多かったようだ。よって、優越感につつまれ少し自慢げに「ダスダス!」と叫ぶ。よく考えたらなんの自慢でもない。
ハァ・・・しかし、深夜も2時を回ってくると流石に疲れた。よく見ると「返事がない。ただのしかばねのようだ」状態となった人達がちょくちょくいる。だが大半の人たちは未だに踊り狂っている。すげえ体力だ。っていうか、私の場合、体力より精神力が先に尽きたかもしれない。踊り狂っている時は良いのだが、休憩時間とか、周りが友達と話しているのにヒトリというのはけっこう辛い。特にクルのがトイレに行った時だ。用をたしている時、うしろからドア越しに聞える喧騒が、これまた寂寥感を引きたてる。もっとも、踊りだせばそーゆー事考えないで済むので、ひたすら暴れる。・・・ところで、ダンパ関係者じゃないのに深夜に狩り出されてきてるロフトワン店員の皆さん。えらい冷めた目でこちらを見るのはやめて下さい。イタイです。
・・・4時を回ったあたりから、さすがにカラダがついていかず、椅子に座って、知ってる曲が来たら手だけ振ってる、みたいな状況になる(なにやってんだ俺)。しっかし周りの人たちは永久機関でもつんでるんじゃねーかってくらい元気だ。もう6時間ッスよ。俺も見習わねばと思い、フラフラになっても立って踊ったりした。
で、そんなこんなでお開きの時間。最後の曲が終わった瞬間、一斉に帰り出す。私も帰る。そして、一人で駅に帰りながらつくづく思った。
「・・・楽しかったけど、今度は誰かと一緒に来よ」
次回は二月三日、テーマは「ガールズ」だそうです。どなたかご一緒いかが?