その名はリビドー
リビドー!
我が性的衝動を 捧げようか
我が生涯最大の性衝動の炎を
あまねくさまよう人に
(筋肉少女帯「愛のリビドー」より)
自他ともに認めるところであろうが、私の性的欲求は普通の人より強い。ま、そんなのしゃーない、と思っていたのだが、これが駄目人間としてのアイディンティティの危機となる事が、最近判明しつつある。
そもそも、エロ河童である事は駄目人間の必須条件だと思っていたのだが、案外そうでもないらしい。っていうか、私の周りの駄目人間どもの話を聞いても、男のくせに「性欲なんてサッパリ無い」というヤツが多い。欲望に正直なのは、どっちかっつうとしっかりしたヤツの方に多い様に思える。これは、駄目人間の神を目指す私にとって、抜き差しならぬウイークポイントとなってしまうではないか。「頭の皿が乾くと死んでしまう河童の水に対する執着」ばりに性に対する執着の強い私では、世にあまねく駄目人間たちの共感を得られないではないか!?
私のアイディンティティは駄目人間のほかにも「鬱」とか「ヒッキー風」とかあるが、(ロクなのがないが、)鬱や引きこもりの方々も、男性でも性欲が無いのが普通らしい。おかげで、それらの方々と仲良くなり(やっぱ俺に近いので最初は打ち解けやすい)「おお、彼とはうまくやっていけるかもしれん」と思っても、エロ話を始めたとたん引かれる引かれる。なんで?なぜだ!?普通、家に閉じこもってたら、マスマスもんもんとしてこないか!?っていうか、俺なんて外にでかけててもするぞ(←犯罪者予備軍)。そのやり場のないエネルギーは、一体どこで消化していると言うのだ!?
「そもそもエネルギーがない」という指摘もあるかもしれないが、そうなると俺にはますます理解できなくなっていく。なぜなら、あらゆる苦しみやしがらみは、何らかの「エネルギー」が存在しているから感じるのであって、まったく完全に無気力無機質無感動な人間は、まったく何にも苦しまなくて済むのではないか、と思っているからだ。そして、俺の場合はその「エネルギー」がリビドーであり、あらゆる苦しみはそこから来ていると思っている。そして、それを無くせたらどんなに楽か!!と悩んでいるのである。
一説に、男は生きてる限り数分に一回の割合で性的な事を考えているとか、いや数秒に一回だとか、まあ、とにかく男はいつもその事ばかり考えている生き物なのだ、とする説があるが(どーやって調べたんだそんなの)、俺が思うに、そんなの普通は高校生くらいまでである。そりゃ、男は一生、性欲からは解放されないとは思うが、一番ピークはなんと言っても十代の頃であろう。まさに、あの時期の野郎というのはサル並である。が、それも二十歳を過ぎたあたりから落ちついて来て、私の歳くらいになるとだいぶ落ちついているのが普通であろう。私の場合、衰えるどころか盛る一方である。そろそろ、クスリを飲んででも抑えた方が良いのではないかと思えてくる。
「いや、俺の知り合いで20過ぎてもサルみたいなヤツいるでえ」と言う方もおられるかもしれない。まあ、私もその人に会ってみないとハッキリした事は言えんが、俺のが上だろう。九割方。それでも「ヤツの方が・・・」と言うのであれば、少なくとも次の二点を確認して欲しい。
1.彼女はいるか
もし彼女がいるのなら、彼は正常とみて問題ないだろう。それが満たせるシチュエーションで欲求を発揮するのは、人として当然。目の前に食事があれば食いたくなるように、すぐそばにフトンがあれば寝たくなるように、そしてそれが許された範囲内であるならば、満たさない事にむしろ意味が無いと言え、欲望が解放されるのも無理のない事である。また、お互いに刺激しあえるのならば、エスカレートしたとしてもそれは異常ではない。私のように、一人身であるにも関わらずエロに対する飽くなき探求がエスカレートし続け、もはやレニヤード文庫かカーマスートラか、というほどのエロ知識を蓄えた者こそが異常と名乗れよう。
2.それはネタではないか
「エロネタ」というのは、もはやギャグのジャンルとして確立している。別名、オヤジギャグである。これは、中学〜高校くらいに刺激的なギャグだと喜んで使っていたヤツが、もはや刺激でもなんでもない歳になっても惰性で使いつづけて、20を過ぎても普通に使っている、というケースがありがちである。しかも、それがキャラクターとして定着してしまっている為にヘタにやめられず、中には無理をしてでもエロネタに結びつけなければならないという強迫観念にまで捕らわれてしまっているヤツもいるだろう。よって、いつもエロ話ばかりしているからといって本当に欲望超特急な男かと言うと、そうでない事の方がむしろ多いのである。(ちなみに、俺のエロネタは欲望から来てるので本物です。)
「いや、ヤツは彼女はおらんしネタでもないみたいやでえ」と言うのであれば、それはマジかもしれん。私と勝負する資格があると言えよう。もっとも、私は一人エロ界(ノーマルなエロと差別化を計る為、マスタベ目的のエロを「一人エロ」と名付ける)では「赤い彗星」とか「蒼い巨星」と言った二つ名がついてもおかしくない程のエロ・マスター。クラスで一番、程度のリビドー野郎では、とうてい太刀打ちできないだろう。
そもそも、今まで一人エロに費やした金と時間と情熱と労力をすべて学問に使えば、オックスフォード大学くらいには余裕で入れたであろう、というくらいに蓄積があるのである。そんじょそこらのエロ河童と一緒にされては困る。
よく飲み会などで、「死ぬ前に、部屋にあるエロ本はすべて処分しておきたい」みたいな事をいうヤツがいるが、俺はもうすでに一日や二日では到底処分しきれないくらいエロ本が溜まっている。とりあえず、俺の部屋の四箇所の「エロ置き場」が全て満タンなので、少なく見ても引っ越し用のでかいダンボールが二つは埋まるであろう。俺が死んだらどーなるんだ、これ。
しかも、これら一冊一冊、エロ本専門店を何軒も足を棒にして探し続け、ようやくゲットした品々なので、捨てるに捨てられないのである。いやあ、よく溜まったもんだ。履歴書の趣味の欄に「エロ本専門店のハシゴ」と書いても良いくらいだからな、私は。だから当然、本屋に立ち寄った時は習慣でエロコーナーを物色しに行ってしまうし、コンビニに行けば「少年ジャンプ」を立ち読みするような自然さでエロ本を立ち読みしている。
最近、エロ本に匹敵するほど溜まりつつあるのが、エロ画像である。もう、ちょっとメールチェックのつもりでネットにつないで、気がついたら4時間たっていた、という事が何度あったであろう。当然、エロサイトで勝手に開く広告の為にパソコンがフリーズし、再起動を何度か繰り返しつつ、であるのは言うまでも無い。日曜日に起きてすぐネットにつなぎ、フラフラとエロサイトへ行ってしまい、気がついたら夕方で、それで休日が終わってしまう、という事も珍しくないくらいだ。
当然、画像は溜まる溜まる。ある程度たまったらCDに焼いて保存しているが、ちょっとしたデータベース、と言っても過言ではないくらい溜まっている。これだけ溜まるとその整理だけでもハンパではない労力が取られる為、「俺のエロ画像整理支援(にしか利用できない)ソフト」をVBで作ってしまおうとした事もあるくらいである。
ところで、俺の言うエロについて少し詳しく補足しておくと、「全裸のおねーさんが脚おっぴろげてる」ような、AVのワンシーンのような、いわゆる世間一般で言う「エロ画像」は好きではない。っていうか、全裸はかえって好かん。エロというにはおとなしめの、水着とかそのレベルがツボである。だが、官能小説やエロゲーはSMモノしか手を出さない。このへん、少々矛盾しているかもしれん。ロリコンの傾向もあるがお姉さん系も好きであり、ロリと言えばセーラー服やスクール水着が王道でお姉さん系ならレースクイーンとか(この話題だけで駄文全50回より長くなるのでこの辺でやめておく)
ここまで来ると、エロも純粋になる。エロが純粋に「好き」になってしまう。鉄道マニアが鉄道が好きな様に、ラーメンマニアがラーメンを好きな様に、エロマニアの私はエロが好きなのだ。と同時に、エロであるが故に生理的な欲望も常についてまわってしまう。だが、欲望「だけ」の為ではない。のだが、やっぱり「欲望」もついてくる・・・という、アンビバレンス、二律背反の葛藤まで生まれてしまう。だが好きなのだ。求めてしまうのだ。「欲望」により、「想い」により。そしてまた、最近はエロサイト(と俺が定義している)の水着のコ達が天使に見えてきましたわ。そろそろ入院ですか?
* * *
さて、お話しはぜんぜん変わって。先日、大阪へ遊びに行った時、きりおの部屋に泊まった。(こんなテーマの時にこんな話をすると誤解されそうだが、変な展開は無い。)で、適当に漫画など読んで時間を潰していたのだが、(何しに大阪へ行ったんだ)
ふときりちゃが「麦茶のまへんの?」の聞いてきた。へ?そんなのあったっけ?と思い顔を上げると、「俺はさっきから飲んでるがな」と言われる。あ、言われて見れば、そーかも。麦茶あるやん。わー、めっちゃ飲みたくなった。俺の分も持ってきてえ。今すぐー。
・・・ハッ!そーか、そーゆー事か。俺は素直すぎるのか、もしかして。今の世の中、テレビ、雑誌、ゲーム、ネット、あらゆる分野で刺激に満ち溢れている。そしてそんな世界で生きている我々は、常に刺激を受け続けている。そして、それらの刺激の中で最も強く、多いのが、セクシャルなものだ。俺は素直にいちいち律儀に敏感に、それらに反応し続けているのではないだろーか。
更に言うなら、俺の生きているオタクな世界、ここは更に刺激の強い世界だ。もっとも、オタク野郎なのに性欲がパッタリ無いヤツもいるので一概に言えないが、これも私のリビドーの後押しをしているのは間違い無いであろう。(っていうか、俺の知る限り、オタク野郎はエロガキか無欲か両極端しかいない。健康なヤツはおらんのかい。)
ああそうだったのか、家に閉じこもっていないで、勉強にスポーツに精を出していれば、今みたいなビョーキにはならなかったのねッ!少年時代より抑圧され続けたエナジーが、性欲となって俺の中でうずまいているというワケだったのねッ!!
ああ、当たり前といえばなんと当たり前な現実であろうか。しかし、今更どーしろというのだ。結局、今ではプログラマとなり毎日パソコンと向かい合う日々で、ますます傾向としては悪化していると言えるのではないか。実は、マジで病院に行こうかとも思ったのだが、「性欲が強くて困ってるんですけど」とは流石になかなか言えない。となると、この私の中の猛獣と、なんとか生きて行くしかない。強暴さと執念深さを併せ持つこの怪物を、なんとか飼いならしてやっていくしかない。これはおそらく私の人生最大のテーマとなろう。と同時に、私の人生最大の課題となるであろう。
私の中で私を支配する、もっとも強固な鎖。その名はリビドー。
常に私と共にある彼に、今回の駄文を捧げよう。