中間値の定理、最大値・最小値の定理、一様連続の定理

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定理35 ( 中間値の定理 )

f(x) は 閉区間 [a、b] で連続であるとする。

f(a)< f(b) とする。

このとき、任意のμ∈(f(a)、f(b))に対して、ある点 c∈[a、b] が存在して、f(c)=μとなるようにできる。

この定理を証明するには、次の定理35’を証明すればよい。

f(x)=g(x)+μとおけば、定理35と定理35’は同じ意味になるからだ。

定理35’

g(x) は 閉区間 [a、b] で連続であるとする。

g(a)<0<g(b) とする。

このとき、ある点 c∈[a、b] が存在して、g(c)=0 となるようにできる。

証明

次のようにおく。



ここで、区間 I の中点を x とする。

すなわち、



このとき、次のいずれか1つが成り立つ。

(*1) g(x)=0  (*2) g(x)<0  (*3) g(x)>0

もし、(*1)ならば証明は終わる。

もし、(*2)ならば a=x、b=b とおき、I=[a、b] とおく。

もし、(*3)ならば b=x、a=b とおき、I=[a、b] とおく。

どちらでも同じように議論できるから、ここでは(*2)の場合を考える。

このとき、



さらに、区間 I の中点をとり、上と同様の議論によって、a、b、I を決める。

これを繰り返すと、



よって、a は単調増加数列、b は単調減少数列である。

しかも、a、b の取り方から、つねに次が成り立つ。



また、



よって、ある点 c が存在して、次を満たす。(定理C)



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

次に、g(c)=0 となることを示す。

g(c)<0 と仮定する。(背理法)

いま、g(x)は c で連続である。

よって、



εは任意でよいから、εを十分小さくとれば、g(x)<g(c)+ε<0 となるようにできる。

すなわち、任意の x∈(c−δ、c+δ)に対して、g(x)<0 となるようにできる。



いま、a→c、b→c (n→∞) である。

よって、n を十分大きくとれば、a、b∈(c−δ、c+δ)となる。

このとき、g(a)<0 かつ g(b)<0 である。

これは(*)に矛盾する。



g(c)>0 と仮定しても、同様の議論により矛盾が示される。

よって、g(c)=0 である。

補足

上の証明の後半は定理29を用いてもよい。

別証明

g(a)<0<g(b)とする。(★1)

A={ x|x∈[a、b]、g(x)≦0 }とおく。

集合 A は上に有界であるから、supA=c が存在する。(※公理A)

よって、



このとき、次が成り立つ。(※定理12)



いま、g(x)≦0 である。

g は連続であるから、次が成り立つ。(※定理29)



よって、g(c)≦0 である。(※定理8)(★2)

よって、c∈A である。

よって、a≦c≦b である。

b=c と仮定する。(背理法)

このとき、(★1)、(★2)より、0<g(c)≦0 となって矛盾する。

よって、c<b である。

よって、次が成り立つ。(※定理D)



このとき、



よって、



g は連続であるから、次が成り立つ。(※定理29)



よって、g(c)≧0 である。(※定理8)(★3)

(★2)、(★3)より、g(c)=0 である。

補足

ところで、関数が連続でない場合、中間値の定理は成り立つとは限らない。

( 反例は簡単に思い付くであろう )

逆に言えば、中間値の定理の証明では必ず関数の連続性を利用する。

実際、上記の2つの証明は手法は異なるが、どちらも関数の連続性を用いていることが分かるであろう。

定理36 ( 最大値・最小値の定理 )

f(x) は閉区間 [ a,b ] で連続であるとする。

このとき、f(x) はこの区間において必ず最大値・最小値をもつ。

証明

まず、f(x) が閉区間 [ a,b ] において有界であることを示す。

次のようにおく。



K は上に有界でないとする。(背理法)

すると、任意の自然数 n に対して、ある x∈[a、b] が存在して、f(x)>n となる。(★)

いま、任意の x は [a、b] に属する。

よって、(xn∈ は有界である。

よって、(xn∈ は収束する部分列を含む。(※定理E)

その部分列を(xρ(n)n∈ とおく。

ここで、次のようにおく。



このとき、a≦c≦b である。(※定理9)

f(x)は c で連続であるから、次が成り立つ。(※定理29)



f(c)は1つの定まった値であるから、もちろん有限である。

ところが、(★)より、f(xρ(n))>ρ(n)である。

よって、



これは(*)に矛盾する。

よって、K は上に有界である。

Kが下に有界であることも同様に示されるから、Kは上下に有界である。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

次に、最大値・最小値が存在することを示す。

K は上下に有界であるから、上限と下限が存在する。(※公理A)

その上限と下限を次のようにおく。



( M、m∈K を示せば、M、m が最大値、最小値になるので、定理の証明が完了する )

M∈Kについて示す。( m∈Kについても同様に議論できるので、m については省略する )

n∈ とおく。

M は K の上界の最小元であるから、M より小さい数は K の上界ではない。

よって、M−(1/n)は K の上界ではない。

よって、ある y∈K が存在して、M−(1/n)<y≦M となる。

∈K であるから、ある x∈[a、b] が存在して、y=f(x)となる。

よって、



任意の x は [a、b] に属している。

よって、(xn∈ は上下に有界である。

よって、(xn∈ は収束する部分列を含む。(※定理E)

その部分列を(xρ(n)n∈ とおく。

ここで、次のようにおく。



このとき、a≦c≦b である。(※定理9)

f(x)は c で連続であるから、次が成り立つ。(※定理29)



(xρ(n)n∈ は(xn∈ の部分列であるから、(*1)より、



よって、次が成り立つ。(※定理12)



(*2)より、f(c)=M である。

よって、M∈K である。

よって、M は K の最大値である。(※定理4(2))

定義 ( 一様連続 )

区間 I で定義された関数 f(x) に対して、次が成り立つとする。



このとき、『 f(x)は区間 I において一様連続である 』 という。

補足 ( 関数の収束との違い )

定義(関数の連続性)では、次のように表した。



ここでは固定された数 a を扱っていたが、一様連続では区間 I における任意の2点を選んでいる。

補足

一様連続の概念は直観的にも分かりやすい。

例えば、I= で定義された f(x)=x が一様連続でないことを確認してみよう。

試しに、ε=1 としてみよう。

このとき、任意の2点 x、x∈ I に対して、次を満たすようなδは存在するだろうか?



実は、存在しないのである。

例えば、δ=0.2 としてみよう。

このとき、確かに x=1、x=1.1 とすると、



ところが、x=10、x=10.1 とすると、



すなわち、1 よりも大きくなってしまう。

では、δ=0.1ならばどうか?δ=0.01ならばどうか?

直観的にも分かるように、δをどんなに小さくとっても、

任意の x、x に対して|f(x)−f(x)|<1が成り立つようにはできないのである。

よって、f(x)=x は一様連続ではない。

f(x)=x の場合、原点から離れるに従って急激に値が増加することが原因である。

定理37

f(x) は有界閉区間 I において連続であるとする。

このとき、f(x) は I 上で一様連続である。

証明

I=[a、b]とおく。

f(x)は連続だが、一様連続ではないとする。(背理法)

すなわち、



すなわち、



すなわち、



すなわち、



すなわち、



δは任意であるから、δ=1/n とおいてよい。

すると、任意の n∈ に対して、ある x1(n)、x2(n)∈ I が存在して、



任意の x1(n) は I に属している。

よって、数列(x1(n)n∈ は有界である。

よって、(x1(n)n∈ は収束する部分列を含む。(※定理E)

その部分列を(x1(ρ(n))n∈ とおく。

さらに、次のようにおく。



同様に、(x2(n)n∈ は収束する部分列を含む。(※定理E)

その部分列を(x2(ρ(n))n∈ とおく。

さらに、次のようにおく。



ρ(n)≧n であるから、



n→∞ とすると、|c−c’|=0 である。(※定理12)

よって、c=c’である。

また、c∈ I である。(※定理9)

f(x)は c で連続であるから、次が成り立つ。(※定理29)



よって、



これは(*)の2つ目の式に矛盾する。












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