ロルの定理、平均値の定理、テイラーの定理

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C10

I を開区間とし、a∈ I とする。

f:I→ を関数とする。

このとき、次の(1)、(2)は同値である。



( すなわち、(1)、(2)はどちらも f が a で微分可能であることを意味する )

証明

次のようにおく。



後は B2 を適用すればよい。

C11 ( ロルの定理 )

f∈C[a、b] とおく。

f は(a、b)上で微分可能であるとする。

このとき、

証明

次が成り立つ。(※B14:最大値・最小値の定理)



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

f(α)=f(β)の場合、f は定値関数である。

よって、任意の x∈(a、b)に対し、f’(x)=0 である。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

f(α)>f(β)の場合を考える。

このとき、f(α)>f(a)≧f(β) または f(α)≧f(a)>f(β)である。

ここでは f(α)>f(a)≧f(β)と仮定する。

いま、α≠a かつ α≠b である。

よって、



このとき、



よって、



よって、



また、仮定より、f はαで微分可能である。

よって、(*1)より、f’(α)≦0 である。(※C10)

また、(*2)より、f’(α)≧0 である。(※C10)

よって、f’(α)=0 である。

C12 ( 平均値の定理〜その1 )

f∈C[a、b] とおく。

f は(a、b)上で微分可能であるとする。

このとき、

補足

明らかに、上式は次のように書き換えても意味は同じである。



こちらの形もよく使用する。

証明

次のようにおく.。



このとき、g は [a、b] 上で連続である。(※B5’’)

また、g は(a、b)上で微分可能である。(※C4’)

また、g(a)=f(a)=g(b)である。

よって、ある c∈(a、b)が存在して、g’(c)=0 となる。(※C11)

よって、

C13 ( 平均値の定理〜その2 )

f、g∈C[a、b] とおく。

f、g は(a、b)上で微分可能であるとする。

任意の x∈(a、b)に対して、g’(x)≠0 とする。

このとき、

証明

g(a)=g(b)と仮定する。(背理法)

このとき、ある c∈(a、b)が存在して、g’(c)=0 となる。(※C12)

しかし、これは仮定に矛盾する。

よって、g(a)≠g(b)である。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

h(x)=(g(b)−g(a))(f(x)−f(a))−(f(b)−f(a))(g(x)−g(a))とおく。

このとき、h(a)=h(b)=0 である。

よって、ある c∈(a、b)が存在して、h’(c)=0 となる。(※C11)

よって、定理が示された。

C14

I=(a、b)とする。

f:I→ を関数とする。

f は I 上で微分可能であるとする。

このとき、次の(1)〜(4)が成り立つ。

(1) 任意の x∈ I に対して f’(x)≧0 ならば f は I 上で単調増加関数である。

(2) 任意の x∈ I に対して f’(x)>0 ならば f は I 上で狭義増加関数である。

(3) 任意の x∈ I に対して f’(x)≦0 ならば f は I 上で単調減少関数である。

(4) 任意の x∈ I に対して f’(x)<0 ならば f は I 上で狭義減少関数である。

(1)の証明

、x∈(a、b)とおき、x<x とする。

このとき、f∈C[x、x] である。(※C3’)

また、もちろん、f は(x、x)で微分可能である。

よって、次が成り立つ。(※C12)



仮定より、右辺は 0 以上である。

よって、



よって、f(x)≧f(x)である。

よって、f は増加関数である。

(2)〜(4)の証明

(1)と同様である。

C15 ( テイラーの定理 )

n∈ とおく。

f∈C[a、b] とおく。

このとき、



( R を 『 ラグランジュの剰余項 』 という )

補足

テイラーの定理は平均値の定理を高階微分まで拡張したものであるといえる。

実際、n=1とすると、これは平均値の定理とほぼ同じになる。

証明

ρ∈ とおく。

関数 g を次のように定義する。



(ρはまだ定められていないことに注意 )

明らかに、g は [a、b]上で連続関数である。

また、g(b)=0 である。

一方、



そこで、次のようにおく。



このとき、g(a)=0 である。

よって、次が成り立つ。(※C11:ロルの定理)



また、



よって、



よって、(*2)より、



(*1)を代入して整理すると、

C16 ( テイラー展開 )

n∈ とおく。

f∈C[a、b] とする。

このとき、明らかに、f∈C[a、b] である。

ここで、R を f のラグランジュ剰余項とする。

さらに、次が成り立つとする。



このとき、次が成り立つ。

証明

仮定より、f∈C[a、b] である。

よって、任意の x∈[a、b] に対して、f∈C[a、x] である。

よって、次が成り立つ。(※C15:テイラーの定理)



いま、f∈C[a、b] であるから、

定義 ( マクローリン展開 )

C16 において、とくに a=0 であるとする。

すなわち、



これを 『 マクローリン展開 』 という。

C17

e は無理数である。

証明

e は有理数であると仮定する。(背理法)

そこで、m、n を正の整数として e=m/n とおく。(★)

f(x)=e とおく。

C15(テイラーの定理)において、a=0 b=x とすると、



よって、



x=1 とすれば、



n を n+1 に置き換えると、



(★)より、n!e は正の整数である。

よって、(*)より、e/(n+1)も正の整数である。

いま、e<3 である。(※A23の証明の中で示した )

よって、e<e<3 である。

よって、



よって、n+1<3 である。

よって、n=1 であるから、e=m である。

つまり、e は正の整数である。

ところが、(*)より、2<e なので、2<e<3 であるから、これは矛盾である。

よって、e は無理数である。